2018年05月25日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問21・マスクと鼻カニューラ

Q:ハイフローセラピー導入前、リザーバーマスク10Lよりもカニューラ10Lにする方が明らかに酸素化が良かったのですが、そのメカニズムを教えて下さい。

A:そもそも経鼻カニューラで酸素投与をするときに、5L/分以上の流量で流すということは推奨されていません。鼻粘膜損傷、鼻出血、患者さんの不快感につながります。

その上で、あえて疑問にお答えする形で考えますと、リザーバーマスクよりも鼻カニューラの方が、細いチューブのまま鼻腔に入りますから、流速が早いと思われます。どっちにしても「低流量」システムではあるのですが、その中では比較的鼻カニューレの方が高い流量なのかなあと。それでFIO2の低下(大気の混入)が少ないのではないでしょうか。しかし!繰り返しますが、決して真似しないでください。


Q:口呼吸の人に2LのO2を流したい時は、マスク?カニューラ?
Q:口呼吸の患者さんで鼻カニューラを口にくわえてもらうとSpO2が良くなってくる人がいますが、これでよいのでしょうか。

A:口呼吸のご質問、よく頂きます。鼻カニューラを装着した状態で口呼吸をすると、当然鼻呼吸をしているときよりもFIO2は低下することになりますが、それでも鼻から入った酸素は気管に流れ込むので、「全くO2を投与していないよりは多少マシ」とは言われています。

しかしながら、こちらも本来の使い方ではありません。鼻カニューラは鼻にする、が原則です。口に当てる(くわえてもらう)とFIO2は上がりますけれども、邪道というやつです。

じゃあ、口呼吸の人に「2LのO2」を流したい時は、どうするか。

そもそもどうして「2LのO2を流したい」のでしょうか。1Lでも3Lでもなくて2L。2Lの根拠です。2Lでないといけないのか。ドクターの指示が2L経鼻だから、というのはダメですよ。目的は2Lという数字ではないはず。そもそもの目的をハッキリさせれば道は啓けるはずです。

例えばFIO2を28%くらいにしたいから2Lで、ということであれば、口呼吸なんでマスクで確実にFIO2に出来る、ベンチュリーマスクを使います。

そこまで厳密に考えていなくて、何となく2L、気軽に経鼻で、なんて感じであれば、口呼吸だからちょっと多めに3L経鼻にして、SpO2がちゃんと上がってきているかどうか確認する、足りなければ4Lにする…そんな感じでしょう。


Q:酸素投与について、病棟ではSpO2が下がったとき(COPDなどではなく)、カニューラ→マスク→ベンチュリー→リザーバーの順で変更していますが、それで合っているのでしょうか。

A:流量が多く出来るのが、だいたいその順番ですから、それでよろしいかと思います。最近ではさらに、リザーバー→ネーザルハイフロー(ハイフローセラピー)という流れが普及しています。



さてさていよいよ、明日はメディカ出版セミナー@(社)兵庫県農業会館でございます。
https://www.medica.co.jp/seminar/detail/131
(リンク先には講義サンプル動画もあります)

改めてスライドを見ておりましたが、具体例が豊富になったので、よりご満足頂けるんじゃないかなーと自画自賛、でございます。ご参加の皆さん、お楽しみに。

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posted by 長尾大志 at 16:11 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年05月24日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問20・インスピロン(ネブライザー式酸素供給装置)2

Q:人工呼吸器からの抜管後、医師が「O2吹き流しで」と指示することがあります。そのときによって具体的に何を使うのかが違うのでベンチュリーやインスピロンなど具体的に何を使うのか聞くのですが、“吹き流し”の定義ってあるのでしょうか? どういうものをそう呼ぶのか教えていただきたいです。

A:ここでご質問にお答えする形で、酸素の「吹き流し」について考えてみましょう。その時にほとんど同時に使われる言葉として 「T ピース」という言葉があります。

これは図のように、例えば挿管している状態、あるいは気管切開をしている状態で、そのチューブの先に T の字をしたチューブというかアタッチメント(Tピース)をつける、そしてそこに酸素を流す。大抵それは人工呼吸器を外した後、それまで人工呼吸器で人工的に換気をしていたところに、その機械を外して酸素をただ流す、フルで自発呼吸の状態を吹き流しと呼んでいます。

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吸気時には、高流量で流れてくるFIO2が一定の混合気を吸い込み…

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呼気時に出た空気は、蛇管断端から出ます。蛇管断端を観察すると、出てくる湯気?蒸気?煙?みたいな呼気が見えますが、呼吸に従って量が増えたり減ったりします。吸気時には量が減り、呼気時には量が増えるのです。

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この湯気?は、常に増えたり減ったりしながら出続けなければなりません。吸気時に見えなくなるようなことはあってはなりません。吸気時に見えない=吸気側の流量が足りず、呼気側からも吸ってしまっている可能性があるからです。


Q:インスピロンを気切患者に使用する時の蛇管断端ですが、これの長さによって何か変わりますか。昔、長さが長いことでPEEPがかかるとか聞いたことがあるのですが……。
Q:インスピロンでTピースの排気側の蛇管が長すぎるといけないと聞いたことがあります。その理由は吸気を再吸入してしまうということにあるのでしょうか?また、適切な長さを教えてください。

A:T ピースで吹き流しをする時に、呼気側をどうしたらいいかを考えましょう。例えばチューブが完全にない、という状態ではどうなるか。息を吸うときには、吸気側から流れてきた混合気が体内に入ります。そもそもこの時も、吸気側から流れてくる混合気の流量(流速)が吸気流速を下回っていると、呼気側の口から外気を取り込んでしまってFIO2が低下し、混合気のFIO2を定める意味がなくなります。

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ですから吸気側の流速はとっても大事で、30L/分以上にする必要があります。それでも息を吸い込むときに呼気側も吸気側も等しく陰圧がかかる、つまり引っ張られることになりますから呼気側に通常蛇管を1節分(15cm、60mL程度)取り付けておいて、呼気側から大気が入らないようにします。

呼気側の蛇管が長いとPEEPがかかる。確かに相当長ければ管自体の抵抗がありますから、少し陽圧がかかるかもしれませんが、それを期待するようなことはありません。蛇管が長すぎると、吸気流速が低いときに吸気の再吸入につながりますから、蛇管は1節分、となっています。

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2018年05月23日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問19・インスピロン(ネブライザー式酸素供給装置)1

Q:インスピロン=アクアサームですか?

A:アクアサームというのは商品名です。インスピロンも商品名(ブランド名)なんですけれども、原理はほぼ同じです。高流量を流す、かつ加温加湿ができるような酸素供給システムです。正式名称はネブライザー式酸素供給装置、といい、この名前の方がその本質をよく表していますね。


Q:インスピロンに加湿器は必ず必要ですか? 当院では加湿器は使っていないのですが、ないことで生じる問題はありますか?

A:インスピロンに加湿器を使われていないということですが、実際どうやって使われているのか、気になります。インスピロンというのは加湿器もセットで使うのが前提ですので、メーカーの想定していない使われ方になっているのではないでしょうか。

逆に加湿が必要ないのであれば、インスピロンを使う必要もないと思います。推測なんですが、使われている意図としては、ある程度高流量流したい、でも加湿はいらない、そこでインスピロンを使おう、ということなのかなとも思いますが、その場合であれば通常はベンチュリーマスクを使います。


Q:人工呼吸器抜管後の酸素選びで、インスピロンを使ったり鼻カニューラやマスクを使ったりしていて、どう判断するべき?

A:抜管後の酸素選びですね。これは使い分けているご本人に理由を尋ねないと分からないと思いますけれども、一つは痰がなかなか切れない、とかですね。とにかくインスピロンを使うのは加湿をしたいときです。そこまで加湿がいらないという状況で、酸素を投与するときには、普通の経鼻カニューラやマスクを使います。カニューラとマスクの使い分けは流量の差です。基本的には5 L /分以下であればカニューラです5 L/分 以上ならマスクというご理解でよいかと思います。


Q:インスピロンやベンチュリーは15L/minまでしか流せないが(FIO2 50%)、ハイフローセラピーは30L/min(FIO2 100%)で流せるのはなぜですか。

A:インスピロンやベンチュリーに使われている酸素の流量計は、古いといいますか精度が低いといいますか、高流量が流せません。それに対してハイフローセラピーに使う流量計は高精度で(その分高いんですけれども)、30L/分以上流せます。


Q:病棟でインスピロンを使用するときに「とにかくFIO2を保ちたいから酸素流量は減らしてもFIO2は下げないように」と言われたが、それは正しいのでしょうか。

A:「FIO2を保ちたいから酸素流量を減らしてもいい」というのは誤解です。基本のところで書きましたが、あくまでもインスピロンの使い方としては、FIO2に対して流す量が決まっているのです。FIO2を無理やり100%にしていても、流量が少ないとマスクの横から空気が入ってきてこちらの意図したFIO2になりません。


Q:腎臓が悪い患者さんで夜だけインスピロンを使っている人がいます(O2 6L、FIO2 35)。なぜ使っているのかわかりません。日中はO2 1L使用しています。

A:ちょっとわかりません…。夜だけインスピロン。夜に痰が切れにくくて困る、とかでしょうか。腎臓が悪ければインスピロンを使うとか、そういうことはありません。これは使っている方に直接意図を聞いていただいた方がいいと思います。


Q:私の職場(呼吸外科病棟)では肺がんで間質性肺炎を合併している場合、術後はインスピロンを使用する場合が多いです。理由としては、厳密なFIO2管理をするためでよいのでしょうか? 理由がいまいち理解できていないので、先生の意見をお聞きしたいです。

A:インスピロンを使用するのは、繰り返しになりますが、加湿をしたいというケースです。ご質問のケースで、肺癌の切除をする時に間質性肺炎を合併していると。間質性肺炎では拘束性障害が起こって VC が低下します。そうするとタイダルボリュームも減りますから、咳がしにくい、痰が喀出しにくい、ということにつながります。そういうケースで加湿をすることは多いかなと思います。もちろん間質性肺炎の術後は、酸素をたくさん必要とすることが多いですから、高流量を流したいということも理由のひとつであろうと思います。

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posted by 長尾大志 at 17:50 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年05月22日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問18・NPPV

Q:口呼吸してしまう人はNPPV適応となりますか?

A:口を開けてしまうと空気が口から大いに漏れてしまい、陽圧がかからなくなってしまうので、鼻マスクによるNPPV中には口を閉じておくことが推奨されます。顎まわりを締めて口を閉じるためのチン(顎)ストラップも用意されています。どうしても、という場合には口もおおってしまう鼻口マスク(フルフェイスマスク)や顔全体をおおうトータルフェイスマスクも用意されています。


Q:NPPVをマスクで使うことが多く、酸素が勢いよく送られてくるので患者さんが苦しくて外したがります。そんなときは鼻ネーザルにした方が楽ですか? マスクとネーザルを使用することで換気量などに違いはあるのですか?

A:NPPVは圧をかけて無理やり空気を押しこむ目的で使うものですから、当然患者さんは「圧される」「無理やり」という感覚になります。そこをうまく導入頂けるかどうかはやり方次第なところもありますが、ネーザルハイフロー(鼻ネーザル??)の方が押しこまれ感は少ないものです。

当然その分、圧はかかりませんし押しこむことは出来ませんので、換気量も変わってきます。NPPVの方がしっかり入り、換気量も確保出来るでしょう。


Q:心原性肺水腫(怒責による血圧上昇)の患者にNPPVが開始となりました。先輩ナースから、NPPVを装着することで毛細血管が広がり、血圧を下げる効果もある、と教わったのですが、PEEPがかかり肺胞が広がるからでしょうか?機序が分からないため教えていただきたいです。

A:NPPVは挿管人工呼吸と同じく陽圧換気ですから、胸腔内圧が上昇します。その分心臓や大血管が圧され、静脈環流の減少を来して血圧低下を来します。

血圧低下、ということで合併症的な扱いになることもありますが、心原性肺水腫の場合、静脈環流の減少=前負荷の軽減につながります。要は肺内に水が余った状態(うっ血)が、静脈環流を減らすことで軽減する、ということです。

また、心臓が収縮するにあたって、肺が陽圧であると心臓を圧すことになりますから、これは後負荷を軽減することになり、こちらの意味でも効果的です。

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posted by 長尾大志 at 18:24 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年05月21日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問17・リザーバーマスク

Q:病棟で誤嚥性肺炎の患者、リザーバーマスク10LでSpO2 70%に落ち、上がる気配のない患者に対し、先輩看護師がリザーバーマスクのバッグの中のエアーを送り込んでいました。この行為に何の効果がありますか?

A:リザーバーマスクのしくみは、こうなっています。

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流れてきた酸素はリザーバーバッグに溜まっています。で、息を吸うときには、

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そもそものチューブを流れてきた酸素に、リザーバーバッグ内の酸素が加算されて、吸気のFIO2が上がります。このとき、マスクについている一方弁のおかげで、流れてきた酸素メインで吸うことが出来ます。しかしながら!繰り返しになりますが吸気の流速は流れてくる酸素より圧倒的に早いので、バッグの分では補えません。で、マスクと顔の隙間から空気が入ってくることになります。

で、呼気はマスクの一方弁から出ていき、リザーバーバッグの方には一方弁で流れず、流れてきた酸素が溜まる、という繰り返しです。

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吸気の時にリザーバーマスクのバッグの中のエアーを送り込む、という行為は、吸気時に少しでも酸素を多く送り込んで、FIO2を上げようということなのですが、一時的には上がっても止めるとすぐに元に戻ります。ずっとは出来ませんからね…。


Q:自分の呼気はマスクから出ていくと思うのですが、それでも少しはCO2を吸ってしまう可能性があるためFIO2 100%ではないんですかね? リザーバーマスク15Lで高濃度酸素投与ってよくいいますが、実際100%ではないんですか?

15Lも酸素を流すと、いつもの数字よりずいぶん多いし、音はシューシューいうし、いかにも「たくさん流してるで、ドヤあ」、とばかりに「高濃度酸素」と言ってしまいますが、まあ、高濃度ではありますが、決して「高流量=吸気流速以上」ではありません。呼気じゃなくて、マスクの横から空気が入りますから、それでFIO2が低下するのです。

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posted by 長尾大志 at 18:11 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年05月20日

1日、胸部X線漬けの巻

今日は朝から1日、胸部X線漬け(漬ける方)でした。

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参加されていたのが開業医の先生方中心でしたので、どのように進めていくか若干手探りなところもありましたが、後ろの方からちょいちょい参加していただけたのでよかったです。進め方にはだいぶ自信がついてきました。

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富士山の見える天気の日にE席という…僥倖…。

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posted by 長尾大志 at 22:20 | Comment(0) | 活動報告

2018年05月18日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問16・ハイフローセラピー6

Q:自分の病院にはハイフローシステムがありません。挿管せずにSpO2を上げるとしたら、NPPV以外であればリザーバーかインスピロンの選択もありでしょうか? 呼吸状態にもよりますが……加湿が必要なくてもインスピロンにするのはありですか?

A:「挿管せずにFIO2を上げるとしたら、」ということでしょうか。NPPVを使わない、ということでしたら、おっしゃるとおりリザーバーかインスピロンの選択になるでしょう。通常インスピロンを使うのは、加湿が必要なときやネブライザーとしての使い方になり、そうでないときにリザーバーを使う、という理解でよろしいかと存じます。


Q:ハイフロー機器を60L 100%まで上げているが、目盛りが60Lまでいかないときがあります。MEさんには「患者さんの呼吸状態でこれ以上上がらない」と言われましたが、どのような状態にあるのか教えてください。

A:60L 100%…相当ですね。そこまで目一杯にすること、あまりないと思いますが…。器械にもよりますけれども、ブレンダーの問題や原理的な問題から、60Lまで上がらないことはあります。

「患者さんの呼吸状態で…」という意味ですが、頻呼吸かどうかで吸気流速が変わりますから、それのことをおっしゃったのでしょうか?器械を含めその状況がわかりませんので、これ以上は何とも申せませんが…。

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posted by 長尾大志 at 17:19 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年05月17日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問15・ハイフローセラピー5

Q:喘息の患者さんにハイフローとプロタノール持続吸入(インスピロン)の併用があり、ハイフローのダブル使いってあるのかナーと、疑問というか知識がないので教えていただけたら幸いです。ハイフローの流量は忘れましたが、インスピロンは10L 50%です。

A:この場合のインスピロンは、ネブライザー的な使い方なのかなあ、と推察します。少なくとも広く推奨されているやり方ではありませんが、喘息発作急性期で、
@著しい低酸素血症であり、FIO2を高く設定する必要がある⇒ネーザルハイフロー
Aインスピロンを使ってプロタノールレジスタードマーク(イソプロテレノール)持続吸入をさせたい
ということなのでしょう。

ネーザルハイフローがなかった時代、インスピロンで高濃度酸素(といっても成人の場合せいぜいFIO2は50%)+プロタノールレジスタードマーク持続吸入、というのはされていたようですが、ネーザルハイフローが登場して、それを併用することが推奨されるのかされないのか、決まりはないと思います。まあ、絶対ダメ、ということはないと思いますが…。

あ、ちなみに、小児の喘息発作の場合ですと、小児はTVが少ないので、インスピロンでFIO2が100%、とか、理論上はいけるわけです。ですから、インスピロン単独でプロタノールレジスタードマーク持続吸入、というのは酸素投与と同時に吸入も出来る、一石二鳥のステキな方法なわけです。

成人ではそうはいかず、FIO2が上がりませんので、ひと工夫必要なわけです。まあ、プロタノールレジスタードマーク持続吸入自体、ガイドラインでも成人には勧められていませんので、あまり行わないような気がしますが…。

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posted by 長尾大志 at 18:19 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年05月16日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問14・ハイフローセラピー4

Q:ハイフローセラピーは加湿するために水滴が出てしまいますが、蛇管にたまった水は加湿器の方に戻すのか、一旦蛇管を外して処理をするのか? 呼吸器と違ってウォータートラップがないので……。

A:そうですね。ウォータートラップがないので、蛇管にたまった水は患者さん側に行くか、加湿器に戻るかしかありません。普通の人工呼吸器の回路でしたらウォータートラップがあり、そこを外して水を捨てるようになっていますが、ハイフローセラピーではないことが多いようです。

感染などを考えると、加湿器に戻すのは、水滴での細菌繁殖などを考えるとやりたくない。そうなると回路の途中を外して捨てるか…。念のためメーカーさん(F&P)に「蛇管にたまった水はどうしたらいいですか?」確認しましたら、「加湿器に戻してください」とのことでした。まあ、外さないとしたらそっちしかないですよね…。

おそらくネーザルハイフローであれば、回路を通過する混合気は100%鼻腔を通るために、感染のリスクは少ない、ということなのでしょう。


Q:・ハイフローセラピー使用時、口呼吸はしていないのでしょうか?

A:口呼吸に関しては多くのご質問を頂いております。当然、酸素は鼻から入るわけですから、口呼吸する量が増えると理論よりはFIO2が低下しますし、PEEP効果も低減します。ですから、なるべく口を閉じておくよう勧められているとは思います。

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posted by 長尾大志 at 18:40 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年05月15日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問13・ハイフローセラピー3

Q:ハイフローセラピーでFlowのみ(FIO2 21%)は、どれくらいの効果がありますか?

・ハイフローセラピーの使用ですが、心不全の人には適さないと聞きました。本当ですか?

A:ハイフローで、O2を付加せずに空気をそのままハイフローにする意味ですね。少なくとも酸素化という意味では、若干かかるPEEP以上の意味はないでしょう。また、加温加湿によって気道の湿潤に効果がある、とする意見もありますが、積極的に勧められるには至っていないようです。

繰り返しになりますが、PEEPという意味ではNPPVの方がずっと確実に効果的です。ハイフローのメリットとしては、NPPVほどマスクによる装着感なしに、高くて確実なFIO2を決めることが出来る、という位置づけでいいと思います。

また、心不全の人に適さないとは…??ちょっとおっしゃった方の意図されるところがわかりかねますが…。心不全の時にはPEEPをかけたいので、NPPVの方がいい、という意味でしょうか?逆に、PEEPがかかってしまうので、血行動態が不安定なときには適していないという意味でしょうか?いずれにしても、「適さない」ということではないと思いますが…。

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posted by 長尾大志 at 18:14 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年05月14日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問12・ハイフローセラピー2

Q:ハイフローセラピーが導入になり2年ぐらいです。心臓血管外科の術後で使用しています。使用上の管理で重要点があればご指導ください。

・ハイフローセラピーシステム使用中の患者の合併症や、注意して観察することを知りたい。

A:ハイフローシステム、といっても、酸素を投与する形態が異なるだけで、他の酸素投与法と本質的には同じことです。ですから、注意点などもおおよそ同じですが…。

ハイフローのメリット、の裏返しで、圧が多少かかってしまう。まあ、それほど高いPEEPがかかるわけではありませんが、血行動態が不安定、とか、血圧が低い、とかいう場合には、血圧の変化に注意しておきましょう。

それと、FIO2が100%近くになる、圧が高くなる、ということで、酸素毒性を考えに入れる必要がありそうです。

挿管人工呼吸管理だと一応の目安として、FIO2が60%以上になる時間をなるべく短く…24時間以内で…みたいなことがいわれたりもしています。

ローフローシステムによる酸素投与が主流の時はFIO2も圧も高くなりませんでしたので、ほとんどそういうことは考えなくても良かったのですが、おそらくハイフローシステムだと(まだ確たるエビデンスはありませんが…)FIO2もフローも上げすぎない方がいいでしょう。

具体的には、SpO2が100%になってしまうのではなく、93〜98%あたりになるよう調節するのがいいでしょう。フローは30-40L程度で、FIO2が狙い目に入るよう調節する感じになると思います。

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posted by 長尾大志 at 20:52 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年05月13日

第67回日本医学検査学会教育講演、と、公開講座で齋藤孝先生

今日は、第67回日本医学検査学会、教育講演Z生理にて、「呼吸器疾患の病態から検査まで」と題して講演をさせて頂きました。

割と基礎的なところではありますけれども、ひょっとすると、検査技師さんが普段意識されていないかもしれない、正常肺の生理と病的肺の変化についてお話しさせて頂きました。

ご司会を賜りました高谷先生、どうもありがとうございました。

また、今回お招き頂きました島田先生には、数々のお気遣いを頂きました。本当に、ありがとうございます。

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無事に終了したあとは、公開講演に齋藤孝先生が登壇なさる、ということで、滅多にないチャンス、とばかりに拝聴しました。タイトルは「人間関係を作るコミュニケーション力」。

ご講演の中で、「聞くだけじゃダメ。エビングハウスの忘却曲線通り、明日には忘れてるから、必ず今日中に、家に帰ったら家の人に話すように」とおっしゃっていました。これはアウトプットせよということだと考え、こちらでアウトプットを。しかしそのまま掲載は少し憚られますので、自分なりの解釈、これからこういう風に自分も授業などで活かしていこう、ということを交えて書いて参ります。

(以下、講演内容を改変引用)
・まずはそこにいる人全員を「参加させる」。ここにいろいろな手を使う。興味のなさそうな人に敢えて話しかける。笑いが足りなければ要求する。復唱させる。うなずかせる。身体を動かせる。驚かせる。相づちを打たせる。はーひーふーへーほー。

・コミュニケーションは、まず雑談力(意味のないこと、人間関係を温める)、次に伝達力(伝えたいことを伝える)、そして新しいことを生み出す、アイデアを考え出すフェーズがある。

・雑談フェーズでは相手の名前を何度も呼ぶ、相談を持ちかける。

・コミュニケーションの半分(以上)は、身体で行っている。言葉を伝達する前に関係性が出来て、その上で言葉を投げれば伝わる。

・伝わったかどうか、確認が重要。復習、復唱、内容を要約して語り合うワーク。

・グローバルな人材、は、英語なんかよりテンションが一番大事。ハイテンション、ノリがいい人が成功する。名言「無職だと不機嫌だが、不機嫌だとずっと無職のまま」。

・コミュニケーションには質問力も大事、コメント力を養うにはよく使う言葉を禁止する。「ヤバい」「美味しい」禁止とか。

・上機嫌は「作法」である。医者は患者さんの前では「上機嫌」であるべし。自分の気持ちをアゲるルーチンを用意しておき、患者さんの前に出る際にアゲていく。教師もまた然り。
(引用ここまで)

一般市民の皆さんもかなりの数、おられる中で、会場を巻き込む手腕、大いに参考になりました。そして伝えるというところの手法も。あと、これから書籍やTVでのネタになるような決めぜりふもありましたが、それは、参加者の特権ということで。

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posted by 長尾大志 at 22:16 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2018年05月12日

伊東先生、ご推薦、ありがとうございます!

静岡県立静岡がんセンター 感染症内科の伊東直哉先生から、『Dr.長尾プロデュース 呼吸器腹落ちカンファレンス 呼吸の果てまでカンファQ!』のご感想を頂きました、というか、facebookで推薦して頂きました。この書籍に関しては、これまでにも私がああだこうだ申し上げておりますが、私が申し上げるよりももっと的確にご紹介を頂いている気がしますので、勝手に引用させて頂きます。伊東先生ご容赦を!

(引用ここから)
本書の主な対象は医学生と研修医で、日々のカンファレンスを乗り切るTIPSが満載です。

カンファレンスでディスカッションになるポイントは、日常臨床においても重要なポイントでもあるので、本書に書かれていることは日々の診療でもバリバリ活用できます(ま、そうではないカンファレンスも現実にはあったりしますが...本書のケースは違います!)。

おそらく、本書は長尾先生がローテーターに伝えたい情報が集約しているものと思います。現実的には、本書を読まずにこれだけの情報量を享受できる学生、研修医はさすがに稀...と思いますので、呼吸器ローテ前に読むとメチャ効率的と思います(あ、ローテしなくても!)。
長尾先生もそういった使い方を望んでいる...はず!笑

May the NAGAO be with you!
(引用ここまで)

最後のところなど、そのまま帯に使えますね!次作がもしあるようなら、是非伊東先生に帯を書いて頂きたいなー(笑 と思いました。いや実際、呼吸器で悩んでいる全国の学生さん、研修医の皆さんのおそばで教えて上げたい!っていう内容が満載で、まさにそこのところをうまく表現して頂いたなあと。ってことで、伊東先生、ありがとうございました!

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posted by 長尾大志 at 23:41 | Comment(0) | 日記

2018年05月11日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問11・ハイフローセラピー1

Q:ハイフローセラピーの設定基準を教えてください。

・ハイフローセラピー使用時の指示で、リットル数は固定でFIO2を上げ下げする指示なのはなぜですか。

・ハイフローセラピーでは、とにかく酸素をたくさん流すということは理解できました。しかし、実際FIO2は自由に設定可能である理由が理解できていません。もう一度教えていただけるとありがたいです。

A:ハイフローセラピーにもいくつかの器具がありまして、各々説明書に従って使って頂きたいのです。というのも器具によって方式が異なり、一概にこう使う、とはいえないからです。

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原理としては図の通りです。酸素が流れてくる配管と、空気が流れてくる配管を、一定の割合で混ぜ合わせて、FIO2と流量が定まった混合気をジャーッと流すわけです。でもこの「混ぜ合わせるやつ」がこんなに簡単ではない。コストの問題もあり、通常は…

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みたいな方式が多いです。混ぜ合わせるやつ(ブレンダー)で混ぜる割合、すなわちFIO2を決め、流量計でフロー(L)を決める、みたいな感じですね。

リットル数は空気の流速=フローで、これはあまり上げ下げしません。通常は30L/分を超えるように設定します。上げるといわゆるPEEP(効果)がかかりますが、上げすぎると不快に感じることがあります。

大事なのはFIO2で、これをキッチリ決めます。逆に、これは自由に決められるのです。患者さんの状態が良くなったら下げますし、悪くなったら上げます。通常はSpO2を確認しながら上げ下げ、ということになるでしょう。

フローとFIO2を混同するとわけがわからなくなりますから、しっかり確認してください。

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posted by 長尾大志 at 18:50 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年05月10日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問10・CO2ナルコーシス9

Q:COPDの患者でSpO2が80%など低下してきている患者に対して酸素投与を積極的に行っても大丈夫ですか? CO2ナルコーシスが心配です。

CO2ナルコーシス、CO2ナルコーシス、と強調されると、こういう疑問が生じるのはごもっともだと思います。しかし!ご質問のケースでは、とにかく酸素が足りない(SpO2が80%!)。これは緊急事態です。酸素を、少なくともSpO2>90%まで持っていきたいですね。

生命維持のためには、酸素が必ず必要ですから、低酸素血症は第一に対応が必要です。その上で、CO2ナルコーシスにも注意。この順番が大切です。

時々、低酸素が著しいのに「CO2ナルコーシスが怖い」と、チョロチョロとしか酸素を流さない、なんて聞きますが、まあ低酸素の度合いにもよりますが、SpO2が80%なのに、全然SpO2が上がらないような投与の仕方ではダメだ、ということです。もちろん多すぎると確かに呼吸が止まりやすいので、SpO2が90%前後ぐらいで収まるような、いい塩梅を目指します。

まとめますと、COPDで元々高CO2血症があるような症例では、酸素はある程度(SpO2 90%を目標に)しっかり投与、しかしCO2ナルコーシスの恐れもあるので、NPPVや挿管の準備は怠らない、そういう感じで考えて頂ければと思います。

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posted by 長尾大志 at 17:47 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年05月09日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問9・CO2ナルコーシス8

Q:透析室勤務の看護師です。数年前よりCOPDによるHOT使用中で、体力低下や家族の介護困難で入院してきた透析患者がいます。既往歴に間質性肺炎あり。入院直後にインフルエンザにかかり、現在うっ血性心不全を併発しているためドライウェイト調整中です。労作時にはSpO2 80%台への低下があり、O2 2.5L経鼻カニューラ投与で対応中ですが、医師からの指示でSpO2 85%以下で0.5LずつUP。最大5Lまで投与可とありますが、血ガスを採らない状態でこの指示は適切なのでしょうか? 患者は常に軽度の努力呼吸およびやや頻呼吸です。

A:私のセミナーできちんとしたやり方を学ばれた看護師さんから、ご自身の勤めておられる施設とのギャップに悩まれたご質問を頂くことが多々あります。本当に困りますよね…。

しかしこれが現実です。呼吸器内科のトレーニングをきちんと受けたドクターでないと、酸素投与法に興味がない、あるいは、施設の事情で血ガスが採れない、などなど、「血ガスを採取して評価し、CO2ナルコーシスのリスクを勘案して酸素投与法を決める」ことが出来ない施設は山ほどあるようです。

現実がそうであるなら、その上でどうするか、って話ですけど、ご質問のようなケースではどうすればいいでしょうか。

一番簡単?なのは、血ガスを採ってみる、ということなのですが…。

確認して頂きたいのは、過去にCO2ナルコーシスの既往があるか、COPDと間質性肺炎が合併しているようですが、過去に肺機能検査をされているか、というあたりです。肺機能検査で閉塞性障害があれば呼吸抵抗があるということですので、CO2が貯留する可能性はあると思いますが、あまり閉塞性障害がないという状況ですと、CO2は貯留しにくいかもしれません。

この指示が出て、実際どうするかということですが、とにかく大切なことはO2を増やした後にしばらくしっかりと観察をしていただく、ということ。つまりO2を増やした後に意識レベルが低下するかどうか、呼吸数が減ったりしないかどうか、これをしっかりと観察して頂きたいのです。

意識レベルの変調、呼吸数の低下はCO2ナルコーシスの危険信号です。それ以外に高CO2の症状として、頭痛、顔面紅潮、発刊、四肢の不随意運動(羽ばたき振戦)、血圧上昇などを観察して頂きたいと思います。

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posted by 長尾大志 at 17:12 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年05月08日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問8・CO2ナルコーシス7

Q:CO2ナルコーシスで意識混濁している患者さんへは全例NPPVと考えてよいですか? NPPVは意思疎通可、指示の入る方が適応かと思い、挿管しなければならないのかと思いました。酸素化が改善されれば意識状態が戻ってくるからですか?

A:「混濁」の程度が問題ですが、少し換気補助をすれば意識状態が改善する、ということもありますので、CO2ナルコーシスの症例に「まずNPPVをやってみる」というのは悪いことではないと思います。

NPPVのメリットは、とにかく気軽に出来る、すぐ出来る、すぐやめられる、ということですから、気管内挿管の準備を進めつつ、とりあえず鼻マスクをあててみる、で、いければそのまま続行、無理そうなら挿管、という流れでされているところが多いのではないでしょうか。

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posted by 長尾大志 at 18:23 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年05月07日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問7・CO2ナルコーシス6

Q:終末期の患者さんで、ハイフローセラピー→リザーバー5L〜カニューラ2L/minへ変更すると翌日にはPCO2が急激に上昇しました。これはハイフローセラピーのCO2の洗い出し(ウォッシュアウト)効果があるということでしょうか?

A:ハイフローとローフローを比較すると、以前にも書きましたが、死腔の洗い出し分だけハイフローの方がCO2排出には有利だと思います。CO2が急激に上昇したのは、状態が悪化したせいもあるかもしれませんが…。


Q:マスクでO2 5L以下ですと呼吸の再吸入によりCO2が溜まることは認識していますが、実際はO2 3Lや2Lでマスクを使用しています。先生はどう思われますか?(O2 3LネーザルだとSpO2が下がる、でも5Lマスクでは多い、3LマスクだとSpO2が安定する患者など)

A:私はどう思うか、というご質問であれば、「その投与法は正しくありません」ということになります。元々CO2貯留がない場合であれば、うまくいくこともあるかもしれませんが、私の立場では、現状「正しくはこうです」としかいえません。実際、血ガスを採ってみられたらどうだったかを教えて頂きたいですね。

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posted by 長尾大志 at 17:56 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年05月06日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問6・CO2ナルコーシス5

Q:元々CO2が高い人(COPDの人とか)は、マスクよりネーザル使用していますが、オキシマスクも使用しています。オキシマスクってどうなっているんですか?構造的によくわからないので教えて下さい。

A:オキシマスク。平たく申しますと、マスクの形状や酸素の吹き出し口を工夫することで、呼気を再吸入しにくくなっているマスクです。形はマスクで、再吸入しにくいという意味では経鼻カニューレに近い、と申しましょうか。

位置づけとしては、「1Lとかの低流量でも呼気の再吸入を気にせず使えるマスク」ということになります。3~7Lぐらいのところで、経鼻カニューレとシンプルマスクをいちいち替えなくてはならない、という場合など、便利に使えます。

詳しい原理については、株式会社エム・ピー・アイさんのHPをご覧頂ければと思います。無断でこちらに引用するわけには参りませんので。

いずれにしてもそんなわけで、COPDで慢性的にCO2が高く、CO2ナルコーシスが懸念されるような症例では、オキシマスクを使われることもあると思います。ただしベンチュリーマスクのように、FIO2が上がりすぎない、とかいう効果はありませんので注意が必要です。

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posted by 長尾大志 at 16:06 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年05月05日

GWどっぷり

とくに大してGWらしいこともしておりませんが、ずっと天気もいいですし、今日はBBQを親戚一同で、致しました。

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posted by 長尾大志 at 22:39 | Comment(0) | 日記

2018年05月04日

告知あれこれ・7月以降

7月以降の予定をご紹介します。

7月11日(水) 沖縄県立中部病院
滋賀医大卒業生のY先生にお招き頂きましたが、喜舎場朝雄先生のお膝元で、私が何を出来るというのでしょう。それはわかりませんが、精一杯頑張るのみであります。

7月14日(土) VR(Virtual Respirology)「チーム医療」@洛和会音羽病院
前回2月3日のVRチーム医療、とっても面白かったですね!近々本格的に募集を行いますので、京滋近隣の研修医の皆さん、看護師、理学療法士の皆さん、医学生さんも、お誘い合わせの上、予定をあけておいて下さい。

7月15日(日) 21世紀適々斎塾広島セミナー@広島市文化交流会館
Common Disease わたしの治療 ーガイドラインの向こう側ー
適々斎塾が広島で!近隣の先生方にとっては素晴らしいチャンスではないでしょうか。15日、16日の2日間にわたって行われますが、私の出番は15日の午前中です。ACOとCOPDのガイドラインが新しくなりましたので、そのあたりのお話をしっかりとさせて頂きます。

夏以降の予定は、詳細が未定なものも多いですが、先のご予定を立てる参考にして頂ければと思います。また、講演のご依頼を頂くご参考にもして頂ければ幸いです。

9月22日(土) 糸魚川総合病院
10月20日(土) ただいま診断中セミナー@滋賀
11月2日(金) 産業医科大学
11月3日(土) 9時30分〜16時30分 メディカ出版セミナー@大阪・クリスタルタワー
11月18日(日) 21世紀適々斎塾 エキスパートとともに考える症候学セミナー 2
12月9日(日) 滋賀県臨床工学技士会主催呼吸療法セミナー
12月15日(土) 9時30分〜16時30分 メディカ出版セミナー@東京・家の光会館

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posted by 長尾大志 at 15:54 | Comment(0) | 活動報告

2018年05月03日

告知あれこれ・5月〜6月

新緑の5月、連休はいかがお過ごしでしょうか。私は今日はなんだかんだ家のことをやっていました。網戸の張り替えとか…御神輿とか…なんとか…。

さて、久しく今後の告知をしていませんでしたが、気づけばいろいろとお仕事のお話を頂いておりました。是非多くの方に参加頂きたいので、告知させて頂きます。

5月13日(日) 13時10分〜14時10分 日本医学検査学会教育講演@アクトシティ浜松
肺の病態と肺機能などの検査を絡めたお話です。主にCOPDと肺線維症のお話をさせて頂きます。

5月20日(日) 10時〜15時 医療技術セミナースキルアップ@アットビジネスセンター(ABC)東京駅
久々の今回は、『レジデントのためのやさしイイ胸部画像教室 第2版』発売記念、胸部X線写真見まくり大会です。最初に見かたのコツなどお話ししたあとは、ひたすら見まくります。

5月24日(木) 19時〜20時40分 解決コンコン懇話会@ホテルサンルート彦根
こちらは、彦根の橋本先生にお招き頂きました。咳で受診する患者さんの問題を解決できるような内容です。『検査ができない!?専門医がいない!?現場で役立つ呼吸器診療レシピ』発売記念で、第1章の「これならできる!“せき”の鑑別診断アプローチ」の内容を、わかりやすく解説いたします。

5月26日(土) 9時30分〜16時30分 メディカ出版セミナー@(社)兵庫県農業会館
6月16日(土) 9時30分〜16時30分 メディカ出版セミナー@家の光会館
https://www.medica.co.jp/seminar/detail/131
おなじみ「急性期・術後の呼吸器ケア」ですが、今年から実際の症例をじっくり考える時間割を設けまして、学んだことを現場で生かせるように工夫しております。上のリンクからは講演サンプル動画もご覧いただけますので、一度そのわかりやすさをご覧ください。

6月3日(日) 11時30分〜 滋賀医科大学呼吸器内科BBQ@こんぜの里バンガロー村
説明不要、肉祭りです。研修医の先生方、学生さんは参加無料です。直接来て頂ければいいのですが、あらかじめ参加希望をいただけましたら、肉の確保をさせて頂きます。今年は初めて、○○が焼かれるかも…

6月23日(土) 17時30分〜19時45分 岡山協立病院胸部X線写真読影勉強会@岡山協立病院横 ComComホール3階
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSe6ugTvEcFFESbf46DgtToywMcl3cyrseqPKxWZ3H2OkzH-Ug/viewform
岡山協立病院の、横田先生からお招き頂きました。「初期研修医・学生向けに胸部X線画像読影のイロハを、長尾先生ならではのわかり易くかつ面白いレクチャーで学ぶことができます。」とのことです(笑

6月26日(火) 15時〜16時 竜王近江八幡医師会講演@近江八幡市立総合医療センター内『よしぶえホール』
こちらは雨森先生にお招きいただきました。いつもお世話になっております。『検査ができない!?専門医がいない!?現場で役立つ呼吸器診療レシピ』発売記念として、ACOとCOPDのお話を、できるだけシンプルにさせて頂きます。題して「エーコーの架け橋」。

6月30日(土) 14時〜15時 上本町呼吸器セミナー@ホテルアウィーナ大阪
大阪赤十字病院の西坂先生・黄先生にお誘いいただきました。胸部画像のお話を、大阪のどまんなかで、やらせて頂きます。

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posted by 長尾大志 at 19:19 | Comment(0) | 活動報告

2018年05月02日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問5・CO2ナルコーシス4

Q:CO2ナルコーシスになった場合、ハイフローセラピーを選択するとのことですが、NPPVでもよいのでしょうか。バッグバルブで強制的に換気することがありますが、これは強制的に回数を増やしてCO2を出させる意味で行っているのですか?

A:CO2ナルコーシスになったときの対処は、「もっと換気をさせる」1択です。直接換気をさせる、という意味では、NPPVや挿管人工呼吸、ということになります。バッグバルブもそうですね。

「酸素投与の方法で、CO2ナルコーシスでも比較的使いやすいのはどれ?」というご質問であれば、ハイフローセラピーも確かにそうなのですが、あくまで「酸素投与の中で」比較的まし?という程度です。

というのは、以下のような効果があるからです。

・高流量を流すので、鼻腔〜咽頭の解剖学的死腔にある呼気(当然、CO2を多く含む)を洗い流すというところで、CO2排出に貢献する。

・高流量によるPEEP様効果で、呼気時気道の虚脱が軽減する。

これらはネーザルハイフローの利点としてよく(主にメーカー側?が?)語られていますが、だからといってNPPVに替わるものではありません。そもそもCO2ナルコーシスの時は、低酸素が問題(高流量が必要)ではなくて、高CO2が問題ですからね。NPPVが優先です。

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posted by 長尾大志 at 19:12 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年05月01日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問4・CO2ナルコーシス3

Q:CO2がたまりすぎると、外になかなか出ていかなくなるのは、どうしてですか。

A:CO2が貯留して、呼吸性アシドーシス〜アシデミアになると、意識障害が起こってきて、呼吸中枢の異常⇒自発呼吸が減弱します。

CO2を外に出すには呼吸をしなくてはならないのに、呼吸が減弱してしまって、余計にCO2が溜まってしまう、それがCO2ナルコーシスなのです。

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posted by 長尾大志 at 18:24 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年04月30日

今後のお話

呼吸器学会で一息つきまして、先だっても申しましたように目の前のお仕事がだいぶ減りまして、これからの活動を考えておりましたが、ありがたいことに今後もいろいろとお仕事のお話を頂いております。

書籍は、これまでに7冊+改訂版×2、出版させていただき、新たなる企画といっても、もはやアイデアも出尽くして、何も残ってません…と思っていましたが、いろいろな方にお目にかかってお話をしていると、なんやかんや出てくるもので、また新たな展開がある…かも…しれません。

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(金芳堂facebookページより引用)

講演会や勉強会は、いろいろ新たな出会いがあり、いつも本当にありがたく、楽しくやらせて頂いております。その場で頂くご質問、あとの情報交換の場でのお話で、新たな視点、考え方を得ることができるのです。日本全国、どこにでも伺います!この学会でも打ち合わせがありました。今後の予定もまた告知致しますね。

肝心の、日々の仕事に関しては…

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引っ越しました。モニター三面が、きちんとおけるようになり、スライド作成や執筆作業が捗る快適なお仕事環境になりました!

それはともかく、このたびの引っ越しは、ついに、滋賀医大の「呼吸器内科」が「呼吸循環器内科」から独立したことによります。ちょっと状況が流動的になっていて予断を許さないので、これ以上のことは申せませんが、どうなってもその場でがんばるのみです。

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posted by 長尾大志 at 20:43 | Comment(0) | 活動報告

2018年04月29日

第58回日本呼吸器学会学術講演会@大阪国際会議場レポート2

ということで、2日目の報告をいたします。しかしながら!!

なんと昨日は家にスマホを忘れるという失態。まあ別にそれほどスマホ依存ではありませんので、取りに帰ることはしませんでしたが、写真が全然撮影出来ませんでしたね…。

滋賀医大の先生方の発表や…知り合いの先生方の発表など…写真なし。
と!いうわけで!書籍展示も巡りまして、大変ステキなありがたい展示をして頂いていたのですが、写真撮れず、またも、金芳堂さんのfacebookページより引用させて頂く次第です。

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(金芳堂facebookページより引用)

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(金芳堂facebookページより引用)

学会に参加しておられた先生方は気づかれたでしょうか?あるいは、この写真でも…。

ご覧頂けますように、通常は出版社さんごとに書籍を並べて頂くところ、金芳堂さんと日本医事新報社さんのコラボにより、「長尾先生コーナー」を作ってもらっちゃった、というわけなのです。これには驚きです。両者のご担当者様、誠にありがとうございます。大変感謝しております。南江堂さんもいいところに置いて頂いてましたが、とにかく写真がございません。残念です。

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posted by 長尾大志 at 17:26 | Comment(0) | 活動報告

2018年04月28日

第58回日本呼吸器学会学術講演会@大阪国際会議場レポート

今週末は、第58回日本呼吸器学会学術講演会@大阪国際会議場です。昨日に引き続いて、今日も行って参りました。まずは昨日のご報告。

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(金芳堂facebookページより引用)

昨日はかねてより申していたとおりポスター発表「教育・終末期医療他」セッションで座長をさせて頂きました。心配もありましたが、質疑応答も活発にしていただき、かつ、時間キッチリに終わるという、なかなかステキな進行具合でした。共に座長をして頂いた市立芦屋病院緩和ケア内科部長 松田良信先生のおかげです。松田先生、本当にありがとうございました。

座長のあとは大阪駅北のグランフロント大阪へ。インターコンチネンタルのセレブな空間に迷い込むと…

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ステキなお料理と…

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ステキな女性達と…

久しぶりの楽しいひとときでした。あ、くれぐれも、昨今話題のセ○ハラ案件ではありませんのでご安心ください(だったらこんなところに書きませんね…)。

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posted by 長尾大志 at 21:39 | Comment(0) | 活動報告

2018年04月27日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問3・CO2ナルコーシス2

Q:カニューラで4L投与するとCO2ナルコーシス?だったかになるからマスク4Lに変えて、と言われたことがあります。その違いが知りたいです。

A:経鼻カニューラとマスクとの大きな違いは、吐いた息が溜まるかどうかです。

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マスクは鼻・口の周りを取り囲む100〜200mL程度の大きさのドームです。もちろんシンプルマスクでは孔があいてはいますが、それでも吐き出した息の幾ばくかはマスク内に残り、次の吸気でそれを再吸入してしまうと考えられています。

ですからマスクで低流量、5L/分未満はあまり好ましくないとされます。特にCO2貯留傾向のある症例では避けるべきです。

それとは別に、経鼻カニューレで4L、というのは、普通の換気状態であれば結構FIO2が高くなりますので、それはそれで好ましくありません。

でもご質問のように、経鼻4Lはダメでマスク4Lにしなさい、というのも違うと思います。ご質問のような場合でしたら、経鼻カニューレであれば、(SpO2を見ながら)低流量から、マスクなら、ベンチュリーマスクを使う、とかですね。


これから第58回日本呼吸器学会学術講演会@大阪国際会議場へ向かいます。ポスター発表「教育・終末期医療他」セッション発表の先生方、よろしくお願い申し上げます。また書籍コーナーにも出没予定。

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posted by 長尾大志 at 12:55 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年04月26日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問2・CO2ナルコーシス

Q:CO2ナルコーシスについて。どんな疾患・どんな人に特に注意していけばいいでしょうか。(酸素療法を行うにあたり)

A:早速質問がかぶってきましたね…。CO2ナルコーシス、というのは、CO2の蓄積によって呼吸性アシドーシスを来たし、意識障害を招いて自発呼吸が減弱する病態です。

通常、慢性に高CO2血症〜U型呼吸不全がある症例において、不用意に?高濃度酸素を投与することで、呼吸ドライブが抑制されて低換気〜さらにCO2貯留、という流れが考えられています。

ですから疾患としては、基礎にCOPDなどの、CO2が溜まるような慢性肺疾患、それに換気量が低下しがちな神経筋疾患がある、などの場合、注意が必要です。

出来れば慢性にそういう疾患がある場合、安定期でも血液ガスを採って、CO2貯留の有無を見ておきたいところですね。

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posted by 長尾大志 at 17:58 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2018年04月25日

書籍企画・「酸素にまつわるエトセトラ」の質問1・酸素吸入の目安とは

しばらくこちらで学会予習をしているウラで、書籍やら講演スライドやら各種問題作成やらで実はてんてこ舞いでした。各種問題はこちらで公に出来ませんからねー。

それらもだいぶ終えまして、これからはまた「酸素」「低酸素」系のお仕事です。

以前、メディカ出版さんの雑誌『呼吸器ケア』で、『素朴なQ にカンペキA! 長尾先生のやさしイイ 気胸・胸水・胸腔ドレナージ』という巻頭特集をお任せ頂いたことがありました。

その時のQ&Aは、今でも名作と思っていますが、ずいぶん前に雑誌は売り切れて手に入らないようです。残念……それはさておき、次は酸素にまつわるQ&Aを考えてみよう、というわけです。いろいろとこれまでに頂いたご質問にお答えして参りますよ。これからご質問を頂いても、もちろんOKです。酸素にまつわるご質問がありましたら、コメント欄にどうぞ。


Q:療養型の老人病院です。SpO2が低下なくても呼吸状態や末梢チアノーゼなどにより、酸素吸入を行う時もあるのですが、O2 3L以上はめったに流していません。O2吸入、使用の目安、流量について教えて下さい。

A:いきなり核心に迫るご質問ですね(笑)。まずは、O2吸入、使用の目安、流量について、ということですが、それだと全部になってしまう(汗)ので、あくまで一般論としてのO2投与の目安をお答えします。

でも実際、療養型などで、検査なんかもなかなか難しい、アセスメントも出来ない、でもなんか苦しそう、チアノーゼがある、とかで「酸素でもいっといて」みたいな場面、意外にあるのではないでしょうか。実はこういうご質問、結構頂くのですね。

一般論としては、経鼻カニューレで流すようなローフローシステムの酸素であれば、少なくとも(酸素中毒など)害になることは少ないと考えられます。ですから、SpO2 が低下している、特に90%を下回っている、というとき、頻呼吸で苦しそうなとき、チアノーゼが見られるときなど、2~3L/分投与してみて様子を見る、みたいな感じでされていることが多いようです。

また、基礎にCOPDがある、慢性にU型呼吸不全がある、などの場合、CO2ナルコーシスの危険があり、過量のO2投与は勧められません。そういう場合には経鼻カニューレでも0.25Lとか0.5L、みたいに少量からの投与が望ましいでしょう。

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posted by 長尾大志 at 19:09 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場