2017年10月18日

症例検討会BRONCHO21−4

胸水があるぞ、となったら、まずは両側性か片側性かを確認します。両側だったら両側にあっても、ずいぶん量が違うものは片側性の要素あり、と一応考えます。


両側同じような量の水があるときは、明らかに漏出性胸水の原因となる病態があるかどうかを検討します。例えば、


  • 心不全

  • 低アルブミン血症

  • 透析中の溢水



など。基礎にこういう病態があれば、例えば心不全なら、利尿薬など、基礎病態への治療を行います。それで反応があれば、まずはそれによる胸水、と考えてよいでしょう。これが、そもそも抜かなくてもある程度病態がわかる、ということです。


もちろん片側性の胸水を来す病態にこういう病態が合併している、ということもありえます。ですから、治療をしても胸水コントロールが芳しくないときなど、積極的にサンプルを採取する姿勢は大事だと思います。



で、穿刺で得られた胸水で、調べる項目は何か。要するに、胸水の原因を鑑別するために使われる項目は何か、ということです。漏出性胸水と滲出性胸水を大まかに分別し、疾患特異的な情報を得るために使われる項目としては…


  • 蛋白

  • LDH

  • pH・糖

  • 細胞分画

  • 培養

  • 細胞診



があります。有名なLightの基準は、蛋白とLDHが濃いと滲出性胸水と考える、というもので、この2項目は胸水を評価する上で必須の項目です。


蛋白とLDH 以外は、Lightの基準で滲出性となったときに、それ以上の鑑別に必要となる項目です。


pHが<7.2に低下、かつ糖<60mg/dLとなっていると膿胸を疑い、即刻ドレナージの対象となります。つまりこれらは治療方針を決める根拠となります。


細胞分画は滲出性の原因疾患を考える上で大切な項目です。おおざっぱに言って、好中球中心であれば細菌感染を、リンパ球主体であれば抗酸菌感染、または腫瘍性疾患を疑います。好酸球が多いときには好酸球増多疾患、または気胸や血胸の影響が考えられます。


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posted by 長尾大志 at 17:30 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

告知!メディカ出版看護セミナー『よくみる症例から学ぶ 呼吸器疾患〜おさえておきたい観察ポイント〜』

最近告知をすっかり忘れていました。


10月21日(土) 大阪私学会館4階講堂にて、9時から16時半まで、みっちり1日のセミナーです。


メディカ出版看護セミナー『よくみる症例から学ぶ 呼吸器疾患〜おさえておきたい観察ポイント〜』
http://www.medica.co.jp/seminar/detail/171


前回東京編での好評だったアンケートや、東京での講演風景、それに私の挨拶動画もありますので、「こんな間際に何を言ってるんだ!」という方も、リンク先を一度ご覧頂ければそれなりに楽しんで頂けるかと思います。


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posted by 長尾大志 at 10:55 | Comment(0) | 活動報告

2017年10月17日

症例検討会BRONCHO21−3

古くからの格言?に「水を見たら抜くべし」というものがあります。胸水はアプローチも比較的容易ですから、特に若いうちは果敢に?穿刺を行い、経験を積むべきです。やはり検体に勝る証拠はありません。


…てことで、


Q:抜いた胸水で調べる項目と、その意味を復習しましょう。


Q:しかし、そもそも抜かなくてもある程度病態がわかることもあります。どんなときでしょうか?


Q:漏出性胸水と滲出性胸水との鑑別、覚えていますか?


Q:漏出性胸水の鑑別診断はどう進めますか?


Q:滲出性胸水の鑑別診断はどう進めますか?


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posted by 長尾大志 at 18:12 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年10月16日

症例検討会BRONCHO21−2

病歴からは2週間程度の経過の労作時呼吸困難と動悸ということで、ちょっと鑑別診断が絞れる感じではありませんが、胸腹部の診察で一気に絞れて参りますね。これが身体診察の面白さ。


SpO2が94%(room air) 。これは正常ではありませんね。何らかの機序で低酸素になっていると言うことです。


で、声音振盪が右肺で低下し、打診で右下肺は濁音。呼吸音は右下肺で減弱、ということで、右下になにやら水濃度以上のものが存在していそうだ、ということがわかります。右側腹部(胸部の下方)には自発痛があるものの圧痛・叩打痛がない、ということで、胸壁の病変よりも内部の病変であると推測されます。



<入院時検査所見>
【血液検査】
HT (% ) 35.6 L
HB (g/dl ) 11.9 L
RBC (1000000 ) 3.55 L
WBC (1000 ) 5.6
PLTS (1000 ) 220
SEG/NEUT (% ) 63.3
EOSIN (% ) 1.8
BASO (% ) 0.4
LYMPH (% ) 27.8
MONO (% ) 6.7
TP (g/dl ) 6.6
ALB (g/dl ) 4.0
AST (U/l ) 24
ALT (U/l ) 14
LDH (U/l ) 254 H
ALP (U/l ) 156
G-GTP (U/l ) 20
CHE (U/l ) 243
T-BIL (mg/dl ) 0.47
D-BIL (mg/dl ) 0.06
A/G比 ( ) 1.54
NA (mmol/l) 140
CL (mmol/l) 105
K (mmol/l) 4.3
UN (mg/dl ) 22.0
CRE (mg/dl ) 0.80
eGFR ( ) 72.9
UA (mg/dl ) 4.4
CA (mg/dl ) 9.1
P (mg/dl ) 3.5
CRP (mg/dl ) 0.27



胸部X線写真、胸部CTでは、右胸水を認めました。


スライド85.JPG


スライド86.JPG



Q:次に何をしますか?


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posted by 長尾大志 at 16:48 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年10月15日

幼稚園の運動会・ファイナル(予定…)

今日は、長きにわたってお世話になりました、地元幼稚園の、長尾家として最後に参加する運動会でした。


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数えてみると長男の時から、計11回目となります。長男は、入園当初ふざけてばかりでまともにダンスをしなかったのが、年長になって組み体操をしっかりできるようになりました。そんな姿を見て、目頭が熱くなったりしたものですが、毎回皆同じように成長していく姿を見ていると「こんなもんなんだ」「まあ、成長するよね」という感じで感動も薄れていき…教育者として馴れ合いのような、その心持ち、どうなんだ、と独りツッコミ。


昨日も書きましたが、「教育」「しつけ」といったものが「効果がある」とか「よい」というのは、いったいいつ、どうやって判断されるべきものか、未だによくわかりません。子供たちを見ていると、親の関わり方は子どもたちの個性、成長に、あまり関係がないようにも見えるし…親は無くとも子は育つ、といいますか。


とすると教育者を評価する、というのもなかなか骨の折れることです。少なくとも学生による「授業評価」は、授業の本質とは関係ないところでついている模様。以前にも書きましたが、美人の先生ほど授業評価が高かったという調査結果もあるのです。「アウトカム基盤型教育」はアウトカムの設定が何よりも大切ですが、現行のアウトカムは甚だ心許ない。
"Beauty in the Classroom: Instructors' Pulchritude and Putative Pedagogical Productivity" Hamermesh, Daniel S.; Parker, Amy; Economics of Education Review, August 2005, 24(4), pp. 369-76


逆に、教員が学生を評価するとき、上級医が研修医を評価するとき、「主観」が入らずに評価することはできるのでしょうか。それこそ男性の教員が美人で愛想のいい学生に甘い点数をつけたりすることは避けられるのでしょうかね。まあ、上の研究では、イケメン男子の教員の方が「美」のインパクトが大きかったらしいですが…以前とある実技試験で、入室から10秒の印象点と、概略評価と、各々の評価合計の相関を見た研究をやってみたのですが、ご多分に漏れず…という感じでした。


雑駁な話ですが、今回が最後(であろう)運動会をみていて、心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書いてしまいました。時間も時間ですのでこの辺で。

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posted by 長尾大志 at 23:18 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年10月14日

第20回 滋賀呼吸器感染症研究会に参加して思う

先日、第20回滋賀呼吸器感染症研究会に参加致しました。しかし昨今、新規抗菌薬はとんと開発されず、市場には後発品ばかり、という状況で、こういった会にメーカーさんのサポートをいただける、ということもどんどん減っておりまして、ご多分に漏れずこの会も、今回で最後、ということでした。


私も滋賀に来て当初はあまり熱心に参加してきませんでしたが、彦根の茂籠先生によって毎年ご報告いただいている「昨年度 滋賀県における P.aeruginosaのサーベイランス報告について」の面白さにハマリ、また、特別講演も毎年興味深い話題を提供頂き、ここ最近はすっかり常連として参加させて頂いていただけに、終わるのは大変残念です。


まあ、時代もそういう時代ではない、ということなのでしょう。勉強したければメーカーに頼るのではなく、自分でしろ、と。



で、その茂籠先生のご発表を聴いていると…。数年前まで、滋賀県の、特にある特定の施設において顕著でありましたが、緑膿菌の各種抗菌薬に対する感受性がヤバかった。それが、ここ数年、感受性が戻って来つつあるのです!


抗菌薬を使わなければ、感受性は戻って来ると考えられていますが、滋賀県下の病院でも、適正使用が進んでいるのでは!!!


ひょっとして、ひょっとしてなんですが、滋賀医大で私たちが口をすっぱくして教育・指導して回っている、「抗菌薬の適正使用」、これが、実を結んできたのかも…なーんて、夢を見たくもなりますね。


教育って、その効果・アウトカムが、ほんっと〜〜に見えにくいもので、自分がやっていることが、意味があるのだろうか??って、疑心暗鬼に陥ることもあります。たまには、自分たちの教育が、滋賀の医療を変えた…なんて、夢を見てもいいじゃないですか…。

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posted by 長尾大志 at 21:00 | Comment(0) | 活動報告

2017年10月13日

症例検討会BRONCHO21−1

さてこれまでは少々込み入った疾患たちを見て頂きましたが、このあたりで、いくつか基本的・典型的な症例検討、を見て頂きましょう。基本的な診断〜治療の流れを追体験して頂くためです。



症例 70歳代 男性


<主訴>
右側腹部痛 軽度食思不振


<現病歴>
2週間前より労作時呼吸困難、動悸が出現し近医受診。その際胸部X線写真にて異常影を認め、精査加療目的に当科紹介受診となった。


【入院時内服薬】
レスリン錠25r 1 錠
マグミット錠330r 3 錠


<既往歴>
特記事項なし


【家族歴】
兄:胃癌


【生活歴】
喫煙:20-71歳 30本/day×51年(2014年6月から禁煙)
飲酒:なし
職歴:建築業
粉塵暴露:なし


<アレルギー>
特記事項なし


う〜ん、これだけでは何ともかんとも。診察まで進みましょう。


<入院時身体所見>
PS:1 ADL:自立

体温36.5℃ 血圧114/63mmHg 脈拍72bpm 呼吸数12回/min
SpO2:94%(room air) 

眼瞼結膜 貧血なし
眼球結膜黄染なし
頚部リンパ節触知せず
腋窩リンパ節触知せず
心音 整 雑音聴取せず
肺音 右下肺 呼吸音減弱 

打診 右下肺 濁音 
声音振盪 右肺減弱
右側腹部 圧痛・叩打痛なし 自発痛あり
腹部 平坦 軟 腸蠕動音→
四肢 下腿浮腫、冷感なし



Q:この時点での鑑別診断は?次に行うべき検査は?


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posted by 長尾大志 at 18:20 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年10月12日

症例検討会BRONCHO20−13

もったいぶらずに診断です。静脈血、気管支洗浄液より検出されたのはNocardia farcinicaでした。


ちなみにコロニーは痰の色と同じ褐色調でした。コロニーの色調は培地の色にも左右され、必ずしも褐色となるものではありませんが、それでも気管支内の痰とコロニーの色が同じ、というのは示唆的です。ともかく静脈血、気管支洗浄液の両方から菌が検出されたことから、ノカルジア(菌血)症と診断し、治療薬を変更しました。


なお、その他血清学的には、C7HRP陰性、クリプトコッカス抗原(−)、カンジダ抗原(−)、QFT(−)でした。


播種性ノカルジア症では脳病変の合併が多く、治療前に調べておきたいところです。こちらも頭部CTを撮影しましたが脳に異常所見は認められませんでした。


以上、病理、培養の結果を確認後、ST合剤(スルファメトキサゾール・トリメトプリム)+IPM/CSを開始しました。治療開始後、症状、画像、検査所見いずれも改善し、順調に経過しています。



本症例ではMCDの診断と、治療後に起こった合併症について学ぶことができましたね。


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posted by 長尾大志 at 17:06 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年10月11日

症例検討会BRONCHO20−12

胸部CTの所見は、1スライスしかありませんが、右肺S10に、以前にはなかったコンソリデーションが出現していて、その前方にあった陰影や左肺の陰影は消失しています。他のスライスでは、右S6浸潤影の増強、右S9に2cm程の結節影出現を認めています。


本症例では、細菌性肺炎と考えますと、NHCAPということになります。前回入院時も同じような画像所見・臨床像での(肺炎と考えられる)入院がありましたが、その時はCTRX+CLDM→LVFXにより軽快しました。


今回、リンパ増殖性疾患+ステロイド中等量使用中で、免疫低下状態にあり、かつ、数週間前に結構広域の抗菌薬を使用していますから、気管支鏡検査に踏み切ります。施行後、真菌感染も念頭に置いてMEPM+MCFG(ミカファンギン)を開始しました。


気管支鏡検査の結果:

気道内には喀痰が多い。吸引にて、褐色の粘調な痰が引けました(下図)。右B9中心に下葉で採痰し、右B6にて生検を施行しました。


スライド83.JPG


スライド84.JPG

塗抹鏡検像



Q:診断は?


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posted by 長尾大志 at 18:14 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年10月10日

症例検討会BRONCHO20−11

できれば感染病原体を検出したいところです。可能であれば気管支鏡による気管支洗浄、最低でも喀痰検査と血液培養はほしいですね。もちろん、血清学的検査や尿中抗原で出来るものはやっておきたい。


<入院時身体所見>
意識レベル:清明 SpO2 98% RR=12回
結膜:眼瞼結膜 黄染なし 眼球結膜 蒼白なし
心音:整、雑音なし
肺音:清、副雑音なし
腹部:平坦、軟、圧痛なし、腸蠕動音亢進なし
四肢:浮腫なし、紫斑なし
リンパ節腫脹なし


<入院時検査所見>
TPHA- HCV-Ab- HIV-
【血液】
HT (% ) 32.3 L
HB (g/dl ) 10.3 L
RBC (1000000 ) 3.77 L
WBC (1000 ) 26.7 H
PLTS (1000 ) 312
SEG/NEUT (% ) 95.7 H
LYMPH (% ) 2.0 L
MONO (% ) 2.3
MCV (μ3 ) 86
MCH (pg ) 27.3
MCHC (% ) 31.9
TP (g/dl ) 6.7
ALB (g/dl ) 2.5 L
AST (U/l ) 14
ALT (U/l ) 30
LDH (U/l ) 204
ALP (U/l ) 371 H
G-GTP (U/l ) 122 H
CHE (U/l ) 177 L
T-BIL (mg/dl ) 0.48
A/G比 ( ) 0.60 L
NA (mmol/l ) 138
CL (mmol/l ) 99
K (mmol/l ) 5.0 H
UN (mg/dl ) 62.0 H
CRE (mg/dl ) 8.83 H
eGFR ( ) 5.3
UA (mg/dl ) 5.5
CA (mg/dl ) 7.9 L
P (mg/dl ) 6.5 H
T-CHO (mg/dl ) 209
AMY (U/l ) 203 H
CPK (U/l ) 13 L
CRP (mg/dl ) 13.87 HH

β-DG 18.4H
PCT 5.83H


【胸部CT】


スライド82.JPG



Q:胸部CTの所見は?



治療は、感染を積極的に考えるということであれば、抗菌薬を使っておかざるを得ないでしょう。



Q:抗菌薬は何を使いますか?


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posted by 長尾大志 at 17:43 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年10月09日

宿坊合宿で初心に返り勉強と自省

この土曜日、日曜日には、チーム関西によります「宿坊合宿2017」におじゃまして参りました。2日間泊まり込みで学生さんが勉強しまくるという、自分の学生時代を思うと信じがたい催し物です。今年のテーマは「初心」。スケジュールを見てみると…


10月7日(土)
13:00〜14:45 平島修先生・吉岡秀人先生
15:00〜16:15 上田剛士先生
16:30〜18:00 北和也先生・松本謙太郎先生
18:30〜19:30 夕食
19:30〜20:45 長尾大志
21:00〜22:15 徳田安春先生
22:30〜24:00 懇親会

10月8日(日)
9:00〜10:15 児玉和彦先生
10:30〜11:45 忽那賢志先生・谷崎隆太郎先生
12:00〜12:30 座談会


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平島先生はオープニングからテンションmaxで、引き込む力がすごい。滋賀医大の授業で取り入れたいけれども、取り入れたらセクハラになるかなあ、平島先生だからいいのかなあ…。


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吉岡先生のお話は、「やることやってきた人」ならではの、説得力のあるお話。やるか、やらないかだったら、やるしかないだろ。連日、自分の行いを省みることになります。ならぬは人の なさぬなりけり なのだなあ。


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上田先生の世界、何気なく聴いていると「へぇ〜」で終わるかもしれませんが、スゴいことを高速で回しておられ、かつ学びのことを考えておられる。やっぱり桁違いに勉強されていると、何事も洗練されるのですね…。


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キタカズ先生✕マツケン先生、やっぱりオモロイ。フリートークでこれだけ笑いが取れる、もはやひな壇を超えてMC芸人レベルではないでしょうか。


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滋賀医大の誇る優等生K君も、プレゼンター側で登場。流石でしたね〜。


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徳田先生はテーマに沿って、ご自分のキャリアと学生のキャリア形成について。お話の重みが皆に伝わっているでしょうか…。


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翌朝の児玉先生は、小児科で付きものの、ある問題についてのグループワークと、後半は、「ならぬは人の なさぬなりけり」ということについて。この2日間で、とにかく猛省です。


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忽那先生✕谷崎先生の、見るトレクイズ大会。構成が素晴らしい。もちろんクイズも。答える学生さんも恐ろしい。


自分のやっているところは撮れませんでした(当たり前)ので、終了後のお写真をば。


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豪華講師の先生方と!


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今回の首脳陣、チーム関西の代表さん方と!


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チーム関西の世話役?の方と!


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拙著当選者の方と!


主催の、チーム関西の皆さん、講師の先生方、そして参加されたすべての先生方、本当にありがとうございました!

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posted by 長尾大志 at 19:24 | Comment(0) | 活動報告

2017年10月08日

ご報告の多い週末:市立敦賀病院さんで「症例から学ぶ 呼吸器四方山話」

ご報告いろいろです。


一昨日は、市立敦賀病院さんにおじゃま致しまして、「症例から学ぶ 呼吸器四方山話」ということでお話をさせていただきました。


DSC_0226.JPG


S先生の撮ってくださる写真は、いつもイイ!ありがとうございます。これまでプロフィール欄によい写真がなかったのですが、使わせて頂きます!


福井県には、4月に福井県内科医会学術講演会にてお話ししたこともあり、半年ぶりということになりますが、敦賀は学生の時以来ですからもう20年以上ぶりとなります。駅前は記憶とは異なり、すっかりきれいに整備されておりました。


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たくさんの方に聴講していただきました。何人も拙著の読者の方がおられて、熱心に聴き入っていただきました。本当にありがとうございました。


関西の学生さんによる勉強会!で知り合ったS先生のお誘いで、このたび敦賀に参りましたが、このS先生を知る人は皆「スーパーな人だ」と口をそろえておっしゃいます。今回、そんな方にわざわざ送迎もお願いすることとなってしまい、結果的に大変いろいろなお話を伺うことができまして、こちらが大変刺激を受け取った次第です。


なかなか上手く物事が運ばない現状に、甘えてしまい、「できない理由」ばかり探している自分の姿がよ〜くわかりました。今居る環境に文句があるならば、環境を変えてガンガンやるか、今居る環境でできることを、もがいてやっていくか、文句を言わずそのままいるかしかない。文句ばかり言って何もしないのは最低ですね。


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ということで、刺激的な敦賀の夜、帰りの道中も刺激的でした。人生について考える出来事もありました。とにかく語ることは大切ですね。S先生、何から何まで本当にありがとうございました。K先生他の先生方、Wさんも、いろいろお話しいただきありがとうございました。今後ともよろしくお願い申し上げます!

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posted by 長尾大志 at 22:41 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年10月07日

敦賀から宿坊へ。

昨日は敦賀で、大変刺激的なひとときでした(帰りも)。ご報告は日を改めて。


今日は今から、宿坊合宿へ行って参ります。こちらもご報告は日を改めていたします。ご参加の皆さん、よろしくお願いします!

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posted by 長尾大志 at 11:47 | Comment(0) | 日記

2017年10月06日

症例検討会BRONCHO20−10

胸部X線写真にて、右の上肺野、下肺野に浸潤影が増加してきました。そこで、


  • 感染症(ステロイドによる易感染性による)

  • 原病の悪化



が想定されました。ただ、PSL25mgまで順調に経過していたことから、原病の悪化よりは感染症を想定しまして、採痰を行った後PSLを25mgから20mgに減量、そしてアジスロマイシンを処方されました。


喀痰培養は陰性でしたが、その後38.5度の高熱を繰り返し、右肺浸潤影増強したため入院となりました。



Q:この時点での方針は?




これから敦賀に出発しますのでこれにて失礼致します。お招き頂きましたS先生始め、敦賀市民病院の皆さん、よろしくお願い申し上げます。


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posted by 長尾大志 at 14:30 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年10月05日

症例検討会BRONCHO20−9

ステロイドを長期間使用すると…


  • 副腎機能抑制・不全

  • 高脂血症・中心性肥満・内臓脂肪沈着

  • 骨粗鬆症

  • 筋力低下・ステロイドミオパチー

  • 白内障・緑内障



このあたりを想定しておく必要があるでしょう。うち、骨粗鬆症に対してビスホスホネート、あたりは予防として使われていることが多いようですが、それ以外のものの予防はなかなか難しいのが現状です。



さて、本症例、その後もPSLを2週間に5mgのペースで減量し、症状、陰影も落ち着いてきておりました。


スライド80.JPG


25mgまで減量して以降、次第に黄色痰が出現、労作時呼吸困難も増悪してきました。PSL開始後8週間目に撮影した胸部X線写真にて、下のような変化が見られました。


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Q:何が起こったと考えられるでしょうか?



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posted by 長尾大志 at 17:34 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年10月04日

症例検討会BRONCHO20−8

「不測の事態」。ステロイド投与による副作用ですね。わかってたら、「不測」とは言わないか…。


基本的に、ある疾患に対して、きちんと決まった治療をしているときに起こってくる「不測の事態」、それは治療(薬)による副作用であることが多く、まずはそこを疑うべきです。


ある疾患に対して、きちんと決まった治療をしているとき、元々の疾患が悪化してくる、ということはあまりないはずですよね。いつもそんなことが起きるのだったら、それは「きちんと決まった治療」にはならないでしょう。


また、ある疾患にかかっていながら、さらに別の疾患にかかる、というのも、疾患の罹患率を考えると比較的まれ、ということになります。そういうことから、いくつかの症候を呈しているときに、まずは単一の疾患でそれらが起こっている、と考える考え方を「オッカムの剃刀」といいますが、そんなわけで、ある疾患に対して、きちんと決まった治療をしているときに文脈と関係ないことが起こることは少なかろう、と考えるのが筋だ、というわけですね。


そして治療薬には少なからず副作用がある、これもまた確かであります。有名どころでは抗がん剤や分子標的薬、生物学的製剤など、副作用が起こること前提、みたいな薬もありますが、ステロイドや抗菌薬もまた、副作用のことを考えるべき薬剤ですね。


PSLを1mg/kg/day で開始したときに気をつけるべき副作用は…

  • ステロイド精神病(不眠、躁、うつなど)

  • 耐糖能異常

  • 易感染性

  • 消化性潰瘍

  • 凝固能亢進

  • 血圧上昇・浮腫



あたりです。これらは予想されるものですから、あらかじめST合剤やPPIなどを使い、観察もするわけですが、本症例では…



PSL投与10日目に、胸部Xpにて気胸腔拡大を認めました。そこで8Frアスピレーションキットを第7肋間から挿入し700ml脱気+170ml淡血性胸水吸引。気胸腔は隔壁があり、開通していない部分の脱気は困難でした。胸水の培養は一般細菌、抗酸菌共に陰性、細胞診では血液細胞のみ認め、白血球はリンパ球主体でした。


ステロイドによって組織が脆弱になる、ということもしばしば経験されます。皮膚が傷つきやすくなったりぺらぺらになったりしますし、本症例のように創傷部位(肺に空いた孔)の治癒が遅延したりもします。


幸い治療反応性がよかったため、PSLを早めに減量することにし、投与2週間で0.8mg/kg/dayに減量しました。



Q:ちなみに、今後ステロイドを長期間使用することが予想されますが、その際に注意すべき副作用はどのようなものがあるでしょうか?


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posted by 長尾大志 at 18:25 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年10月03日

症例検討会BRONCHO20−7

もったいぶらずに永久標本も見てみましょう。


<縦隔リンパ節生検>
LN#2R、4L:異型性に乏しいCD138陽性形質細胞がポリクローナルに増加。悪性細胞認めず、非乾酪性類上皮細胞肉芽腫認めず、IgG4陽性の形質細胞も認めず。


ということで、血清IL-6が108と高値なこと、縦隔リンパ節生検組織にてCD138陽性形質細胞のポリクローナルな増殖を認めたことにより、Castleman病と診断しました。

Castleman病の診断基準:書籍化時には

肺の陰影については結局気管支鏡からCastleman病の肺病変、という証拠は得られませんでしたが、LVFX投与でも画像上、酸素化も変化はなく、それ以上詰めることはできませんでした。LVFXは1週間投与して終了しまして、その後はステロイド治療を開始しました。


開始前評価として:
血液ガス(O2 2L)pH 7.435、 pO2 111、 pCO2 45.3、 HCO3 29.7


6分間テスト(O2 3L nasal)
0分:HR 88bpm、SpO2 94%、Borg 4、距離 0m
6分:HR 98bpm、SpO2 90%、Borg 9、距離 185m


PSL1mg/kg/day (45mg)で開始しました。その後速やかに、肺炎像は改善し、縦隔リンパ節は縮小してきました。ところが…



Q:どういった「不測の事態」を想定すべきでしょうか?


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posted by 長尾大志 at 19:17 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年10月02日

症例検討会BRONCHO20−6

縦隔リンパ節が腫脹している、and/or肺野に広義間質の肥厚〜リンパ路の肥厚像を認める、というリンパ増殖性疾患の範疇では、


  • 癌のリンパ節転移、癌性リンパ管症

  • サルコイドーシス

  • 悪性リンパ腫をはじめとするリンパ増殖性疾患

  • 形質細胞腫

  • IgG4関連疾患

  • キャッスルマン病(Multicentric Castleman Disease:MCD)など

  • アミロイドーシス



あたりを鑑別診断に挙げるべきかと思います。



気管支鏡検査の結果は、以下のような感じ。


生検組織:好酸球浸潤多数あり。形質細胞浸潤はごく少量のみで、IgG4陽性形質細胞は認めず。


培養は一般細菌、抗酸菌とも陰性でした。


あまり診断に迫れる感じではありません。やはりリンパ節生検が必要です。そうこうしているうちにすっかり解熱し、縦隔鏡検査を施行することができました。LVFXが効く感染であったのか、それともその前のCTRX+CLDMの効果が遅かったのかは定かではありませんが…移行の問題であったのかもしれません。


ということで数日後に縦隔リンパ節生検を施行しました。迅速結果では、悪性細胞認めず、非乾酪性類上皮細胞肉芽腫も認めず。取り急ぎ悪性リンパ腫、サルコイドーシスに特異的な所見は認めませんでした。


症例検討会BRONCHO

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posted by 長尾大志 at 17:48 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年10月01日

長尾大志は、新たなる道具を手に入れた!

ご存じの方には今さら…のネタですが…。


パワーポイントで動画を作る、これはこれまでにもやってきましたが、さらに自分がしゃべっているところを収録し、動画ができるようになりました。これは面白いですね。まあ、自分のしけた顔がずっと見えているのもいかがなものか、という気がしますが、講義動画、eラーニング的な見地からいうと、ちょっと講師の顔が見える方が、臨場感が増すのではないかと。


というわけで、早速、無理矢理時間を作りまして、収録室?にこもりまして、解説を収録しまして、動画を作成いたしました。血ガスの読み方、こちらは多くの方に見ていただいておりますが、以前作った動画の音声が貧弱で聞き取りにくく、ずっと作り直したい、と思っていたものです。


やさしイイ血ガスの読み方 基礎編
(基礎編には引っかけあり!)

やさしイイ血ガスの読み方 代償編


そしてもう一つはブロンコ体操の解説動画。これまではブロンコ体操をやっているところを録画して、そのまま動画として流しておりましたが、細かいところにいちいち解説を入れたい、X線写真と対照させたい、というアイデアを盛り込んで作ってみました。モデルもむさ苦しいオッサンでなく、新たに撮影させていただきました。


ブロンコ体操 説明付き動画


もしご覧になって、感想などありましたら、コメントいただけましたら幸いです。よろしくお願い申し上げます。

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posted by 長尾大志 at 20:59 | Comment(5) | 動画置き場

2017年09月30日

第3回呼吸機能イメージング研究会サマーセミナー

昨日と今日の2日間、呼吸機能イメージング研究会の第3回サマーセミナーが滋賀県のピアザ淡海で開催されました。当番世話人が当科の中野病院教授であり、医局員総出でおもてなしさせて頂きました。


IMG_20170929_172656.jpg


私は昨日夕方の教育講演1を担当いたしました。工学系の先生方や放射線科の先生方が中心となっている会でありますので、肺機能の基本的なところをお話しさせて頂きました。呼吸器の先生方にはまあ基礎的過ぎるかな、という感じでしたが、放射線科の先生で私の書籍で呼吸器の勉強をしてくださったという先生とお話しできまして、喜んで頂けたようでよかったです。


IMG_20170929_172000.jpg


昨日、今日と天気もよく、県外から来られた先生方には、ピアザ淡海からの素晴らしい眺望を楽しんで頂けたのではないかと思います。ご参加の先生方、ありがとうございました。

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posted by 長尾大志 at 21:02 | Comment(0) | 活動報告

2017年09月29日

症例検討会BRONCHO20−5

画像上は明らかに陰影の悪化が見られます。こうなってくると、市中細菌性肺炎にしては治療反応性がよろしくなく、リンパ増殖性疾患の肺病変、症状かなあ、という気もして参ります。細菌検査も兼ねまして、気管支鏡検査を施行。気管支洗浄と経気管支生検を行いました。


しかしここは、縦隔リンパ節生検を急ぎたい。縦隔鏡によるリンパ節生検を予定しましたが、数日先だとのことで、担当医は抗菌薬をLVFX(250mg隔日投与)にスイッチしました。


すると翌日には解熱。むむむ。


この時点で入院時の採血結果などが出そろってきました。


s-IL2R 6190高値
ACE6.7 低値
腫瘍マーカー:CEA,CA19-9、AFP,PSA全て陰性
抗核抗体 ×40上昇なし

IL-6 108高値
IgG 2466高値
IgM 38上昇なし
IgA 956高値
IgE 332高値
IgG4 45.5(>135が診断基準)

M蛋白電気泳動:M蛋白は検出せず。
EBV(−)
CMV:C7HRP陰性
HIV感染:陰性
HHV8感染:陰性



Q:現状で考えられる鑑別診断は?




今日と明日の2日間、第3回呼吸機能イメージング研究会サマーセミナーが当地滋賀県のピアザ淡海で開催されます。当番世話人が当科の中野病院教授であり、医局員総出でおもてなしさせて頂きます。私もこれから出番です。ご参加の先生方におかれましてはお気を付けてお越し下さいませ。


ポスター.jpg

症例検討会BRONCHO

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posted by 長尾大志 at 12:49 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年09月28日

症例検討会BRONCHO20−4

CTは数日前に撮られたもので、縦隔条件でもともと指摘されていた縦隔リンパ節腫脹が見られ、肺野条件では気胸の程度が当院初診時の胸部X線写真より軽いことがわかります。で、右下肺野の高吸収域にあたる部分を見ると、割とべたっとした、コンソリデーション様の陰影が、気管支血管束の周囲あたりに見られるようです。周囲にはすりガラス影も見られます。


スライド77.JPG


加えて、広義間質肥厚を思わせる線状影(橙矢印)もそこここに見られます。これらの所見も、一元的に考えるとリンパ増殖性疾患で説明可能ですが、急性感染症、例えば気管支肺炎などを否定出来るものではありません。


<その後の経過>

培養としては喀痰培養、血液培養を提出しましたが有意菌は認めず、胸腔穿刺も行いましたが、胸水は淡血性、滲出性(LDH 809)で、ADA、ヒアルロン酸はカットオフ以下、細胞分画は好酸球主体(76%)でした。これは気胸の影響もあるかもしれません。また、塗抹、培養ともに陰性でした。


抗菌薬を投与し、咳嗽、喀痰は改善してきましたが、発熱は変わらず、血液検査上も炎症所見は横ばいでした。胸部X線写真、CTはこんな感じです。


スライド78.JPG


スライド79.JPG



Q:画像の変化をどう評価しますか?


Q:今後の治療(検査)方針、どうしますか?


症例検討会BRONCHO

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posted by 長尾大志 at 17:24 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年09月27日

症例検討会BRONCHO20−3

身体所見で余り目立つものはない、ということですが、低酸素などバイタル異常があり、血液検査で炎症所見高値、まあ、肺炎があるのかなあ、という感じですかね。


胸部X線写真の所見、ECGモニターの金具が付いているのは残念ですが…それ以外では、ちょっと意外なことに…。


スライド74.JPG


右気胸がありましたね。ニボーもありますから、1週間前から悪化傾向のある呼吸困難はこれも一役買っていたのかもしれません。加えて、右下肺野には高吸収域がある。こちらは肺炎の可能性あり。それからPET所見もヒントになりますが、気管分岐部は開大しており、同部位のリンパ節腫大を疑います。


身体診察ではあまり有意な所見が得られなかったようですが、初診時には打診などもなされておらず、呼吸音の左右差も捉えられていなかった可能性があります…。



鑑別診断としてリンパ節が腫れる疾患+(閉塞性)肺炎+気胸、あるいは、リンパ増殖性疾患(+その肺病変、気胸)、というところが想定されます。リンパ節腫脹が気にはなりますが、活動性の感染症があっては検査も難しいでしょう。まずは、現在の症状が感染性のものかどうか、なのですが、前医で抗菌薬処方をされていたこともあり、喀痰グラム染色にて有意な菌は見えませんでした。


そこでひとまずエンピリックに肺炎として治療を開始しました。透析中でもあり、担当医はCTRX+CLDMを開始されています。細菌性肺炎とすればA-DROP 1点(SpO2の低下のみ)ですが、リンパ節腫脹の鑑別も進める必要があること、透析中であることなどから入院加療としています。


そうこうしているうちに、前医から胸部CTが送られてきました。


スライド75.JPG


スライド75.JPG


Q:所見はいかがでしょうか?


症例検討会BRONCHO

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posted by 長尾大志 at 20:36 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年09月26日

症例検討会BRONCHO20−2

縦隔リンパ節腫脹があって精査予定、という状況で、1週間前からの発熱(38℃台)、喀痰、咳嗽、呼吸困難。普通に考えると、リンパ節が腫れる疾患、代表は肺癌でしょうが、+閉塞性肺炎、というストーリーが浮かびます。


その他の検査結果はどうでしょうか。



<入院時検査所見>
<血液検査>
Hb 10.8 WBC 9300 Plt 5万 Alb 1.9 ALP 388 Na135 K4.8 Ca 6.5 P 5.5 BUN 29.2 Cre 7.65 CRP 14.9
PCT 1.75 βDグルカン 0.0


<動脈血ガス(室内気、安静)」>
pH 7.459 pO2 56.9 pCO2 38.3 HCO3 26.6


<胸部X線>


スライド72.JPG


なにやら所見がたくさんありますね…。



Q:胸部X線写真の所見は?



<他院からの持ち込みPET>


縦隔リンパ節に多数の集積あり。仙骨の右端にも集積あり。



Q:この後の方針は?


症例検討会BRONCHO

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posted by 長尾大志 at 16:57 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年09月25日

症例検討会BRONCHO20−1

症例 50歳代男性


<主訴>
発熱、喀痰、呼吸困難


<現病歴>
3ヶ月前の健診にて、胸部X線写真上異常影を指摘されていた。胸部CTなどで縦隔リンパ節腫脹を認め、近く精査予定であった。1週間前より、38℃台の発熱、喀痰、咳嗽、呼吸困難を自覚していた。呼吸困難が悪化してきたため前医(透析かかりつけ)から当院紹介受診となる。


<既往歴>
30歳代 肺結核
20年前 ネフローゼ症候群、慢性腎不全
10年前 透析導入
5年前 大腿骨頭壊死


<アレルギー>
特になし


<生活歴>
喫煙:20歳から10本/日を7,8年間、以降禁煙
飲酒:缶ビール1本/日


<家族歴>
特記すべきことなし


<入院時身体所見>
体温37.6℃ SpO2 93%(酸素経鼻2L/分)
脈拍107/分 血圧135/68mmHg
呼吸音:清
腹部:平坦,軟.圧痛なし.腸蠕動音亢進なし
四肢浮腫なし


Q:現時点での鑑別診断、まずはどう考えますか?


症例検討会BRONCHO

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posted by 長尾大志 at 18:13 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

症例検討会BRONCHO19−4

症例検討会BRONCHO19−4、20日にupしていたはずが削除されていました。操作ミスか、アカウント乗っ取りか…??ということで再掲いたします。



本例では、患者さんが「なかなか外来に来られないし、一発で?治る薬を出してほしい」と希望されたとのことで、その時の担当医は、何にでも効く!?レボフロキサシン(LVFX)を処方されました。さて、どうなりましたか…。


結局患者さんはその1週間後「熱がなかなか下がらない」と再診されました。昼間も37℃以上、夜間には37.5℃以上になると。そこでLVFXを継続され、もう1週間。その時には解熱傾向あり、36℃台になってきた、とのことで抗菌薬は終了となっています。



しかしその3週間後、一旦治まっていた痰と咳がまた出てきた、と再診されました。そのとき熱は出ていませんでしたが、2日前から左前胸部痛を自覚していました。


SpO2 97 HR 91。胸部X線写真ではご覧の通りです。


スライド71.JPG



Q:何事でしょうか?


Q:何が必要でしょうか?


症例検討会BRONCHO

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posted by 長尾大志 at 10:21 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年09月24日

この秋の目玉?

先だってから、胸部画像感想戦とか、KGM48とか、よくわからないことを書いておりましたが…。


胸部画像、特に胸部単純X線写真を自習しよう、というときに、一番いい方法は、胸部CTと付き合わせて「答え合わせ」をすること。答え合わせをする、要するに振り返りをするというのは、臨床の現場で経験したことを自分の糧にするための大切なステップですね。


もちろん上級医に教えてもらう、これが効率的には最強ですが、なかなかつきっきりで指導をしてもらう時間的空間的余裕が、お互いないことも多いのが現実でしょう。そこで次善の策として「振り返り」があるわけです。特に「答え」?があるような項目だと有用です。


呼吸器の分野でいいますと、まずは身体診察の答え合わせとしての胸部X線写真。これは身体診察の自習にオススメです。すぐに答え合わせができるし、意外に!自分の(拙いと思っていた)身体診察が結構「使える」ことがわかってうれしくなります。これの手ほどきをどなたかにしてもらえると、診察を積極的にやっていきたくなるので、是非世の上級医の先生方は、若い皆さんに教えてあげて頂きたいものです。


そしてもう一つが、胸部CTによる、胸部X線写真の答え合わせ。これも、最初は少し手ほどきが必要です。X線写真とCT、どこにどの構造物があって…ということを対照させて、この陰影はこう見えていたのだ…と振り返る。これが自分でできるようになれば、呼吸器専門医の上級医が不在であっても、どんどん読影の技術を向上させることができます。


ということで、昨今話題の将棋、その感想戦に倣って、「胸部画像感想戦」と名付けまして、広めていきたいなあと思っております。何度か一緒にやってみないとなかなか「手ほどき」が難しいのですが、そのあたりはまた試行錯誤していきたいと思います。

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posted by 長尾大志 at 19:58 | Comment(0) | 活動報告

2017年09月23日

秋以降の予定、内容が決まって参りました。

前回の告知からしばらく経ちまして、いろいろとタイトル、内容など詳細が決まって参りました。いくつか追加された予定もありますので、まとめてご紹介しておきます。


・市立敦賀病院呼吸器勉強会
「症例から学ぶ 呼吸器四方山話」
10月6日(金) 18時〜20時
症例検討を進めながら、呼吸器のあれこれを漫談形式??でお送りします。これまでになかった形式で、こちらも楽しみです。参加される皆さんのアクティブ度次第で、すごく面白くなりそうな予感。


・宿坊合宿
10月7日(土)〜8日(日) 東寺洛南会館
10月7日(土)19:30〜20:45 「胸部X線道場」
https://shukubo2017.amebaownd.com/
どちらかというと、勉強させて頂きに行く感じです。参加される皆様、よろしくお願い申し上げます〜。


・山科呼吸器セミナー
「咳でお困りではありませんか?」
10月24日(火) 19:00 〜 20:00
以前、同じようなタイトルでの講演がありましたが、中身はだいぶ変わっています。一見医師会の先生方向けにも見えますが、音羽病院はじめ山科近辺の病院の研修医諸君に向けた内容でもあります。


・亀井道場
10月28日(土)〜29日(日)
内容はまだ流動的ですが、胸部X線道場(基礎、結節の見つけ方、実践塾)、「ガイドライン」を読み解く〜その裏にある「大人の事情」とは〜、血ガスの読み方と人工呼吸の考え方、などなど、楽しそうな企画を用意しています。


・鳥取県東部医師会講演会
「胸部画像感想戦で学ぶ 見える結節・見えない結節〜KGM48 神セブン〜」
11月2日(木) 19:00 〜 20:00
今年の秋はKGM48 神セブンを推していきます。ウザいかもしれませんがよろしくお願い申し上げます!


・日本集中治療医学会関西支部看護セミナー
「ナースにやさしイイ『呼吸・人工呼吸教室』」
11月18日(土) 13:00 〜 16:30 場所 iMEPホール(南草津駅歩2分)
http://www.jsicm.org/seminar/#kango
こちら、内容は前回の予告通りとなります。スライド全て完成済み。


・日本プライマリ・ケア学会連合会教育講演
「プライマリ・ケアで必要な呼吸器に関することがら」
11月26日(日) 13:00 〜 14:00 ピアザ淡海
こちらも、やっとスライドできました。1時間枠なので泣く泣くカットしたあれこれが残念ですが、プライマリの先生方のお役に立てる内容になっているはず。


・福知山市民病院
12月初旬に、お話を頂いております。周辺の病院におられる研修医の先生方による勉強会のお手伝いをさせて頂きます。


・南京都病院
「血ガス・電解質の見かた(仮)」
12月7日(木)


・日本呼吸器学会近畿地方会ショートセミナー
「呼吸不全・ARDS」
12月16日(土)16:10〜16:30
これ、お題は上記の通りですが、私なんぞがまともに「呼吸不全・ARDS」の話をしても、真面目な呼吸器学会参加者の先生方のお役に立てるとは思えませんので、変化球でいく予定。怒られるかな…??

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posted by 長尾大志 at 21:41 | Comment(0) | 活動報告

2017年09月22日

症例検討会BRONCHO19−6

本症例を振り返って考えますと、「途中でLVFXを処方したばかりに、診断が遅れた塗抹陽性肺結核の一例」となってしまいます。LVFXはじめキノロン系抗菌薬は、抗酸菌にちょっと!?効くのですね。


ちょっと!?というのは、一時的に効いて何となく症状がよくな(って、医療機関に来なくな)る。一時的に菌量も減るから、仮にその、よくなった時期に喀痰を採っても塗抹陽性にならないこともある。でも単剤での、しかも中途半端な期間の投与になるため、そのうちに必ず病状が進行し症状が悪化してきて、しかも診断までに相当時間が経ってしまっているものですから、その間にかな〜り菌をばらまき続けてしまう…恐ろしいことです。


やはり「結核にキノロン問題」は恐ろしい。実際にウチであったことではありませんが、注意喚起のため、取り上げざるを得ませんでした。


まだまだ「肺に影⇒キノロン」とされているケースをそこここで見かけるように思います。「得体の知れない感染症」にキノロンを使って、いいことなんてほとんどない。むしろ後で大変なことの方が多い、ということを、特に若い皆さんには肝に銘じて頂きたいですね。


得体が知れなきゃ、とにかく繰り返し喀痰検査ですよ。で、どうしても抗菌薬を使わなきゃ、患者さんが納得しない、であれば、狭域に参りましょう。経口だったらAMPCですかね。AMPC、上気道の一般細菌感染には抜群に効きますからね。この原則さえ守って頂ければ、そんなにややこしいことにはならないはずです。


症例検討会BRONCHO

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posted by 長尾大志 at 18:19 | Comment(0) | 症例検討会BRONCHO

2017年09月21日

症例検討会BRONCHO19−5

■ 症例検討会BRONCHO19−4は9月20日に掲載出来ておりませんでしたので、9月25日に掲載しております。あしからずご了承下さい。以下の19−5は、19−4の後にお読み下さい。



胸部X線写真では陰影の悪化、左下肺野に加えて中肺野にも陰影が出現しています。


ということでもうおわかりでしょう。これだけ抗菌薬を使用していて、比較的ゆっくりとした経過で(←ここがポイント)悪化してくる。


いかにも抗酸菌感染症、という感じではないでしょうか。


細菌感染症と抗酸菌感染症では、時間経過がずいぶん違います。それは、分裂速度がずいぶん違うから。例えば大腸菌は20分に1回分裂します。1時間で8倍、2時間で64倍、4時間で4,096倍、8時間では16,777,216倍。24時間では…計算が大変です。もちろんこれは理想的な環境下で、体内とは異なりますが…。


それに対して、結核菌始め抗酸菌は一般的に分裂速度が遅いものです。非結核性抗酸菌の中には迅速発育菌というものもありますが、MACを含めて多くは遅いもの。結核菌で1回の分裂に15時間ほどかかるといわれています。こちらも理想的環境下ですが。


つまり環境が同じと仮定して、分裂に必要な時間が45倍も違うのです。細菌性肺炎だと症状が出始めて、病院に来なくてはならないほど(極期)になるのに1〜3日ぐらいのところ、結核だと45〜135日ほどかかる、あくまでおおざっぱな、感覚的な計算ですが、それぐらいの時間経過を考えて頂ければいいのではないかと思います。


比較的若い患者さんに気道症状があり、1ヶ月程度の経過で陰影が増えてくるようなケースではやはり抗酸菌感染症、特に結核を考えるべきでしょう。もっとまれな感染症もありますが、とにもかくにも、公衆衛生的観点からも、結核の診断はマストです。喀痰抗酸菌検査(塗抹、培養、PCR)を大至急行いましょう。


そして結核を疑ったら接触歴、既往歴をもう一度根掘り葉掘り聞きましょう。特に感染リスクの高い同居家族、それに近い接触をしていた人の結核罹患は必須です。


そしてご本人の問題として、免疫低下を来すような状態ではないか、HIV感染はもちろん他の基礎疾患も一通り調べる必要があるでしょう。



本症例では、喀痰塗抹検査にてG10号の抗酸菌を検出し、TB-PCR陽性であったことから、専門施設に入院加療としました。


家族歴は、本人からの聴取では特記事項なしとのことでしたが、後日家人(母親)に聴取したところ、幼少時に同居していた親族が結核であったとのことでした。ただ本人はそれを知らされていなかったそうです。まあ、こんなことがなければ、本人にとって余計な歴史でしかないわけですから、言われなかったのもやむなしでしょうか。


本人にHIVはじめ免疫低下を来す疾病はありませんでしたが、多忙で1年ほど前から慢性的に睡眠不足であったとのことでした。睡眠不足も怖いですね〜。


症例検討会BRONCHO

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posted by 長尾大志 at 18:19 | Comment(3) | 症例検討会BRONCHO