2016年09月29日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・間質性肺炎・肺線維症1

間質性肺炎・肺線維症は診断に困る、そういう声を本当によく耳にします。そもそも診断、というか分類は一体どうなっているのか。まずはそこから整理しておく方がよさそうです。


まず間質性肺炎の診断。「この症例、間質性肺炎かな?」と思われる場面はどんなときでしょうか。まあこれも、急性期と慢性期でずいぶん違うでしょうが…。


急性期だったら、

  • 急速に進行する呼吸困難、低酸素血症があって、

  • 胸部X線写真、CTで両側びまん性に陰影を認めて、

  • 利尿薬、抗菌薬などの治療に反応しない。



とか典型的ですね。


慢性期であれば、

  • 徐々に進行する呼吸困難を主訴とする、あるいは健診で引っかかって受診し、

  • 胸部X線写真、CTで両側びまん性に間質性肺炎っぽい陰影を認める。



という感じでしょうか。


間質性肺炎っぽいって何やねん。とのお叱りの言葉が聞こえてきそうですが、詳しくは後述します。ここでは、例えば別の施設に委託してCT撮影し、所見が返ってきたときに「間質性肺炎の疑い」な〜んて書いてある、そういう場面を想像して頂ければ。


呼吸器専門でないドクターのための呼吸器実践

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2016年09月28日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・止まらない咳30

慢性の咳で胸部X線写真・胸部CTなど、画像上所見が見られないものについての鑑別は一旦置いておきましょう。じゃあ画像で何か見えたら話は単純か?というと、そうでもない、という話です。まれな疾患も含めると多数ありますが、比較的出会いやすい疾患は…


  • 肺癌

  • 肺結核・肺非結核性抗酸菌症

  • 間質性肺炎・肺線維症



しかもこれらの疾患は、あまりカチッとした診断基準・治療方針が見つからない、実際どうしたらいいのか、なんだかよくわからない、とご相談頂くケースが多いように思います。というか、私たち専門家でも迷うことがしばしばあるのです。



肺癌は、プライマリ・ケアの先生方では結節を見つけたら専門医にお任せ、となるかもしれませんが、呼吸器内科医のいない病院で、他臓器メインの腫瘍内科医の先生や一般内科医の先生が肺癌の化学療法をやっておられるケースは少なくないと聞いております。基本的な化学療法の作法は同じですが、肺癌の考え方は遺伝子変異やPS等によるオーダーメードかが進んでおり、どんどん新製品も出ておりますので、現時点でのスタンダードな考え方をご紹介します。


肺結核も診断したら専門病院にハイ、どうぞ!だと思いますが、診断のところはもう一度確認しておきましょう。


非結核性抗酸菌症、こちらは近年増加傾向ですし、お困りのことも少なくはないのではないかと思います。診断のところもそうですし、治療に関しては私たちも悩んで悩んで…しています。


そして間質性肺炎・肺線維症。これは本当にお困りだと思います。まず診断がどうにもこうにも定まらない。そして治療も、ステロイドを使ったらいいのか、よくないのか、診断が定まらない中で一体どうしたらいいのかわからない…実は私たちもしばしば困っているところなのです。


それでも間質性肺炎患者さんを診なくてはならない。目の前にいる患者さん、どうするのが正解なのか。あるいは最も「妥当」なのか。じっくり考えたいと思います。


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2016年09月27日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・止まらない咳29

慢性の咳、でも画像上原因疾患は見当たらない、喘息と決めつけられないときにどう考えるか。


もちろん「慢性の咳」だけでは、喘息以外にもたくさんの鑑別診断があります。


  • on-off

  • 繰り返し

  • 過敏性



これらが明らかではない、という場合には感染症や後鼻漏、GERD、COPDなんかが鑑別に挙がります。他にまれではありますが画像で映らないものとして、気管支結核、気管支内の腫瘍ということも。



感染症ではマイコプラズマ、百日咳に伴う慢性の咳はかなり頑固で通常の鎮咳薬も奏効とはいかず、しばしば喘息と診断されているようです。マイコプラズマ罹患後気道過敏性が高まるとか、感染性の持続する咳にもICSは効果があるとかいわれていますので、一時的にICSを使用することは悪くはないのですが、ずっと使い続けるのは好ましくありません。


そういうことで診断には「時間」を味方につけることも大事です。つまり明らかな喘息かどうか確証がない、という場合、症状が治まればICSを一旦中止し、時間の経過を見て、繰り返しがないか判断するのです。この手順で感染性の咳嗽はおおよそ除外可能でしょう。


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2016年09月26日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・止まらない咳28

さてこのように「喘息だ!」と診断が定まれば話は簡単ですが、現場ではいろいろなケースがあるでしょう。


■ ICS/LABAの効果がなかったら…

変動性がある慢性咳嗽、喘鳴、呼吸困難で、ICS/LABAの効果がない、となりますと、考えるべきことはまず3つ。


@ ちゃんと吸入出来ているか

吸入薬を処方したあとには必ず確認しなくてはならないポイントです。ちゃんと説明しているつもりでも、驚くような使い方をされる患者さんに出会うことがあります。初回の処方をした次の診察には吸入薬を持参して頂き、「効果がない」といわれたら目の前で吸入をしてもらって確認するよう心掛けたいものです。



A 他の病態が合併していないか

喘息単独であることももちろんありますが、COPD、後鼻漏/鼻炎・副鼻腔炎やGERDの合併はまれではありません。各々に特徴的な症状、所見がないか確認が必要です。



B 喘息ではないのか

変動性の病歴を大げさに受け取ってしまうと、感染性・感染後咳嗽を喘息と考えてしまうかもしれません。「繰り返し」の病歴に気をつけて頂きたい。


変動性が明らかにある病歴、ということであれば、アレルギー性の要素はありそうですから、アレルギー疾患である後鼻漏・(亜急性)過敏性肺炎が鑑別に挙がってきます。後者であれば咳・呼吸困難に加えて発熱を伴うことが多いので、参考になります。またそういうことをふまえると、喘息の診断確定にはやはり胸部X線写真、胸部CTで他疾患の除外をするのが理想である、ということになってしまいますね…。


ですからどうにもよくならず手に負えない、という場合には呼吸器科医に紹介して頂くことになるでしょうか。ただ、変動性あり⇒ICS/LABAが奏効、という流れを意識して頂くだけでも多くの喘息患者さんが救われるのではないか、と考えます。


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2016年09月25日

OSCE外部評価をしてきました。

今日はOSCEの外部評価者として、奈良県立医科大学におじゃましましてきました。


なんにしても暑かったですね〜。スーツで行ったのですが汗でぐっしょりでした。


行く前はOSCEの評価者、なんだかな〜と思う気持ちもあったのですが、よそのやり方を経験するのは大変勉強になりました。また本学のOSCEにもフィードバックできるといいのですが。

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posted by 長尾大志 at 18:53 | Comment(0) | 活動報告

2016年09月24日

COPD動画7・上気道狭窄時の異常なフローボリューム曲線

今回はCOPD動画ではありませんが、異常なフローボリューム曲線を取り上げるときに必ず出てくる

上気道狭窄

の時のフローボリューム曲線の成り立ちを説明します。
COPDではありませんのでご注意ください。


https://youtu.be/aLd4M7u604s


今回で一連のCOPD動画シリーズは終わりです。COPDについて、ご理解を深めて頂ければ幸いです。

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posted by 長尾大志 at 17:34 | Comment(0) | 動画置き場

2016年09月23日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・止まらない咳27

シムビコートのステップダウン、次のステップは、@の場合もAの場合も、

パルミコートレジスタードマーク200を 1回1吸入 1日2回 計1日2吸入


となります。それでも3〜6ヶ月間、全く症状が出なければ、1日1回(計1日1吸入)に減らして、最後は完全off、という感じになります。



一応、他のICS/LABAで開始したときのステップダウン法も記載しておきます。



フルティフォームレジスタードマーク125 1回2吸入 1日2回 計1日4吸入で開始したときはどうするか。同じような用量、デバイス、使い方であるICS製剤は(メーカーは異なりますが)オルベスコレジスタードマーク200ですから、


@フルティフォームレジスタードマーク125を1回1吸入 1日2回 計1日2吸入 と半量にする、または

Aフルティフォームレジスタードマークをオルベスコレジスタードマーク200に替え、1回2吸入 1日2回 計1日4吸入のまま継続する、のいずれかとなります。


それからオルベスコレジスタードマーク200、1回1吸入 1日2回 計1日2吸入

⇒1回1吸入 1日1回 計1日1吸入
⇒off


となります。



このようにシムビコート、フルティフォームにはその代替となるICS製剤がありますが、レルベアレジスタードマーク100 1回1吸入 1日1回 計1日1吸入で治療を始めたときは、ステップダウンがちと雰囲気が異なります。


理由として、レルベアレジスタードマーク100 は、吸入デバイスがレルベアレジスタードマーク独自のもので、ICS単独の製剤に同じデバイスのものがありません。普通は同じメーカーのフルタイドレジスタードマーク200、となりますが、吸入回数が多くなってしまいます。これでは患者さんに「減った」実感が乏しいです。


また、ICS/LABAのまま量を減らそうとしてもちと難しい。レルベアレジスタードマーク100と同等の効果といえば、アドエアレジスタードマーク250があるのですが、250の下の用量は100になり、ICSの量が2/5になってしまうのです。しかも吸入回数は増えます。すなわち、


@ICS/LABAのまま量を減らすには、

レルベアレジスタードマーク100 1回1吸入 1日1回 計1日1吸入
⇒アドエアレジスタードマーク100 1回1吸入 1日2回 計1日2吸入
⇒フルタイドレジスタードマーク100 1回1吸入 1日2回 計1日2吸入
⇒フルタイドレジスタードマーク100 1回1吸入 1日1回 計1日1吸入



AICS/LABA⇒ICS製剤に変更するときは

レルベアレジスタードマーク100 1回1吸入 1日1回 計1日1吸入
⇒フルタイドレジスタードマーク200 1回1吸入 1日2回 計1日2吸入
⇒フルタイドレジスタードマーク100 1回1吸入 1日2回 計1日2吸入
⇒フルタイドレジスタードマーク100 1回1吸入 1日1回 計1日1吸入


どちらかというとレルベアは、現時点ではステップダウンのことより、簡便にずっと使ってもらうことを第1に考えた薬剤であると言えるでしょう。


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2016年09月22日

COPD動画6・COPDの異常なフローボリューム曲線

COPD動画、第6回はいよいよお待ちかね、「COPDにおけるフローボリューム曲線は、どうしてあんな形になるのか」についての説明です。


健常者とCOPDでは何が違うのか。それは、COPDでは息を吐こうとする、まさにその瞬間に「閉塞」が起きるからなのです。手前味噌ですが、その状況をうまくたとえ話で説明していますので、是非ご覧ください。


https://youtu.be/js01xqU-FOg

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posted by 長尾大志 at 12:14 | Comment(0) | 動画置き場

2016年09月21日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・止まらない咳26

ステップダウンの基本的考え方は、@ICSの量を半減させていく、AICS以外の薬を減らす、これの組み合わせになります。


例えば、シムビコートレジスタードマーク 1回2吸入 1日2回 計1日4吸入で始めた場合、シムビコートはICS/LABAですから、次の選択肢は


@シムビコートレジスタードマークを 1回1吸入 1日2回 計1日2吸入 と半量にする、または

Aシムビコートレジスタードマーク(ICS/LABA)をパルミコートレジスタードマーク(ICS)に替え、吸入回数は同じままにする、のいずれかになります。パルミコートはシムビコートからLABAを除いたもの、と考えていいでしょう。吸入方法も回数も同じで、無理なく交換出来ます。


理論的には、ICSは炎症を抑える働きがあり、LABAは気管支拡張するだけで本質的に炎症を抑えるわけではない、ということから、炎症を抑える治療をそのまま維持したAの方が好ましい気がします。ただ、「ステップダウン後に症状を出さない」という観点からは、LABAを残しておく方がいいようにも思います。GINAでは@が推されていますが、明確な結論は出ていないようです。


個人的には、「LABAを使わなけりゃ症状が出る」というぐらいの状況であるなら、ベースのICSはしっかり入れておく方がいいように思っていて、まずはAで試してみることが多いです。ステップダウンが簡単に進められるような患者さんでは、どちらでも大差はないのかもしれません。


日本のガイドラインでは、成人喘息において、あまりステップダウンについて明確には述べられていません。まあガチの喘息患者さんでは、余り推奨しない、ということでしょう。


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2016年09月20日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・止まらない咳25

吸入薬をずっと励行して頂くためには、やめると必ず悪くなる、ということもよく知って頂く必要があります。場合によっては実感して頂く、といいますか、「止めると悪くなるので止めずに続けましょう」と常日頃から繰り返し、それでも止めて調子が悪くなったときにはすかさず「やはり止めると悪くなりますね」という説明をする、そうやって丹念にご指導を頂きたいと思います。



ICS/LABAの標準量、まずはこの量で開始する、という量を開始し、明らかな効果があれば、そのまま継続します。いつまで続けるのか、というのは難しい問いです。ガイドラインでは、3〜6ヶ月継続して安定していれば、ステップダウン、ということになっています。


その意味するところは、全く症状がない=気道炎症が落ち着いている、その状態がある程度続けば、治療のステップを下げる=コントローラーの強さを下げることが出来るだろう、というところですが…やはり治療開始までに長期間喘息がコントロールされておらず、リモデリングが進んでいるようなケースでは、なかなかステップダウンがうまくいかないようです。


逆に、なり立てホヤホヤ、みたいなケースだと、割とステップダウンが容易なことも。このあたりの見極めが、ICS/LABAを最初に使い始めた、その治療反応性である程度は目安になるかなあ、というところです。


すなわち、最初の反応がよければ、ある程度ステップダウンをサッサッと進めていけるし、反応に時間がかかるようであれば、ステップダウンも慎重に運びたいところです。そこらあたりの機微も最初に患者さんへの説明に含んでおくのです。


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COPD動画5・フローボリューム曲線の成り立ち

昨日は体調不良でして、COPD動画シリーズの第5回が出来ていたのですが更新出来ませんでした。そういうわけで、本日ご紹介しておきます。


今回はフローボリューム曲線の成り立ちに関するお話です。COPDにおけるフローボリューム曲線は結構特徴的な形ですが、どうしてあんな形になるのか。それを理解するには、そもそもフローボリューム曲線がどうやって描かれているか、それを理解して頂く必要があります。そのための動画です。


https://youtu.be/ohWK8mTd_3U

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posted by 長尾大志 at 15:30 | Comment(0) | 動画置き場

2016年09月18日

COPD動画4・COPDで見られる所見の理由

COPD動画シリーズ、第4回は、COPDで見られる所見の理由に関するお話です。


COPDで肺に起こった出来事によって、身体の状況がどうなっていくか、その結果、どういった身体所見が見られるか、ということを順番に説明して参ります。


https://youtu.be/kIoySixnM6g

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posted by 長尾大志 at 15:32 | Comment(0) | 動画置き場

2016年09月17日

COPD動画3・COPDのメカニズム

COPD動画シリーズ、第3回からは、いよいよCOPDのメカニズムに関するお話です。


正常像を知っていただいた上で、COPDでは肺に何が起こっていて、その結果どうなっていく、ということを順番に説明して参ります。今回は、肺で起こっている出来事を説明しています。


https://youtu.be/ECb36LkhG4c


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posted by 長尾大志 at 16:31 | Comment(0) | 動画置き場

2016年09月16日

第192回 胸部X線勉強会 学術講演会 無事に終わりました!

昨日は沖縄県立南部医療センター・こども医療センターで開催されました、表記の会で講演をさせて頂きました。


DSCF7357.JPG


参加された先生方の属性がなかなか幅広く、呼吸器内科のベテランの先生方からご開業の勉強熱心な先生方、それに若手の先生方が参加されるということで、メインターゲットをどこに置くかをかなり悩んだのですが、「教え方を見たい」というリクエストを頂いていたこともあり、若手の先生向けに基本を確認してから、自分が悩んだ症例を見て頂く、レベルも初心者向け、中級者向け、上級者向けを織り交ぜて提示させて頂きました。


DSCF7364.JPG


聴衆が学生さん中心でしたら、どんどんレーザーポインターを回してどんどん発言して頂くのですが、今回も若手の先生にご参加頂いていたので、どんどん発言して頂くことに。


結果、自分としては皆さんに参加して頂けて、割とよかったのではないかな、と思っております。これからも若手の先生が多いところでは、このやり方でいこうかな。|´ω`)ノ


DSCF7370.JPG




このたびお声がけ頂いた琉球大学病院長・第一内科教授でいらっしゃる藤田先生は、元々私が先生のご講演を拝聴して以来、一方的にファンになっていた、という一方通行の関係でしたが、なんとamazonで私の本をご覧頂いて、それがきっかけでお声がけ頂いたという、まさに書籍が導いてくれた出会い、ということになります。


DSCF7374.JPG


いろいろお話をさせて頂きましたが、お人柄も素晴らしく、お考えに共感出来るところも多く、時の経つのを忘れるほどでした。他の先生方もお人柄が素晴らしく、沖縄の印象が素晴らしいものになりました。


藤田先生、東先生、原永先生はじめ活発に発言して下さった若手の先生方、ご参加頂いたすべての先生方、共催のMSD株式会社様、本当にありがとうございました。

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posted by 長尾大志 at 18:44 | Comment(0) | 活動報告

2016年09月15日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・止まらない咳24

ICS/LABAを使用して効果てきめんだった、その場合は話が早いです。「そうですか!症状がよくなってよかったですね!…ただ、それだと喘息ということになりますね」「そうですね…。喘息って治らないんですか?」


こういう話になってきますね。まずはここで患者さんに「自分は喘息である」ということをしっかりと認識して頂く。これが大事でしょう。その上で喘息の一般的な知識を説明する。何らかの小冊子があるといいでしょう。メーカー作成のものもたくさん利用可能ですし、ご自分の説明したいことを中心に冊子として作られてもいいと思います。


そこで患者さんは必ず「喘息は治るんですか」「治らないんですか」「吸入ステロイドはいつまで使うんですか」ということを聞いてこられます。ここの説明も大事です。


発症した喘息が全くゼロになる、なくなってしまう、ということは正直あまりないですが、吸入ステロイドを正しく使っていくことで、間違いなく日常生活になんら問題なく過ごせる、という状況になります。何ら問題なく日常を過ごすのに必要な吸入ステロイド薬の量は、きちんと治療を続けるとだんだんと減ってきます。それが限りなくゼロに近づく、ということが、喘息を征圧した、ということになるでしょう。


とにかく大事なことは、発作を出さない、症状を出さない、ということです。発作や症状が出るということは、気道の炎症が活動しているということで、その間はリモデリングが進行するなど、喘息が悪くなっていくのです。喘息を悪くすると、戻すのが大変ですから、とにかく悪くしない、これが大切です。そのためにも普段から定期的に吸入ステロイドを励行することが大事なのです。




さてさていよいよ、第192回 胸部X線勉強会 学術講演会が近づいて参りました。


192回という歴史のある、由緒正しき会にお招き頂いた琉球大学の藤田先生のご期待にお応え出来るよう頑張ります。若干風邪で声が出にくいですが…参加者の皆様に胸部X線写真をご覧頂いて、どんどん所見を指摘していただく形式ですので、よろしくお願い申し上げます。


9月15日(木) 本日! 19:00〜20:30 
沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 2階 講堂
〒901-1193 沖縄県南風原町字新川118番地の1


ということで、これから沖縄に向かいます。沖縄の先生方、どうぞよろしくお願い申し上げます。


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2016年09月14日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・止まらない咳23

一般論として、情報を与えられることよりも、内発的に「こうだ」「こうに違いない」と考えることの方が、人は行動変容を促される、てなことが言われています。


普段患者さんと接しておられる先生方は、痛いほど実感されていると思いますが…なかなか「患者指導」が実際の行動変容につながらない、ということが本当によく経験されるわけです。


そんな中、飲み薬よりもずっと継続のハードルが高い『吸入薬』を使い続けて頂くためには、患者さん自身が内発的に「私の身体には、この薬が必要なんだ」ということを理解し、吸入の動機を高めることが重要なのです。アドヒアランスを向上させる。これは本当に大変なことです。その一助となるかと思いまして、私のやり方を少しご紹介しました。



なかなか確実な処方箋はないようですが、各地で試みられている施策としては、薬剤師さんや看護師さんといったコメディカルの方からも説明をして頂く、つまり接触、情報伝達の回数を増やす、というものがあります。最近各地の薬剤師会さんなどが熱心に勉強会をされている、ということも耳にしますね。これは特に、開業医の先生方など、マンパワーがなかなか得られない組織では有効ではないかと思いますし、もちろんウチでも助かっています。


あとは薬剤、デバイス、の工夫も大きいですね。少なくともICS/LABAが発売されてから、「この薬はメッチャ効く!」と、薬の効果を実感して頂けることが格段に増えています。その後治療アドヒアランスはぐっと上がっております。


デバイスの工夫、という意味では、まだまだ改良の余地はあると思いますが、回数が減ることと吸入手技がシンプルになる、ということは、少なくとも導入時の説明を軽減させてくれますから、お役に立つでしょう。


それでもまだまだ、「飲み薬ないんですか〜?」と尋ねてこられる患者さんは後を絶ちません(汗)…。


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2016年09月13日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・止まらない咳22

そのためには、まずICS/LABAがとにもかくにも患者さんの症状に最も合う薬である!ということを患者さん自身に実感して頂く必要があります。


ですから最初の説明はか〜〜な〜〜り大事です。


そもそも吸入ステロイドを処方する前から仕込みは始まっています。


「この薬は、喘息専用の薬ですから、喘息の症状にしか効きません。逆に、この薬が効く、ということは喘息だ、ということなんですよ…」


「もちろん、喘息と決まったわけじゃありませんよ。喘息だからこれを使え、といってるわけではありません。でもお話を伺うと、あなたの状況は喘息の症状によく似てるんです。ですから、本当に喘息かどうかを確認する必要があるのです。そのためには、この、喘息専用の薬を使うんです…」


  • まずは「喘息かもしれない」ということを伝える。

  • 喘息であればこの薬(ICS/LABA)は間違いなくよく効く、と強調して期待を持たせる。しかし一方で、患者さんは「喘息だったらイヤだな」という否定的感情も持っている。

  • 「でも、仮に喘息でも、この薬を使い続ければ、確実によくなります」という情報をきちんと伝え、希望を持って頂く。これで、効けば喘息、というロジックが患者さんに刷り込まれます。可能でしたらそこでさらに…

  • 「この薬がどのくらいで効いてくるかで、今の○○さんの状態が何となくわかります。すぐに症状が治まるようであれば、おそらく喘息は軽いもので、すぐによくなるでしょうが、少し時間がかかるようであれば、既に喘息も慢性になりかけていたりするかもしれません」のように、さらに先回りを図ります。まだ現時点では確定していないが、今後「慢性」「永くICSを使う必要がある」可能性がある、ということを伝えて心の準備をして頂きます。



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2016年09月12日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・止まらない咳21

例えば糖尿病の患者さんに、毎日お薬を飲んで頂いて糖尿病の治療をする、それは大変なことです。


血糖が高くても別に何も症状がないから…何も困ってないから…いろいろな理由をつけて、薬を忘れたり、飲まなかったりということを正当化されることは決して少なくありません。


糖尿病で血糖コントロールが悪くても、その結果いろいろな血管に不具合が起こってくるのは、数十年後、そうなると、治療意欲というかモチベーションを保つのはなかなか難しいでしょう。


喘息治療の難しいのは、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」。つまり、調子がよくなるとどうしても吸入薬を使うのを忘れてしまう、ということです。これはある程度仕方のない部分はありますので、とにかく初診患者さんにおいて最初の目標は、


  • 喘息の治療には吸入ステロイド薬が必須であること

  • 吸入ステロイド薬を使わないと状態が悪化すること

  • 悪い状態を放置すると(リモデリングが起こり)喘息が慢性になること



あたりを理解して頂くことです。


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2016年09月11日

COPD動画2・COPD導入のお話

COPD動画シリーズ、第2回は、COPDのお話をする前に必ず知っておいていただく、導入のお話です。


正常がわからなくては異常はわからない。疾患がわからない。そのため、まずは正常の呼吸がどうやって行われているか、それを理解していただく必要がありますので、短時間ですが動画をご覧頂きます。


https://youtu.be/-oIjNHR7O8k


その上で、COPDという疾患の病態に踏み込んでいくことができるのです。

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posted by 長尾大志 at 16:27 | Comment(0) | 動画置き場

2016年09月10日

動画・COPDシリーズです。まずは基本の肺機能用語から。

お待たせ致しました。イヤ、お待ちの方がおられたかどうか、わかりませんが、以前6回生のとあるグループ…向けにやった講習を収録したものをようやく動画化できました。


まずは基本として肺機能の用語をおさらいしておきましょう。


COPD・肺機能用語の基礎
https://youtu.be/uGjl6z6tgIQ

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posted by 長尾大志 at 18:49 | Comment(0) | 動画置き場

2016年09月09日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・止まらない咳20

昨日の『第5回 野洲感染対策学術講演会』@野洲病院、参加者の皆さま、ありがとうございました。他所でグループワークをやるときには空気感がスゴく大切ですが、最初からいい空気感を作って下さって、どんどん発言もあり、オモシロ発言もたくさんありまして、かなり盛り上がったのではないかと自負しております。


もちろん盛り上がっただけではなく、参加者の皆さんに語り合って頂き、まずアウトプットしてからのインプットをして頂いたことで、明日(今日)からの診療のお役に立てるのではないかと。いろいろな点で、参加者の皆さまが、こちらの想定していた感じとよくマッチして下さったので、やっていても気持ちよかったです。


野洲病院の岡田院長先生、座長と進行をして頂いた花田先生、医療安全管理室の津田先生はじめ、参加頂いた皆さん、後援の大正富山医薬品株式会社の方々、お世話になりまして、誠にありがとうございました。




さて記事の続きです。


スパイロメトリーが出来ない、気道可逆性試験が出来ないときに可逆性を確認する手段は、SABA(吸入短時間作用性β2刺激薬)を吸入して「症状がよくなるかどうか」を確認するという、主観的な指標になります。主観的ではありますが、喘息症状であれば「明らかに」症状は改善するため、容易に判断できることが多いものです。


最近では、喘息が強く疑われる患者さんに、治療導入を兼ねて吸入ステロイド/吸入長時間作用性β2刺激薬(ICS/LABA)合剤を投与するケースもしばしば見られます。典型例であればかなりよく効くため、スッキリ診断できます。


喘息と診断出来れば、そのままICS/LABAを継続します。


ICS/LABAの標準量

シムビコート 1回2吸入 1日2回 計1日4吸入
フルティフォーム125 1回2吸入 1日2回 計1日4吸入
レルベア 1回1吸入 1日1回


まずはこの量で開始、明らかな効果があれば、そのまま継続します。


とはいえ、初発の喘息患者さんに、吸入を指導し、かつ、それを継続して頂く、というのは、なかなかにハードルの高いものです。


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2016年09月08日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・止まらない咳19

スパイロメトリーが出来ない、その場合、「可逆性」や「過敏性」を症状・症候から証明していく必要があります。典型例ではそれだけでも診断可能です。


可逆性は「すっかり元に戻る」ことを意味します。すなわち喘息症状がはっきりある「on」期間と全くない「off」期間がはっきりしている、on-offがあることを指します。


ですから、病歴聴取では「今回の症状がずっと続いているのか」「症状が(全く)ない期間もある(波がある)のか」を尋ねるのがとても重要です。また、「これまでにも同じような症状を経験したことがあるか」、「その症状が全くなかった時期を経て、再度同じような症状が出てきたのか」も確認すべき点となります。


症状が起こっても、ある程度経過すると落ち着いてきて、自然に症状が軽快する。こうした経過が、(特に初期の)典型的な喘息の症状となります。


過敏性は、何かのきっかけでドンと発作や悪化が起こり、ひとしきり続いてしまうことをいいます。悪化する要因は、温度変化(特に急な低下)、湿度変化、気圧変化、運動、過換気や刺激物質(煙草・強い臭気)、アルコール、月経、妊娠など様々です。


温度や湿度の悪化要因を考慮すると、同じような気候の変化や気温差が起こる時期(季節の変わり目など)にほぼ同じ症状が現れるはずです。くり返す症状があるかを確認するには、「去年、あるいはもっと前にも、今と同じような症状はありませんでしたか?」という質問が有効です。




今日はこれから野洲病院さんでの勉強会に旅立ちます。肺炎の診療について、グループワークをしながら身につけて頂く、という企画です。以前やらせて頂いた『第2回滋賀県病院薬剤師会感染制御委員会研究会』さんでの講演を下敷きにしています。前回は時間が全く足りませんでしたが、今回はどうでしょうか…?


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2016年09月07日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・止まらない咳18

さてそろそろここらで、話を咳に戻さなくてはなりません。


急性の咳症状が主訴の場合の鑑別診断でした。上気道炎や肺炎を除いて、喘息・COPDや間質性肺炎の急性期・心不全の鑑別を進めますが、この先はやはり画像検査のウエイトが上がってきますね。


それでも、ある程度見当をつけることはできるでしょう。特に


@検査機器が何もないクリニックにて…
A在宅診療の場合…


喘息・COPDや間質性肺炎の急性期、心不全の診断には、基礎疾患の存在を確認することが重要です。既往に慢性の呼吸器疾患があるか、心房細動、心筋梗塞、弁膜症など、心不全の原因となるものがあるか。かかりつけ医であれば、既往にそのような病歴があるかどうかはつかんでおられるでしょう。



■ 喘息の診断

喘息の診断は「ほぼ」病歴で決めていくことが出来ますから、このセッティングでもある程度絞ることは出来ます。


『喘息予防・管理ガイドライン2015』では、喘息を「気道の慢性炎症を本態とし、臨床症状として変動性を持った気道狭窄(喘鳴、呼吸困難)や咳で特徴付けられる疾患」と定義づけています。


すなわち咳(咳喘息)、喘鳴・呼吸困難(気管支喘息)といった症状が「変動性をもつ」、すなわち、以前のガイドラインでいう「可逆性」や「過敏性」がある、ということを捉まえなくてはなりません。


可逆性をみる検査は気道可逆性試験といい、本来はスパイロメトリーで1秒量の低下が見られる場合、気管支拡張薬(短時間作用性β2刺激薬:SABA)の吸入前後で1秒量を測定し、その値の改善率が12%以上、かつ改善量が200mL以上であれば、有意な可逆性があると判断されます。


改善率(%)=(吸入後の1秒量−吸入前の1秒量)÷吸入前の1秒量×100


まあでも、スパイロメトリーが出来ないよ、という施設も少なくないようです。そのときにはどうするか。


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2016年09月06日

いよいよ発売、呼吸器ケア 2016年10月号巻頭特集、素朴なQ にカンペキA! 長尾先生のやさしイイ 気胸・胸水・胸腔ドレナージ

以前にも告知しましたが、呼吸器ケア 2016年10月号「巻頭特集、素朴なQ にカンペキA! 長尾先生のやさしイイ 気胸・胸水・胸腔ドレナージ」が、いよいよ発売となります。


呼吸器ケア表紙10月号.jpg


表紙にデカデカと『長尾先生のやさしイイ〜』とありますが、多くの読者の方々にとって「長尾先生って誰やねん?」という感じではないでしょうか。心配しています。


amazonの購入ページ。9月8日出版予定となっています。


こちらはメディカ出版さんの購入ページ。こちらでは既に出荷されているようです。立ち読みも出来ます。


内容ですが、表紙に書いてある通り、現場で働くナースの皆さんから寄せられたご質問に丁寧にお答えしているものです。特に呼吸器内科医が不在、あるいは多忙でなかなか質問が出来ない…というご施設のナースの皆さま、あるいはドクターの方々のお役に立つと思います。


以前このブログで連載していた内容と一部かぶりますが、折角ご購入頂いた方への感謝の気持ちとして、ブログ未掲載の内容をかなり加えて、ボリュームアップして掲載しております。


内容もそうですが、イラストがわかりやすくかわいく書かれていて、かなり取っつきやすくなっていると思います。ご興味があれば、メディカ出版さんのウェブサイトで立ち読みして頂けますので、雰囲気をご確認下さい。


ドレーンに関しては、内容がどんどん新しくなる、というものでもありませんし、ご購入頂いて間違いはないと思います。私自身、これで出し尽くしましたので、今後しばらくこのテーマでは書けません…(苦笑)。

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2016年09月05日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器漢方基礎知識7・香蘇散

・香蘇散

少しマニアックになってきたかもしれません。葛根湯も麻黄湯も、麻黄が入っているのでちとキツい。ある程度体力のある成人、胃腸がしっかりしている人に向いています、と書きました。


では高齢者、体力の弱っている人には何がいいのか、症状や証によって、いろいろな候補があるかと思いますが、無難?というか、無害というか、香蘇散というものを知っておくと役立つことがあると思いますのでご紹介。


香蘇散はADLの低下を伴う人、著しく胃腸が虚弱な人の感冒のごく初期に用いる、とあります。漢方、西洋薬問わず、胃腸が弱くて風邪薬が無理、という場合。また、抑うつ傾向のある人の感冒にも使われます。メリットとして、「合わない」ことによるトラブルがないといわれているので、気軽に使ってみることが出来ます。


かぜに使うのであれば罹患初日の、症状が軽度であるときに用いる、といいますが、元々元気がなくてふさぎ込みがちな人が、かぜで体調を崩してしまうのを支える、というニュアンスでしょうか。


かぜにこだわらず、むしろ気分を晴れやかにする効果の方がメリットとしては大きいかもしれません。余り強くない作用ですが、このぐらいの方が飲みやすい、といってもらえることもあります。


また、ちょっと不思議な効果として、香蘇散は魚アレルギーによる蕁麻疹にも効果があるといいます。ただし魚に限ります。そんなところから、いろいろなアレルギーがあって、少しふさぎ込みがちな人に使ってみると割とよい、そういう経験を何例かしています。


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2016年09月04日

これからの活動告知

先日来ごにょごにょ書いておりました12月のセミナー開催が決まりました!
エキスパートナース照林社さんの看護セミナー、東京と大阪で開催です。


今回のセミナーは循環器領域でわかりやすい書籍を書いておられる大八木先生とペアで、午前中呼吸器、午後循環器の病態生理とアセスメントについてみっちり学ぶプログラムです。


まるごとわかる![呼吸][循環]アセスメントと疾患の理解

https://seminar.shorinsha.co.jp/seminar/detail/78


12月11日(日) 東京 JA共済ビル カンファレンスホール
〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-9 JA共済ビル1F

12月18日(日) 大阪 大阪国際会議場 10階会議室
〒530-0005 大阪府大阪市北区中之島5-3-51


セミナープログラム(共通)

9:10 〜 開場・受付
9:45 〜 9:50 オープニング
9:50 〜 11:10 セミナー1
呼吸のしくみと呼吸アセスメント
異常と正常の見分け方、聴診・打診・視診・触診、胸部X線画像の見方
長尾大志先生(滋賀医科大学 呼吸器内科 講師)
11:10 〜 11:20 休憩
11:20 〜 12:30 セミナー2
主な呼吸器疾患と人工呼吸ケアのポイント
閉塞性肺疾患・肺炎、人工呼吸のメカニズムとケアの実際
長尾大志先生
12:30 〜 13:30 昼食・休憩(お弁当をご用意します)
13:30 〜 14:50 セミナー3
循環のしくみとアセスメント、心電図の読み方
心臓生理の理解と心電図波形の理解から見えてくる。心臓の気持ち(状態)をくみ取れるナースになろう
大八木秀和先生(JCHO大阪病院 循環器内科 医長)
14:50 〜 15:00 休憩
15:00 〜 16:20 セミナー4
急変時、できるナースと言われるための循環器疾患の知識
心不全編、虚血性心疾患編、高血圧編、不整脈編
大八木秀和先生
16:20 〜 クロージング

https://seminar.shorinsha.co.jp/seminar/detail/78



その他の講演たちも、詳報・ポスターが続々届いています。


第5回 野洲感染対策学術講演会「滋賀の肺炎と抗菌薬」

9月8日(木) 17:30〜 野洲病院 2階 講義室


参加自由、特に申し込みの必要もないそうです。スペースに限りがあるそうですが。
こちらではグループワークをやりますので、そのつもりでお越しください。

第5回野洲感染対策学術講演会(プログラム).jpg



第192回 胸部X線勉強会 学術講演会

9月15日(木) 19:00〜20:30 沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 2階 講堂
〒901-1193 沖縄県南風原町字新川118番地の1


【一般講演】19:00〜19:20                       
 司会 沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 呼吸器内科 
 部長 東 正人 先生

  「 (仮)胸部X線で見る呼吸器疾患 」

 演者:地方独立行政法人 那覇市立病院 呼吸器内科 
 科部長 喜屋武 幸男 先生


【特別講演】19:20〜20:30                       
 座長:琉球大学医学部附属病院 病院長 
 感染症・呼吸器・消化器内科学講座 教授 藤田 次郎 先生

  「  胸部X線ルネッサンス  」

 演者:滋賀医科大学 呼吸器内科 
 講師 長尾 大志 先生


参加者の皆様に胸部X線写真をご覧頂いて、どんどん所見を指摘していただきますので、よろしくお願い申し上げます。

2016_第192回胸部X線勉強会フ゜ロク゛ラム.docx



第14回滋賀県呼吸療法セミナー「3学会合同呼吸療法認定士試験対策セミナー」

11月6日(日) 9:00〜15:50 NIPRO研修施設 iMEPニプロホール(南草津駅徒歩3分)


こちらは朝の1時間半を担当します。おそらく参加される人数が多そう、とのことで、あまり参加型にはならないと思います。詳細はポスターをご覧くださいませ。

ちらし1.jpg

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posted by 長尾大志 at 16:48 | Comment(0) | 活動報告

2016年09月03日

Meet the Expert on Lung Cancerに参加して

昨日は表記の会に草津にて参加。


新潟県立がんセンター新潟病院の三浦 理先生に『ガイドラインに載らない"ココだけの話"〜10th anniversary Bevacizumab編〜』と題したお話を拝聴しました。


三浦先生は2000年卒の気鋭の若手先生で、豊富な臨床経験、研究成果から大変面白くためになるお話を頂きました。


Macを持ち込まれていたので、プレゼンにこだわりのある方なのかな〜と思っておりましたが、やはり大変エレガント且つ説得力があり、これ取り入れたい!というワザがてんこ盛りでした。でもWindowsでは無理なことも多い様子。やっぱりMacはスゴイという結論。


あとでメーカーの企画の方にいろいろ伺っていたのですが、やはりあのプレゼンの裏にはいろいろな努力があった、ということでした。翻って自分のプレゼンを考えてみると、やっぱりまだまだ努力・工夫が足りないなあと実感。早速直近の講演でいくつか工夫してみます。また明日、詳しく告知致しますね。

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posted by 長尾大志 at 18:03 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2016年09月02日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器漢方基礎知識6・葛根湯・麻黄湯

・葛根湯

かぜ症候群、急性上気道炎のときによく使われていると思いますが、決して葛根湯=PL顆粒、ではありませんから注意が必要です。ご存じの方も多いかと思いますが、葛根湯は「肩こり」に使いますね。


で、私がそうなのですが、スゴく肩が凝ると、かぜ気味になるのですね。血行が悪くなって免疫が低下するのでしょうか。その、風邪の引き始めのとき、というのは発熱や悪寒があっても発汗が余り起こらない時期があって、そのときに葛根湯を使います。そうすると少し体温が上がって発汗する。


こういう、葛根湯が効果を現す時期は、かぜの引き始めのごく初期だけで、葛根湯を飲んで発汗するとちょっと楽になる、これで葛根湯の役目は終わりなのです。ですから、「葛根湯1週間分」とかいわれると違和感がありますね。


もちろん、肩こりに対して長期間投与、というのは、ある意味本来の使い方ですからいいと思いますが、「かぜに葛根湯」は、ごく初期だけのことで、その後は症状に応じた処方が必要になってきます。


これにも麻黄が入っているので、ある程度体力のある成人、胃腸がしっかりしている人に向いています。「なんか漢方だから安全だろう」と、高齢者のかぜとかに使うとうまくいかないかもしれません。



・麻黄湯

こちらは「インフルエンザに麻黄湯」で有名になりました。でも実は、葛根湯によく似た成分なのです。葛根湯に入っている「葛根」には頸のコリを抑える作用があるので、そちらを目標に使いますが、麻黄湯の役目は、葛根湯でもあった「体温を今よりも少し上げて発汗させる」ところにあります。


インフルエンザで高熱が出るのは、免疫力を高めるため、といわれています。それを後押しする感じでしょうか。加えて、麻黄(≒エフェドリン)にある気管支拡張効果が、咳や呼吸困難に効きます。麻黄には充血緩和効果(血管を収縮させる)もあり、鼻症状にも効くようです。


また、関節リウマチにも効能があることからわかるように、関節痛のあるインフルエンザに効果がある、というわけです。


ただ、葛根湯と同じく、ある程度体力のある成人、胃腸がしっかりしている人に向いていますし、汗をかいて解熱し出したら、その役目は終わり、と考えるのがいいでしょう。


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2016年09月01日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器漢方基礎知識5・半夏厚朴湯・柴朴湯

・半夏厚朴湯 続き

半夏厚朴湯のもう一つの使い道は、誤嚥です。誤嚥といっても、誤嚥性肺炎を繰り返す、みたいな、マジモンの誤嚥ではなくて、食事時にむせる、といった程度の誤嚥です。


「ずっと咳が出て困る」慢性咳嗽で、「どういうときに出ますか?」「お食事のときにはむせたりしませんか?」と尋ねて、「そうですね」「食事時によくむせます」といわれたときには使用を考えたいところです。割と喜んで頂けます。


昨日は喉のつかえる感覚に対して効果的だと書きましたが、実際に嚥下がうまくいかず、ものがつかえる、という現象に対しても有効だ、ということなのかもしれません。嚥下〜食道通過、というところを何となく?改善させる効果、と考えて頂くとわかりやすいと思います。


ただ、ある限度を越えたマジモンの誤嚥に対しては、あまり効果は期待出来ないようです。誤嚥性肺炎に対して、予防効果を期待して投与されたりもしていますが、肺炎を予防する、というデータは得られていません。



・柴朴湯

(半夏厚朴湯+小柴胡湯)÷2 が柴朴湯です。


半夏厚朴湯の咳、息苦しさを抑える効果と、小柴胡湯の抗炎症効果を併せ持つものです。気道炎症に対応する、ということで気管支喘息に適応、みたいな扱いになっています。


決して吸入ステロイドなどに取って代わるものではなく、作用機序の異なる、補助薬的な位置づけがよろしいかと。個人的には、喘息で精神的に抑うつ傾向があるものの、抗うつ薬までは…?というニュアンスの方で、吸入ステロイドなどのコントローラーを使ってもなんだか不安定、情動発作に伴って喘息発作も出てしまう、そんな感じのときに手応えがあります。


昔ある先生が、「柴胡はpsycho(サイコ)の問題に効くンや」とおっしゃっていて、なるほどな〜と感心した記憶があります。語呂合わせは本当に記憶に残るものです。


ある病院に勤めていたときに、そこは漢方に理解がなくて、10種類くらいしか処方出来なかったのですが、「半夏厚朴湯」は処方出来なくて、「柴朴湯」だけが処方出来たのです。


で、やむを得ず、誤嚥によるむせの患者さんとか、咽喉・食道部の異物感、つかえ感に「柴朴湯」を使わざるを得ませんでした。結果、精神的問題を抱えているケースではそれなりによかったのですが、そうでない場合、やはり効果は落ちる印象でした。このあたりが使い分け出来るようになると、漢方が面白くなると思います。


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2016年08月31日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器漢方基礎知識4・半夏厚朴湯

・半夏厚朴湯


これは個人的に、しばしば抜群の切れ味を見せてくれる、お気に入りの処方です。呼吸器領域ではもっと頻用されていいのではないかと思います。


まず一番相性がいいのは、まさに添付文書の通り、

「気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う次の諸症:
不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、神経性食道狭窄症、不眠症」

↑↑↑ ここにすべて書いてあります。


呼吸器外来には「息が苦しい、吸いにくい」という主訴で来られる患者さんがたくさんおられます。もちろん器質的疾患がある場合はその治療が絶対ですし、画像的に何もない…というときには特に、気管支喘息の診断はしっかり考える必要がありますが、器質的疾患が否定されて、「何もないぞ、さて、どうしよう?」となったときに、この処方が使えるかどうかを吟味して頂きたいところです。


器質的疾患がない。で、「気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う」ような訴えがあるか。よく聴き取って頂きたい。不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、神経性食道狭窄症、不眠症、といった病名がつきそうな雰囲気のケースでは、よい適応になると思います。


だいたい、前胸部(胸骨あたり)を指して、「この辺がつっかえる感じがしませんか?」と尋ねたときに、「そうそう、そうなんです!(わかってもらえた)」みたいな反応が返ってくるときは、ハマりやすい印象です。


ただ処方するときに気をつけていることは、そういう雰囲気の患者さんですので、説明がかなりカギを握っているという点でしょうか。説明には当然、患者さんのキャラクターを考慮してあたる必要がありますが、典型的には…。


これまでにあちこちドクターショッピングをしてきたAさん。

「Aさん、やはりこれまでもそうでしたが、おっしゃる症状の原因になるような病気は検査の上では見つかりませんでした。こういう場合、ストレスとか昔でいう自律神経の乱れみたいなことでそういう症状が出ることがあって…」

ここでAさんが「ストレス!あります!」とか、「自律神経ですか…わかります」みたいな反応であれば、

「そういう状態を緩和する薬は、西洋の薬だと抗不安薬、みたいなことになるんですけど…」

そこでAさんが「そういう薬、ちょっと抵抗がありますね…怖いですね…」みたいな反応になったところで、

「それだったら、もっとマイルドな漢方薬で、そういう症状によく効くものがありますよ」

…みたいな説明ですかね。こういうやりとり、結構よくやってます。


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