2017年09月19日

症例検討会BRONCHO19−3

昨日は台風で気圧が下がると同時に異常な(変な)体調不良を来しまして、ちょっと更新をお休みさせて頂きました。失礼致しました。昨晩12時間ほど睡眠した結果、すっかり回復しました。一体何であったのか…?



さて症例に戻ります。


血液検査からは若干の炎症所見、胸部X線写真では左中肺野、3〜4弓シルエット陰性、つまり左下葉の濃度上昇がありそうです。コンソリデーションでしょうか。ハッキリとした所見がありますから、ある程度しっかり肺に病変を作る、急性ないし比較的ゆっくりした経過を持つ感染症、が考えやすそうです。


  • 亜急性〜慢性経過の気道病変+急性感染症

  • 抗酸菌感染

  • 何らかの免疫低下±急性感染



あたりでしょうか。


で、治療についてはいかがでしょうか。本症例を感染症と想定したとして、若年であり、重症度は低いと考えられるため、そのまま外来診療になるかと思われます。で、どうするかですね。あまり症状が強くないので治療なし、ないしは対症療法とするのか、そこそこ派手な陰影がありますから抗菌薬なんかを投与するのか、まずは喀痰やその他検査を行うのか。


本症例では、そこそこの経過であった痰は喘息のコントロールがよくなかったのではないか、プラス今回は急性の肺炎ではないか、と考えられて、抗菌薬の投与が行われていました。喀痰も外来受診中には採られなかったようです。



Q:では、その際に選択するのが望ましい経口抗菌薬を1つ選択して下さい。

ペニシリン系
セフェム
マクロライド系
キノロン系


症例検討会BRONCHO

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posted by 長尾大志 at 18:17 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年09月17日

南先生に伺ったこと

そういうわけで米国暮らしの長い南先生といろいろお話をさせて頂きました。いくつか、何となく知っている気になっていたものの、実際にお話を伺うと結構驚いたことがありました。


・米国では専門分化が進みすぎ

日本でも専門分化しすぎた反動、来たるべき超高齢化社会への対応、などなどにより、総合診療医を増やさねば、という機運が盛り上がってきているわけですが、米国の標準的?な大学病院の様子を聞くに、どえらいことになっているのですね。日本の方がずっと、そういう点においては、マシだなあ、と思いました。



・米国では保険会社が神様

やはり日本の国民皆保険は、国民にとって、それに医師にとっても、すごくありがたいものであるなあ、と実感しました。検査や治療について、保険会社との折衝がないとデキなかったりするのは参りますね。日本のように、後で査定、も困りますけど。



・やさしイイシリーズは海外でもウケるかも

そういうわけで、呼吸器内科医が胸部X線写真を見ない、見ることができない、という悩みは洋の東西を問わないのだとわかりました。特に『やさしイイ胸部画像教室』なんかは絶対ニーズがある、と強く語って頂きました。英訳版が出せるといいなあ、と夢は広がるばかりです。



・Google form

あと、Google formを初めて使わせてもらったのですが、これは超便利で、使えるなあ、と思いました。


学生さん全員のスマホとメルアドがあればそれで事足りるのですね。これはクリッカー危うし。ただまあ、全員にその体制を構築、保証するのは難しそうなので、もうチョイ時間が掛かりそう。


でも、それほどストレスなくアクティブ・ラーニングを導入出来る時代はすぐそこまで来ている、そんな風に感じました。

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posted by 長尾大志 at 15:00 | Comment(0) | 日記

2017年09月16日

Taro Minami(南太郎)先生に来滋頂きました!

去る9月14日(木)、米国ブラウン大学のTaro Minami(南太郎)先生に、わざわざ滋賀までお越し頂いて、肺エコー、横隔膜エコー、心エコーの講演+ハンズオンセミナーを執り行って頂きました。


南先生はこの分野の先達、第一人者の一人で、そもそも肺エコーを始められたLichtenstein先生の直属のお弟子さんで教科書も書かれているスゴい方。


今回は、第15回 日本病院総合診療医学会 学術総会で、Point of Care Ultrasoundの講演+ハンズオンセミナー@東京(千葉)浦安のために来日される、そのついで?に滋賀までちょいと?足を伸ばして頂いて、という次第でした。


なんでそんなスゴい先生に、こんな滋賀の片田舎まで来て頂けたのか。実は大学時代の、クラブの後輩だったりするのです。それも水泳と軽音、担当楽器まで同じでしたからねフフフ。また、彼は卒業後1年間京大病院で研修されたその時にも、当時大学院でくすぶっていた私と絡みがあったりしました。実は私の結婚式にも参加してもらっていたりします…。


でもその後渡米されて、しばらくやりとりがなかったのですが、最近になって「肺エコーの南先生」として活躍されていることがわかったわけです。これはfacebook、そして杏林大学の皿谷先生のおかげであります。facebook畏るべし。そして皿谷先生も畏るべし、ですね(わかる人にはきっとわかる)。


とはいえ、以前にも愚痴を書きましたが、外部の方に来て頂いて講師をやって頂く、ということは、田舎の大学ではかなりの困難を伴います。本当に。しかし今回さらに幸運なことがいくつか重なり、日本呼吸器学会近畿支部様から補助を頂けることになり、この招聘が実現したものであります。



さて当日ですが、あらかじめアンケート、プレテストを行い、それから講義。


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そしてハンズオンへという流れで進めて頂きました。米国仕込みの、導入で興味を引きつけ、ポイントをおさえた簡潔な講義、そしてハンズオンと、いろいろと参考になる進め方を拝見出来てよかったです。なんてったって南先生、ブラウン大学のベストティーチャー賞取っておられますからね。ベストティーチャー…\(//∇//)\


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横隔膜エコー。モデルは不肖私です…。


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ハンズオンです。循環器内科さんのご厚意でエコーの器械を1台貸して頂き、2台でやれたのは幸いでした。


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終了後のお食事会でも、いろいろと興味深いお話を伺いました。詳しくは明日。

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posted by 長尾大志 at 22:06 | Comment(0) | 活動報告

2017年09月15日

症例検討会BRONCHO19−2

病歴の情報が少ないので、なかなかこれだけでは絞れるものではありません。3週間前からの痰、それと今朝からの37.5℃発熱が一連のものなのか、偶々(必然?)の合併であるのか、それすらもハッキリしませんね。


40歳代ですしまずはオッカムの剃刀で一連のものと考えると、急性感染症、すなわち一般的な細菌感染症、ウイルス感染症は可能性が低い△。ただし膿瘍や、ある種のウイルス感染症はありでしょう。


経過の長さからすると抗酸菌感染は外せません。あくまで一連の経過をひとくくりで考える場合ですが。ただし既往にハッキリした結核の接触などはないようですし、極端な免疫低下を示唆する情報もありません。


それ以外に経過からはアレルギー性疾患、広い意味の自己免疫性疾患や血管炎なども考えられます。



<入院時身体所見>
BT=38.2℃ SpO2 97% HR 118

胸部:
呼吸音:左前胸部でwheezeを少し聴取。左下肺で呼吸音減弱。

腹部:
平坦・軟・腸雑音減弱亢進なし・圧痛なし
排便1日1行

四肢・体幹:
両側下腿浮腫なし、両側足背動脈触知良好



このまま検査所見へ。


<検査所見>

HT 47.5、HB 16.6、RBC 5.08万、WBC 10,800 (NEUT 86.1%、EOSIN 1.0%、BASO 0.2%、LYMPH 7.0%、MONO 5.7%)PLTS 21.7万
AST 25、ALT 41H、LDH 241 H、ALP 261、G-GTP 28、T-BIL 1.03、NA 137、CL 98L、K 4.0、UN 10.0、CRE 0.90、eGFR 78.5、CRP 3.46H


<胸部X線写真>

スライド70.JPG



Q:ここまでの情報で鑑別診断は?


Q:本症例の治療はどうしますか?


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posted by 長尾大志 at 17:32 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年09月14日

Taro Minami先生来滋!

今日はこれから滋賀医大で、Taro Minami先生をお招きしての肺エコー、横隔膜エコー、心エコーのハンズオンセミナーを開催します。あと、食事会もありますので、ちょっと本日中の更新は難しそうです。あしからずご了承下さい。

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posted by 長尾大志 at 15:08 | Comment(0) | 日記

2017年09月13日

症例検討会BRONCHO19−1

症例 40歳代男性


<主訴>
喀痰、発熱


<現病歴>
3週間前から痰がよく出るようになった。今朝から発熱37.5℃となり当科受診となる。咽頭痛や鼻汁などは自覚していない。


<既往歴>
幼少時から 喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎あり。近医にて下記処方されている。

2年前 肺炎(詳細不明)


現在の内服
 ムコダイン
 アレロック(アレルギー性鼻炎)
 フルタイド200(喘息)
 ステロイド外用薬(体)
 プロトピック(顔に) 


<家族歴>
特記事項なし


<生活歴>
喫煙:なし
飲酒:なし


<アレルギー>
特記すべきことなし


Q:鑑別診断として、考えられる疾患は?

細菌感染症
抗酸菌感染症
ウイルス感染症
アレルギー性疾患


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posted by 長尾大志 at 17:49 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年09月12日

動脈血液ガス分析4・肺機能検査

A-aDO2

室内気吸入下でのA-aDO2を求める式
A-aDO2=150−PaCO2÷0.8−PaO2


FIO2が既知の場合、A-aDO2を求める式
A-aDO2=(760(大気圧)−47)✕FIO2−PaCO2÷0.8−PaO2



P/F比

P/F比を求める式
P/F比=PaO2÷FIO2


P/F比は、FIO2が刻々と変化するような挿管人工呼吸管理中の症例で酸素化の変化を評価をするのに用います。また、ARDSの診断・評価をするときに用います。
201〜300:軽症ARDS
101〜200:中等症ARDS
100以下:重症ARDS



BE(base excess:塩基過剰)

血液が37℃でPaCO2=40と仮定したときに、pH=7.400にするために必要な酸や塩基の量を算出したものです。正常値は-2〜+2mEq/L。


BE>+2⇒ 塩基が多い 代謝性アルカローシス
BE<-2⇒ 酸が多い(塩基が少ない) 代謝性アシドーシス



肺機能検査

主な機能障害を評価する代表的な項目として、肺活量(Vital Capacity:VC)、1秒量(Forced Expiratory Volume in 1.0 second:FEV1.0)、拡散能(Diffusing Capacity of Lung for Carbon monoxide:DLco)があります。


肺活量(VC):肺内に出し入れ出来る最大の空気量です。息をいっぱいに吸い込んだとき(最大吸気位)からいっぱいに吐ききるとき(最大呼気位)まで呼息し、その差を測定したものです。


%肺活量(%VC):実測値が性・年齢・身長から求めた予測値の何%であるかを%VCとして表し、80%未満を拘束性障害と呼びます。


1秒量(FEV1.0):最大吸気位まで吸息した後に、最大の努力をもって最大呼気位まで呼息(強制呼気)したときの、呼息開始から最初の1秒間に呼出される空気の量です。


1秒率(FEV1.0%):努力肺活量に対する1秒量の割合、つまり、最大吸気位から、できるだけ早く息を最大呼気位まで吐ききる努力をしたとき(強制呼気時)に、最初の1秒間に何%吐けたかを表します。この値が70%未満の場合、閉塞性障害といいます。


%1秒量(%FEV1.0):性・年齢・身長から求めた予測1秒量に対する実測値の割合です。1秒量が健康な人(予測値)に比べてどの程度かを表し、COPDの重症度を見るのに用います。


T期(軽度の気流閉塞):%1秒量≧80%
U期(中等度の気流閉塞):50%≦%1秒量<80%
V期(高度の気流閉塞):30%≦%1秒量<50%
W期(きわめて高度の気流閉塞):%1秒量<30%

(COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン 第4版より)


(一酸化炭素の)拡散能(DLco):肺胞に入った一酸化炭素(CO)が拡散して動脈血内に入っていく効率を表す指標です。本来測定すべき酸素の拡散能は測定が難しいため、代わりに一酸化炭素の拡散能を計測してDLcoとし、代用しています。


%拡散能(%DLco):DLcoの実測値が主に性・年齢・身長から求めた予測値の何%であるかを%DLcoとして表し、80%未満を拡散障害と呼びます。


DLco/VA:DLco測定値は、測定時に肺内に入っている空気の量(肺気量:VA)に依存します。このため、単位肺気量あたりのDLcoをDLco/VAとし、正味の拡散能力を表したものがDLco/VAです。例えば肺切除をすると肺が減るのでDLcoは低下しますが、残った肺の拡散能は正常なわけで、DLco/VAは正常となるのです。


また、COPDの場合、肺気量が増えますから、DLcoの値はその分大きくなります。したがって、DLcoよりもDLco/VAの方が、実際の重症度をより反映します。


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posted by 長尾大志 at 17:11 | Comment(0) | 呼吸器研修ノート

2017年09月11日

動脈血液ガス分析3

なお、AGが増加している(余計な酸が産生されている)代謝性アシドーシスでは、それに隠れて他の代謝異常が生じていないかを確認するために、補正HCO3-を計算しておきます。


AGの上昇分=増えた陰イオン(有機酸)分、HCO3-が消費されるので、その分本来のHCO3-よりも低下して測定されます。すなわち、本来のHCO3-は、実測HCO3-値よりもAGの上昇分高くなるのです。


補正HCO3-=実測HCO3-+{実測AG-正常AG(例えば12)}


これが正常範囲に入っているかどうかで、代謝異常を評価します。多くの場合、隠れた代謝性アルカローシスの検出に有用です。



● 代謝性アシドーシス、AGの増加を伴わないもの|病態

  • 下痢|消化液とともにHCO3-が失われる

  • 尿細管アシドーシス|尿細管でのHCO3-再吸収が障害される


⇒多いのは、HCO3-が失われて相対的にCl-が増加したというパターンです。



■ 代謝性アルカローシスの原因

  • 嘔吐による胃酸の喪失

  • ループ利尿薬の長期間投与

  • HCO3-を含む物質の摂取・投与

  • 低カリウム血症(細胞内のK+と血中のH+が入れ替わり、H+が細胞内に入る)

  • 呼吸性アシドーシスを長期間代謝性アルカローシスで代償しているところへ強制換気を行って、呼吸性アシドーシスが改善し代謝性アルカローシスが残った



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posted by 長尾大志 at 17:15 | Comment(0) | 呼吸器研修ノート

2017年09月10日

最近の読書

最近出張が多いので、読書が捗ります。といっても、時間がかかる本が多いので、たくさん読めているわけではありませんが…。


『サピエンス全史』
話題作ですので読んでみました。この手の話題作はやはり面白い(興味深い)ですよね。同時に、人類、というか生命体の業、ミスチルの歌「業の深い生命た〜い」のくだりを思い出します。人類と地球の将来についていろいろ考えざるを得なくなります。少なくとも、これから数年〜十数年の将来すら、今の私たちには予測できない、ということがわかりました。


『ファスト&スロー(Thinking, Fast and Slow)』
こちらも読まれた方は多いでしょう。システム1とシステム2については、志水太郎先生の著作『診断戦略』で紹介されていたので知っていましたが、いやもう目から鱗どころではありません。


こちらはまだ上巻しか読んでいませんが、もう既に自分の価値がなくなったように感じました。専門家の予測があれほど当てにならない、面接でその人の将来のパフォーマンスを予見できない…これからの身の振り方を含めていろいろと考えさせられております。下巻が楽しみです。

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posted by 長尾大志 at 21:14 | Comment(0) | 日記

2017年09月09日

今日は収録でした

今日は午前中、とある収録をしておりました。まだ言っていいのかどうかわかりませんので、「とある」としておきますが…。でもケアネットさんで何度か収録をさせて頂いたおかげで、だいぶ収録慣れしてきた模様であります。まあまあ順調に終えられたかと思います。また公開できそうになりましたら告知させて頂きます。


実に久しぶりに新大阪近辺に行ったのですが、いろいろと変わっていて、ウロウロすると楽しそうだなあと思いました。将来的に住むところとしても、新大阪〜千里中央あたりは、新幹線も空港も高速も近くて、とっても便利そうですねえ。

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posted by 長尾大志 at 22:58 | Comment(0) | 日記

2017年09月08日

動脈血液ガス分析2

■ 呼吸性アシドーシスの原因

換気量(=1回換気量✕呼吸数)が減ってCO2が体内に貯留する病態。

  • COPDなどの閉塞性肺疾患

  • 肺胞低換気症候群や脊柱側湾症など

  • 神経筋疾患(胸郭運動が低下)

  • 薬剤での呼吸抑制




■ 呼吸性アルカローシスの原因

換気量が増えてCO2が体内から出て行く病態。

  • 低酸素による呼吸刺激(換気量の増加)

  • 過換気症候群

  • 疼痛による呼吸促迫

  • サリチル酸などの薬剤中毒




■ 代謝性アシドーシスの原因

呼吸によらず、体内にCO2以外の酸が蓄積する病態。多いのはCO2以外の酸が体内で産生された場合です。乳酸やケトン体などの有機酸は気軽には測定できなかったので、アニオンギャップ(AG)を計算してそういったものが増えているかどうかを推定します。


・AGの計算

AG=(Na+)−{(Cl-)+(HCO3- )}
または
AG={(Na+)+(K+)}−{(Cl-)+(HCO3-)}

AG=(Na+)−{(Cl-)+(HCO3- )}のとき正常値は12±2mmol/L。


AGが増加するもの|貯留する物質

  • 敗血症・乳酸アシドーシス|乳酸

  • 糖尿病性ケトアシドーシス|ケトン体

  • 飢餓状態|ケトン体

  • 尿毒症|リン酸

  • 中毒|メタノール他



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posted by 長尾大志 at 17:58 | Comment(0) | 呼吸器研修ノート

2017年09月07日

動脈血液ガス分析1

さてここで一度、動脈血ガス分析のおさらいをしておきましょう。


動脈血ガスの正常範囲

pH=7.350〜7.450(7.400±0.05)
PaCO2(動脈血ガス二酸化炭素分圧)
=35〜45Torr(40±5)
PaO2(動脈血ガス酸素分圧)
=80〜100Torr
HCO3-(重炭酸イオン)
=22〜26mEq/L(24±2)


です。
ちなみに最近よく看護師さんが採っておられる静脈血液ガスの正常範囲は、


pH=7.37
PvCO2(静脈血ガス二酸化炭素分圧)
=48Torr
PvO2(静脈血ガス酸素分圧)
=40Torr
HCO3-(重炭酸イオン)
=26(24〜28)mEq/L


ぐらいです。pHとPvCO2、HCO3-の動きには動脈血同様の意味がありますので、PaO2を知りたい、というのでなければこれで代用してもいいでしょう。でも、研修医の先生には、血ガスぐらい自分で採って頂きたいものです。


動脈血液ガス分析結果の見かた

@pHを見る。→アシデミアかアルカレミアか正常範囲かを確認する。これが正常範囲でなければ、何らかのアクションが必要。

Aアシデミア、またはアルカレミアの場合、そうなっている理由が呼吸性なのか代謝性なのかを確認する。
アシデミアの場合:呼吸性アシドーシス(PaCO2>45)か、代謝性アシドーシス(HCO3-<22)か。
アルカレミアの場合:呼吸性アルカローシス(PaCO2<35)か、代謝性アルカローシス(HCO3->26)か。

BpHが動いている原因がわかったら、それと違う方(呼吸性・代謝性)が代償している(逆方向に動く)がどうか確認する。
例:呼吸性アシドーシスがあったら、代謝性アルカローシスで代償しようとするはず。

代償していれば、ある程度長い間その状態であり、代償していなければ、急性期である。


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posted by 長尾大志 at 17:29 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年09月06日

症例検討会BRONCHO18−8

昨日は時間の都合?でサッサッサッと進みましたが、付いてこられましたか?


まずは低酸素をみたときに、これはハッキリしている病態で説明可能なのかどうか、評価する必要があります。わかっている病態だとこれほど低酸素にならないのではないか、となると、それ以外に低酸素になる理由(換気血流ミスマッチ、シャント、拡散障害と肺胞低換気)のどれかが存在しないか、考えてみる必要があります。


呼吸器疾患によく合併するものとして、肺高血圧症と肺血栓塞栓症が知られています。これらは主にミスマッチによって低酸素を来しますが、肺高血圧の原因として、肺疾患および/または低酸素血症による肺高血圧、というジャンルがあるくらいですから、合併例は少なくありません。特に、COPDに線維化が合併したCPFE(Combined pulmonary fibrosis and emphysema:気腫合併肺線維症)で肺高血圧は多いとされています。


また、膠原病関連の肺高血圧症も肺高血圧の1ジャンルであり、膠原病合併間質性肺炎と肺高血圧症の合併?もしばしばみられます。


それから、ADL低下やステロイドの使用、癌の合併など、呼吸器疾患では血栓のリスクも高まることがありますので、こちらも注意が必要です。



肺高血圧の診断・治療にはガイドラインがあり、それほど悩まずともフローチャート通りに行けばきちんと診断、治療を考えることが出来るのですが、これがちょいちょい(おそらく薬が出るたびに?)変わるので、新しいものを知っておかなくてはいけません。


現状ではこちらになるかと思います。診断フローチャートはFigure1になります。
2015 ESC/ERS Guidelines for the diagnosis and treatment of pulmonary hypertension: The Joint Task Force for the Diagnosis and Treatment of Pulmonary Hypertension of the European Society of Cardiology (ESC) and the European Respiratory Society (ERS): Endorsed by: Association for European Paediatric and Congenital Cardiology (AEPC), International Society for Heart and Lung Transplantation (ISHLT).
Galiè N, et al. Eur Heart J. 2016 Jan 1;37(1):67-119.


PHを疑ったら経胸壁心エコーを行います。そこで三尖弁逆流速度や右心負荷所見を評価し、PHが疑わしいとなったらPHの原因として頻度の高い左心系疾患や肺疾患の評価を行います。


それらがない、関与が少ない、となりますと、次は慢性血栓閉塞性肺高血圧症(chronic thromboembolic pulmonary hypertension:CTEPH)の有無を確認するために換気血流シンチグラフィや造影CTを施行します。その後診断確定、および分類のために右心カテーテル検査で肺動脈圧、肺動脈楔入圧や肺血管抵抗などを測定していきます。


で、平均肺動脈圧≧25mmHg、かつ肺動脈楔入圧≦15mmHgであれば肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension:PAH)と診断、ということになります。


本症例ではIPFに合併したPH、ということで、nintedanibを導入し経過、治療効果を確認するとともに、PHに対して血管拡張薬を考慮することになりました。いずれも薬価が高く副作用のこともあり、効果がなければダラダラと継続すべきではありませんので、きちんと効果の確認が必要です。


また、間質性肺炎と肺高血圧症があることから、その基礎疾患としての膠原病が今後発症してこないかどうかも、注意深く観察する必要があるでしょう。


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posted by 長尾大志 at 19:19 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年09月05日

症例検討会BRONCHO18−7

肺機能検査では、%VCが65%と、それほど拘束性障害が強くはありませんが、それに比して%DLCOが24.3 %とかなり低い。それに安静時でも既にPaO2<60Torrと結構な低酸素です。


なんか、肺活量の割に、拡散障害が強く、低酸素が過ぎませんでしょうか??患者さんを何例か診たことがあれば、違和感があると思います。ただIPF、というだけで%VCが65%だと、それほど(少なくとも安静時には)低酸素にはならないと思われます。


そこで思い出して頂きたいのが、胸部X線写真における「両側肺動脈影の径拡大あり」所見です。気付かれていましたか?今まであえてスルーしてきましたが、これは肺高血圧の所見なのです。肺高血圧が合併するとしたら、この拡散障害〜低酸素も納得ですね。


そこで、さらに心エコーを施行、右心負荷所見を認めたため、換気血流シンチを施行。換気、血流ともに欠損域なし〜慢性血栓閉塞性肺高血圧症(CTEPH)を否定して、右心カテーテルにて肺高血圧症の確認、評価を行いました。


<右心カテーテル検査>
PCWP 7 mmHg mPAP 35 mmHg



Q:最終的な診断、分類は?
治療薬は何を使いますか?


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posted by 長尾大志 at 18:03 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年09月04日

症例検討会BRONCHO18−6

あ…そういえば、GAP indexについて…書いていませんでしたね。


まあ必須、というわけでもなく、いわれてみればそうだろうな、という感じのものですが、知らないと気になりますので、ご紹介しておきましょう。


GAPとはG(Gender:性別)A(Age:年齢)P(Physiology:生理学的指標)の頭文字で、これらの組み合わせで予後予測になる、という報告があるのです。
A multidimensional index and staging system for idiopathic pulmonary fibrosis.
Ley B, et al. Ann Intern Med. 2012 May 15;156(10):684-91.


G 女性 0
  男性 1

A 60歳未満 0
 61-65歳 1
 66歳以上 2

P %FVC 75%を超える 0
 50〜75% 1
 50%未満 2

%DLco 55%を超える 0
36〜55% 1
35%以下 2
測定不能 3


合計得点が0〜3点でStageT(1年死亡率5.6%、2年死亡率10.9%、3年死亡率16.3%)
4〜5点でStageU(1年死亡率16.2%、2年死亡率29.9%、3年死亡率42.1%)
6〜8点でStageV(1年死亡率39.2%、2年死亡率62.1%、3年死亡率76.8%)


この論文の後にもいくつか論文が出ております。間質性肺炎の分類を勘案したスコアリングもありますが、要するに何となく皆さん思っていた「男性で高齢で、肺機能が悪い患者さんの予後が悪そう」を数値化したものです。


どちらかというと臨床の現場で普及している、というよりは、疫学研究であったり、薬剤の開発(効果の評価)であったりに使われているような印象があります…。


で、本症例の肺機能検査ですが…


<肺機能検査>
VC 2.61 L %VC 65 %
FVC 2.74 L %FVC 70.1 % (半年前の%FVC 77.8 %)
FEV1.0 2.50 L FEV1.0% 91.23 %  %FEV1.0 111.7 %
DLCO 5.01 ml/min/mmHg %DLCO 24.3 %


6分間歩行は室内気で既に低酸素があったため施行されませんでした。


Q:肺機能検査の評価は?


症例検討会BRONCHO

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posted by 長尾大志 at 18:11 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年09月03日

渓仁会グループ合同勉強会にて、「呼吸生理とフィジカルアセスメント」「医療・介護関連肺炎」のお話

昨日はそういうわけで、渓仁会グループ療法士さんの合同勉強会で、講師を務めさせていただきました。


当初は手稲渓仁会病院さんの勉強会、という風になぜか思い込んでいて、参加されるのは十数名かなあ、そうするとグループワーク中心の方がいいかなあ、少なくとも双方向性の方がいいかなあ、等と思っていたのですが、お話を伺っていると新卒の方も多く、基礎からしっかり講義を…とのことでしたので、軌道修正して当日臨んでみると、なんと150名ものご参加でした!ガッツリ双方向性にしなくてよかった…(汗)。


前半では呼吸生理の基礎と診察の手技、そして後半には肺炎のメカニズムと、なぜこういう所見が見られるか、的なお話をさせていただきました。今年改訂になった肺炎ガイドラインも、療法士さんに関与いただくところがますます増えているのでしっかりとお話しいたしました。


ちょっとだけ双方向性、ということで、途中で問題を挟みつつ、最後に正解の多かった方によるじゃんけん大会で景品授与、なんかもやらせていただきました。それなりに盛り上がっていたでしょうか?


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実はこちら、渓仁会グループさん全体の合同勉強会だったそうです。グループの規模(なんと北海道の療法士さんの5%を占めるとか!)にも驚きましたが、療法士の皆さんがものすごく勉強熱心であることにも感銘を受けました。さすがです。


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さすがに150人の前でのご質問は少なかったのですが、終わった後のご質問が数多く、また非常に鋭い(≒なかなか解の見当たらない、解決の難しい)ご質問が多かったのですね。


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そして北海道の幸も堪能いたしました。口にするものどれも最高!是非また北海道でのお仕事を承りたいものです(笑)。


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このたびは手稲渓仁会病院の小谷さんに何度もやりとりして頂き、本当にお世話になりました。また、本当に名前を挙げられないほど多くの皆さんと語らい、名刺交換もさせていただきました。あたたかく迎えて頂き、本当に感謝しております。今後ともよろしくお願い申し上げます。グループのますますのご発展をお祈り申し上げます。

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posted by 長尾大志 at 16:34 | Comment(0) | 活動報告

2017年09月02日

渓仁会グループ合同勉強会でお話させて頂きました。

今日はそういうわけで、渓仁会グループ関連施設合同の、療法士さん勉強会でお話をさせて頂きました。


いろいろと感銘を受け、ご報告もしたいのですが、諸事情により詳しいご報告は明日にさせて頂きます。

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北海道限定の「ナポリン」を初めて頂いたこのお店では、なぜかずっとNMB48のシングル曲が流れていたのも印象的でした…。

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posted by 長尾大志 at 22:51 | Comment(0) | 日記

2017年09月01日

症例検討会BRONCHO18−5

1つのスライスだけではなかなか判別が難しいかもしれませんが、末梢気管支の拡大(牽引性気管支拡張像)、胸膜直下・肺底部優位に網状影と、周囲にわずかなすりガラス影、両側肺底部中心に一部蜂巣肺形成もあるかと考えます。一般的?には、UIPパターンといっていいかなと思います。


あと、評価しておくべきは現状の重症度。患者さんの自覚症状や予後につながるものとして、肺機能、酸素化、労作時の低酸素といったものが挙げられます。


これらはIPFの重症度分類やGAP indexにも使われています。血ガスは先に見ましたから、肺機能検査や6分間歩行検査を見たいですね。




というところで、時間切れのようです。これから北海道に向かいます。明日、手稲渓仁会病院さんでグループの理学療法士さんと勉強会をさせて頂きます。参加される皆さん、どうぞよろしくお願い申し上げます。


症例検討会BRONCHO

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posted by 長尾大志 at 13:10 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年08月31日

症例検討会BRONCHO18−4

胸部X線写真、見覚えのある画像じゃなかったですか?実は先週にも出てきた写真なのでした。先週は軽〜く「両側網状影、すりガラス影。両側肺門の拡大」といいましたが、少し詳しく、分布についても触れると、「両側、胸膜側・下肺野優位の網状影+すりガラス影、両側肺動脈影の径拡大あり」となるでしょう。


血液検査でSP-D、KL-6高値、そして両側、胸膜側・下肺野優位の網状影+すりガラス影ですから、間質性肺炎の存在を想起することは容易です。


間質性肺炎とすると、さらなる問題は、予後と治療を左右する分類の問題、まずは「特発性か、原因のあるものか」。


年齢・性別からも、他の症状からも、膠原病を示唆するものはありませんし、スクリーニング的に取られた自己抗体では陰性ばかりです。そして間質性肺炎を惹起する薬剤の服用、吸入物質もないようです。とすると特発性か…。


特発性としたら、HRCTによるパターン分類。そうです、HRCTが必要ですね。



<胸腹部単純CT>

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Q:HRCTの所見は?


症例検討会BRONCHO

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posted by 長尾大志 at 18:58 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年08月30日

症例検討会BRONCHO18−3

ここまで、というのは病歴と身体所見ですね。


心不全に関しては、病歴からはアリ(糖尿病、心筋梗塞の既往)ですが身体所見上は、頻脈、不整脈なく、頸静脈、心音/呼吸音などにも目立った所見がないことから、強く疑われる感じではありません。


COPDですと胸鎖乳突筋肥大など頸部の所見や、呼吸音の減弱、心尖拍動部の移動や濁音界の低下などが見られるものですが、それもなし。


両側下肺野優位にfine cracklesを聴取したことより、間質性肺炎の存在が考えられ、ばち指の存在もそれを裏付けるものです。


なお、慢性の肺血栓塞栓症を身体所見から否定するというのは困難ですが、少なくとも間質性肺炎よりは可能性が少なそうです。


皮疹なし、爪血管床発達なし、関節痛なし、朝のこわばりなし、レイノー現象なし、というのは、間質性肺炎に関連して、膠原病のスクリーニングをしている、と思って頂ければ。



そして糖尿病のコントロール状態ですが、前医での評価が入院時には届いておらず、現段階では詳細不明としておきます。少なくとも、眼底の評価(網膜症)、尿検査・腎機能検査(腎症)、神経症の評価を早い段階でしておく必要があるでしょう。



<入院時検査所見>
<血液検査>
HB (g/dl ) 16.5
WBC (1000 ) 9.6 H
SEG/NEUT (% ) 74.5 H
PLTS (1000 ) 221

TP (g/dl ) 7.7
ALB (g/dl ) 4.0
AST (U/l ) 22
ALT (U/l ) 16
LDH (U/l ) 358 H
ALP (U/l ) 257
G-GTP (U/l ) 39
T-BIL (mg/dl ) 0.58

NA (mmol/l) 142
CL (mmol/l) 105
K (mmol/l) 4.4
UN (mg/dl ) 22.3 H
CRE (mg/dl ) 0.99
eGFR ( ) 59.2

UA (mg/dl ) 6.5
CA (mg/dl ) 9.4
P (mg/dl ) 2.6

AMY (U/l ) 69
CPK (U/l ) 70

CRP (mg/dl ) 0.45 H

PT-INR ( ) 1.15
APTTP (秒 ) 33.2
Dダイマ- (μg/ml) 1.4 H
FIBG (mg/dl) 368

ケイコウ (倍 ) 40 未満
RF (IU/ml) 3
C-ANCA (U/mL ) 1.0 未満
P-ANCA (U/mL ) 1.0 未満
コウJO-1          (-)
コウARSコウタ        5.0 未満
抗CCP抗 (U/ml ) 0.6 未満
抗SS-A抗 (U/mL ) 1.0 未満

肺サーファクタ (ng/ml ) 363 H
KL-6 (U/ml ) 1682 H

A1C(NGSP (% ) 7.1 H
GLU (mg/dl) 241 H


<動脈血液ガス>安静時、nasal2L/min
PH ( ) 7.469 H
PCO2 (mmHg ) 31.1 L
PO2 (mmHg ) 52.4 L
HCO3 (mmol/l) 22.3
BE (mmol/l) 0.1
O2CT (ml/dl ) 19.4
O2SAT (% ) 87.9 L


<胸部Xp>

スライド68.JPG


Q:胸部X線写真の所見は?


Q:検査結果までふまえて、現段階での鑑別診断は?さらに必要な検査は?


症例検討会BRONCHO

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posted by 長尾大志 at 19:38 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年08月29日

症例検討会BRONCHO18−2

まず気になるのは、当然労作時呼吸困難や低酸素の状態でしょう。原因疾患は何か、低酸素は本当にHOTが必要な程度なのか、労作時呼吸困難が悪化した、その程度、悪化のスピードなど、気になる点が満載ですね。


そして糖尿病のコントロール状態。心筋梗塞を発症しているわけですから、そこそこ血管系に不具合が生じていそうです。メチコバール、キネダックと、神経症の薬も使われていますし、合併症の評価も必要でしょう。


労作時呼吸困難・低酸素の原因疾患としては種々の疾患が想定されますが、糖尿病の存在、心筋梗塞の既往から、合併症として心不全の有無を確認しておく必要はあるでしょう。




<入院時バイタルサイン>
BT 36.1 ℃, HR 68 mmHg, BP 105/68 mmHg, SpO2 90 %(安静時、nasal 2L/min) ※体動にて容易に70%台まで低下,RR 28/min


<入院時身体所見>
頭頸部:眼球結膜黄染・眼瞼結膜蒼白なし
    右眼球結膜に出血点あり
    頸部リンパ節腫脹なし
    胸鎖乳突筋肥大は明らかにはなし
    起坐位にて頸静脈怒張なし

胸部:心音 整、明らかな雑音なし ややII音亢進
   肺音 両側下肺野優位にfine crackles

腹部:平坦、軟、肝脾腫触知せず
   蠕動音正常

四肢:浮腫なし
   右足背に紫斑+右下肢静脈瘤あり
   ばち指+
   指先のチアノーゼあり

その他:皮疹なし、爪血管床発達なし、関節痛なし、朝のこわばりなし、レイノー現象なし


Q:ここまでで、呼吸困難・低酸素の原因疾患は何が考えられますか?

心不全
COPD
間質性肺炎
肺血栓塞栓症
その他


症例検討会BRONCHO

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posted by 長尾大志 at 18:14 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年08月28日

症例検討会BRONCHO18−1

症例 60歳代 男性


<主訴>
労作時の呼吸困難


<現病歴>
30年ほど前から2型糖尿病があり、長期間放置されていたが、数年前から近医糖尿病内科に通院していた。
数ヶ月ほど前から労作時呼吸困難があり、近医でHOT導入(nasal 2L/min)となった。その後も労作時呼吸困難が悪化し、当科紹介受診された。


<内服・吸入薬>
シムビコート 1日2回 2吸入
スピリーバ  1日1回 1吸入
バイアスピリン100mg1錠朝後
アマリール0.5mg 1錠朝後
エクア50mg 2錠分2朝夕後
メチコバール500μg 2錠分2朝夕後
キネダック 2錠分2朝夕後
エフィエント3.75mg 朝後
パリエット 10mg 朝後
リピトール 1錠分1朝後


<既往歴>
30歳代- 2型糖尿病
2年前  心筋梗塞(PCI)、白内障手術


<生活歴>
喫煙: 20-40本/日✕40年、50歳代以降禁煙
飲酒:ビール350ml1本/日程度
職業:自営業
粉塵暴露:なし
鳥類暴露:飼育なし、羽毛布団・ダウンジャケット使用なし、鶏糞の使用歴あり
住居:築50年木造
健康食品:特になし


<家族歴>
祖父:胃癌
母:胃癌、脳梗塞


<アレルギー>
特記なし
花粉症なし、喘息なし


Q:まず確認すべきこと(気になること)は?


症例検討会BRONCHO

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posted by 長尾大志 at 17:46 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年08月27日

メディカ出版看護セミナー『よくみる症例から学ぶ 呼吸器疾患〜おさえておきたい観察ポイント〜』と収録をしてきました

一昨日は収録1件。ケアネットさんでまた番組をやらせていただきます。また詳細が固まりましたら告知しますね。


そして昨日は、メディカ出版さんの看護セミナーで、『よくみる症例から学ぶ 呼吸器疾患〜おさえておきたい観察ポイント〜』というタイトルのお話をさせていただいておりました。なんだかんだでこちらの更新ができておりませんでしてご心配をおかけしました。


昨日も熱心な参加者の方々にたくさんご質問を頂き、なるほどこういうポイントがあるのだな、とよくわかりました。「急性期・術後の呼吸器ケア」偏に参加されていた、熱心な方もちらほら。


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昨今の事情から会場写真のupができず、食べ物写真になりがち…ですが、帰りの富士山「奇跡の瞬間」美しい夕焼けでした。外が暗くて室内が映り込んでおりますが…。

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posted by 長尾大志 at 19:53 | Comment(0) | 活動報告

2017年08月25日

症例検討会BRONCHO番外編・胸部の画像で見ッテQ!5

昨日の写真、いかがでしたか?


正解は「両側網状影、すりガラス影。両側肺門の拡大」でした。ただの網状影+すりガラスだけではありませんね。


さてそれではこれから私、東京へ向かいます。夕方にとある収録です。これはかな〜り楽しみです。それから明日のメディカ出版さんセミナーにご参加の方、よろしくお願い申し上げます。


『よくみる症例から学ぶ 呼吸器疾患〜おさえておきたい観察ポイント〜』
http://www.medica.co.jp/seminar/detail/171


あ、昨日の画像は、よ〜く覚えておいて下さいね。


症例検討会BRONCHO

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posted by 長尾大志 at 12:09 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年08月24日

症例検討会BRONCHO番外編・胸部の画像で見ッテQ!4

昨日の画像も、論理的思考を働かせて読影して下さい。


正解は、「右中葉の結節影。右肺門、および気管分岐部、それから傍気管リンパ節腫脹」です。


それでは、このシリーズも一旦終わり、最後の問題です。


スライド68.JPG


症例検討会BRONCHO

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posted by 長尾大志 at 19:13 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年08月23日

症例検討会BRONCHO番外編・胸部の画像で見ッテQ!3

昨日の画像も、順番にちゃんと読んだら、難しくはありませんね。


正解は「左上葉無気肺」でした。


それでは今日の1枚。


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症例検討会BRONCHO

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posted by 長尾大志 at 22:10 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年08月22日

症例検討会BRONCHO番外編・胸部の画像で見ッテQ!2

昨日の画像はおわかりでしたか?


お、めっちゃ簡単やん、ついに長尾先生、多忙のあまりちょっとアレになった?と思われた方もおられるかも知れません。まあ、初老ですから…。イヤイヤ。


ちゃんと意図があって出題しておりますよ。


いや、結節がある、そりゃわかるでしょう。どこに思考力が要るのか。それはその結節の「場所」です。長尾先生アレやな、と思われた方、場所まできちんと答えられたのでしょうね?



正解は「右の下葉に結節影」ですよ。


それでは今日の1枚。


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症例検討会BRONCHO

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posted by 長尾大志 at 21:10 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

メディカ出版看護セミナー『よくみる症例から学ぶ 呼吸器疾患〜おさえておきたい観察ポイント〜』今週末です

今週末に迫っておりましたのに、すっかり告知を忘れておりました。


・メディカ出版看護セミナー『よくみる症例から学ぶ 呼吸器疾患〜おさえておきたい観察ポイント〜』
http://www.medica.co.jp/seminar/detail/171
東京 8月26日(土) 建築会館 1階ホール 9時〜


呼吸器疾患の看護に役立つ「考え方」が定着するように、肺と呼吸の基礎から診察のやり方をマスターして頂き、さらによくある疾患で「何が起こっているのか」を知ることで、各々の現場で、丸暗記でなくきちんと考えて対処出来るようになって頂きたい。現場力を上げましょう。

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posted by 長尾大志 at 08:21 | Comment(0) | 活動報告

2017年08月21日

症例検討会BRONCHO番外編・胸部の画像で見ッテQ!1

今日は(も)やることがギチギチで、あっという間に日が暮れてしまいました。ということで、今日は「胸部の画像で見ッテQ!」をお送りいたします。こかで聞いたようなタイトルですが…BRONCHOで取り上げてもいいくらい、思考力を要する画像だと思いますので、手抜きだと思わず(苦笑)チャレンジしてみて下さい。


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症例検討会BRONCHO

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posted by 長尾大志 at 19:10 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年08月20日

福岡大学呼吸器若手育成セミナー「呼吸生理と血ガスの見かた/人工呼吸器の考え方」無事に終えました。

そういうわけで、昨日は福岡大学の石井寛先生にお招き頂き、呼吸器若手育成セミナーで「呼吸生理と血ガスの見かた/人工呼吸器の考え方」のお話をさせて頂きました。


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福岡大学さんには初めて伺いましたが、地下鉄直結で便利!ステキな環境でうらやましい限りです。


講演は、呼吸生理の基礎と人工呼吸器についてがテーマでしたが、聴かれる方が医学生さん、看護師さん、理学療法士さん、それに初期研修医から呼吸器内科の先生方、ということで、呼吸生理は基礎的なことから、血ガス〜人工呼吸器のところは、結構応用の利く、「どう考えて設定をするか」といったところまで、結構欲張って詰め込みました。時間的にも収まって安堵しました。


肝心の内容も、概ね皆さんに喜んで頂けたようで、こちらもホッとしました。


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石井先生と獺祭スパークリングと。


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拙著の読者の方もたくさん。サイン会?も盛況でした。何よりうれしかったのは、「学生の時呼吸器に苦手意識があったのが、先生の本を読んで呼吸器に興味がでて、進路も呼吸器を選択したんです!会えてうれしいです!」と言っていただけたこと。これまで自分がやってきたこと、苦労が報われた、そんな風に感じられました。なかなか教育に携わって、報われたと実感できることってないんですが、本当によかったです。


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さてお料理も、インスタ映え?する見た目、お味も素晴らしく、幸せなひとときでした。


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思わず写真を撮りたくなりますね!


石井寛先生はじめ福岡大学の先生方、いろいろお世話になりまして、ありがとうございました!
今後ともよろしくお願い申し上げます。

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posted by 長尾大志 at 15:56 | Comment(0) | 活動報告