2018年02月21日

第107回看護師国家試験問題解説・症例問題1

107P91〜93
次の文を読み91〜93の問いに答えよ.
Aさん(62歳,男性).1人暮らし.1週前から感冒様症状があり様子をみていたが,呼吸困難と咳嗽が増強したため外来を受診した.胸部エックス線写真と胸部CTによって特発性肺線維症idiopathic pulmonary fibrosisによる間質性肺炎interstitial pneumoniaと診断され入院した.
既往歴:42歳で糖尿病diabetes mellitusと診断された.59歳と61歳で肺炎pneumoniaに罹患した.
生活歴:3年前から禁煙している(20〜59歳は20本/日).
身体所見:BMI 17.6.体温38.8℃,呼吸数30/分,脈拍112/分,血圧140/98mmHg,経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉91%.両側下肺野を中心に,吸気終末時に捻髪音あり.呼気時は問題ないが,吸気時に深く息が吸えない.ばち状指を認める.
検査所見:血液検査データは,白血球13,000/μL,Hb 10.5g/dL,総蛋白5.2g/dL,アルブミン2.5g/dL,随時血糖85mg/dL,CRP 13.2mg/dL.動脈血液ガス分析で,pH 7.35,動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉38Torr,動脈血酸素分圧〈PaO2〉56Torr.胸部エックス線写真と胸部CTで,下肺野を中心に輪状影,網状影,淡い陰影あり.

107P91
入院時のAさんの身体状況のアセスメントで適切なのはどれか.
1.水様性の気道分泌物が貯留している.
2.呼吸性アシドーシスである.
3.栄養状態は良好である.
4.T型呼吸不全である.


特発性肺線維症idiopathic pulmonary fibrosisによる間質性肺炎interstitial pneumonia症例に関する問題です。これまであまり出題されたことがない疾患だと思うのですが、だいたいこういう、これまでに出題されたことのない類の疾患について問うときは、その疾患について十分な知識がなくても解けるような問題が出題されることが多いので、焦らずじっくりと考えていきましょう。

症例は62歳、20年前から糖尿病、数年前から肺炎を繰り返しており、免疫力の低下が想定されます。感冒後呼吸困難と咳嗽が増強し入院となった、ということです。

体温38.8℃,呼吸数30/分,脈拍112/分,SpO2 91%と、発熱があり呼吸が悪そうですね.両側下肺野を中心に,吸気終末時に捻髪音あり.検査では,白血球13,000/μL,CRP 13.2mg/dL で炎症がありそう、Hb 10.5g/dL,総蛋白5.2g/dL,アルブミン2.5g/dLと、貧血気味で栄養状態も悪そうです.動脈血液ガス分析で,pH 7.35,PaCO2 38Torr,PaO2 56Torrと呼吸不全です.

さて入院時のアセスメントですが、選択肢に沿って考えてみますと…。

1.水様性の気道分泌物が貯留している.
⇒昨日の記事でも書きましたが、水様性の気道分泌物が貯留しているときに聴取される副雑音は、粗い断続性副雑音(水泡音)と呼ばれています。本症例では細かい断続性副雑音(捻髪音)が聴取されているのでこれは誤りです。

2.呼吸性アシドーシスである.
⇒動脈血液ガス分析で,pH 7.35,PaCO2 38Torrであり、PaCO2は正常でアシドーシスではありません。

3.栄養状態は良好である.
⇒上でも書いたとおり、低アルブミン血症であり、栄養状態はあまりよろしくないと考えられます。

4.T型呼吸不全である.
⇒動脈血液ガス分析で,pH 7.35,PaCO2 38Torr,PaO2 56Torr、PaO2<60TorrでPaCO2正常範囲ですから、T型呼吸不全です.○

ね、基礎的な呼吸器の知識があれば解けるでしょう?

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2018年02月20日

第107回看護師国家試験問題解説・異常呼吸音

医師国家試験問題の解説を作成して送ったと思ったら、看護師国家試験問題がやってきて、さらに専門医試験の模試もやってきました。明らかに自分の処理能力を超えています…。ごちゃごちゃ言ってないで始めましょう。

107A19
異常な呼吸音のうち高調性連続性副雑音はどれか.

1.笛のような音〈笛音〉
2.いびきのような音〈類鼾音(るいかんおん)〉
3.耳元で髪をねじるような音〈捻髪音〉
4.ストローで水に空気を吹き込むような音〈水泡音〉


こちらは解説の書きようがないのですが…連続性副雑音とは、ブーとかピーとかいう感じで表される、同じような音が連続して続く音です。

笛のようなピーという高い音の高調性連続性副雑音(笛音)1と、鼾(いびき)のようなブーという低い音の低音性連続性副雑音(類鼾音)に分けられます。高い音は細い気管支の狭窄≒喘息、低い音は太い中枢の気管支の狭窄で生じます。

それに対して断続性副雑音とは、パチパチ、とか、プツプツ、みたいに、途切れ途切れの音の集合体として聴こえる音です。

間質性肺炎の時に、硬くなった気道が吸気時に急に開くときの、パチパチ、という、耳元で髪をねじるような音(捻髪音)は細かい断続性副雑音、そして、気道内に溜まった分泌物が空気の移動でプツプツ震えることで生じる、ストローで水に空気を吹き込むような音(水泡音)が粗い断続性副雑音と呼ばれています。


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2018年02月19日

画像検査と呼吸機能検査で慢性咳嗽を診断するには19

慢性咳嗽の原因として『胃食道逆流症(GERD)』があります。ただ逆流しているだけではもちろん胸部X線写真に異常所見は見られませんが、食道裂孔ヘルニアがあったり、強皮症などで食道の拡張があったりする場合には、食道内の空気像が縦隔内に見えたりします。

スライド29.JPG

スライド30.JPG

ヘルニアや食道の硬化があるとGERDが生じやすいので、こういった所見は診断のヒントになることがあります。

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posted by 長尾大志 at 18:30 | Comment(0) | 胸部X線道場

2018年02月18日

ただいま診断中セミナー@ 静岡県立総合病院「ただいま肺炎診断中!」

今日は静岡県の、静岡県立総合病院さんで行われた、ただいま診断中セミナー@ 静岡県立総合病院「ただいま肺炎診断中!」でお話をして参りました。

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どこかで聞いたことがあるような…??と思われた方、正解です!

『ただいま診断中!』とは、『呼吸器内科 ただいま診断中!』に端を発した、中外医学社さんの人気シリーズ(呼吸器内科以外は…汗)。その著者達による勉強会であります。著者達とは…

『救急外来 ただいま診断中!』の坂本壮先生

『感染症内科 ただいま診断中!』の伊東直哉先生

んで私。

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坂本先生の「病歴!」伊東先生の「G染!」私の「画像!」で肺炎づくしの午後のひととき。

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県立総合病院さんは研修医の先生方の数も多く、賑わっておりました。うらやますい。県立総合病院の大下様には大変お世話になりました。ありがとうございました!

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坂本先生、伊東先生、そして古谷先生も、本当にありがとうございました!また是非やりたいですね!

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posted by 長尾大志 at 21:26 | Comment(0) | 活動報告

2018年02月17日

あんたんパパによる生誕祭のお手紙を聴いて、努力の意味を考えた2

今回の記事は1月27日の記事の続きです。人並み以上に努力をすることで、仕事が楽しくなり、人生が充実する、人生における幸せのメカニズムに気づかせてくださったのがあんたんパパでした。

翻って、昨今の若い先生方や学生さんからは「QOL重視」という見解をよく聴きます。今年は専門医制度のおかげ?もあり、内科志望者が激減したといいます。専門医取得までにより長い期間(1年とか)かかるようになった、これも一因のようですし、内科のQOLがよろしくない、というのもあるでしょう。

学生実習の時に見ていると、「ああ、適当に生きてるよなあ」という人は一定の割合でいて、そういう人はだいたい、○○科とか△△科とかに…。

無理やりかもしれませんが、QOLが高くてルーチンワークでそれなりの給料、という仕事に、やりがいとか幸せ、とか、そういうものがあるのかな、と不思議な感じがするのですね。

最近よく申し上げるのですが、働くということは、今後の人生の、少なく見積もっても1/3とか1/4くらいの時間を仕事に捧げることになるわけで、その仕事で喜びとかやりがいがなければ、人生の1/3とか1/4はつまらない、となってしまうのではないか、と余計な心配をしてしまいます。

頑張る必要がある仕事の中にこそ、幸せがあったりする。頑張り続けると、その仕事が面白くて仕方がなくなってくる。そうなると、土日に休むのがモッタイナイ、早く仕事をしたい、何とか家でも出来ないか、あるいは仕事をどんどん入れたくなる。今の自分はそういう状態なのですが、こういう考え、昨今ではブラック、といわれるのでしょうかね?

結論。メジャー科で頑張ると、人生が充実して幸せに近づく。

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posted by 長尾大志 at 14:34 | Comment(0) | 日記

2018年02月16日

第112回医師国家試験問題解説・肺炎とか2

112F64
90歳の女性.発熱を主訴に来院した.6年前に脳出血を発症し日常生活動作〈ADL〉が低下したため,現在は介護老人保健施設に入所している.3日前から38℃台の発熱があり,胸部X線写真で肺炎と診断された.

この患者の喀痰から検出される可能性が最も高い菌はどれか.
Escherichia coli
Klebsiella pneumoniae
Pseudomonas aeruginosa
Streptococcus pneumoniae
Staphylococcus epidermidis


この問題で問いたいのは、一体何なのか。今回は出題者の意図がわからない問題がちらほらありますが、こちらもそんな感じですね。

90歳女性、6年前に脳出血を発症、ADL低下、介護老人保健施設に入所中、で肺炎、ですから、バリバリの医療・介護関連肺炎です。つまりこの問題は、「医療・介護関連肺炎の原因菌で最も多いのはどれか」と簡単に読み替えることが出来るのです。

これはご存じでしょう。え?誤嚥が多いから嫌気性菌だろう?イヤイヤ。

じゃあ、耐性菌が多いから緑膿菌だろう?違いますよ。市中肺炎と同じく、d Streptococcus pneumoniaeです。


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2018年02月15日

第112回医師国家試験問題解説・肺炎とか

112A17
62歳の男性.胸部食道癌の術後に人工呼吸から離脱できず,アンピシリンの投与を受けていた.術後3日目の朝,39.1℃の発熱と喀痰増加がみられ,胸部X線写真で右下肺野に新たな浸潤影を認めた.血液および喀痰培養を行い抗菌薬を変更したが,術後4日目になっても39℃を超える熱が持続している.培養検査の結果はまだ判明していない.

この時点の対応として適切でないのはどれか.
a 上体を30度挙上する.
b ドレーン排液の性状を確認する.
c 気管チューブのカフ圧を確認する.
d 抗菌薬を再度変更する.
e 創部の状態を確認する.


こちらの症例、問題に至る前に突っ込みドコロが多いのですが、人工呼吸器関連肺炎(ventilator-associated pneumonia:VAP)として血液および喀痰培養を行い抗菌薬を変更した翌日に、まだ熱が出てるからって、慌てて抗菌薬の変更をするなよd、ってメッセージだと思います。

昨年出た『成人肺炎診療ガイドライン2017』ではわざわざVAPの項目が設けられて、対応であったり予防であったりの項目が記載されているわけで、この内容については受験生も知っておくのが望ましいということでしょう。まあ、そこまでたくさんの項目が要求されているわけではありませんが…。

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2018年02月14日

第112回医師国家試験問題解説・感冒後の女児

無事に静岡から帰って参りました。ご参加の先生方、本当にありがとうございました。

さて締め切りも近いので、じゃんじゃん進めましょう。


112C37
1歳3ヵ月の女児.長引く咳嗽と鼻汁とを主訴に母親に連れられて来院した.1週間前に39℃台の発熱,鼻汁および咳嗽が出現し,かかりつけ医でセフェム系抗菌薬と鎮咳薬とを処方され,2日後に解熱した.その後も内服を続けているが,鼻汁と痰がらみの咳が続いている.鼻閉のために時に息苦しそうな呼吸になるが,夜間の睡眠は良好である.食欲は普段と変わらず,活気も良好でよく遊ぶ.呼吸器疾患の既往はない.身長75cm,体重10.2kg.体温37.1℃.脈拍112/分,整.呼吸数30/分.SpO2 98%(room air).咽頭に発赤と白苔とを認めない.心音に異常を認めない.鼻閉音を認めるが,呼吸音には異常を認めない.

患児に対する対応として適切なのはどれか.
a 抗菌薬をマクロライド系抗菌薬に変更
b ロイコトリエン受容体拮抗薬の追加
c 内服薬を中止し経過観察
d 抗ヒスタミン薬の追加
e β2刺激薬の吸入


小児の感冒後鼻汁・鼻閉です。これも呼吸器か?とも思いますが、まあやりましょう。

バイタルや呼吸音に問題なく、喘息は否定しろってことでしょう。日常臨床なら内服薬を中止し経過観察cですが、鼻閉で時に息苦しい表情になる、これを重視して(わざわざ連れてきているんだし)鼻閉といえばロイコトリエン受容体拮抗薬b、という出題者がいても驚きません。どうなんでしょうか?





112C38
59歳の男性.労作時の呼吸困難を主訴に来院した.3年前から労作時の呼吸困難があったがそのままにしていた.健診で胸部の異常陰影を指摘されたため,心配になり受診した.身長172cm,体重70Kg.体温36.3℃.脈拍80/分,整.血圧128/84mmHg.呼吸数18/分.SpO2 95%(room air).心音に異常を認めない.呼吸音は正常だが,両側の背部にfine cracklesを聴取する.胸部X線写真(両側下肺野モヤモヤ)と胸部CT(蜂巣肺らしき陰影)とを別に示す.

下に示すflow-volume曲線のうち,この患者で予想されるのはどれか.
a @ 形は正常に近いが横幅が小さい
b A たぶん正常
c B 閉塞型、下に凸
d C 頭打ち中枢狭窄型
e D 全体的に上に凸だが横幅は正常


でました。フローボリューム曲線。最近毎年出ますねえ。今年は閉塞性障害じゃないものを選ばせます。fine cracklesありCTからも特発性肺線維症、拘束性障害でしょう。とすると肺活量⇒肺気量が小さくなるので、横幅が小さなaしか選択肢は残りませんね。

でもちょっとモヤモヤするのは、本当なら特発性肺線維症では上に凸の曲線になるはず。で、eを選びたくなる気持ちもわかるのですが…。





112C66
ある患者の動脈血ガス分析(room air)のデータを示す.
pH 7.40,PaCO2 36Torr,PaO2 79Torr.
肺胞気-動脈血酸素分圧較差〈A-aDO2〉を求めよ.
ただし,小数点以下の数値が得られた場合には,小数第1位を四捨五入すること.
解答@ATorr
@ A
0 0
1 1
2 2
3 3
4 4
5 5
6 6
7 7
8 8
9 9


これも必出ですので、皆さん出来るでしょう。肺胞気-動脈血酸素分圧較差〈A-aDO2〉の原理については、やさしイイ呼吸器教室88ページ〜がお役に立つと思います(笑)。

これはでも、使う数字が限定されてしまっていて、これでいいんかな、と心配になるレベルですね…。本来は条件を明示すべき。問題が足りなくて急造したような問題です。

A-aDO2=150−PaCO2 ÷0.8−PaO2
    =150−36÷0.8−79
    =150−45−79=26





112D5
気胸でみられる所見はどれか.
a 胸壁動揺
b 下顎呼吸
c テタニー
d 呼気の延長
e 患側の呼吸音減弱


出ました。身体診察所見を問う問題は最近の流行りです。ウチの対策でも「出るよ」って言いましたよね!気胸では患側の呼吸音減弱e、間違えてはいけない問題です。





112D10
胸膜中皮腫について正しいのはどれか.
a 良性腫瘍である.
b 上皮型が最も多い.
c 両側に病変を認めることが多い.
d 硅酸〈ケイ酸〉曝露との関連性が認められる.
e わが国での年間死亡者数は1万を超える.


中皮腫の問題。こんなことまで学生で知っておかなくてはならないのか!?と思いましたが、イヤーノートには上皮型が最も多いbってちゃんと書いてありました。まあ消去法でもなんとか出来るかなあ。でもって、次の版では太字になるのかなあ…。





112D15
肺移植の適応となる疾患はどれか.3つ選べ.
a 肺リンパ脈管筋腫症〈LAM〉
b 特発性肺線維症〈IPF〉
c 特発性肺動脈性肺高血圧症
d 肺アスペルギルス症
e 肺小細胞癌


肺移植の適応ですか。LAMもPAHも勉強する項目の中に、「難治で移植云々」とあるでしょうし、IPFも治療法がない、ということがわかっていれば、abcは選べるでしょうし、移植に感染症や癌がそぐわない、ということもちょっとセンスがあればわかるでしょう。





112D27
74歳の女性.ネフローゼ症候群のために一般病棟に入院中であったが,呼吸困難,低酸素血症および腎機能低下による尿量減少をきたした.胸部X線写真で肺うっ血と両側胸水とを認め,心胸郭比は74%であった.持続血液透析濾過〈CHDF〉と呼吸管理とを行うためICUに入室し,気管挿管下に人工呼吸を開始した.動脈血ガス分析(FTO2 1.0):pH 7.45,PaCO2 32Torr,PaO2 100Torr,HCO3− 22mEq/L.肺胞気-動脈血酸素分圧較差〈A-aDO2〉は,一般的にPAO2(肺胞気酸素分圧)-PaO2で表される.
この患者のPAO2はどれか.
ただし,大気圧は760Torr,37℃での水蒸気圧は47Torr,呼吸商は0.8とする.
a 150−32
b 150−32/0.8
c 760−47
d (760−47)×1.0−32
e (760−47)×1.0−32/0.8


お?上は1日目で、下が2日目。2題出した意図がわかりません。計算自体は、レジデントのためのやさしイイ呼吸器教室88ページ〜を見ていればどうもない。

PAO2=(大気圧−37℃での水蒸気圧)✕1.0−PaCO2÷0.8、なので、
PAO2=(760−47)×1.0−32/0.8 eです。





112D31
46歳の男性.呼吸困難を主訴に来院した.1ヵ月前から胸部違和感と労作時呼吸困難とを自覚していたが,徐々に増強するため来院した.1週間前までは胸部にヒューヒューという音がしていたが,現在は消失しているという.既往歴に特記すべきことはない.喫煙は40本/日を26年間.胸部X線写真(右肺真っ白、気管が右に偏位)を別に示す.

異常所見の原因として最も可能性が高いのはどれか.
a 肺癌
b 気胸
c 血胸
d 胸膜炎
e 胸膜中皮腫


画像の基本問題です。レジデントのためのやさしイイ胸部画像教室125ページを見てもわかるように、これは無気肺。なので中枢の肺癌aによる可能性が高いですね。





112D48
28歳の女性.健診で胸部の異常陰影を指摘されたため来院した.胸部X線写真(後述)と胸部CT(後述)とを別に示す.

診断のために必要性が低い検査項目はどれか.
a hCG
b β-Dグルカン
c 可溶性IL-2受容体
d α-フェトプロテイン〈AFP〉
e 抗アセチルコリン受容体抗体


あれあれ、これって、レジデントのためのやさしイイ胸部画像教室227ページと同じ症例じゃね?これって、大丈夫なんですかねえ…。

ま、解説通り前縦隔腫瘍ですよ。前縦隔腫瘍には胸腺腫(重症筋無力症〜抗アセチルコリン受容体抗体)、胚細胞腫瘍(hCG・AFP)、リンパ腫(可溶性IL-2受容体)がありますが、β-Dグルカンbを測定すべき、真菌症はありません。





112D54
89歳の男性.発熱と意識レベルの低下とを主訴に来院した.2年前に脳梗塞を発症し嚥下困難となったため,胃瘻から栄養を摂っている.この1年間で2回,肺炎に罹患している.2週間前,38℃台の発熱があり,意識障害を認めたため,入所中の特別養護老人ホームの職員に連れられて来院した.胸部X線写真で両側下肺野にすりガラス陰影を認めた.入院し抗菌薬の投与を行ったところ,症状は改善し退院することとなった.合併症に対する内服薬を胃瘻から投与している.

肺炎再発リスクとなる可能性の高い薬剤はどれか.
a 睡眠薬
b 去痰薬
c 胃粘膜保護薬
d 腸管蠕動改善薬
e カルシウム拮抗薬


繰り返す誤嚥性肺炎とポリファーマシー、HOTな話題といえるでしょう。この話題が国試レベルまで降りてきている、というのは厚労省の意図を強く感じますね。でも本当に大事なことなので、これからも繰り返し出題されると思います。まあ、まだ出だしなので、解きやすい問題にしてあります…と思いきや。

誤嚥性肺炎のリスクとして、意識レベルを低下させる薬剤aは重要ですが、胃食道逆流を悪化させるカルシウム拮抗薬eも選択肢に入れるのは、意図的なのか、天然なのか…??意図的とすればあまりにひどいですね。ここはeACE阻害薬、とすべきでした。


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2018年02月13日

第112回医師国家試験問題解説・S状結腸癌術後再発〜とか

あちこちシリーズが飛んでしまいますが、最優先のお仕事が入りましたので、こちらに取りかかりたいと思います。そう。第112回医師国家試験問題の解答・解説づくりです。

112A62
52歳の男性.両側の肺腫瘤を指摘されて来院した.2年前にS状結腸癌のため他院で手術を受けており,2日前に経過観察のため行われた胸部CTで肺野に結節影が認められたため紹介されて受診した.喫煙は20本/日を23年間.意識は清明.身長175cm,体重90kg.体温36.8℃.脈拍92/分,整.血圧132/82mmHg.呼吸数16/分.SpO2 98%(room air).心音と呼吸音とに異常を認めない.血液所見:赤血球456万,Hb 14.3g/dL,Ht 44%,白血球6,500,血小板18万.血液生化学所見:総蛋白7.0g/dL,アルブミン4.3g/dL,総ビリルビン0.3mg/dL,AST 19U/L,ALT 40U/L,LD 124U/L(基準176〜353),クレアチニン0.7mg/dL,Na 144mEq/L,K 4.2mEq/L,Cl 110mEq/L,CEA 6.5ng/mL(基準5.0以下).CRP 0.1mg/dL.呼吸機能所見:VC 4.57L,%VC 120%,FEV1 3.81L,FEV1% 84%.心電図に異常を認めない.肺野条件の胸部CTを別に示す(右と左に1箇所ずつ1cm程度の結節影).S状結腸に再発はなく,全身検索でも胸部CTで確認された病変以外に異常を認めなかった.

治療として最も適切なのはどれか.
a 放射線化学療法
b 抗癌化学療法
c 放射線療法
d 手術療法
e 免疫療法


…いきなり呼吸器か?的問題、しかもちょっとこれ、アレじゃないの、という感じですね。実臨床だったら、若いし肺機能問題ないし、両側VATs?で、まずは組織型を確認、じゃないかと思うのですが、この問題は「治療として適切なもの」を問うております。

てことは、診断は自明のもの、としているわけですよね。

そうすると、問題文で、S状結腸癌術後、とわざわざ書いてあって、S状結腸に再発なし、とわざわざ断っていることから、転移を考えろ、というふうに取らざるを得ない。

CT写真でも結節は同じような大きさで、クリッとした、いかにも転移、という性状の写真をセレクトされていますし。

ということで読み替えると、S状結腸癌術後、両側肺転移の治療はどれか、となるのでしょう。で、また問題は、S状結腸癌術後肺転移の治療は、まず手術、ということになるのでしょうが、結節が両側にあるわけです。右のたぶん上葉と、左の上葉。両方取って大丈夫か、という感じなのですが、ここでも出題者の意図を読み取ると…。

大腸癌の転移=手術、というのは既に常識となっているから、もう一ひねりしよう、両側にあったらどうするかを問うてみよう、ということなのだと思います。

ガイドラインでは、再発臓器が1 臓器の場合,手術にて再発巣の完全切除が可能であれば積極的に切除を考慮し、2 臓器以上の場合,それぞれが切除可能であれば切除を考慮してもよいが,治療効果について統一見解は得られていない、ということになっています。

ここでのポイントは「完全切除が可能であれば積極的に切除を考慮」というところかと思いました。知っておくべきは、「積極的に切除」。なので、若いし、肺機能に問題ないし、状況が整っているので手術dを選ばせたいのかなあ、と。

でも正直、両側上切は結構後が大変だし、部切にするとしても両側だし…いかにも外科の先生が考えた問題だなあ、という印象です。

話を戻しますが、そもそもこれを転移と決めつけさせるのはいかがなものかとも思います。CEA高いから腺癌だろ、ってことなのか。両方肺癌の可能性だってあるし、過去画像や経時変化に言及がないのも不親切。片肺の結節だったら診断が何であっても手術で簡単かなあ、じゃあ両側にしておけば転移再発、と誘導出来るだろう、という出題者の心の声が聞こえるようです。





112A64
55歳の男性.胸痛を主訴に来院した.1週間前から左下の歯痛を自覚していた.痛みには徐々に増強し,3日前から痛みが頸部へ広がり,2日前に胸痛も出現したため受診した.意識は清明.体温37.5℃.脈拍96/分,整.血圧98/62mmHg.呼吸数24/分.右胸部で呼吸音が減弱している.血液所見:赤血球482万,白血球14,500(桿状核好中球32%,分葉核好中球54%,単球5%,リンパ球9%),血小板11万.血液生化学所見:AST 61U/L,ALT 69U/L,尿素窒素27mg/dL,クレアチニン1.2mg/dL.CRP 36mg/dL.縦隔条件の頸部CT,胸部CT及び矢状断再構成CT(頸部〜前縦隔に膿瘍?)を別に示す.

治療として適切なのはどれか.2つ選べ.
a 抗菌薬投与
b ドレナージ
c 放射線治療
d 抗癌化学療法
e 副腎皮質ステロイド投与


…これも呼吸器か?的問題ですが、回答はシンプルだと思います。齲歯から始まり、頸部、心臓周囲、前縦隔あたりに壊死物質のような黒っぽいものが存在し、炎症反応著明ですから、縦隔炎⇒ヤバい⇒抗菌薬+ドレナージab、でいいと思います。





112A66
70歳の男性.労作時の呼吸困難を主訴に来院した.3年前から労作時の息切れを自覚し,徐々に増悪するため受診した.夜間睡眠中には自覚症状はない.43歳時に心房中隔欠損症の手術歴がある.気管支喘息の既往はない.喫煙は20本/日を47年間.3年前から禁煙している.体温36.4℃.脈拍72/分,整.血圧134/70mmHg.呼吸数20/分.SpO2 97%(room air).6分間歩行試験ではSpO2の最低値は91%であった.胸部聴診では呼吸音は減弱し,軽度のrhonchiを聴取する.心エコー検査では,左室駆出率は保たれ推定肺動脈圧の上昇も認めない.呼吸機能所見:VC 3.40L,%VC 92%,FEV1 1.30L,FEV1% 38%.胸部X線写真(過膨張所見)と胸部CT(気腫)とを別に示す.

初期治療として適切なのはどれか.2つ選べ.
a 抗菌薬の投与
b 在宅酸素療法
c 副腎皮質ステロイド吸入薬の投与
d 長時間作用性吸入β2刺激薬の投与
e 長時間作用性吸入抗コリン薬の投与


見え見えのCOPD、ちょっと心疾患もにおわせますが、心エコー正常をわざわざ書いてある時点で考えなくていいでしょう。

急性期でなく、慢性期の初期治療、ということで、ガイドライン第5版発行記念問題、LAMAメーカーもLABAメーカーも仲良く使いましょうde、ということでしょう。

ICSも選択肢に含まれているので、勉強している人は、心疾患ありβを避けてICSか?とか、V期だから増悪予防にICS??なんて悩むかもしれませんが、ICSは最近では、ACOみたいに喘息をにおわせる(変動性の)病歴がないときには積極的に使わなくなっています。

おそらくそこまで知っておけ、ということではなく、素直にdeでいいのではないかと思いますが…。ひねったおかげで不適切に近づいた感が。





112A74
32歳の女性.乾性咳嗽を主訴に来院した.5年前から毎年,2月から5月までの間に乾性咳嗽を自覚していたが,今年も2月から同様の症状が出現したため受診した.アレルギー性鼻炎の既往がある.喫煙歴はない.体温36.8℃.脈拍72/分,整.血圧120/60mmHg.呼吸数16/分.SpO2 99%(room air).呼吸音に異常を認めない.胸部X線写真で異常を認めない.

次に行うべき検査として適切なのはどれか.2つ選べ.
a 胸部CT
b 気管支鏡検査
c 動脈血ガス分析
d スパイロメトリ
e 喀痰中好酸球比率算定


なんか今年は、なんだかな〜な問題が多い予感。

病歴から咳喘息は明白ですが、喀痰中好酸球比率算定を行うべき、といわれるとエーッとなりますね。でも消去法でdeにせざるを得ません。出題者が偲ばれるような気もします。





112B8
急性呼吸窮迫症候群〈ARDS〉の病態について正しいのはどれか.

a 肺死腔減少
b 肺内シャント減少
c 肺血管透過性亢進
d 肺サーファクタント増加
e 肺コンプライアンス増加


病態を知っておけ問題は、出来るようにしておきたいもの。病態を理解するにはやさしイイ血ガス・呼吸管理〈ベストティーチャーに教わる人工呼吸管理の基本と病態別アプローチ〉173ページ〜がお役に立つでしょう(笑)。

ARDSは、肺血管透過性が亢進cして水が漏れ、シャントとなり、死腔が増えて肺の線維化が生じて硬くなりコンプライアンス低下、となるものです。サーファクタントは合成低下となり、肺胞虚脱の一因となります。





112B11
酸素投与法,酸素流量と想定される吸入酸素濃度の組合せで正しいのはどれか.

a 鼻カニューラ2L/分・・・・・・20%
b 鼻カニューラ4L/分・・・・・・50%
c マスク6L/分・・・・・・80%
d リザーバー付きマスク7L/分・・・・・・50%
e リザーバー付きマスク10L/分・・・・・・90%以上


これも大胆な問題。まあ教科書的・ガイドライン的にはeでしょうが、異論も多々ありますので…。





112B15
咳嗽を伴うことが少ないのはどれか.

a 気管支喘息
b 細菌性肺炎
c 過換気症候群
d 慢性気管支炎
e 特発性肺線維症〈IPF〉


これはcとしか。





112B38
50歳の男性.咳嗽を主訴に来院した.2ヵ月前から咳嗽があり,他院で肺炎と診断され抗菌薬を処方されたが改善しないため受診した.喫煙は40本/日を30年間.意識は清明.身長175cm,体重78kg.体温36.5℃.脈拍88/分,整.血圧126/80mmHg.呼吸数15/分.SpO2 96%(room air).心音と呼吸音とに異常を認めない.血液所見:赤血球508万,Hb 14.8g/dL,白血球5,600,血小板25万.血液生化学所見:総ビリルビン0.6mg/dL,AST 10U/L,ALT 21U/L,LD 425U/L(基準176〜353),尿素窒素14mg/dL,クレアチニン1.2mg/dL,CEA 2.9ng/mL(基準5.0以下),SCC 1.2ng/mL(基準1.5以下),ProGRP 350pg/mL(基準81以下).CRP 0.3mg/dL.胸部X線写真(右肺門に腫瘤)と胸部CT(右肺門に腫瘤、気管支の狭窄、縦隔リンパ節腫脹)とを別に示す.気管支鏡下生検で肺癌と診断された.

肺癌の組織型として最も可能性が高いのはどれか.
a 大細胞神経内分泌癌
b 扁平上皮癌
c 小細胞癌
d 大細胞癌
e 腺癌


これも、なんか無理やり感のある問題ですね。重喫煙者で、肺門型肺癌で、CEA、SCC が低くProGRPが高い、ということで、cを選ばせるのでしょう。でもaを選択肢に含めていることで、ちょっと次元の異なる議論がわき起こる気がします。

大細胞神経内分泌癌(LCNEC)と小細胞癌(SCLC)の鑑別、です。選択肢が5つだから、大細胞神経内分泌癌を入れざるを得なかったのでしょうが、ちょっと紛らわしい…。





112C32
75歳の男性.労作時の呼吸困難と体重減少とを主訴に来院した.5年前から労作時の呼吸困難を自覚していたが徐々に増強し,体重も半年前と比較して8kg減少したため心配になり来院した.7年前に肺炎で入院治療を受けている.喫煙は30本/日を50年間.意識は清明.身長162cm,体重39kg.体温36.5℃.脈拍96/分,整.血圧140/70mmHg.呼吸数24/分.SpO2 91%(room air).心音はT音とU音の減弱を認めるが心雑音は認めない.呼吸音は減弱している.腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない.血液所見:赤血球435万,Hb 13.7g/dL,Ht 41%,白血球7,200,血小板19万.血液生化学所見:総蛋白6.4g/dL,アルブミン3.4g/dL.CRP 0.4mg/dL.動脈血ガス分析(room air):pH 7.42,PaCO2 47Torr,PaO2 62Torr,HCO3− 28mEq/L.呼吸機能所見:%VC 78%,FEV1% 42%.胸部X線写真(過膨張所見)と胸部CT(気腫)とを別に示す.

この疾患について誤っているのはどれか.
a 除脂肪体重は予後と関連する.
b 高蛋白・高エネルギー食が望ましい.
c 脂質の割合が高い栄養素配分が基本である.
d 安静時エネルギー消費量は予測値より低下する.
e 食事に伴う呼吸困難が食事摂取量減少の一因となる.


COPDと栄養にまつわる問題です。たぶん初めての出題ですので、何となく考えれば解ける程度のレベルになっています。

V期のCOPDで、体重減少が出てきている。ということで、エネルギー消費量が増大しているd×ということが連想出来れば正解です。






さてさて、ここで静岡に出発です。これまで何度もお呼び頂いた、志太医師会さん。今日が一応ラストとのことで、感謝の意を込めて、時間を延長して、特別なお話と特別な試み、でお楽しみ頂ければと思います。参加される先生方にはなにとぞよろしくお願い申し上げます。

医師国家試験過去問(呼吸器系)つまずきポイント徹底解説を全部読む

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2018年02月12日

奄美中央病院さんで、呼吸器の勉強会、2日目

奄美中央病院にて、呼吸器の勉強会。参加者10人弱で、後期研修医の先生方中心でしたので、何のテーマにしようかな〜と相談していたのですが、まずは最近経験された、悩ましかった症例のご質問がある、ということで、症例をプレゼンしてもらって、ご質問にお答えし、やはり間質性肺炎のところは悩ましく思っておられるんだ、とわかったところで、急性、慢性の間質性肺炎の分類・診断治療のお話をねっちりとやりました。

皆さん、総合内科の後期研修医とは思えないほど、呼吸器の勉強もされていたので、話ははずみ、質問もたくさんで、それなりに間質について理解が深まったかなー、というところで1日目終了。

で、島唄体験(昨日参照)などありまして…

2日目は、気管支鏡モデルを使って、気管支鏡についてやりたい、というご要望がありまして、鹿児島生協病院呼吸器内科の平元先生に、気管支鏡モデルを持参頂きました。そこで急遽思いついた、「気管支鏡で気道内を見ながら、CTを見る体験」をやってみたのですが、これがよかったです。

やはり肺が立体なので、前後左右関係が3Dでなかなかわからない、ブロンコ体操とかやってもうーん、かもしれませんが、気管支鏡で前に行って、ここがS5、とか、この後ろがS10、とか、CTでこの辺、とかやっていくことで、立体構造の理解を皆さん深めることができたようです。わざわざ鹿児島から飛行機でモデルを持ってきて頂いた甲斐があったというものです。

それから最近話題の、喘息とCOPDとACOのお話、これも皆さん日々悩んでおられるところのご質問が多々飛び交い、大変盛り上がりました。

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終了後、奄美徳州会…をすり抜けて、鶏飯(けいはん)を頂いて、平元先生にあちこち案内してもらってしまいました。平元先生とは20年前に京大で机を並べて学び、いろいろやらかし?た仲で、楽しい想い出がいっぱい思い出されました。平元先生、大変お世話になりまして、本当にありがとうございました。

今回のお話を頂いた樫田先生はじめ、奄美中央病院の先生方も、お世話になりまして本当にありがとうございました。昨日も先生方にはご紹介したのですが、そういう、検査ができないとか、専門医が居ない、というご施設で、まさにお困りである、という、大変よくご質問を頂く内容について丁寧にお答えしたのが、3月発売予定の『検査ができない!?専門医がいない!?現場で役立つ呼吸器診療レシピ』です。多くの先生方にご活用いただき、少しでも悩みの解消に役立てて頂ければ幸いです。

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posted by 長尾大志 at 19:50 | Comment(0) | 活動報告

2018年02月11日

奄美中央病院さんで、呼吸器の勉強会

昨日と今日、奄美中央病院さんで呼吸器の勉強会をしてきました。結局今日ももうすぐ終わりますので、取り急ぎ活動の様子の写真のみupしていきます。

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奄美大島へは、関西国際空港からバニラエアで向かいます。関西国際空港から国内線に乗るのも、バニラエアも初めてで、すごく新鮮でした。

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空港からの途上で立ち寄ったジェラート屋さん、黒糖〜とか、塩〜とか、島ざらめ〜味、最高でした。

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郷土料理屋さんで奄美の島唄を聴かせてもらいました。

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ちゃんと仕事もしております。詳しくは明日。

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ハブショーをみて、ライブとは、エンターテインとは何かを考えました。

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鶏飯。お食事もよかったです。

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posted by 長尾大志 at 23:11 | Comment(0) | 活動報告

2018年02月10日

奄美大島に来ています!

今日は奄美大島で勉強会です!遅くなりましたし、明日もありますので、今日はこれにて失礼します。明日活動報告致しますね。

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posted by 長尾大志 at 23:07 | Comment(0) | 活動報告

2018年02月09日

看護師さん向け書籍企画・「低酸素」のすべて2

2文字目はその気体が存在する場所。

i:吸気中の気体
A:肺胞(Alveolus)の中に存在する気体
a:動脈(artery)血内に存在する気体
v:静脈(vein)血内に存在する気体

変わり種として
p:パルスオキシメーターで経皮的(percutaneous)に測定した数値。パルスオキシメーターのpではありません。

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ナースのための呼吸器道場

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posted by 長尾大志 at 18:40 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年02月08日

看護師さん向け書籍企画・「低酸素」のすべて1

看護師さん向け雑誌特集企画で、低酸素について取り上げることになりました。やるからにはただ取り上げるだけではなく、めちゃくちゃわかりやすいものになるよう頑張ります。

低酸素のお話をする前に、略語のご紹介をしておきましょう。というのも呼吸にまつわる、酸素(や他の気体分子)が、ある場所にどのくらいあるか、を表す略語は、PaO2、SaO2、SpO2、FIO2…など、似たような、紛らわしい略語が多いのですね。

これらの言葉の成り立ちには決まり事がありまして、

1文字目…どのくらいあるか、の単位
2文字目…どこにあるか、の場所
3,4(,5)文字目…どの気体が

を表す記号があてられています。

わかりやすい3,4(,5)文字目からご紹介しましょう。

気体分子の記号、つまり、O2とか、CO2とかがここに入ります。

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ナースのための呼吸器道場

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posted by 長尾大志 at 16:24 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年02月07日

画像検査と呼吸機能検査で慢性咳嗽を診断するには18

慢性咳嗽を来す疾患で、中枢気道に病変があったりしても、胸部単純X線写真ではなかなか見つけることが難しいものですが、フローボリューム曲線を見てわかることがあります。

中枢気道を狭窄させるような病変があるときには、その病変部を通過する空気の流速は一定以上になりません。そのため強制呼気の際に、呼気流速がその一定速度で頭打ちになります。結果、フローボリューム曲線は、ピークが尖らずにフラットになる、台形のような形になります。

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逆にこういうフローボリューム曲線を見たら、気道内に狭窄所見がないかどうか、しっかりと追って確認する必要があります。

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posted by 長尾大志 at 19:20 | Comment(0) | 胸部X線道場

2018年02月06日

画像検査と呼吸機能検査で慢性咳嗽を診断するには17

右肋横角が鈍化しており、毛髪線もハッキリ見えるようになっています。右胸水の存在が考えられます。右の横隔膜付近の濃度が上昇しており、胸水に加えてコンソリデーションの存在が考えられます。

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症状から考えると、肺炎〜胸膜炎が考えやすく、可能であれば胸腔穿刺をしたい、そんな感じでしょうか。

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posted by 長尾大志 at 17:40 | Comment(0) | 胸部X線道場

2018年02月05日

画像検査と呼吸機能検査で慢性咳嗽を診断するには16

70歳代男性 1〜2週間ほど前からの全身倦怠感、微熱、咳嗽の悪化、黄色膿性痰あり受診となる。

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胸部X線写真で、咳の原因はおわかりでしょうか?

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posted by 長尾大志 at 17:43 | Comment(0) | 胸部X線道場

2018年02月04日

というわけで、VR(Virtual Respirology)『チーム医療』勉強会のお手伝いをして参りました。

そもそもこの会は、
「研修医や若手医師だけでなく、看護師や理学療法士はじめコメディカルスタッフも共に学べるような場がなかなかない」
「他職種が考えていることを聞く機会って、そんなにない」
「若い人たちが、お互いに意見を出し合って、共に学ぶ+他職種の方の話を聞く機会が出来ないものか」
⇒「だったら、グループワークにして、その場で症例について考えて、意見を出し合う、みたいな形式ではどうか?」
⇒「グループでクイズを解いていく形式がいいのでは?」
⇒「だったら、グループ対抗クイズ大会みたいにしたらいいのでは?」

テな感じで、どんどん話が膨らんでいったものです。洛和会音羽病院呼吸器内科の土谷先生が、具体的な企画進行をどんどん詰めてくださって、キッチリ進行していただいたことで、当日はほぼ100点の運営となったのではないでしょうか。

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当日は、音羽病院さんの、本当にたくさんの先生方、関係の皆さんに協力いただきました。アーム付きのカメラも貸与いただき、フリップを拡大してモニターに映したり…

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事前のテストも入念に…

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進行としては症例を提示し、各々の診断や治療、そして指示だし!のポイントで、自由発言(早い者勝ち)やフリップ記入などで発表してもらいます。そしてその都度ポイント授与!なんとポイントは○○!優れた発言には特別ポイント!ということで進め、最後にポイント合計で優秀チームを決める、というもの。

ポイント決めは長坂先生と私で行いましたが、これが結構難しい。でも結構面白く、数回やるとコツというか、盛り上げ方、がわかってきました。

参加者の皆さんからも、「話し合いがよかった」「楽しかった」「勉強になった」「また参加したい」と好評を頂き、すぐに第2回が決定しました。

私が思うに、これは、呼吸器専門医が居ない(居てもいいけど)、研修指定病院(ある程度の規模の)で、しかも看護師さんはじめコメディカルスタッフの皆さんが勉強熱心、というご施設にフィットするのではないか、と思いました。オファー、お待ちしています(笑。

滋賀医大からも研修医の先生と、看護師さん2名が参加させていただく予定だったのですが、看護師さん組は折悪しくインフルエンザで不参加、となってしまいました。ですので、滋賀医大でも似たイベントを出来ないものかと考えています。

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posted by 長尾大志 at 13:29 | Comment(0) | 活動報告

2018年02月03日

VR(Virtual Respirology)『チーム医療』@洛和会音羽病院

今日は、洛和会音羽病院さんへおじゃましまして、VR(Virtual Respirology)『チーム医療』勉強会のお手伝いをして参りました。

なにぶん初めての試みでしたので、いろいろと心配もありましたが、終わってみれば、大成功と言っていいと思います。

今日は遅くなりましたので、詳しくは明日振り返りたいと思います。

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posted by 長尾大志 at 22:54 | Comment(0) | 活動報告

2018年02月02日

画像検査と呼吸機能検査で慢性咳嗽を診断するには15

写真を見ると両側下肺野、心陰影付近がぼやけています。特に右2弓はシルエットサイン陽性、左3弓も一部見えませんので、中葉、舌区に病変があると考えられます。

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一昔前なら、「中葉舌区症候群…」と口走っていたでしょうが、昨今では「副鼻腔気管支症候群」の範疇でしょうし、今日日こういう陰影を見たら、むしろ「非結核性抗酸菌か…」ということになるでしょう。とにもかくにも、喀痰検査が必須ですね。

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CTでも、中葉および舌区に気管支拡張像、粒状影、斑状影が見られますね。

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posted by 長尾大志 at 14:33 | Comment(0) | 胸部X線道場

2018年02月01日

画像検査と呼吸機能検査で慢性咳嗽を診断するには14

60歳代女性、数週間続く咳嗽、喀痰、2日前からの血痰を主訴に初診。血痰は止血剤内服し1、2日で速やかに消失した。痰も殆どなくなり、咳嗽と呼気困難感のみ持続する。

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胸部X線写真で、咳の原因はわかりますか?

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posted by 長尾大志 at 19:00 | Comment(0) | 胸部X線道場

2018年01月31日

画像検査と呼吸機能検査で慢性咳嗽を診断するには13

両側びまん性、特に下肺野優位に淡い高吸収域(すりガラス影)があり、横隔膜も両側挙上しているようです。ポイントは横隔膜がちょっとぼやけているところ。2年前の胸部X線写真と比較してみましょう。

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横隔膜がハッキリ見えていますね。それに両側下肺の濃度もほぼ正常です。このように、元々存在する線(心陰影、横隔膜、大動脈など)がぼやける、不明瞭になる、という所見は間質性肺疾患などの存在を示唆します。ですから慢性咳嗽の原因を見つけるコツとして、元々ある線のぼやけを見ることも重要です。

胸部CTを見ると、胸膜直下、横隔膜直上に網状影、すりガラス影を認めます。possible UIPパターンといえるでしょう。

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posted by 長尾大志 at 18:41 | Comment(0) | 胸部X線道場

2018年01月30日

画像検査と呼吸機能検査で慢性咳嗽を診断するには12

■ 間質性肺炎

60歳代男性、数ヶ月前から乾性咳嗽あり、最近階段を上ったときに息切れが気になったので受診した。

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胸部X線写真で、咳の原因はわかるでしょうか…?

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posted by 長尾大志 at 18:36 | Comment(0) | 胸部X線道場

2018年01月29日

画像検査と呼吸機能検査で慢性咳嗽を診断するには11

この写真では両側の肺門が腫脹していて、リンパ節腫脹と思われます。

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また、気管分岐の角度も90度以上に開いていて、気管分岐下リンパ節の腫脹を疑います。

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posted by 長尾大志 at 17:29 | Comment(0) | 胸部X線道場

2018年01月28日

適々斎塾でお話をさせていただきました。

今日は大阪あべのメディクスにて、適々斎塾に参加・お話をさせていただきました。こちらは知る人ぞ知る、総合診療の志ある先生方と学生さんによる勉強会であります。

自分の出番は午後からでしたが、朝から参加させていただき、白河総合診療アカデミー東先生のお話。
そうそうと深くうなずくお話に、そういう表現が!と膝を打つお話もあり、勉強になりました。

自分自身、適々斎塾でお話しするのは初めてでしたが、これまでにお話しになっている先生方のそうそうたる顔ぶれを拝見するに、生半可な話ではご満足いただけまい、ということで、けっこうマニアックな?今度でる書籍のエッセンス、みたいな、呼吸器内科領域での悩み事、みたいなお話をさせていただきました。

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内容はともかく?、今回は先日の第3学年「免疫学」の講義でなかなかよい手応えであった、「ブルゾンながお」ネタをやらねば、ということで、勝手にかなり緊張しておりましたが、なんとか皆さまに温かく受け入れていただき、ホッとしております。

Google formも使ってみようとしましたが、無線が使えず断念でした。会場のWifi環境が大切であると実感しました。

自分の次に登壇された福井大学の小淵先生による講演には度肝を抜かれました。しかし考えてみれば自分にも同じことはできるはずで、自分で「これはできない」と制限を掛けてしまっていたように思います。もっとリミッターを外して、皆さんの心に残る講演を作っていきたいと思いました。

板金先生、中西先生、松村先生はじめ適々斎塾の先生方、東先生、小淵先生、それに絡んでくれた水谷君、本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。

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posted by 長尾大志 at 21:41 | Comment(0) | 活動報告

2018年01月27日

あんたんパパによる生誕祭のお手紙を聴いて、努力の意味を考える

このタイトルを読まれても皆さん「???」「ポカーン(゜0゜)」でしょうから、説明をいたしますと…

NMB48メンバーの誕生日近くに行われるイベント=生誕祭、そこで近しい人からのお手紙が朗読されます。

今回の主役は井尻晏菜(いじりあんな:あんたん)。センターとか、選抜とかの経験はないものの、公演やメディアの仕事で日々頑張っているメンバーです。ご本人が「選抜なんて無理だし、そっちに向かって努力するってどうなの?」みたいなことをにおわせた、というバックグラウンドをふまえて、生誕祭でのお父様からのお手紙(一部抜粋)をご覧頂ければ。

(ここから引用)
届かないかも知れないけど、
自信が無いかも知れないけど、
努力をしない者には絶対に手に入らない。
入ったとしても、それは大人の気まぐれで
自分のモノにはならない。
努力するから、努力したから手に入れた時の価値が違う。
手に入らなくても、その努力が全力であれはあるほど、
実力や自信になる。
それが、晏菜の評価に繋がる。
重ねた努力は、自分を裏切らない。
わかって欲しい努力の意味を。
(引用ここまで)

かつて元AKB48高橋みなみの「努力は必ず報われる」を取り上げたことがありますが、その本意はこういうところにあったものと思われます。努力した⇒選抜、みたいなとらえ方をする人が多かったように記憶していますが、決してそうではない。

努力を積み重ねることで、いざというときに、「自分はこれだけのことをやってきたのだ」と実感できる。努力自体が自信の源になるのですね。

努力を積み重ねず、運や巡り合わせで良い立場を得たような人は、何かあったときにすぐ馬脚を現す、心が折れる、となりがちですし、努力を重ねて掴んだ立場だと、多少のことでは揺るがないのでしょう。

仮にその努力が直接実を結ばなくても、努力した、その記憶は、絶対にその人の中に残り、その人を、ゆっくりではあっても、必ず成長させていくでしょう。


神様、という概念は、うまくできているなあ、と思うのです。自分の努力を見ているのは自分自身であり、例えば陰で悪いことをしても、自分自身はそれを見ているわけです。それを、「神様が見ている」と例えているのですね。

神様が見ているから、陰でもいい振る舞いをする、というのは、他の誰でもない、自分自身がその行いを見ているから、ちゃんと振る舞う、努力をする、ということで、その人の人格が磨かれていくわけです。結果、人生が好転する。

悪いことをしても神様が見ている、それで地獄に行く、というのも、自分が悪いことをしている、それは誰あろう自分が一番よく知っている。それの繰り返しで、プライド、誇り、のようなものがどんどん毀損され、人格も汚れていく、人生も悪化していく、ということの比喩ではないでしょうか。

努力の末に、人生の充実が得られる、有り体に言うと「幸せになる」。幸せの青い鳥は、どこかにあるのではなく、努力した人が自ら「幸せである」と実感する、世の中のしくみはそのようになっているように思うのです。

しかしながら、努力をしていない人にはそれがわからない。努力していないと、努力の結果得られるものを実感出来ないから。

楽にお金を手に入れることが出来れば幸せなのか、というと、決してそうではないなあ、と思った次第です。

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posted by 長尾大志 at 18:01 | Comment(0) | 日記

2018年01月26日

画像検査と呼吸機能検査で慢性咳嗽を診断するには10

症例 60歳代男性 1ヶ月以上続く咳で受診

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ということでX線写真を撮りました。咳の原因はX線写真で見えるでしょうか…?

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posted by 長尾大志 at 17:24 | Comment(0) | 胸部X線道場

2018年01月25日

画像検査と呼吸機能検査で慢性咳嗽を診断するには9

原因はここです。

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そう。右肺門ですね。右肺門に腫瘤あり。PET画像がよくわかります。

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肺門から縦隔の陰影で気をつけるのは、このあたり(水色)ですね。肺門以外には傍気管線の横、AP window付近も、縦隔リンパ節が見やすいところですね。

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それと、透過している気道(紫色)の走行、途中の狭窄がないかを見ておきたいところですね。

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posted by 長尾大志 at 17:57 | Comment(0) | 胸部X線道場

2018年01月24日

画像検査と呼吸機能検査で慢性咳嗽を診断するには8

■ 肺癌

肺癌で自覚症状として咳が出てくる場合、中枢気道に癌が関与しているケースが想定されます。

  • 肺門付近にある中枢の癌

  • 縦隔や肺門のリンパ節腫脹

  • 癌ないしリンパ節腫脹による無気肺


これらを見逃さないようにするには、やはり肺門から縦隔の陰影に目を配る必要があります。


症例 主訴は慢性の咳・痰

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さて原因はどこでしょう…。

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posted by 長尾大志 at 19:49 | Comment(0) | 胸部X線道場

2018年01月23日

画像検査と呼吸機能検査で慢性咳嗽を診断するには7

症状が慢性咳嗽メイン、あと労作時息切れくらい、みたいなときは、水あまりも甚だしくありません。例えばこんな感じ。

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心拡大と両側胸水が見られますが、血管陰影の拡大やバタフライ陰影などは目立ちません。心拡大と両側胸水の所見は以前の陰影と比較するとよくわかります。

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posted by 長尾大志 at 16:52 | Comment(0) | 胸部X線道場