2018年06月25日

COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン2018[第5版]解説4・GOLD の分類による薬剤の選択

ですからその「増悪頻度」がガイドラインに載ることで、「増悪を減らす」薬のプロモーションになるにでは…とは、穿った見方でしょうか。

閑話休題、この GOLD の分類は、その分類に沿って薬を足していく、というロジックで進んでいきますが、治療薬の選択はこんな感じになります。

  • Group A|気管支拡張薬1剤(LAMA or LABA or SABA)

  • Group B|気管支拡張薬1剤(LAMA or LABA)、これで症状が改善しないならLAMA/LABAの合剤

  • Group C|まずLAMA、それでも増悪が持続するならLAMA/LABA合剤、それでダメならICS/LABA合剤 に変更

  • Group D|第一選択にLAMA/LABA、喘息のオーバーラップがあればICS/LABA、第一選択薬で増悪が継続すればLAMA/LABA /ICS3剤を併用、さらに増悪が持続すればロフルミラスト(現在日本未承認)とかマクロライドを追加せよとなっています


Group CやDでは、ICS を加えて増悪が持続するのであれば ICS を中止することも考慮せよ、となっています。

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posted by 長尾大志 at 21:29 | Comment(0) | COPDポイントレクチャー

2018年06月24日

岡山協立病院さんで「胸部X線レクチャー」とオタ話

昨日はそういうわけで、岡山協立病院さんで「胸部X線レクチャー」をさせて頂きました。

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「スーパー研修医」の呼び声も高い、岡山協立病院のY先生に、とある会で出会った縁でお招き頂いて実現したものですが、Y先生の企画力、実行力は本当に見習わねばなりません。我が身を顧みるに恥ずべきことだらけです。

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参加された方は学生さん4割、初期研修医4割、コメディカルスタッフ2割、という割合でしたので、基礎の話を多めで進めましたが、終わってみると結構拙著の読者の方が多かったみたいでした。それでも、「本を読むのと話を聞くのはまた全然違いました!」というご感想を頂きました。

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終了後の食事では、まさかのあの話題で一部の方々と大盛り上がりしてしまい、他の方がポカーン(゜Д゜)となりまして失礼いたしました。やはり自己紹介スライドは大切ですね!笑

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Y先生はじめ岡山協立病院の先生方、事務の皆様、参加して頂いた研修医の先生方や学生さん(特にオタ話につきあってくれたM先生とFさん)、本当にありがとうございました。岡山はこれまでもいい思い出ばかりで、再訪できるのを楽しみにしています!

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posted by 長尾大志 at 20:20 | Comment(0) | COPDポイントレクチャー

2018年06月23日

岡山協立病院で胸部X線のお話

今日は夕方から岡山協立病院さんで、胸部X線のお話をさせて頂きました。聴衆の皆さん熱心で、ブログや書籍の読者の方も多く、質問を振ってもなにがしかの答えを返してくださって、スゴくやりやすかったです。

もう今日は暮れてしまいますので、写真など詳しくは明日にまたご報告します。

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posted by 長尾大志 at 23:33 | Comment(0) | 日記

2018年06月22日

COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン2018[第5版]解説3・mMRCスコア

具体的には、

  • Group A|増悪が少なく(年間1回以下)、症状が軽い(mMRCが0〜1/CAT<10)

  • Group B|増悪が少なく(年間1回以下)、症状が強い(mMRCが2以上/CAT10以上)

  • Group C|増悪があり(年間2回以上または増悪による入院あり)、症状が軽い(mMRCが0〜1/CAT<10)

  • Group D|増悪があり(年間2回以上または増悪による入院あり)、症状が強い(mMRCが2以上/CAT10以上)


あ、mMRC(modified Medical Research Council:修正MRC)息切れスケールについて、これまで書いていませんでしたね。これは息切れの度合いを数字で表すもので、5段階評価になります。

  • グレード0|激しい運動をしたときだけ息切れがある

  • グレード1|平坦な道を早足で歩く、あるいは緩やかな上り坂を歩くときに息切れがある

  • グレード2|息切れがあるので、同年代の人よりも平坦な道を歩くのが遅い、あるいは平坦な道を自分のペースで歩いている時、息切れのために立ち止まることがある

  • グレード3|平坦な道を約100メートル、あるいは数分歩くと息切れのために立ち止まる

  • グレード4|息切れがひどく家から出られない、あるいは衣服の着替えをする時にも息切れがある

(COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン2018[第5版]より引用)

CAT(COPD assessment test)質問票、これも似たような項目ですし、ここでは引用しないでおきます。すぐに検索できると思います。


ともかく、治療薬の選択に、単純な?肺機能よりも増悪の頻度と息切れが重要視されるようになった、というところなのですが、これもまあ、欧米の大人の事情が見えたり見えなかったり。

LAMAやLABAなどの気管支拡張薬によって、差が出てくるのが、「増悪の頻度を下げる」というところなのですが、「薬の御利益」としては、ちょっとわかりにくいですよね。

例えば年に1.5回増悪するという人が1.2回になっても、実感として「よかった」とはなりにくい。「増悪の頻度を下げる」って、そういう、処方行動に結びつきにくいところがあるような気がしますねぇ。


明日は岡山協立病院さんで、胸部X線読影レクチャーです。参加される皆様方、よろしくお願い申し上げます。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSe6ugTvEcFFESbf46DgtToywMcl3cyrseqPKxWZ3H2OkzH-Ug/viewform

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posted by 長尾大志 at 18:22 | Comment(0) | COPDポイントレクチャー

2018年06月21日

COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン2018[第5版]解説2・GOLD分類

ガイドライン第5版に「安定期 COPD の管理(治療)指針」の表が載っていますが、基本的にそんなに第4版と変わったわけではありません。管理・治療のための方策として特に目新しい項目が加わったわけではありませんし、使用する薬物も同じです。

大きな出来事としてはLAMA/LABAの合剤が発売されて、それを使ったエビデンスが出てきたということ。やはり売れて欲しい薬ですから、各社競ってエビデンス構築に勤しんでおられます。

第4版と第5版で変わったところとしては、重症度による薬剤の選択が挙げられるでしょう。第4版まではT期U期V期W期っていう「病期分類」、要は予測値に対する1秒量の度合いが薬剤選択の主な根拠でした。

  • T期|軽度の気流閉塞:%1秒量≧80%

  • U期|中等度の気流閉塞:50%≦%1秒量<80%

  • V期|高度の気流閉塞:30%≦%1秒量<50%

  • W期|きわめて高度の気流閉塞:%1秒量<30%


病期の進行を目安に治療を乗せていきましょう、ということでしたが、最近は「症状」と「増悪の頻度」を目安に治療を考えるという考え方が、海外のCOPDガイドラインであるGOLDでのメインになっています。

GOLDの分類は、もはや閉塞性障害の度合いは評価に組入れずに、増悪歴があるかないかあるいはその回数と、息切れ症状(mMRC/CATスコア)によって四分割された ABCD のどこに入るかによって治療を考えていきましょうというものです。

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posted by 長尾大志 at 18:54 | Comment(0) | COPDポイントレクチャー

2018年06月20日

COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン2018[第5版]解説1

先頃 COPD 診断と治療のためのガイドライン2018が改訂され、第5版になりました。それだけではなく昨年から今年にかけて、呼吸器領域の重要なガイドラインが立て続けに改訂され、今後も予定があるようです(成人肺炎、IPF、ACO、肺癌(これは毎年…汗)、そして近々喘息)。

ガイドラインというのは新しいエビデンスが出るとちょいちょい変わっていきます。その都度新しい知識を学ぶということも必要ですけれども、病態の本質についてはそんなにコロコロ変わるわけではないので、まず病態の本質をしっかり理解されておけば、ガイドラインが変わってもそうジタバタしなくてもいいのではないかと思います。

特に今回のCOPDガイドライン、第5版の改訂は、本質というよりは病態の解釈の部分が変わったりしていますね(例えば第4版では炎症といっていたのをやめてみたり…)。

あるいはトピック的なところではLAMAとLABA、あるいは合剤の問題、どちらが良く効くとか、ある患者さんに対してどの薬剤を使うべきかとか、そういうところは新しいエビデンスが改訂に反映されやすいわけですが、そういうところって、病態の本質が変わっているわけではないんですよね。

そこで、ここではガイドライン第5版 を参考に、多少新しいエビデンスが出たりガイドラインが変わったりしてもあまり変わらないであろう、COPD治療に関しての私見、私見といいますか、今のガイドラインの考え方をもう少し平たくしたものをご紹介したいと思います。

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posted by 長尾大志 at 19:35 | Comment(0) | COPDポイントレクチャー

2018年06月19日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」・ローフローとハイフロー10・ハイフロー6・高流量鼻カニュラ(ネーザルハイフローレジスタードマーク

ベンチュリーマスクもインスピロン(ネブライザー式酸素吸入器)も、成人の場合には、FIO2を50%以下で使うのが原則です。それ以上にFIO2を上げたいのであれば、高流量鼻カニュラ(ネーザルハイフローレジスタードマーク)を使います。

高流量鼻カニュラ(ネーザルハイフローレジスタードマーク)は、太い蛇腹を使って高流量酸素を鼻から吸入させる器具ですが、加温加湿していることで、高流量を流しても鼻粘膜が傷まず、30l/分以上の混合気を流せるので、高いFIO2をしっかり定めることが出来るわけです。

高流量鼻カニュラ(ネーザルハイフローレジスタードマーク)のしくみはシンプルで、流量、FIO2をそれぞれ決めるだけ。器械によって微妙に設定方法が異なりますが、一般的には流量30L〜60L/分、FIO2は21〜100%の間で設定可能です。

主な特徴・利点としては以下のようなものが挙げられています。

  • FIO2を高濃度にできる

  • 解剖学的死腔を洗い出し

  • 気道抵抗を減少させる

  • PEEP効果がある

  • 気道粘膜乾燥の防止


なにより装着が簡単で、口が使えるために飲食や会話が可能、というメリットが大きいですね。

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posted by 長尾大志 at 18:41 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年06月18日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」・ローフローとハイフロー9・ハイフロー5・いわゆる「インスピロン(ネブライザー式酸素吸入器)」4・なぜ70%とか100%とか書いてあるのか

なぜダイヤルのところに70%とか100%とか書いてあるのか。この理由は、フローが30L/分(500mL/秒)以上でない、つまり1回換気量が500mLよりも少ない場合には、FIO2が70%とか100%に出来る可能性があるからです。

例えば小児で1回換気量が成人の半分(250mL)くらいであれば、250mL/秒、つまり15L/分でまかなえるわけですよね。

そうすると、FIO2が70%とか100%とか、出来るわけです。早見表に当てはめてみると…。

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70%だと10L/分、100%だと15L/分で流せばいいことになりますね。

なので、70%とか100%とか書いてあるわけですが、成人の場合には、50%以下で使うのが原則です。それ以上にFIO2を上げたいのであれば…。

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posted by 長尾大志 at 17:53 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年06月17日

「急性期・術後の呼吸器ケア」から「呼吸苦のみかた」へ

昨日は東京で「急性期・術後の呼吸器ケア」セミナーを行いました。双方向性に進めると、皆さんの理解度も把握できて、かつ、参加されている皆さんの集中度も上がり、いいことばかりのように思います。あ、双方向性、といっても当てるわけではありませんから、皆さん安心してご参加ください。

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最近ようやく、こちらがしゃべるのと、聞いている人に考えてもらう(またはoutputしてもらう)割合のいい配合ができつつあるような気がしております。もちろんまだまだ、理想にはほど遠い現状ですが、少しずつカイゼンを進めております。医学生、若手医師、ベテラン医師、看護学生、看護師、ベテラン看護師、理学療法士、薬剤師、などなど、属性によっても少しずつ違っていそうです。

今回東京でのセミナーでしたが、意外に、というか、大阪よりも、ネタで笑って頂けたり、考えるコーナーで周りの方と相談されていたり、双方向な感じがありました。グループ参加の方が多かったこともあるかもしれません。これからも是非グループでのご参加をお勧めします(笑)。

そういえば、次の企画「呼吸苦のみかた」詳細が決定しました!(笑)是非正しい「みかた」とその理由を身につけましょう。
https://www.medica.co.jp/seminar/detail/171
大阪 2018年11月03日(土) クリスタルタワー 20階A会議室
東京 2018年12月15日(土) 家の光会館 7階コンベンションホール


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今回の会場は、昨今話題のとある大学(群)の近所でありまして、とある大学を横目で見ましたが、その立地の良さと規模に圧倒されました。やはり東京はすごいなあ、と田舎者の感想を持ちました。東京出身の学生さんが、滋賀に居着くことはなくて東京に戻っていくのも、無理もないことですね。

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posted by 長尾大志 at 15:45 | Comment(0) | 活動報告

2018年06月16日

第7回滋賀肺高血圧症フォーラムを聴講

14日は第7回滋賀肺高血圧症フォーラムに参加して参りました。

これまでも興味は惹かれながら、都合が合わなかったり、呼吸器内科医にあまり案内がなかったりでなかなか参加できていなかったのですが、昨日は国立循環器病研究センター肺循環科医長の大郷剛先生がお見え、ということを聞きつけ、参加して参りました。

大郷先生には数年来お世話になっている患者さんがおられ、一度ご挨拶を…と思っておりましたものですから、多少の都合は繰り合わせて参加したというわけです。無事にご挨拶も出来て、情報交換(拝聴するばかり?)も出来て、行った甲斐がありました。

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いつも申し上げていることですが、卓越した結果を出されている方の講演・お話は、興味深く飽きることがありません。今回のご講演本編も、大変興味深く拝聴しました。大郷先生、本当にありがとうございました。今後ともなにとぞよろしくお願い申し上げます。

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posted by 長尾大志 at 23:06 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2018年06月15日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」・ローフローとハイフロー8・ハイフロー4・いわゆる「インスピロン(ネブライザー式酸素吸入器)」3・ネブライザー式酸素吸入器における流量設定の仕方

ネブライザー式酸素吸入器(いわゆるインスピロン)で多い誤解は、「FIO2を100%で設定できる」というものです。

……何が誤解なの?100%で設定してますよ…と思われた方、ヤバいです。

ハイフローの最初の説明でも書きましたが、ネブライザー式酸素吸入器(いわゆるインスピロン)のような旧来からあるハイフローシステムは、15L/分までしか酸素が流れない流量計を使って、デバイスの工夫によって、酸素と空気の混合気を30L/分の流量で流すことが出来るようにしたものです。

もう、こう書いている時点で、酸素の割合は半分ですよね。30L/分の混合気のうち、酸素は15L/分ですから。FIO2が100%なんて、なるわけない。

「でも、100%って、ダイヤルに書いてあるもん!」という反論もあるかもしれませんが、今一度、よーくダイヤルをご覧ください。そして、説明書もしくは、お手元にある「ネブライザー設定早見表」をご覧ください。

まず現物、ダイヤルを確認します。

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(日本メディカルネクスト株式会社より許諾を得て改変転載)

ダイヤルを拡大してみましょう。

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(日本メディカルネクスト株式会社より許諾を得て改変転載)

35、40、50、70、100と書いてありますね。「ほら100%!いつもここに合わしてるから!」…落ち着いて、よーく字の大きさを見てください…70と100、字が小さくないですか?

これは、70と100にあわせても、期待する流量、流れませんよ、という意味です。

それでは、ネブライザー設定早見表をご覧ください。「ウチにはそんなものありません。見てません!」という方は、下の表ですので、こちらをご覧ください。

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(日本メディカルネクスト株式会社より許諾を得て転載)

この表は、「酸素流量」(横軸)とダイヤルの酸素%(縦軸)を決めると、その時に流れるトータルの流量(フロー)がわかる、という表です。

この表の使い方は、FIO2を設定するときに、O2を何L/分流せば、トータルが30L/分以上になるかを見るわけです。わかりやすく、30L/分以上になるところは黄色になっています。

例えば、FIO2を35%に合わせるときは…

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(日本メディカルネクスト株式会社より許諾を得て改変転載)

O2を6L/分以上流せば、30L/分を超えます。なので6L/分流します。

同様に、FIO2を40%に合わせるならば

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(日本メディカルネクスト株式会社より許諾を得て転載)

O2は8L/分。

FIO2が50%なら、

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(日本メディカルネクスト株式会社より許諾を得て改変転載)

O2を12L/分流すといいことがわかります。

では、FIO2を70%に合わすと、どうなるか…。表をいくら見ても、70%に合わせたときに30L/分以上のフローになるところ(黄色欄)はありませんね。

ですからこのシステム、FIO2が70%では使えない、ということなのです。じゃあ、なんでこんな数字をつけてるの?疑問ですね。



…盛り上がって参りましたが、これからまもなく東京に出発します。明日の「急性期・術後の呼吸器ケア」セミナーにご参加の皆さん、よろしくお願いいたします。

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posted by 長尾大志 at 15:49 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年06月14日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」・ローフローとハイフロー7・ハイフロー3・いわゆる「インスピロン(ネブライザー式酸素吸入器)」2・名称のごちゃごちゃを整理する

今でも本によっては「インスピロンネブライザーレジスタードマーク」「インスピロンレジスタードマークタイプ」と記載されているのを見かけますし、まだまだその名称が一般的ではあるようです。それにしても紛らわしい…。

おそらく以前の一時期はインスピロンネブライザーレジスタードマークという商品名であったものが、会社の統合やら事業の変遷やらで製品名が変わってしまって今に至る、というようなことらしいです。で、昔からある、皆さん見慣れておられる(と思われる)「インスピロンネブライザーレジスタードマーク」が、下のタイプで…。

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(日本メディカルネクスト株式会社より許諾を得て転載)

ご丁寧?に、ビンの横には「Inspiron」の文字が…しかしこれはあくまでブランド名。ちなみに写真の製品の名称は「ネブライザーセット」!です。「ネブライザー」とも書いてありますね。正しくいえば、「インスピロンブランドのネブライザーセット」ということになります。

ある意味、「インスピロン」という名前を酸素療法のブランドにしよう、という会社の意図は達成されているようにも思われますが、「インスピロン」=「ネブライザー式酸素吸入器」、という、大きな誤解を生んでいるのも事実。いっそここらで、製品名を入れ替えてもらえませんか??と会社の方に強くお願いをしておきました。\(^o^)/

ちなみに同様のシステム、つまり「ネブライザー式酸素吸入器」には、インスピロンブランド以外にもテレフレックスメディカルジャパン株式会社の、アクアパックネブライザーレジスタードマークという製品があります。

あーややこしい。整理しますと…


ネブライザー式酸素吸入器には、

  • 日本メディカルネクスト株式会社
    (インスピロンブランド)
     EZ-Water(イージーウォーター)ネブライザーシステムレジスタードマーク(新しい方)
     ネブライザーレジスタードマーク(旧い方)

  • テレフレックスメディカルジャパン株式会社
    アクアパックネブライザーレジスタードマーク


があります。ということです。厳密に言うと、インスピロンブランドには、経鼻カニューレやシンプルマスクの製品もあるので、ネブライザー式酸素吸入器のことを「インスピロン」と呼ぶのは間違い、ということになりますが、これだけ定着している呼び名を変えるのはなかなか大変です、という話です。


上にさんざん書いていることでおわかりの通り、このシステムの本質は「ネブライザー」です。あくまでこのシステムは、加温加湿のためのシステム、これを誤解されている方もものすごく多い。

酸素療法マニュアルにも、メーカーさんのHPにも、「ベンチュリーマスクにネブライザー機能を備えたもの」と紹介されています。決して「FIO2を上げる器械」「FIO2を100%にする器械」ではありません。

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posted by 長尾大志 at 16:43 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年06月13日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」・ローフローとハイフロー6・ハイフロー2・いわゆる「インスピロン」1

いわゆる「インスピロン」。皆さまご存じなのはこんなやつでしょうか。

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(日本メディカルネクスト株式会社より許諾を得て転載)

私、不勉強にて、この形の商品が「インスピロンという商品」だと思っておりました…。

ちなみにこちらは、正式な一般名「ネブライザー式酸素吸入器」(酸素療法マニュアルより)で、どこにも「インスピロン」の名前はございません。

じゃあ「インスピロン」の名前はどこ由来…??と探すと、日本メディカルネクスト株式会社の製品カタログに、「インスピロン酸素療法製品総合カタログ」の文字が。

…そう、インスピロン、というのは今や、酸素療法に関わる製品のブランド名となっておりました…。上の製品の名称としては、「EZ-Water(イージーウォーター)ネブライザーシステムレジスタードマーク」ということになるそうです。

皆さんいかがでしょうか…「インスピロン」て思われてませんでしたか…?全国的に(おそらく)浸透している、と思っていたんですが…。

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posted by 長尾大志 at 17:51 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年06月12日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」・ローフローとハイフロー5・ハイフロー1・ベンチュリーマスク

ローフローに対してハイフローシステムは、30L/分以上の流量が流れるシステム、ということになりますが、旧来あるハイフローシステムは、15L/分までしか酸素が流れない流量計を使って、デバイスの工夫によって、酸素と空気の混合気を30L/分の流量で流すことが出来るようにしたものです。ベンチュリーマスクとインスピロンがあります。

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(日本メディカルネクスト株式会社より許諾を得て転載)

幸か不幸か、「ベンチュリーマスク」は商品名ではなく、一般名というか、こういう形式の、ダイリューターと呼ばれるカラフルな接続具を付け替えてFIO2を変える形式のマスクを指します。

名前の由来はベンチュリー効果、から来ています。ベンチュリー効果は、流れているものが細いところを通ると速度が上がり、圧力が低下して周りのものを引っ張り込む現象です。

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(日本メディカルネクスト株式会社より許諾を得て転載)

件のダイリューターはこんな構造になっていて、流れてきた酸素が狭いところを通って速度が上がり、周囲の空気を引っ張り込むのです。酸素の流速と外気流入口の孔の大きさとで、混合される割合=FIO2が決まります。

ですのでダイリューターごとに、流すべき酸素流量が決まっていて、その流量でFIO2がいくらになるかも決まっているのです。普通は上の写真のように、ダイリューターに書いてあります。微妙にメーカーによって異なるらしいですが、一例を挙げると、日本メディカルネクスト株式会社のオキシジェンマスク アキュロックス型ですと、下の表の通りになっています。

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(日本メディカルネクスト株式会社より許諾を得て転載)

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posted by 長尾大志 at 19:26 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年06月11日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」・ローフローとハイフロー4・ローフロー2・シンプルマスクとリザーバーマスク

シンプルマスクは、酸素チューブの先に(何の変哲もない)マスクを取り付けたもので、その名の通りシンプルなマスクです。酸素流量は15L/分以下ですから、ローフローシステムです。

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(日本メディカルネクスト株式会社より許諾を得て転載)

流れてくる酸素の流量が少ないと、吐いた息がマスクの中に溜まったままになり、次の吸気でそれをまた吸入してしまう(呼気の再吸入)が起こってしまいますので、酸素流量は5L/分以上とします。

流量とFIO2対応の目安は以下の通りですが、この対応表もあくまで目安です。

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シンプルマスクでは最大でも15L/分しか流れませんので、1秒あたりにすると250mL、つまり1回換気量(500mL)の半分ぐらいにしかなりません。それで息をする時にマスク周囲の空気を一緒に吸い込んでしまい、最大でも吸入気の酸素割合(FIO2)は50%ぐらいにしかならない、ということになります。ローフローシステムです。

流れてきた酸素+周りの空気の割合でFIO2が決まりますから、FIO2はきっちり設定することができませんし、それほど高くはなりません。


そこでシンプルマスクよりももっとFIO2をあげようという目的で作られたのが、根元に酸素が溜まる袋(リザーバー)がついたリザーバーマスクです。

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(日本メディカルネクスト株式会社より許諾を得て転載)

リザーバーマスクでは、一旦袋に溜まった酸素が、息を吸うときにチューブを流れてきた酸素と共に入ってきます。それでシンプルマスクよりもFIO2が上がりますが、それでも一回換気量全てをまかなうほどの流量にはなりませんから、これもローフローシステムの仲間、ということになります。

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posted by 長尾大志 at 14:49 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年06月10日

次の週末は、「急性期・術後の呼吸器ケア」で、その次は…??

何度もお知らせしておりますが、次の週末、6月16日には、東京で「急性期・術後の呼吸器ケア」セミナーを行います。大阪セミナーのご感想、大変好感触でしたので、東京でも楽しみです。
https://www.medica.co.jp/seminar/detail/131

すでにかなりの数の申し込みを頂いている、とのことで、あまり宣伝するのも…とも思いますが、「その次」が決まりましたのでご紹介。しかし、まだメディカ出版さんのHPに申し込みページはできておりません…。「週末の会場でパンフレットを配布したい」とおっしゃっていたので、そのときにはできていることでしょう。

次のセミナーでのテーマは「呼吸器系の異常所見」。これもご質問の絶えない、永遠の?テーマですね…。

聴診もそうですし、血ガスなどの検査所見もそうですし、胸部X線もそうでしょう。看護師さんはいったいどこまで見られるようになるべきなのか、そこも難しいテーマですが、少なくとも、コモンな疾患については、医師と「これが異常ですよね〜」と語り合うことができるようになりたい、というお声はよく伺います。

そこで例によって、基本事項と正常所見について学んで頂いた後で、疾患によってどのような異常が生じ、それがどんな「所見」として見られるか、ということをご紹介します。理屈から理解して頂き、今回と同じく、実際の症例で実践して頂きますので、たぶんめっちゃ楽しくなる予感。

日時と場所ですが、
11月3日(土) 9時半〜16時半 クリスタルタワー@大阪
12月15日(土) 9時半〜16時半 家の光会館@東京

と決まりました。勉強熱心な看護師さん、ぜひ都合をつけてお越しください!

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posted by 長尾大志 at 20:45 | Comment(0) | 活動報告

2018年06月09日

とある会

昨日は、とある会に参加。

クローズド、といってしまうほどクローズドでもなく、オープンといえるほどオープンでもない。微妙な立ち位置の会でございます。私も新参者なので、あまりおおっぴらにしないでおきましょう。

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しかし!集まる症例は興味深い!実に!
昨日もあれやこれや、へぇーほぉーの連続でした。ここでシェアできないのが残念です…。

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posted by 長尾大志 at 23:44 | Comment(0) | 日記

2018年06月08日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」・ローフローとハイフロー3・ローフロー1

物事をシンプルにするために、あえて言い切りますと、ハイフローシステム(高流量システム)というのは、「こちらが設定したFIO2を患者さんが吸う」システムで、ローフローシステム(低流量システム)は、「FIO2が定まらない(通常は周りの空気を吸い込むことにより、設定よりも低くなる)」システムである、ということになります。ローフローシステムでの「FIO2」は、あくまで目安、仮のものですが、ハイフローシステムでは設定通りのFIO2を吸っている、という前提となります。


ローフローシステムの代表は、経鼻カニューレ(カニュラ)、シンプルマスク、そしてリザーバーマスクあたりかと思います。

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(日本メディカルネクスト株式会社より許諾を得て転載)

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(日本メディカルネクスト株式会社より許諾を得て転載)

経鼻カニューレは皆さんご存じと思いますが、一番シンプル・簡便な酸素投与器具です。2本のチューブを鼻孔にあてて、酸素を流します。通常5Lまでの流量で使われます。流量とFIO2の目安は、以下の通りです。上に書いたようにこの対応はあくまで目安です。

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覚え方としては、酸素なしでFIO2 21%、1Lで24%、その後は1Lにつき4%ずつ増えていく、というものが覚えやすいでしょう。

で、この調子でいくと6L/分なら44%、7L/分なら48%…といくかというと、そうは参りません。限界があります。5L/分ぐらいまでしか、こんな風にはFIO2は上がらないのです。

加えて、6L/分以上になると、空気の勢いで鼻腔粘膜が乾燥し、痛みの原因になったり、鼻出血が生じたりしますので、経鼻カニューレを使用するのは、原則としてO2 5L/分まで、とされています。

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posted by 長尾大志 at 17:38 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年06月07日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」・ローフローとハイフロー2・ローフローとハイフローの意味

流量が30L/分以上流せるシステムがハイフローで、それ未満の流量しか流せないシステムをローフローという、と書きましたが、その心は。

健康な成人が安静換気をしているとき、1回に呼吸する空気の量を1回換気量といいます。1回換気量はだいたい500mL程度。そしてそれを吸い込むのに、だいたい1秒かかる(吸気時間)としますと、その流速は500mL/秒となります。

この500mL/秒分をまかなえる流量を流すことが出来るシステムを、ハイフロー(高流量)システムといい、それ未満のものをローフロー(低流量)システムといいます。

500mL/秒を1分あたりに換算すると、500mL×60秒=30,000mL=30L、
つまり30L/分ですので、この30L/分以上を流せるシステムがハイフロー(高流量)システムなのです。

30L/分以上を流すと、息を吸い込むときに、その流れてきた空気(混合気)だけを吸い込み、周りの空気を吸い込みませんが、30L/分未満の流れであれば、周りの空気を吸い込むことになるのです。

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posted by 長尾大志 at 18:42 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年06月06日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」・ローフローとハイフロー1

今日は日本メディカルネクスト株式会社の方と、かなりじっくりとお話しさせて頂き、いろいろと勉強になりました。日本メディカルネクスト株式会社…ハテ?なんの会社…?と不勉強な私は思ったのですが、インスピロンの会社、と申しましたらおわかり頂けるのではないでしょうか。

器具の名称や歴史的なことなど、メーカーの方でないとわからないことを伺い、こちらからは現場の看護師さんから頂くご質問をふまえての、情報提供の方法などをお話しさせて頂き、大変、有意義な時間になったのではないかと思っております。


そんなことをふまえながら、ローフロー・ハイフローについて、基礎的なお話をさせて頂きましょう。

今日お話をして思ったのは、(人工呼吸器業界だけでなく)酸素業界(も)、用語が入り乱れすぎ!ということ。なので、とにかく、あまりごちゃごちゃ書かずに、「重要な大原則だけをシンプルに」書いていこうと思います。

で、ローフロー(低流量)とハイフロー(高流量)ですが、これは結論を先に書きますと、流量が30L/分以上流せるシステムがハイフローで、それ未満の流量しか流せないシステムをローフローといいます。まずこれが原則です。

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posted by 長尾大志 at 20:32 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年06月05日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問28

Q:うちの病院ではCOPDなどで労作後SpO2が低いと(安静時2Lぐらい)、カニュレ3L、空マスクを当ててSpO2を上げることがあります。この方法は正しいのでしょうか。

A:マスクをあてることで、そのマスク部に酸素が溜まる、一種のリザーバー的役目を期待されているのだと思いますが、使い方として正しいものではありません。3L+マスク、だと呼気の再吸入リスクがあります。リザーバー効果を期待するならちゃんとリザーバーを使いましょう。


Q:アシデミア・アルカレミアに傾くとどうなるのですか。その治療方法はなんですか?

A:血液のpHが適正値から逸脱する(アシデミア・アルカレミアに傾く)と、体内のタンパク質や酵素が変性してしまい、細胞本来の働きが出来なくなります。結果、生命維持が出来なくなってしまうのです。

その治療方法ですが、アシデミア→アルカリを加える、アルカレミア→酸を加える、ではありません。治療は原因によって異なります。

例えばその原因が呼吸性でしたら、呼吸性に解決する、それが原則です。

CO2が溜まって起こる呼吸性アシドーシスであれば、人工呼吸でCO2を飛ばしてアルカリ方向に持っていく。過換気でCO2が飛びすぎ→呼吸性アルカローシスであれば、呼吸を落ち着ける、換気を減らすことで、酸の方向に傾ける、というのが治療になります。

代謝性アシドーシスでアシデミアになっている場合は、大原則は「原疾患の治療」です。敗血症なら抗菌薬やドレナージ、ケトアシドーシスなら大量輸液と少量インスリン、などなど。


Q:心不全患者に対するバイパップ使用により前負荷・後負荷軽減のメカニズムを一度説明お願いします。

A:バイパップを使用して陽圧換気をすると、当然胸腔内が陽圧になります。すると心臓や大血管がその分、圧されます。心臓はその分拡張しにくくなり、静脈環流(心臓に還る血液量)が減少します。つまり、心臓が押し出すべき血液量が減るのです。

心臓に還ってきた=これから押し出すべき血液を前負荷といいます。これがバイパップで減るわけです。

心臓が押し出す血液の行く先、そこの抵抗が後負荷です。血圧が高いと圧しても進まないので、後負荷が高いということになります。陽圧換気は血圧を下げるので、後負荷を軽減することになるのです。

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posted by 長尾大志 at 18:57 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年06月04日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問27

Q:うちのDrに人工呼吸器がついている患者さんの喀痰吸引の前に、ジャクソンリースによる徒手換気を行うことを推している人がいます。教科書などによると肺胞が破れるリスクの方が大きいためあまり勧められないと書いています。ジャクソンリースでアシストして痰を押し上げたり低酸素を予防するのは先生的には正解ですか。

A:圧をかけることで痰を押し上げ、吸引しやすくする、ということですね。圧のモニターをしない状態で、痰を押し上げるべく徒手換気をすると、知らず知らず高い圧がかかる危険性がありますし、お勧めはしないと思います。

するとしても、スクイージングやスプリンギングなど、胸郭に圧をかけるのがお勧めでしょう。


Q:Tピースから換気がない時の対応はどうしたらいいですか?
Q:インスピロンのTピースから排気が止まる時はどうする?

A:どちらも同じですが、特に患者さんの吸気時に、流れてきた混合気がすべて吸入されてしまうと、Tピース断端から湯気?が出なくなります。

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つまりそれは、流量不足、ということ。多くのケースでは、説明書通りの流量を流されていないことに起因するのではないかと思います。ですから、「どうしたらいいですか?」との問いには、「説明書通りにお使いください」とお答えすることになります。

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posted by 長尾大志 at 18:05 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年06月03日

2018年滋賀医科大学呼吸器内科BBQ

今日は、当滋賀医科大学呼吸器内科が独立し、己が教授を頂くようになって初めての、呼吸器内科BBQ@こんぜの里バンガロー村、が執り行われました。

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今年はこれまでになくたくさんの参加者を迎え、昨年よりもお肉を3kg増量!して備えてもらいました。

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ファミリーでの参加も過去最高となり、子供たちや奥様方の仲も深まった模様。
まあ、うちの子供たちは人見知りを発揮して固まっておりましたが…

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蛇の抜け殻発見!自然に親しみました。

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幹事をやってくれたY先生!どうもありがとうございました。おかげで参加者一同、和気藹々と楽しい時間を過ごせました。

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posted by 長尾大志 at 20:19 | Comment(0) | 日記

2018年06月02日

看護師さん向けセミナーをやっていて、思うこと。

今書いている看護師さん向けのQ&Aは、実際に全国の看護師さんから頂いたご質問ばかりです。ドクターの皆様は、ご覧になって、どう感じられるでしょうか?

「うちの看護師さんもこんな感じかなあ」「うちはこんなことはわかっているはずだ」「私もわからん」いろいろと、ご感想はあるかと思います。私もいろいろと思いはありますが、やはり「困っておられる現場の看護師さんは本当に多いのだなあ」といつも思うのです。

先日の神戸セミナーで頂いたご感想を拝見していても、「苦手だったところがわかりました」「よくわからなかったところがスッキリしました」という、講師としてはうれしい感想を本当にたくさん頂きました。それはそうなのですが、逆に言いますと、そういうことがわかっておられない状態で現場に出ておられる、これはこれで、看護教育、という点では危機感を持たなくてはならないのではないか、と思うのです。

看護教育、というのが卒前を指すのか卒後を指すのか、あるいは両方なのか、というところもありますが、現場では本当に困っておられる方々が多い。これは間違いありません。

ということで、6月16日には東京で、同内容のセミナーを行います。
https://www.medica.co.jp/seminar/detail/131
宣伝のように見えるかもしれませんが(苦笑)、宣伝でもあるのですが、それだけではなくて、看護師さんの(まあこれはドクターもそうなのですが)知識や理解のアップデートをどうやって保証していくのか、は重要な問題になってくると思います。

それと、施設によっては、ドクターの知識のムラも大きく、こういうセミナーで(比較的?)正しい知識を習得された看護師さんが、ドクターの考えとの板挟みになってしまう、ということもあるようです。そういうわけで、→→→右にあるような本などを是非参照頂ければと思う次第です。→→→

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posted by 長尾大志 at 23:02 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年06月01日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問26

Q:インスピロン装着患者さんで、吸入薬の指示が出ていたことがあり、Tピースの先にジャバラをつけて吸入しましたが、意味ありますか?

A:それは、つまりこういうことでしょうか…

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こうではないことを祈りたいところですが…これでは流れてきた混合気の行き場がなくなってしまい、肺に高い圧がかかってしまって危険です。インスピロン装着中に別のデバイスで吸入薬を使う、というのは避ける方がいいでしょう。


Q:ベンチュリー使用している時、加湿したくてネブライザー(水のみ)を装着することがあるのですが、意味ありますか?

A:どのように装着されているのか…気になります。繰り返しになりますが原則として、マスクの説明書から逸脱するような使い方は推奨致しません。今度近々、メーカーさんのお話が聞けそうなので、またここで共有したいと思います。


Q:通常のオキシマイザーとF−224型の違いを教えていただきたいです。CO2ナルコーシスになりやすい患者さんにオキシマスクを使用するのはどうですか?

A:オキシマイザーは、経鼻カニューレにリザーバーを取り付けたもの、と理解頂くといいでしょう。鼻孔のチューブのそばに袋というかスペーサーというか、酸素が溜まる場所を設けてあります。F−224型はその「高流量タイプ」で、その名の通り高流量で使うものです。

オキシマスクは質問6でも書きましたが、呼気の再吸入をしにくいので、COPDで慢性的にCO2貯留があり、CO2ナルコーシスが懸念されるような症例で使われることもあると思います。

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posted by 長尾大志 at 18:51 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年05月31日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問25

Q:訪問看護です。COPD(O2 3Lカニューレ)、前立腺肥大症(自己導尿2回/日)の利用者です。Spo2 97%程でも呼吸困難が出現したり、Spo2 94〜95%でも呼吸苦を訴えられないこともあります。その因果関係を教えて下さい。また、頻脈であり、常に100〜110前後あります。本人はずっと前からだと言われます。COPDと頻脈の関係性はあるのでしょうか。時々下肢の浮腫も出現します。体で何が起きているのか分からないので教えて下さい。

A:「呼吸困難」は、本人の「これくらいでちゃんと呼吸できているつもり」と、「実際の状態」の解離によって生じます。呼吸に際して本人が思っている以上に努力が必要であると、呼吸が「困難である」と認識されやすい、と理解して頂くといいかもしれません。

わかりやすいのは低酸素による呼吸困難ですが、これは低酸素→組織がもっと酸素をくれという→呼吸数を増やし、一回換気量を増やし(努力して呼吸)→その努力を感知→呼吸困難感、という説明が理解しやすいでしょう。

COPDですとそれ以外に、閉塞性障害→吸気、呼気の抵抗感から呼吸困難感を自覚、ということもあります。他の疾患でも、低酸素以外の機序で呼吸困難が起こることは多々経験されます。SpO2だけが呼吸困難の原因ではないことは、是非知っておいて頂きたいと思います。

COPDと頻脈の関係はいろいろなことが想定されます。思い当たる?ことがたくさんある、ということですね。例えば低酸素があれば、それだけでも頻脈となりますし、COPDでよく使われるLABAの副作用で頻脈(動悸)があります。また、COPDに右心不全を合併しやすいことも知られています。浮腫の存在からは、右心不全がありそうですね。


Q:肺炎が軽快した患者さんの呼吸音が聴取しずらく、息が苦しいと訴えてきます。外見上、特に変わった様子はなく、SpO2も95%以上あります。何が考えられますか?

A:両側の呼吸音減弱があるのでしたら、COPDが元々ある患者さんで、肺炎を契機に増悪し、これまで隠れていた症状が顕在化した、とかでしょうか。そういう事例は山ほど経験しています。喫煙歴の確認と胸部単純X線写真、肺機能検査を是非お願いしたいと思います。

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posted by 長尾大志 at 15:43 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年05月30日

VR(Virtual Respirology)「チーム医療」@洛和会音羽病院 2018年2月3日(土)動画を編集

今日は少し時間があったので、かねてからの懸案であった、動画編集に挑戦しました。

2018年2月3日(土)に開催された、VR(Virtual Respirology)「チーム医療」@洛和会音羽病院。大変盛り上がり、学びの多い会であったわけですが、その第2弾の開催が決定しました。

日 時:平成30年7月14日(土曜日)16:30〜18:00
場 所:洛和会音羽病院 本館C棟1階 講義室
参加費:無料
詳細はこちら↓↓↓
http://otomarukun.seesaa.net/article/459597364.html

で、前回の様子を収めた動画を頂いたのですが、なにせ長いので、編集していたわけです。あまりソフトを使いこなせず、素人感丸出しではありますが、よろしければご覧ください。
https://youtu.be/_rIt4xUQgQk
チームでのご参加、個人での参加、いずれも大歓迎です。

で、その後はアンプロフェッショナル学生に係る対応策に関するFD・SD研修会、京都大学大学院医学研究科 医学教育・国際化推進センター 錦織 宏 准教授によります、「武士道とプロフェッショナリズムと等価交換モデル」と題したお話を拝聴しました。アンプロ(このままだと患者さんの前に出せない学生さん、的な)に大学は何が出来るのか、この問題はかなりいろいろな意味で、とにかく難しいです。難しすぎて記事の更新が滞ってしまいました。

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posted by 長尾大志 at 19:12 | Comment(0) | 活動報告

2018年05月29日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問23・SpO2、動脈血ガス分析2

Q:血液ガスの報告、どの順番で報告したらいいですか。結果を電話報告する時に、どう伝える方がいいのか、順番があれば教えて下さい。

A:ドクターが血液ガスを採るとき、一体何を見たいのか?というと、何はなくともpHだと思うのですね。なぜかというと、pHが動いている、すなわちpH<7.350(アシデミア)、pH>7.450(アルカレミア)であれば、直ちに生命維持のために「何か」をしなくてはならない。

何かしなくてはならないのか、しなくてもいいのか、それを判断するのがpHですから、血ガスを採った医師がまず確認したいのは、pHだろうと思われます。少なくとも私はそうです。

もちろん、PaCO2も、HCO3-も、pHが動いている理由を知るためには必要な項目です。でもpHが正常範囲であれば、例えば呼吸性アシドーシスがあっても、

ですから、まずpHを報告頂き、次にその理由となるPaCO2、HCO3-、そしてPaO2、あとBE…という感じで報告頂くのが一つ。

もしくは、人工呼吸装着中など、呼吸状態が問題になるときには、まずpH、次にPaCO2とPaO2、そしてHCO3-とBE…という感じで報告頂ければいいのではないでしょうか。


Q:酸素解離曲線において、体温上昇で右方シフトしますが、実際は体温1℃上昇でSpO2はどのくらい変化するのでしょうか?

A:1℃あたりどの程度SpO2が変化するのか、いくつか調べてみましたが具体的な記載を見つけることが出来ませんでした。実はスゴくややこしい式を見つけたのですが、計算が…(汗)。37℃付近ではそれほど大きくは変わらなさそうではありますが…。ご存じの方、是非ご教示のほどお願いします!

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posted by 長尾大志 at 18:59 | Comment(3) | ナースのための呼吸器道場

2018年05月28日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問22・SpO2、動脈血ガス分析1

Q:酸素投与開始後、どのくらい投与してSpO2が上がらないと判断したらよいですか?

A:通常は酸素投与開始後、あるいは酸素流量変更後、20〜30分経過してから血ガスを採ることになっています。そのぐらい経過したらガスが安定している、というのです。SpO2 自体は割と速やかに上がってきますが、「上がらない」という判断をどのタイミングでするかは微妙な問題です。20〜30分経過しても上がってこなければ、そう判断されてもいいと思いますが…。


Q:血ガスについて。よくBEやアニオンギャップについて記載されていますが、看護師でもやはり理解しておいた方が良いですか?また、Drが呼吸器設定変更後に「30分後に血ガスとっといて」と言います。30分の根拠って何ですか?

A:もちろん看護師さんでも理解しておいて頂きたいですし、そのためにブログを書いているのです!なんとかわかりやすく書いているつもりですので、是非ご理解いただきますようお願い申し上げます。30分、の根拠は上の通りです。

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posted by 長尾大志 at 17:57 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年05月27日

メディカ出版 看護師セミナー「急性期・術後の呼吸器ケア」神戸会場

昨日は朝から夕方まで、メディカ出版看護師セミナー「急性期・術後の呼吸器ケア」@神戸 でした。

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5年前からこれまで、何度も同じテーマでやらせていただいているセミナーではありますが、思えば当初のものとはすっかり変わってしまっております。毎度終了後「こう変えれば…」というアイデアを取り入れて、ほとんど同じスライドは残っていないかもしれません…。

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今回は構成を変え、最後に症例をじっくりと、現場の順番通りに見ていきながら、復習をしていただく…という感じにしたのですが、症例のところでの問いでは、ほぼほぼ全員の方が正解していただいていて、なかなかやっていて手応えを感じました。あとで頂く感想で、「ついて行けなかった」「進行が早かった」というご意見を頂くのは切ないので…まあ、「物足りなかった」というご意見も切ないのですが…私の役目としては、やはり、皆さんにしっかりとご理解頂くこと、だと思うので、またご感想を拝読したいです。

6月16日には東京で、同内容のセミナーを行います。
https://www.medica.co.jp/seminar/detail/131
ご参加予定の皆さん、よろしくお願いいたします。

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神戸といえばタピオカドリンク…??

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posted by 長尾大志 at 20:47 | Comment(0) | 活動報告