2017年01月17日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診療・肺非結核性抗酸菌症の診断

まずは診断です。正しい診断なくして治療なし。で、こちらも肺結核同様、喀痰なり胃液なり気管支洗浄液なりから菌を検出する、これが標準となります。ですから同じく、痰をしつこく採りましょう、気管支鏡も考慮しましょう、となります。ただ、結核との違いは「抗MAC抗体」なる抗体検査が適用出来ること。


抗MAC抗体(MAC特異的血清診断)は、MACの壁を構成する抗原成分に対する抗体を測定していて、感度40〜80%、特異度90〜100%程度です。結核におけるIGRAと異なり、肺非結核性抗酸菌症が発症して十分量の菌がいる、ということを意味しますから、IGRAよりは「診断の」役に立ちそうです。


でも抗原成分がMAC以外の非結核性抗酸菌にも存在すること、それから環境中のMACに曝露しても抗体が産生されうるともいわれていることから、これだけが陽性=MAC症、とは決めがたいところです。臨床上、画像上疑わしくて、喀痰が1回だけ陽性、なんて症例で陽性であれば、役に立ちそうですけど。


一応、日本結核病学会・日本呼吸器学会による確定診断の基準は、臨床的基準として

  • 胸部画像で典型的な所見所見がある

  • 他の疾患を除外出来る


上で、細菌学的基準のいずれかを満たすとされています。この原則はその通りですので、現状では抗MAC抗体は、あくまで「補助診断」という位置づけになります。


呼吸器専門でないドクターのための呼吸器実践

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2017年01月16日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診療・肺非結核性抗酸菌症について

肺結核と診断した瞬間、保健所に届け出る必要があり、その治療についてもある程度決まったものがあります。培養陽性であれば専門施設へのコンサルトをされることも多いでしょう。そんなわけで、肺結核の診療において、悩ましい問題、というのは比較的少ないのではないでしょうか。


一方最近では、すっかり肺結核よりも多くなった肺非結核性抗酸菌症。こちらには悩ましい症例も多いです。それなのに、患者さんの症状もはっきりせず、呼吸器にコンサルトしたものかどうか、それすらも悩んでしまう。そんな場面も多いのではないでしょうか。


結局どうしたものか、ガイドラインを見てもよくわからない。近くに気軽に聞ける専門医がいない…。


いや、実のところ私たちも、「本当にこれでいいのか」悩みながら診療を行っているのが実際のところです。というのも、

  • 治療薬の決定版がない

  • その割には(それゆえに)多剤、長期間の治療が必要で、副作用の懸念がある

  • 進行がゆっくり、あるいは進行しない例もある

  • 一方で、治療抵抗例では悪化し出すと手がつけられない

  • 外科治療の適応が難しい・外科治療自体が困難


といった状況があるのですね。エビデンスがないというか、足りないというか。それゆえに「こうすべし」と言い切れない。でも、何か指針はほしい。という感じでしょうか。少し考えてみましょう。


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2017年01月15日

平成28年度 日臨技近畿支部 臨床一般検査分野研修会『湖国で学ぶ!一般検査〜Good for everyoneを目指して〜』

今日は午後から、表記の会で講演をさせていただきました。私の担当は、『胸水をみたときに臨床医が考えること』ということで、臨床医は胸水の結果でどういうところを注目しているか、大事な項目はどれか、というようなお話をさせていただきました。


当地は夜中からの雪で、道路状況が危ぶまれましたが、却って道が空いており、スンナリと到着できました。遠方から来られた他の講師の先生方も、無事に到着、帰られたようで何よりでした。


講師の先生とのお話で、私の書籍をお読み頂いていることをお知らせ頂いて、ハッピーでした。また、胸水のpHを血ガス測定器で測定することのご意見を頂き、今後の参考になりました。


お招き頂いた皆様、関係の方々、本当にありがとうございました。


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posted by 長尾大志 at 19:48 | Comment(0) | 活動報告

2017年01月14日

大学入試センター試験

今日は、大学入試センター試験の試験監督をしておりました。


幸い当地では雪がちらつくものの交通機関の乱れなどなく、つつがなく終了したようでよかったです。国内では遅れなどもあったようですが、まずは明日まで無事に終了すること、受験生の皆さんが努力の成果を発揮できることをお祈りしております。


そして明日私はこちら。


胸水ポスター1.jpg


胸水について、臨床検査技師の方々と考えて参ります。参加される皆様、よろしくお願い申し上げます。

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posted by 長尾大志 at 21:19 | Comment(0) | 日記

2017年01月13日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診療・IGRAについて

これも、以前から何度もこちらで書いていることではありますが…。


誰でも、同じ結果が得られるんだったら、楽な方がいい、まあこれはわかります。でも、結果が違うのに、楽な方を進むのはどうでしょう。そう言われると、「結果が違うんだったら、結果によるよね」と思われるでしょう…。




IGRA(interferon gamma release assay:インターフェロンガンマ放出試験)という検査があります。IGRAは一般名で、商品名としてはQuantiFERON-TB-Goldレジスタードマーク(QFT-G/QFT-3G:クォンティフェロン)、T-スポット.TBレジスタードマークが有名です。


この検査のポイントは、「採血をすれば、結核感染の有無が高精度にわかる」というもの。「採血」という、気軽な、楽な方法で、「高精度に」わかるのがミソです。そのため、割と気軽に「結核の診断法」として用いられているのが気になります。


「Tスポット陽性なので、結核と考えられます」
「クォンティフェロン陰性なので、結核は否定的です」
と、かなり短絡的に、結果と診断がリンクしてしまっていることが多いのですね。


IGRAの意味するところはあくまで、結核の「感染」です。IGRA陽性は結核菌が体内に入って感染が成立していることを意味しますが、イコール「肺結核(=発症)」ではありません。これは繰り返し強調したいところです。


IGRA陽性は、あくまで感染。肺結核の可能性はありますが、肺結核の診断は、あくまでも「喀痰・胃液・肺から結核菌を証明すること」ですから、IGRA陽性であれば、頑張って菌を証明する努力をしましょう。


特に70歳以上の高齢者の方は、戦後の結核蔓延期、菌がそこら中でまき散らされていた時期に吸い込んでしまっている可能性があり、IGRA陽性者が多いのが現状です。そうなるとIGRA陽性に診断的意義は期待出来ません。


IGRA陰性のときはどうか。IGRA陰性は、結核菌の感染がない、と考えてよい。とすると、それで結核が発症する可能性は低いと考えられます。



結論として…

・IGRA陽性であっても、肺結核とは限らない。喀痰検査、胃液培養、気管支鏡などを施行し菌の検出に努めるべし。

・IGRA陰性であれば、肺結核をさしあたり考える必要はない。


IGRAという簡便な検査だけで、結核の診断は出来ません。楽な検査ではありますが、得られるものも少ない。これは覚えておいて頂きたいと思います。


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2017年01月12日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診療・肺結核の診断

間質性肺炎もいろいろ書いてきて、どこまで網羅したやらわからなくなってきましたので、一旦頭を冷やすことにします。


しばらくはこれまたご質問の多い、肺結核と非結核性抗酸菌の診断と治療について考えてみることに致します。



肺結核

肺結核は診断してしまうと、呼吸器専門医なり専門施設に紹介、というケースが多いようですから、診断の方が治療よりも問題となることが多いでしょう。


肺結核の診断には、喀痰、または胃液から結核菌を検出することが何よりも大切です。Tスポットもツ反も、傍証でしかありません。これは間違いない。


肺結核を疑うような状況、症状があり、矛盾しない画像所見があれば、積極的に喀痰検査を3回(3連痰)行うべきです。どうしても採取出来ない場合、胃液培養を3回行います。早朝の食前に経鼻胃管を挿入し、シリンジで吸引するだけです。外来で施行可能。気管支鏡よりもよっぽどハードルが低く、しかも確実に診断が可能な検査ですので、是非積極的に行って頂きたいと思います。


肺結核を疑う状況

・既往がある

・塗抹陽性患者の接触者である

・下記のようなリスクがある

  • 重喫煙者

  • 糖尿病

  • 胃切除後

  • AIDS

  • 担癌状態・血液疾患

  • 人工透析中

  • ステロイド・免疫抑制治療中

  • 珪肺




肺結核を疑う症状

・長引く咳・痰で喘息のような変動性に乏しい

・微熱・寝汗や体重減少がある。



・矛盾しない画像所見

・「肺結核に矛盾する画像所見なんてない」と諫められるように、様々な画像所見を呈することが知られている。

・したがって、「胸部X線写真で何らかの陰影が見られる」のであれば、それは結核を疑う根拠になる。

・典型的には粒状影〜結節影、空洞を伴うことが多い。


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2017年01月11日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・間質性肺炎・肺線維症42・好酸球性肺炎(好酸球増多症)3

急性好酸球性肺炎 典型例のCT


スライド32.JPG



慢性好酸球性肺炎(CEP)の方は、画像的にはCOP(OPパターン)と類似していて、多発する斑状の浸潤影が特徴です。分布は末梢、特に胸膜直下に多く見られ、陰影が移動する(自然軽快する部分がある)というキーワードがあります(必ずというわけではありません)。


スライド33.JPG


こんな感じの陰影で、抗菌薬が無効であれば、ステロイドを使いたくなるのではないでしょうか…。


OPとの鑑別は臨床症状などからは困難ですが、CEPの場合、AEPと異なり末梢血の好酸球増多がほとんどの場合に見られる、という点で診断の手がかりになります。


また、治療の点でも、よく似ているCOPはステロイド単独〜漸減投与が多く、CEPもステロイド単独で比較的コントロールが得られることが多いので、厳密に診断をしなくても、まあ何とか対応は可能かと思われます。


まあ、CEPの場合、ステロイドを切ろうとすると再燃することがままあって、10mg以内の維持量を投与継続することも多いのですが、COPでもそういうことはありますから、結局「漸減していって、10mg以下になったらさらにゆっくり減量して、再燃あればそのあたりを維持量とする」という方針で大間違いではないように思われます。


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2017年01月10日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・間質性肺炎・肺線維症41・好酸球性肺炎(好酸球増多症)2

(表 文献より引用)
■ 原因不明の好酸球性肺疾患

・特発性好酸球性肺炎
  急性好酸球性肺炎
  慢性好酸球性肺炎

・全身疾患に伴うもの
  好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
  好酸球増多症候群


■ 原因が同定される好酸球性肺疾患

・寄生虫などの感染症
・アレルギー性気管支肺真菌症
・薬剤や有毒物質など


■ 好酸球増多を来しうる(が、好酸球性肺疾患とはいいがたい)肺疾患

・器質化肺炎
・特発性間質性肺炎
・気管支喘息・好酸球性気管支炎
・肺ランゲルハンス細胞組織球症
・肺移植
・その他



このうち、一般的なイメージである「末梢血の好酸球増多があり、肺に移動する浸潤影がある」疾患は、慢性好酸球性肺炎と好酸球増多症候群、それに原因が同定される群あたりです。


急性好酸球性肺炎では、急性期には好酸球はほとんど肺に集中していて、末梢血にはあまり現れませんし、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症では肺に陰影が見られないことも多く、見られてもすりガラス影程度で、あまり典型的ではありません。


そんなわけで、「末梢血の好酸球増多」が、必ずしも「好酸球性肺疾患」を表すものではない、逆もまた然り、ということになります。


とすると、BALを行うことが出来ない施設において、「好酸球性」肺疾患の「診断」はもう無理、となります。これは仕方がありません。問題は、BALを行わないことでどの程度診断に迫れるか、また「治療方針」が変わるかどうか。このあたりです。



好酸球性肺疾患が鑑別診断に挙がるのは、呼吸困難などの症状があり、両側にすりガラス影〜浸潤影が斑状に見られるときです。


それで原因となるものが同定されない特発性好酸球性肺炎のうち、急性好酸球性肺炎は、比較的特徴的な症状と画像所見を呈することが多いです。


急性好酸球性肺炎の症状:喫煙開始、再開が契機になって発症する例が多い。喫煙以外に煙やスプレーなどの吸引が契機になるとの報告もある。症状は急速に生じて進行する発熱、咳嗽、呼吸困難などが典型的である。


急性好酸球性肺炎の画像所見:両側びまん性の広範なすりガラス影+カーリーBラインなど広義間質の肥厚が見られる。両側に少量の胸水も認められる。


典型例に見られる広義間質の肥厚像は割と特徴的で、他には心不全・肺水腫と癌性リンパ管症・リンパ増殖性疾患あたりが鑑別となりますから、きちんと読影が出来て、臨床症状から他疾患の除外ができれば、なんとかBALなしでも診断は可能かもしれません。


また、急性好酸球性肺炎であればステロイドがよく効きますから、ステロイドの反応性も診断の一助になるでしょう。


呼吸器専門でないドクターのための呼吸器実践

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2017年01月09日

これからのBRONCHO(Biwako Respiratory Outstanding Next Conference of Hospital and Outpatient care)運営について

最近ありがたいことに、各地で行われている勉強会に参加させて頂くことが多く、運営であったりテーマであったり、参考にさせて頂く機会が多いです。


で、多くの先生方とお話をしてみて、やっぱり今ウチでやっている胸部画像読影と症例検討会『BRONCHO(Biwako Respiratory Outstanding Next Conference of Hospital and Outpatient care)』は、どうやらかなりの価値があることをやっているのではないか、そう思うに至りました。ただ、現状では滋賀医大の中で細々とやっている。これだけ手間暇をかけて準備し、価値がある(と思っている)ことが、必要とされている方々に届かないまま埋もれていくのは残念なことです。


これまでもお呼び頂いたところではどんどん画像の読影や症例検討をやらせて頂いておりますが、これまで以上に「外に出て」行かなければならない。それが(元旦には書きませんでしたが…汗)今年の抱負です。



手始めに、このたび2月18日(土)に音羽病院さんでやらせて頂くことになった胸部X線写真の勉強会、こちらもBRONCHOの一環として、じゃんじゃん所見を見て頂こうと思います。
http://otomarukun.seesaa.net/article/444675695.html


それから、BRONCHOそのものも、もっと広く告知し、希望される方はどなたでもご参加頂けるようにしていかなければなりません。


ちなみに今後の予定は


1月12日(木)
2月2日(木)
3月2日(木)
4月6日(木)
5月11日(木)

(基本は第1木曜ですが、年末年始、祝日はちょっとズレます)


いずれも18時から19時頃まで、臨床講義室1(リンク先キャンパスマップのJ、臨床講義棟の1階です)
http://www.shiga-med.ac.jp/footer/campusmap.html
で開催します。申し込みなど不要で、直接会場に来ていただければOKです。



また、これまでBRONCHOで取り上げた所見は参加された方の特権として、門外不出という形でやっておりましたが、あまり出し惜しみしても却ってモッタイナイ、と思うに至り、今後はBRONCHOで取り上げた所見を何らかの形で世に出し、出来るだけ多くの「胸部画像を勉強したい」と思われている方々のお役に立つようにしていきたいと思います。


新年にあたっての抱負、ということで、少し具体的に方向性を書かせていただきました。本年もよろしくお願い申し上げます。

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posted by 長尾大志 at 13:26 | Comment(0) | 活動報告

2017年01月08日

セコメディック病院 救急・総合診療セミナー

昨日は日帰りで千葉に行って参りました。セコメディック病院さん主催『救急・総合診療セミナー』にお招きいただき、「やさしイイ呼吸の基礎と動脈血液ガスの見かた」というテーマでお話をさせて頂きました。


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今回は学生さん、初期〜後期研修医の方々、コメディカルスタッフの方々中心の会でしたので、呼吸生理の基本と血ガスの評価について、じっくり時間をかけてお話し出来ました。血ガスの結果から人工呼吸器の設定を考える方法については次回のお楽しみとさせて頂きます。


続いて東京城東病院の森川先生に「フレーム法で考える臨床推論」の講演を頂きました。臨床推論の教え方の参考になるお話で、勉強になりました。


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どうしても日帰りせねばならず、懇親会を途中退席せざるを得なかったので心残りでしたが、多くの方々にお声がけ頂き、とってもうれしかったです。サインもしまくりました(*´∀`)。


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昨年に引き続きお声がけ頂いた宇藤先生、歓待して下さったスタッフの皆さん、ご参加の先生方、本当にありがとうございました。それと西伊豆の坂本先生!


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「救急外来 ただいま診断中!」の著者の方です。スゴく役に立つ本です。


この夏、西伊豆で何かさせていただけるかもしれません。西伊豆はいいところです。是非伺いたいです。よろしくお願い申し上げます(笑)。

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posted by 長尾大志 at 15:29 | Comment(0) | 活動報告

2017年01月06日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・間質性肺炎・肺線維症40・好酸球性肺炎(好酸球増多症)1

正直、「好酸球性肺炎(eosinophilic pneumonia:EP)」の診断を、気管支鏡(気管支肺胞洗浄:BAL)なしで行う、というのは無理な話です。EPの定義ともいえるのが、肺胞洗浄液内の好酸球が増多している、ということですから、BALか生検が必要になります。


じゃあ、BALが出来ない施設ではどうすればいいか。一般的なイメージとしては、「末梢血の好酸球増多があり、肺に移動する浸潤影がある=好酸球性肺炎」となるかもしれません。でも、その公式は正しくない。


そもそも現在「好酸球性肺炎」という病名自体、正しくはありませんので、診断を考える前に、そもそも好酸球性肺炎、と呼ばれているものの再定義といいますか、分類を整理する必要があるでしょう。


おそらく「好酸球性肺炎」という言葉で連想されるのは、肺の中に好酸球がいっぱいあって、浸潤影があって…というものだと思いますが、そういう疾患は、実はたくさんあるのです。ただこの疾患群、これぞ、という決定版的な分類基準がありません。病因であったり機序であったりの全貌が明らかでない、ということにも関係しているかもしれません。


よく使われている、というかわかりやすく表になっているのはCottin とCordierの基準かと思います。
Eosinophilic pneumonias. Cottin V, Cordier JF. Allergy. 2005 Jul;60(7):841-57.



明日は千葉県船橋市での勉強会です。


ちらし.jpg


家庭の事情?で日帰りになりますので、更新は無理かと思います。ご容赦のほど、お願い申し上げます。


呼吸器専門でないドクターのための呼吸器実践

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2017年01月02日

2017年頭の予定告知

というわけで、まずは現在お話を頂いている今年の予定をまとめておきます。


■ 第3回救急・総合診療セミナー

平成29年1月7日(土)  14:00〜18:00
クロス・ウェーブ船橋にて


https://www.facebook.com/events/1766467830280567/?notif_t=event_aggregate¬if_id=1483315932206394


私の担当は14:00〜16:00、『やさしイイ呼吸の基礎と動脈血液ガスの見かた』。


16:10〜18:00は、JCHO東京城東病院総合内科の森川暢先生による、『フレーム法で考える臨床推論』です。



■ 日臨技近畿支部 臨床一般検査分野研修会

平成29年1月15日(日) 9:00〜16:00
ピアザ淡海 207会議室にて


私の担当は14:40〜15:40、『胸水をみたときに臨床医が考えること』。臨床に即した内容でお送りします。



■ 志太医師会 学術講演会

平成29年2月7日(火) 19:00〜20:00
志太医師会館(静岡県藤枝市)にて


前回から少し間が空きましたので、今回は少し復習もかねて『こんなときどーする?抗菌薬』というタイトルで、咳患者さんに抗菌薬を使うとき、具体例をご紹介していきたいと思います。



■ 洛和会音羽病院 医療関係者向け講演会

2017(平成29)年2月18日(土) 午後4時〜


http://otomarukun.seesaa.net/article/444675695.html


『やさしイイ呼吸器教室 特別レクチャー 〜Dr.長尾の胸部X線ルネッサンス〜』と題して、まあ要するに読影をじゃんじゃんしていただきます。


音羽病院の研修医の先生方、学生さん、開業の先生方、が主な対象ですので、いろいろと仕込みたいと思います。



■ 兵庫県保険医協会 第526回診療内容向上研究会

平成29年3月11日(土) 17:00〜19:00
兵庫県保険医協会会議室(予定)にて


こちらも『胸部X線ルネッサンス』のテーマでやらせていただきます。一般医家の先生方向けにやらせていただきます。



■ 福井県内科医会学術講演会

平成29年4月8日(土) 17:30〜
福井県医師会館にて


こちら、内容は「仮:呼吸器科領域疾患の聴診・打診による診断、そして治療」となっております。詳しくは来週打ち合わせをさせていただきます。



■ メディカ出版 看護セミナー

http://www.medica.co.jp/seminar/detail/131


『急性期・術後の呼吸器ケア』セミナーです。これまで「基礎編」ばかりでしたが、今回は基礎+現場編として、基礎を学びつつ現場で使える知識も取り入れたお話とする予定です。


神戸 2017年06月10日(土) 神戸クリスタルタワー 3階クリスタルホール
東京 2017年06月24日(土) 損保会館 2階大会議室



■ 日本集中治療医学会関西支部看護セミナー

平成29年11月18日(土)
iMEPニプロホール


看護師さん向けの、呼吸と人工呼吸周りの知識を解説する感じになるかと思います。



これ以外に、まだ日程他、詳細が確定していない講演がいくつかありますが…また決まり次第告知致します。



で、明日から、しばらくネット環境が劣悪な地域へ向かいます。更新はしばらく滞るかと思われますので、何卒ご容赦ください。m(_ _)m

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posted by 長尾大志 at 22:39 | Comment(0) | 活動報告

2017年01月01日

一年の計

あけまして、おめでとうございます。


一年の計、といっても、毎年同じことで、特に「これまでと違う」ことを指向するわけではございません。


これまで通り、呼吸器の知識を、必要な方にお伝えする。できるだけ伝わりやすい方法・手段を用いて。できるだけ創意工夫をすることで、勉強が楽しくなるようにする。伝わるための方法を、いろいろと模索していきたいと思います。


それと今年は、体調不良にならないよう、「無事これ名馬」を心に刻んで参ります。

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posted by 長尾大志 at 21:10 | Comment(0) | 日記

2016年12月31日

2016年を振り返って思うこと(大きな出来事)

でも振り返ると、やはり印象に残っているのは外仕事ですかね〜。いろいろな方々との出会いがありますから。出会いが印象に残るって感じです。


書籍にしても講演にしても、ただ、出す、やる、というだけでなく、本ならどのくらい売れたか、講演ならその後頂くご感想、またご依頼頂けるか、つまりどの程度評価頂けるか、ここがスゴく気になります。そういう意味では、今年の活動は「まずまず」なのかなあ、と思っています。


あ、あと、

■ なんばグランド花月

■ 医学教育学会での、『学生×教員 対話セッション』

■ 関ジャニコン

■ 闘魂祭@滋賀医大


これら祝祭空間への参加は本当に印象的な出来事でした。自分のプレゼンに必ず活かします。



■ 9月〜10月、なぞの体調不良

おそらく副鼻腔〜上気道炎なのですが、これまでと異なり異常に罹患期間が長く、5kg体重が落ちました。あまりにも長期間だったので、感染症以外の疾患を疑ったのですが、結局1ヶ月あまりの後に軽快してしまいました。アレは一体何であったのか…。


体調を崩したなかで講演など、頂いたお仕事をきちんとやりきった、これは自分で自分をほめてやりたいと思います。今年を振り返って、とにかくアラフィフ、健康には注意しなくては、肝に銘じました。


それでは皆さま、よいお年をお過ごし下さい。

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posted by 長尾大志 at 10:19 | Comment(0) | 日記

2016年12月30日

2016年を振り返って思うこと(業務?編)

■ 独立行政法人国立病院機構東近江総合医療センターへちょっとだけ出張

総合内科カンファレンスを3ヶ月にわたって見学させて頂きました。小回りのきく病院での勤務も楽しそうだなと思いました。



■ CBT問題のブラッシュアップ

■ OSCEの外部評価者

医科大学教員としての業務です。いろいろと勉強になることの多い経験でした。問題作りや実習における自分の幅が拡がったような気が致します。



■ 医学教育学会で発表⇒「医学教育」誌に投稿
(医学教育 47(5): 314-315, 2016.)

久々に発表とか投稿とかを自分でやってみて、またいろいろと発見がありました。


業務関係は、ことさらに取り立ててこちらで紹介することもなかったかもしれませんでしたが、貴重な経験ではあったと思います。今の立場ですと、これ以上の機会はあるのでしょうか。

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posted by 長尾大志 at 17:41 | Comment(0) | 日記

2016年12月29日

2016年を振り返って思うこと(医局編)

今年1年間どんな年だったか。
振り返ってみると色々とありました。


先だっての記事では、主な外仕事を書きましたが、内向きには(出張以外では)休むこともなく、5年生、6年生の臨床実習を微調整しながらやりきりました。3年生、4年生、看護学生さんの講義もアクティブに行いました。


いろいろとうまく出来てきた感触はありましたし、今回の学生さんによる「授業評価」もかなりヤバいものでした。すごくうれしい言葉をたくさん頂き、少し報われた気がしました。


医局としての出来事は…


■ H山先生の入局

■ M山先生の来滋


やはり共に頑張る仲間が増えるというのは、この上なくうれしいものです。来年度からも新しい仲間が加わってくれる予定ですし、大いに楽しみです。



■ 滋賀医科大学呼吸器内科医局初めての、市民公開講座開催

医局一丸となっての運営、良い経験となりました。また来年も行います。

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posted by 長尾大志 at 17:47 | Comment(0) | 日記

2016年12月28日

『肺血管や骨を追う』11・肺血管と骨

CTを見てみましょう。


スライド49.JPG


スライド50.JPG


スライド51.JPG


矢印のところで骨が蝕まれています。


ということで、胸部X線写真で濃度の高い部分は骨を溶かしている、つまり溶骨性変化がある、ということがわかります。炎症性の疾患で溶骨、といえばカリエスぐらいで、相当レアですから、可能性の高いところでいうと腫瘍性疾患かな、ということになるでしょう。


すなわち、本症例は嚢胞もさることながら、骨溶解像を捉えることが読影のポイントでした。


今日は仕事納め。今年一年無事に乗り切れたこと、関係の皆さまに感謝します。また来年もよろしくお願い申し上げます。

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posted by 長尾大志 at 16:54 | Comment(0) | 胸部X線道場

2016年12月27日

『肺血管や骨を追う』10・肺血管と骨

例によって間にいろいろと挟まりましたが、今年中に何とか終わらせましょう。


スライド47.JPG


こちらの写真で、矢印に囲まれた濃度の高い部分は、一体どういう性質を持っているか、というお話でした。覚えておられますか?


濃度の高い部分が、何かをしている。それによってそこの性質がわかる、ということです。よ〜くご覧下さい。


スライド48.JPG


矢印のところで、肋骨が途切れているのが見えます…。

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posted by 長尾大志 at 17:33 | Comment(0) | 胸部X線道場

2016年12月26日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・間質性肺炎番外編・第10回びまん性肺疾患フォーラム見聞録5

6) IPFの治療、管理における病理診断UIPの意義

神奈川県立循環器呼吸器センターの小倉高志先生によります、IPFのお話でした。やはり多くの臨床経験をお持ちの方のお言葉には重みがあります。神奈川県立循環器呼吸器センターには、次の4月からウチの若手がお世話になることが決まっております。ありがたいことです。何卒よろしくお願い申し上げます。以下にご講演の概要を記します。




multidisciplinary discussion(MDD)は、一時点での評価ということになってしまうが、間質性肺炎の評価のためにはそれだけではなく、時間経過が大事である。


「UIPパターン」はIPF/UIPのための基準であって、IPF以外の疾患についてはこの概念は当てはまらない。


CTでUIPパターンがみられなくても、病理学的UIPはたくさんある。CTで最後までUIPパターンがみられないのに生検ではUIPであった、という症例もちょいちょいある。やはり生検、病理が大事である。
Pathologically proved nonspecific interstitial pneumonia: CT pattern analysis as compared with usual interstitial pneumonia CT pattern.
Sumikawa H, Radiology. 2014


上肺野にPPFE、下肺野にUIP、という症例群がある。喫煙は少なく、家族歴がある。(UIPの空間的不均一性、と絡めて?)上肺にも下肺にも病変があればUIP、とする先生もいる。


早期のIPFは、fine cracklesで発見出来る(データあり)。


IPFを抗線維化薬で治療すべきか?という命題。IMPULSIS試験ではFVCの低下でみているが、DLcoの低下があり症状があれば治療、と考えていいのではないか。


開業医の先生方が専門医に紹介されるタイミングとして、6分間歩行が4%以上低下したら紹介⇒治療導入、というのがいいのでは。


AIPといわれているものの多くは、潜在的IPFの急性増悪なのではないか。


Centrilobular emphysema(小葉中心性肺気腫)小葉中心性気腫⇒COPD。
Paraseptal emphysema(傍隔壁型肺気腫)⇒UIPが出てくる、つまりCPFEとなることが多いと思う。


かいつまんだだけではありますが、ありがたいお話ばかりでございました。お話し頂いた先生方、また10年間スポンサー頂きましたエーザイさん、本当にありがとうございました。


呼吸器専門でないドクターのための呼吸器実践

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2016年12月25日

祝祭空間の研究

昨日は祝祭空間の研究でした。


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やはり一種完成された、顧客の心理を考え抜いたエンターテインメント、というものを見学できる機会は貴重です。いろいろとプレゼンの参考になりました。そういうわけで、ちょっと考え事をしております…。

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posted by 長尾大志 at 22:13 | Comment(0) | 日記

2016年12月23日

今年一年を振り返りたいところですが…

今年も、あっという間に終わりました。ぼちぼち今年一年を振り返る、10大ニュース、的なことを書いて参りましょう…。


エントリーは、書籍などの執筆は…自分が書いた分だけですが…


■ 著書(単著)

やさしイイ血ガス・呼吸管理(日本医事新報社)


まるごと図解 呼吸の見かた(照林社)



■ DVD(単独出演)

Dr.長尾の胸部X線ルネッサンス(ケアネット)



■ 著書(雑誌特集・単独執筆)

エキスパートナース8月号(照林社)
巻頭特集「これ以上やさしく書けない!ナースのための血ガス講座」


呼吸器ケア11月号(メディカ出版)
巻頭特集「素朴なQにカンペキA!長尾先生のやさしイイ気胸・胸水・胸腔ドレナージ」



■ 著書(雑誌・共著)

Gノート2月号(羊土社)「これだけあれば大丈夫!Common diseaseのエッセンシャルドラッグ」


ビギナーのための胸部画像診断Q&Aアプローチ(学研メディカル秀潤社)


朝日新聞朝刊 どうしました



■ 監修
看護師・看護学生のためのレビューブック2017(株式会社メディックメディア)
クエスチョン・バンク看護師国家試験問題解説2017(株式会社メディックメディア)
薬がみえる vol.3(株式会社メディックメディア)



■ 問題作成・解説

第105回看護師国家試験問題解説(株式会社メディックメディア)
第110回医師国家試験問題解説(株式会社メディックメディア)
看護師国家試験のためのメディックメディア模試2016(株式会社メディックメディア)
総合内科専門医試験対策 アップデート問題はココが出る!2016(ケアネット)



そして、講演は…遠方では…

医療技術セミナースキルアップ(東京都)
志太呼吸器特別講演会(静岡県)
鎌ケ谷総合病院ERセミナー(千葉県)
亀井道場(愛知県)
大阪どまんなか(大阪府)
メディカ出版看護師セミナー 計4回(東京都、大阪府、兵庫県)
胸部X線勉強会学術講演会(沖縄県)
呼吸器スキルアップセミナーin OSAKA 2016(大阪府)
板野郡医師会(徳島県)
臨床基礎セミナー(秋田県)



京都府・滋賀県では…

スピオルト新発売記念講演会・パネリスト
滋賀県病院薬剤師会感染制御委員会研究会
第2回、第3回みやこ呼吸器カンファランス
野洲感染対策学術講演会
滋賀県呼吸療法セミナー「3学会合同呼吸療法認定士試験対策セミナー」
内部障害研究会研修会



たくさんお仕事を頂き感謝です。以前にも書きましたが、一度ご依頼頂いたところから再度ご依頼頂く、ということが多かったのが、仕事を認めて頂いたようで本当にうれしかったです。


明日は10大ニュースを、と言いたいところですが、明日は「祝祭空間の研究」のため遠出を致します。更新は無理かと思われますので、ご容赦頂けますと幸いです。

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posted by 長尾大志 at 21:29 | Comment(0) | 活動報告

2016年12月22日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・間質性肺炎番外編・第10回びまん性肺疾患フォーラム見聞録4

5) IPAFないしLDCTDの治療、管理における病理診断UIPの意義

公立陶生病院の谷口先生による、概観、レビュー、といいますか、世界の趨勢、といいますか、裏話、といいますか、とにかく興味深いお話ばかりでした。でも興味深いところはここに書いていいのかどうか、ためらわれたりして。ちょっと控えめにしておきます。


disease behavior(疾患経過)を長期的に観察しよう、というが、どの程度を想定しているのか⇒今は4年後をみよう、ということになっている。


特発性間質性肺炎の診断には臨床・画像・病理のエキスパートによるmultidisciplinary discussion(MDD)が重要、とガイドラインにあるが、レベルの高い方々によらないdiscussionでは意味がない。それだったら、レベルの高い1人が、臨床・画像・病理情報を総合して診断を考える方がいいのではないか。


欧米のエラいさんは、自分たちで集まってガイドラインを都合よく変えては、論文をどんどん作っていく。猫の目criteriaだ。


UIPの要素があるIPAF(Interstitial pneumonia with autoimmune features=膠原病の香りがする間質性肺炎)には、PSL10mg以上は使わない。パルス✕2⇒PSL10mg+TAC のようにやっている。


IPAFに含まれるUIP病変には、ピルフェニドンが効果ありそう。


膠原病の診断基準を満たさなくても、全身症状がある、急性の経過がある、という場合にはステロイド+免疫抑制薬が1st choiceだが、慢性の経過であれば抗線維化薬が1stだろう。


ニンテダニブが皮膚の硬化に効果あり、というデータが出そう。


呼吸器専門でないドクターのための呼吸器実践

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2016年12月21日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・間質性肺炎番外編・第10回びまん性肺疾患フォーラム見聞録3

4) 慢性過敏性肺炎の治療、管理における病理診断UIPの意義

慢性過敏性肺炎(CHP)の日本における第1人者、東京医科歯科大学の稲瀬先生によります現況のレビューを頂きました。


CHP症例をIIPの分類に当てはめてみた稲瀬先生らの論文がこちら。UIPの予後が悪い。
Chronic bird fancier's lung: histopathological and clinical correlation. An application of the 2002 ATS/ERS consensus classification of the idiopathic interstitial pneumonias. Ohtani Y, Thorax. 2005


CHPの臨床分類では、夏型過敏性肺炎の病型、急性〜亜急性の発熱と呼吸困難症状を繰り返す、recurrent型(BALFのリンパ球増多あり)と、急性症状がなくゆっくりと悪化・進行するinsidious型(BALFのリンパ球は増えているものの有意にrecurrentより少ない)とがあって、前者にはOP、NSIPが多く、後者がUIPを呈する。
Clinical features of recurrent and insidious chronic bird fancier's lung. Ohtani Y, Ann Allergy Asthma Immunol. 2003


CHPの治療には、とにもかくにも抗原回避が重要。ステロイドや免疫抑制薬は、現実的には使っても進行を抑えきれない。でも鳥関連過敏性肺炎だと、抗原とどこで接触しているのか、わからないこともしばしばある。


なので、自宅訪問や環境調査が接触回避のカギになったことも多い。なかなか出来るものではないが。剥製、鶏糞肥料、羽毛布団などが隠れた抗原となりやすい。環境における抗原のサンプリングも手間がかかるが研究が進んでいる。


抗線維化薬はCHPの悪化を抑制した、というデータもあるが、すべての症例に効くわけではない。CHPの中でもUIP病変の症例には早期から使う方がいいかもしれない。



診断については、困難なことも少なくないので、吸入誘発試験をしている施設もあるが、危険性も多々ある。沈降抗体も感度は低い。そのため、いくつかの試みがなされている。


@ 抗原回避試験

2週間入院し、KL-6、WBC、肺機能など各種指標が改善するかどうかを確認する。


A KL-6、SP-Dの季節性変動をみる。

夏<冬、なら鳥関連CHP、夏が高ければ夏型に近い病型である。
Seasonal variation of serum KL-6 and SP-D levels in bird-related hypersensitivity pneumonitis. Okamoto T, Sarcoidosis Vasc Diffuse Lung Dis. 2015


呼吸器専門でないドクターのための呼吸器実践

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2016年12月20日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・間質性肺炎番外編・第10回びまん性肺疾患フォーラム見聞録2

3) 膠原病肺の治療、管理における病理診断UIPの意義

浜松医科大学の須田先生によるレビューを頂きました。自験例が豊富で、臨床研究はこうでなくては、という感じでした。


概観として、膠原病合併間質性肺炎(CTD-IP)全体としての病理はNSIPが多く、次にUIP、膠原病の疾患別に見ると、強皮症(SSc)にはNSIPが半分以上、皮膚筋炎/多発性筋炎(DM/PM)にもNSIPが半分以上あるが、慢性関節リウマチ(RA)ではUIPが結構多いということ。
Interstitial lung disease in connective tissue disease--mechanisms and management. Wells AU, Nat Rev Rheumatol. 2014


病理組織パターンで、同じ「UIPパターン」でも、特発性(IPF)と膠原病性(CTD-IP)では違いがある。IPFではfibroblastic fociが多いが、CTD-IPではほとんど見られない。また、RA-IPではgerminal centerを伴ったリンパ球の集蔟が多く見られるが、RA以外のCTDではあまり見られない。


画像パターンでは逆?に、生検で病理のUIPが確認されているCTD-IPでは、画像上NSIPパターンが多い。


CTD-IPにおいて、病理組織のUIPパターンは予後に対して影響があるのか?CTD-IPにおいては、病理のNSIPとUIPでは差が無かった。また、CTD-UIPの方がIPFよりも予後がよかった。
Nonspecific interstitial pneumonia in collagen vascular diseases: comparison of the clinical characteristics and prognostic significance with usual interstitial pneumonia. Nakamura Y, Sarcoidosis Vasc Diffuse Lung Dis. 2003


その理由は、IPFの方がfibroblastic fociが多いことと関係があるかもしれない。
Fibroblastic foci in usual interstitial pneumonia: idiopathic versus collagen vascular disease. Flaherty KR, Am J Respir Crit Care Med. 2003


CTDの中でもRAに限っては、UIPの方がNSIPよりも予後が悪い。
Prognosis of fibrotic interstitial pneumonia: idiopathic versus collagen vascular disease-related subtypes. Park JH, Am J Respir Crit Care Med. 2007


RA-UIPは、IPFと予後が変わらない!?という報告もある。
Predictors of diagnosis and survival in idiopathic pulmonary fibrosis and connective tissue disease-related usual interstitial pneumonia. Moua T, Respir Res. 2014


IPFにおける急性増悪は、これまでの報告では年間5~20%とされているが、CTD-IPでは年間1.25%だった、とする須田先生の論文。組織型ではUIPの方がUIP以外よりも急性増悪のリスクは高く、RA-IPで検討すると明らかにUIPの方が予後が悪かった。
Acute exacerbation of interstitial pneumonia associated with collagen vascular diseases. Suda T, Respir Med. 2009


などなど、ということをふまえまして、CTD-IPではステロイド±免疫抑制剤、が標準的治療ではあるものの、特にRA-UIPにおいては、今後治療の選択肢に抗線維化薬が含まれてくるかもしれない、というお話でした。



お話の後の、大阪医大槇野先生との質疑応答が個人的にはとても興味深かったです。数十例の症例をお持ちの第一人者の方々でも、症例感覚には温度差があり、おそらくもっと多くの知見を重ねる必要があるのか、と思わされました。


呼吸器専門でないドクターのための呼吸器実践

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2016年12月19日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・間質性肺炎番外編・第10回びまん性肺疾患フォーラム見聞録

12月の天気のよい土曜日の午後、第10回びまん性肺疾患フォーラムが開かれました。今回のテーマは、第10回大会に相応しく「やっぱりUIP」。先だってより間質性肺炎についてああだこうだ、と書いてきましたが、ちょっとここで整理になれば、と思って参加したわけですが、余計に混乱してきました(苦笑)。


おそらく非専門医の先生方が、IPFや間質性肺炎の権威の先生方同士のお話を聴かれても、「???」となることが多かろうと思われます。そのぐらい、専門の先生方の間でのお話はだいぶ浮き世離れしている感が。


でも今回は、結構いろんなエビデンスをまとめて紹介頂いたので、そのあたりをまとめられたら、と思います。


1.特別講演T 「間質性肺炎の画像診断 〜RAP-C〜」

福井大学名誉教授 特命教授、という肩書きよりも、「あの」という冠詞でご紹介すべき伊藤晴海先生のご講演。このフォーラムの目玉であり、このご講演だけを聴きに来られていた先生方も多かったですね。


私のような者が総括するような内容ではありませんでしたので、まとめはここではいたしません。とにかくスゴい。達人の演舞を拝見するような感じでしょうか。


2.シンポジウム

2)UIPの画像診断up-to-date

久留米大学の藤本公則先生によるご講演でした。例の2011年のATS他ガイドラインによる”possible UIP”をどう扱うか、というお話に関連して、ニンテダニブの治験であるIMPULSISレジスタードマーク試験において、症例登録を増やすために厳密なUIP以外の所見も登録基準に含めた、というお話もあり。


CTでいうところのUIPパターンはほとんど病理でUIPだが、inconsistent UIPでも30%が病理でUIPで、CTでNSIPパターン、といっていても、病理のUIPがそこそこ入っている。
Pathologically proved nonspecific interstitial pneumonia: CT pattern analysis as compared with usual interstitial pneumonia CT pattern. Sumikawa H, Radiology. 2014


蜂巣肺の診断はかくも難しい、見る人によって一致率がずいぶん違う、という論文。
Interobserver variability in the CT assessment of honeycombing in the lungs. Watadani T, Radiology. 2013


違ってくるところはやはり蜂巣肺と牽引性気管支拡張(の短軸像)。しかし、そもそも区別する意味があるのかどうか、誰もわかっていない…。


いえることは、UIP病変を想定するときに「蜂巣肺」という用語を使うのだ、ということ。そして「病理のUIP」と「画像のUIP」を無理に一致させようとしない方がよさそうだ(無理だ)、ということ。


その他ポロポロ出てくる裏話が興味深かったです。ここには書けませんが…。


呼吸器専門でないドクターのための呼吸器実践

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posted by 長尾大志 at 18:51 | Comment(0) | 胸部X線道場

2016年12月18日

まるごとわかる![呼吸][循環]アセスメントと疾患の理解、セミナーでした。

今日は、照林社さんの『まるごとわかる![呼吸][循環]アセスメントと疾患の理解』セミナーでした。


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東京会場に引き続き、多くの参加者の皆さんと呼吸の基礎を勉強しました。同じ内容でしたが、やはり半日で診察、胸部X線の基本〜限られた疾患の各論と人工呼吸の看護について、というのはいささか盛りこみすぎた感があり、時間を見ながら駆け足のところもありました。前回は好評頂いたのですが、今回はどうでしたでしょうか。

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posted by 長尾大志 at 16:51 | Comment(2) | 活動報告

2016年12月17日

第10回びまん性肺疾患フォーラムに参加

今日は表記の、第10回びまん性肺疾患フォーラムに参加して参りました。これは年に1回、びまん性肺疾患をこよなく愛する?方々(ある先生は図らずも「Geek=オタクの会」、と称しておられましたが、まさにそれがピッタリかも…)が週末に大阪に集まって、びまん性肺疾患について長時間語り合う…という、濃厚な会でございます。


確か第1回の頃は不肖この私も、自分は「びまん性人間」の端くれだという自覚がありまして、端っこに列席させて頂いておりましたが、滋賀でのキャリアを経るにつれ、びまん成分が身体から抜け?、だんだん師走の大阪が遠くなってきておりました…。でも今回は、ちょっとした偶然があり、参加の幸運を得たものであります。


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数回のブランクの間に、やはり世の中は動いていました。私の中のオタク魂にも少し灯が点りました。勉強したことの備忘は、またブログにしたためたいと思います。今日は明日のために英気を養います。


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posted by 長尾大志 at 22:13 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2016年12月16日

『肺血管や骨を追う』9・肺血管と骨

こちらの症例では、これまでに学んだ知識をフル活用します。まずはこの前に学んだ、肺血管を追ってみましょう。胸郭の端まで行かずに途切れているところがありますね。


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ここに線があって、ここまでで血管影が止まっています。この線は肺側に向かって凸ですから、嚢胞であろうと考えられます。


加えて、反対側の肺野を見てみましょう。濃度が高いところがありますね。


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この部分は、一体どんな性質を持っているのか、よ〜く「線」を追って頂くとわかるのですが、如何でしょうか。

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posted by 長尾大志 at 17:49 | Comment(0) | 胸部X線道場

2016年12月15日

『肺血管や骨を追う』8・骨を追う2

よ〜くご覧頂くと、右の肋骨の連続性が途切れていることがわかります。上から数えてみると、どうやら第Y肋骨のようです。


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こちらは肋骨骨折でした。


肺血管や骨を追う、シリーズもいよいよ大詰めですが、それではこちらはどうでしょうか。


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posted by 長尾大志 at 17:31 | Comment(0) | 胸部X線道場

2016年12月14日

『肺血管や骨を追う』7・骨を追う

血管影の次には、骨を折って、いや、追っていくことを意識してみましょう。


基本的には、線の連続性を追う、という姿勢でよろしいかと思います。肺の大きさを見るのに、肋骨を数える、その時に左右の差を意識しつつ、サッサッと追いかけておきましょう。


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如何でしょうか。よ〜くご覧下さい。元々右に胸水がある症例なので、左右の胸郭がアンバランスなのはご容赦ください。

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posted by 長尾大志 at 19:53 | Comment(0) | 胸部X線道場