2019年08月17日

『トップランナーの感染症外来診療術』を読んで

あの北先生が羽田野先生と組んでなにやら感染症の本を出されるらしい、と聞いてから気になっていたのですが、このたび献本頂きまして、拝読することが出来ました。

https://www.igaku-shoin.co.jp/bookDetail.do?book=93164

これまで優れた「内科外来」の本や「感染症」の本は数多あったわけですが、この本は「外来の感染症」に絞っているところがいいですね。実際外来をやっていて多く遭遇するのは感染症になりますから、使える場面はけっこう多い。

感染症の患者さんはまず外来にやってくるわけですから、その時点での対応に関して「とりあえずこれだけは」をみるととりあえずのことがわかる親切設計。しかしもちろんそれだけではなく、そこからの詳細な、かゆいところに手が届く記載がにくいですね。

総合診療業界の、皆さんご存じの、外来のエキスパートの皆さんが、外来をやっていて遭遇する感染症にまつわる疑問に丁寧に答えてくださいます。たくさん外来をされて、たくさんの患者さんを診ているからこそ、いろいろな場面での様々な疑問に出会っておられ、それをしっかり調べて教えてくれる、という感じ。そして、ここぞというところでは、感染症業界の有名人が登場し、専門家ならではの的確なアドバイスをくださいます。

とにかく執筆者の顔ぶれ、これが素晴らしいのです。編者の先生方のつながりで集まった先生方、私でも存じ上げている先生方ばかりです。人選が成った時点で、編集者もガッツポーズされたのでは。

そして各所にちりばめられた、編者の先生によるツッコミ?これが的確で面白い。ああこれって北先生っぽい、とかわかるところもあり、何よりしっかり原稿を読み込んだ上で、適切なコメントを挟んでおられる。これって編者の鑑!!おそらくかなり手間をかけて、原稿に手を入れられたのではないでしょうか。各項目の統一感もしっかりありますし、とにかく著者、編者の先生方のお人柄が感じられる1冊、という感じです。

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posted by 長尾大志 at 19:36 | Comment(0) | 日記

2019年08月16日

新令和・胸部X線写真の読みかた基礎編8

B縦隔:気管、肺門、大動脈弓〜下行大動脈。

これは@のパット見、に通じるものですが、縦隔を見る時に大事なことはその動きです。

特に気管が右や左に偏位しているのは、片側の肺の大きさの変化によることが多く、肺が縮めば気管は引っ張り込まれますし、何か膨張するようなもの(胸水や腫瘤など)があると気管は圧されるわけです。ですから縦隔(気管)をパッと見て、その動きに気付くことが重要です。

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それ以外に縦隔で見るべきものとして、縦隔リンパ節の腫脹や縦隔気腫などがあります。特に腫瘍の早期発見のためには、前者に気づくことが重要です。気管の周囲や大動脈の周辺にモコモコと腫瘤ができてくるような所見、それから気管分岐部の下に腫瘤ができて、分岐角が開大するような所見に気をつけます。

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一方、術後や無気肺、線維化などで一側の肺が縮むと気管が引っ張り込まれますが、特に上葉が縮むとそちら側の肺門、主気管支が不自然に引っ張りあげられ、挙上する場合があります。

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そして縦隔で見ておくべきなのが、大動脈弓から下行大動脈のラインがきっちり見えているかどうか。これは後で出てくるシルエットサインを使う時に役立つ所見です。下行大動脈はしばしば蛇行しますが、多くのものは加齢による変化であり、不自然に飛び出していたり(大動脈瘤)する所見があるかどうかが見所になります。

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posted by 長尾大志 at 15:37 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年08月15日

新令和・胸部X線写真の読みかた基礎編7

左右のバランス、対称性が損なわれるものとしては、

・そもそも胸郭の形が異常
 側弯、漏斗胸など

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・片側の肺が縮んだり(無気肺・線維化)、胸郭が大きくなったり(緊張性気胸)したもの
 通常は気管や縦隔の移動を伴います

・胸水や腫瘍などで肺野の一部が白くなる
・気胸や嚢胞などで肺野の一部が黒くなる
 このような、パッと見でわかる異常は、胸部X線写真の得意とするところです。


A骨軟部陰影:骨折、溶骨や皮下気腫。

肺野以外の部位にはなかなか気づきにくいだけに、皮下なんかは最初のうちに見ておきましょう。とはいえ、通常は痛みなどの症状や身体所見から気づかれることが多いものですが…。

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posted by 長尾大志 at 16:28 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年08月14日

新令和・胸部X線写真の読みかた基礎編6

正常よりも横隔膜が1肋間分以上高いと、肺が縮んでいる、あるいは胸郭が縮小している、と考えます。また後で述べますが、気管や縦隔が引っ張り込まれていても、その部分が縮んでいると判断されます。


■ 肺が縮むもの

肺そのものが縮む病態として、無気肺と線維化の二つがあります。

無気肺は肺の中の空気がなくなる状態です。よくあるのは空気の通り道である気道が、腫瘍や異物などで閉塞されて、空気が入らなくなってしまうという機序です。他には、胸水などで肺が押されて空気が抜けてしまう、受動無気肺という病態もあります。

無気肺は肺の中の空気がなくなっているわけですから、肺は真っ白に見えるようになります。そして通常は片側に起こるものですから、片側で肺が真っ白になっていて、横隔膜が上昇したり縦隔が引っ張られたりして、縮んでいることが分かる場合に無気肺と考えられます。

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もうひとつの縮む病態は、肺の線維化です。肺線維症のように肺が硬くなって縮んできます。通常は両側で起こり、肺は真っ白になるのではなくて、網状影や蜂巣肺といった所見を呈します。

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posted by 長尾大志 at 19:03 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年08月13日

新令和・胸部X線写真の読みかた基礎編5

正常よりも横隔膜が1肋間分以上低いと、肺が大きくなっている、と考えます。


肺が大きくなるもの

肺が大きくなる疾患の代表はCOPDです。COPDは、長期間・大量の喫煙によって肺胞壁がエラスターゼなどによって分解され、徐々に破壊される疾患です。

肺胞壁が破壊されることによって肺の弾性収縮力が失われ、末梢の気道が閉塞しやすくなる〈閉塞性肺障害換気障害〉が生じます。特に呼気時に末梢気道が閉塞することによって、吸い込んだ空気が吐き出されにくくなるエアトラッピング(空気のとらえこみ現象)が生じます。

そのため、肺内に吐き出せない空気がだんだん溜まってきて、肺容積が大きくなっていきます(肺の過膨張)。肺が膨張することで横隔膜は圧されて位置が低下し、平らになります(平低化)。同時に胸郭の前後径が大きくなってきて左右径と同じくらいになり、樽のように見えます(樽状胸郭)。これを X 線写真で見ると、横隔膜が低く平らになり、肺が大きく見えるのです。

心臓は、横隔膜が下がることと肺に圧されることで、縦長になって左右対称に見えるようになります。その様子があたかも水滴のように見えることから、滴状心と呼ばれます。

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元々の体格や病態によっては、COPDでも必ずしも過膨張所見が見られないことがあります。横隔膜の位置が低下する過膨張以外にCOPDで見られる所見としては、以下のようなものがあります。

・肺野の濃度が低下し、黒っぽく見える
・肺紋理が見えにくくなる
⇒COPDでは肺胞や血管が破壊されるため
・(嚢胞壁からなる)線状の陰影が目立つようになる
⇒嚢胞がたくさんできるため

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posted by 長尾大志 at 18:01 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年08月12日

6回生全員アンケート考察

直接的な滋賀医大を選ばなかった理由として、立地の問題は少なからずあるようです。しかしながらこの問題も、先に挙げたいわゆる駐車場問題に起因する感情的なしこりが、少なからず影響していたようにも思われます。やはり滋賀医大に対するネガティブな感情が積み重なって、「出ていきたい」という結論に結びついた可能性があります。

また、給料に関しては私が何かを申し上げることのできる立場ではありませんので、ここでは特に取り上げることは致しません。喫緊の問題、かつ今後改善していくことができるポイントがあるとすれば、それは滋賀医大を選ばなかった理由として挙げられているネガティブな印象になるかと思います。

ここに書かれている結果を見ると、教職員の行動・言動・そして診療は学生にずっと見られていて、いわゆるHidden curriculum(隠れたカリキュラム)として、滋賀医大の印象を形成するのに大いに寄与していることがわかりました。

ちなみに教員以外にも、コメディカルスタッフや学生課、それに制度そのものに対する意見も多々ありました。

1年以上の長きにわたって、臨床実習(クリニカル・クラークシップ)という形で病院内を見て回り、その結果大学に対するネガティブな印象が形成されたとすれば、これほど残念なことはありません。教育のために頑張っている教職員もたくさんおられるにもかかわらず、ポジティブな感情は残らず拡がらず、ネガティブなものが残り拡散される傾向にあるのは、いずこも同じであります。

これらの結果から、自分たちが思っている以上に、学生(だけではありません、もちろん患者さんも、同僚も、です)は自分たちの行動・言動・診療を見られている、ということをフィードバックしていく必要があると考えました。

そのような教職員側への意見を、どんどん積極的に集めてフィードバックしていくシステム作りをする必要があるのかもしれません。現在「アンプロ学生」を取り上げるシステムはあるわけですから、アンプロ教職員も取り上げ、改善を促していくということになるでしょう。

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posted by 長尾大志 at 13:06 | Comment(0) | 教育理念・メッセージ

2019年08月11日

6回生全員アンケート結果

6回生全体アンケート、集計結果

約110名中80名の回答を頂きました。

【集計結果】
滋賀医大を第1志望とする人(N=16、複数回答あり)が、滋賀医大を選んだ理由
  • 医大に好印象があるから(母校、慣れている、優しい先生、勤務態勢、地元、知り合いなど):19

  • 将来滋賀に残る、マイナー志望、ラボの研究が終わらない、など条件による(やむを得ない)選択:7

  • 他に出たい理由が特にない、初期研修から他大学にいくメリットがわからない、など消去法で:4



滋賀医大を第2選択以下とする人(N=51、複数回答あり)が、滋賀医大を選ばなかった理由
  • 立地・駐車場・給料:30

  • 一度新しい環境、県外に行きたかった:21

  • 症例数が少ない・救急の症例が少ない・ない科がある:17

  • negativeな印象ゆえ:15

  • 関連病院が少ない:3

  • 研修レベルが低い:2

  • 志望科がなかった。入局先として第一候補ではないから:2

  • 一身上の都合 :1


滋賀医大を選択しない人(N=13、複数回答あり)が、滋賀医大を選ばなかった理由

  • 立地・駐車場・給料:10

  • 研修レベルが低い:9

  • negativeな印象ゆえ:5

  • 症例数が少ない・救急の症例が少ない:4

  • 関連病院が少ない:3


滋賀医大を第一志望としている方が滋賀医大を選んだ理由として、半数以上の方が滋賀医大にポジティブな印象があると回答されましたが、残りの回答には消極的な(消去法による)選択も見受けられました。

滋賀医大を第二志望以下としている方は、1/3が立地・駐車場・給料の問題を挙げられましたが、半数近くの方がそれ以外の、滋賀医大に対するネガティブな印象を理由として挙げられていました(複数回答あり)。

滋賀医大を全く志望されていない方は、やはり立地・駐車場・給料の問題が1/3ありましたが、それ以外の理由はほぼ滋賀医大に対するネガティブな印象ということでありました。

いずれにしても、駐車場問題はかなり根深いことがよくわかりました。本学は立地が山の上であり、自家用車による通学を希望する学生が多いにもかかわらず、駐車場のキャパシティが大変限られており常に不足している状態です。

で、現6回生は車通学突然認められなくなったという規約の改悪があったために、大学に対するネガティブな印象がかなり強くなっているという記載が数多く見られました。元々できていた、期待していたことが理不尽に反故にされてしまうのは、感情的にかなりネガティブに働くことでしょう。

実際、教職員でも、中途半端に?近隣に住んでいることから駐車場が使えなくなり、大学を辞めてしまった先生がいます。

これに加えて、ネガティブな理由の中には、目を背けたくなるような「生の声」が少なからずありました。ここにはとても掲載できませんが。

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posted by 長尾大志 at 16:46 | Comment(0) | 教育理念・メッセージ

2019年08月10日

6回生全員アンケートをやるに至った経緯

新研修制度が始まって以降、初期研修を市中病院で、という流れが広がっているといわれています。裏を返すと大学医学部を卒業後、その大学で研修、という進路を選択する学生さんが減っていることになります。

それはなぜか。市中病院の方が、魅力的な研修をしているから?給料や待遇などの点で恵まれているから?…などなど、いろいろな理由が挙げられています。

本学も例外ではなく、年々大学での研修を選択する学生の数が減っている傾向にあります。大学側としては「減っている」ということに危機感を抱いているものの、実際何が問題で、なぜこうなっているのかという理由が何なのか、私たち教員には分かっていないところが少なからずあるのではないか、と何となく感じてはいます。

私自身、学生さんのごく一部と本音トークをすることがあるのですが、そこからなんとなく本学の問題点や、これは学生さんに嫌われるだろうな、ということを感じることはあるのですが、それを運営の方々や他の教員の皆さんにお示しするほどの根拠・データがありません。

常々少しでも本学を良くしていきたい、卒業生の皆さんに選んでもらえるような大学・大学病院にならないものか、と考えているのですが、私のような「講師」というヒラの立場では、これまで学生さんとの接点は講義と臨床実習の時だけで、しかも限られた時間を循環器と分け合うシステムの元では学生さんの本音を尋ねる余裕がありませんでした。

それでは、と、医療人育成教育研究センター教育方法改善部門による「授業評価実施報告書」や学生さんの「アンケート」を拝読するわけですが、こちらの回答は本当に少ない。昨年度の3回生1学年のうち、私の授業に対する自由記述の回答は18名です。

これは、「この手のアンケート、どうせ書いても誰も読まない」「どうせ意見を書いても、何も変わらない」と思われている裏返しなのではないでしょうか。

私は自分の授業で「『授業評価』には必ず目を通しているので、感想や意見をおどんどん書いてほしい」と言っておりまして、そのため自由筆記の回答が際立って多いということです。それでも100名あまりのうち18名しか自由記述回答がない。それでは学生全体(多数)の本音がわかりません。

この度、6年生と話をする機会があり、いっそ皆に直接問うてみてはどうだろうか、と相談したところ、長尾先生だったらみんな答えてくれるのではないか、という力強い言葉を頂きまして、今回のアンケートを企画しました。


ストレートに、滋賀医大の「問題点」や「いやなところ」、もちろん「いいところ」があればそれも書いてもらう、というアンケートです。

アンケートへの回答はもちろん無記名とし、生データは一切運営や他の教官には見せない、一切諸君の不利益にはならない、と約束した上で、学生が感じた本学の問題点をざっくばらんに書いてもらいました。

マッチングで滋賀医大を第1選択とする人、滋賀医大を第2選択以下とする人、滋賀医大を選択しない人の3群に分け、各々滋賀医大の問題点、いい点、選んだ(選ばなかった)理由につき、自由筆記で回答してもらいました。回答は同じような系統の回答をひとくくりにして、だいたいの傾向をまとめました。結果は明日に。

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posted by 長尾大志 at 23:49 | Comment(0) | 教育理念・メッセージ

2019年08月09日

新令和・胸部X線写真の読みかた基礎編4

肺が大きいか小さいか、はたまた正常の大きさなのか、は肋骨と横隔膜の交差する高さでおよそ見当がつきます。

正常の場合、右横隔膜が、第10肋骨の後ろ側と鎖骨中線辺りで交差します。

それから上下半肋間程度 は正常範囲で左の横隔膜は右の横隔膜と同じ高さから1肋間程度の下程度の高さであると言われています

スライド8.JPG

…いや、ちょっと待てよ!第10肋骨ってどれだよ!という声が聞こえてきましたね。

スライドやブログ上、書籍上もなかなか肋骨を数えるのはハードルが高いのですが、数えてみましょうか。

肋骨は、後ろ(椎骨についている部分)が高く、前に来るほど下がってきます。
また、後ろの肋骨は分厚くハッキリ見えますが、前の肋骨は薄く、見えにくくなってきます。
横向きに走っている、ハッキリ見える肋骨は後ろ肋骨で、前の肋骨はあまりよく見えません。

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試しに、字だけにしてみましょう。前がハッキリ見えるのは第1肋骨くらいのものです。

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第4肋骨くらいまで数えると、あとは後ろの肋骨だけ数えていけば…

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このように、第10肋骨の後ろが、右横隔膜と、鎖骨中線上で交差していることがわかります。

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(肺野を見て、肺が縮む原因がないのに)横隔膜が正常より高位の場合、吸気不足を疑うことがあります。

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posted by 長尾大志 at 18:05 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年08月08日

新令和・胸部X線写真の読みかた基礎編3

それでは実際に胸部X線写真を眺めてみるわけですが、皆さんはどのような順番でご覧になっていますか。

特に、必ずこれといった決まりがあるわけではありませんが、見逃しを防ぐという意味では@自分なりに見る順番を決めておき、必ずすべての場所に目をやる習慣をつける
A見逃しそうなところ死角を意識し、あえてその部分をしっかり見る
B左右の比較・過去画像との比較を意識する
といったことが必要かと思います。

順番ということでは「小三J法」や「人の肺(ハイ)」など、語呂合わせとともに色々な順番が提唱されていますが、どれが優れている、というものでもなく、ご自身が覚えやすい方法にしたがって、確実に読影して頂くのが大事なことです。

ここでは私が若い頃に教わった、実際に読影する時の順番をご紹介したいと思います。

@第一印象(パッと見):外観、肺の大きさ、左右のバランス。
A骨軟部陰影:骨折、溶骨や皮下気腫。
B縦隔:気管、肺門、大動脈弓〜下行大動脈。
C心陰影:心胸比、心臓の位置。
D横隔膜:肋骨横隔膜角、横隔膜裏。
E肺野を左右比較しながら見ていく。

この順番を採用している理由は、最も所見が目立つ肺野をあえて後回しにする、見落としがちな物陰を先に見るというところにあるかと思います。


@第一印象(パッと見)

胸部X線写真の(CTよりも!)優れている点の一つが、この一覧性、パッと見で何となく異常がわかるというところです。ここでの感度を上げるためには、何といっても正常像を数多く見ることが大事です。今後はAIが補助をしてくれるでしょうが…。

ここで気づいていただきたいのは、まず肺の大きさと形、左右の対称性です。そして肺野に目立つ陰影があれば、ここで指摘できるかと思います。

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posted by 長尾大志 at 11:26 | Comment(2) | 胸部X線道場

2019年08月07日

新令和・胸部X線写真の読みかた基礎編2

PA像とAP像の違いはいくつかありますが、まずポータブル写真というのが、ベッドやストレッチャーで臥床している状態で撮影されることが多いものです。それゆえにX線管や検出器と、体の関係が必ずしも真正面ではありません。

つまりAP像だと真正面から撮られていない、斜めに撮影されることが多いわけです。すると左右の対称性が失われ、例えば気管の位置が中心からずれたりするのです。

他に見られる違いとしては…。

・ポータブル写真の方が、横隔膜が腹部臓器に押されるために挙上して写りがちである、
・鎖骨や肋骨の角度、見え方が少し違う。
・肩甲骨が外に出せないので、肺野にカブって来る。
・X 線量の違いもあって、ポータブル写真の方が肺野濃度が黒っぽく見える。

また、心臓や縦隔は身体の「前より」にあるのですが、PA像AP像とでは縦隔のX線管からの位置関係が変わってくることもあって、AP像の方が心臓や縦隔が拡大される傾向にあります。

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以上のような理由から、ポータブル写真はポータブル写真とわかった上で読影をしないと思わぬミスに繋がってしまう可能性があります。ですから読影の前に、まず撮影条件を確認するということが必要になるのです。

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posted by 長尾大志 at 16:26 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年08月06日

新令和・胸部X線写真の読みかた基礎編1

さてここまで、令和になりました記念としていくつか症例を見ていただきましたけれども、やはり今一度基礎をしっかりおさえておく必要を感じておられるかも知れませんね。

ということで、胸部X線写真読影の、基礎編を改めて書いてまいります。なーんーどーめーのー基礎編〜か〜


それでは早速、胸部X線写真を見てみましょう。

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…どこから見ましょうか?
えーっと、骨軟部組織…ちょっと待ったー(古い)!

まずはこの写真がどうやって撮られているかを確認しましょう。立位正面なのか、はたまたポータブル写真で、臥位なのか坐位なのか。その条件が認識できていないと、思わぬ間違いをしてしまう恐れがあります。

昨今多くの施設では、ポータブル写真の場合何らかの「印」が写真に入っていることが多いかと思います。例えば滋賀医科大学附属病院においてはこのような感じです。

スライド2.JPG

胸部立位正面写真、つまり(普通に)前胸部をX線検出器につけて、後ろからX線を当てて撮影した写真は、X線が後ろ(背部:posterior)から前胸部(anterior)に向けて通りますのでposterior(P)からanterior(A)に抜けるという意味でPA像といいます。

スライド3.JPG

それに対してポータブル写真は、X線が前(A)から後ろ(P)に抜けますので、AP像、といいます。

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posted by 長尾大志 at 18:44 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年08月05日

胸部X線読影道場ふたたび65

一般的な間質性肺炎、というには少々胸膜直下がスペアされすぎ、という印象を持ちます。

ということで、3ヵ月前のCTはこのような陰影でした。

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気管支血管束周辺の病変が目立ちますね。10年間の経過でゆっくり進行してきた、ということで、実はこちら、サルコイドーシスの肺野型でありました。それが今回肺炎発症し、このような陰影となった次第です。

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解説動画はこちら⇒
https://youtu.be/vaTrkEJhAMo

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posted by 長尾大志 at 16:05 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年08月04日

臨床実習2019、1学期最後の感想

ということで1学期の臨床実習が終了し、束の間の夏休みとなります。学生さんがいなくなったところで、ようやく原稿や講演の準備に取りかかることが出来ます。この期間にどれだけ進めておけるか…。

というわけで、1学期最後の、(5年生による)感想集です〜。

(「この1週間で学んだことのうち、最も印象的だったことについて書いてください。」以下引用)

「抗菌薬の使い方」
「外来で、気胸の診断を付け得たこと」
「耳が聞こえにくい高齢者の方を外来で診察した際に、話が噛み合わなかったことがあり、その際に『お腹から声を出して、低速でしゃべるのがよい。高齢者の方にとって、僕らのしゃべるスピードは異次元の世界である』と長尾先生が仰っていたのがとても印象的でした。」
「胸部レントゲンの読み方について、勉強してから練習、実践という形をとってくださり、とても身になったと思います。これからももっとレントゲン読影について学んで行こうと思いました。」
「換気機能検査が思っていたより大変でしたが、グラフだけ見てもよく分からなかったものが、実体験を通して理解できました。」
「外来診察とその後の外来振り返り」
「胸腔穿刺の補助をできたこと」
「外来実習によってとても力がつきました。」
「問診をするときに鑑別を考えながら行うことが重要であることを学んだ。」
「レントゲンの所見(骨変化)」
「外来診察を自分たちで行ったこと」
「間質性肺炎の治療薬が抗線維化薬だということ」

(引用ここまで)

(「この1週間の感想を書いてください」。ここから引用)

「これまで回ってきた診療科のなかで最も内容が濃くやりがいのある1週間でした。学問的な知識だけでなく、実際の医療現場において重要なテクニック等も教えていただきとても学べることが多かった実習でした。短い期間でしたが、ありがとうございました。」
「これまでのポリクリの中で、最も先生がたくさん教えてくださったポリクリでした。有難かったです。勉強のモチベーションが上がりました。各疾患についてだけではなく、外来においての患者さんとの接し方を基本的なところから教えてくださったのが、大変ありがたかったです。例えば、具体的に掘り下げて患者さんの話を聞き取るためには知識がないといけない、というお話など、実際に患者さんに触れてからの反省として聞くと、とても身に迫りました」
「この1週間では様々なことを学ばせていただきました。外来では患者さんから病歴をうまく聴取できなかったので、そのことから病歴聴取のヒントを得ることができました。入院患者さんとお話した際に、患者さんが自ら作られた作品を着ていらっしゃることに気づけたため、患者さんとの会話が盛り上がりました。些細なことでも患者さんのことを良く見ていますよということを示すと心を開いてくださるのだと実感しました。また、レクチャーでは様々なことを学ばせていただきましたが、前の日に教えていただいたこと(喀痰の分類)が次の日にまた出てきて記憶が定着したように思います。またスパイロメトリーでは患者さんがこのようなしんどい検査をされることになるので心に寄り添うことが必要だと感じました。木曜日のX線写真読影会では、今まで苦手意識がありましたが、見ていくうちに色々見えてくるようになり、親しみを覚えることができました。1週間ありがとうございました。」
「外来では、聞くべきことを聞くために知識が必要であることを実感でき、診断に至るプロセスを学ぶことができ勉強になりました。画像所見は難しく、言われたらそう見えるかもという感じですが、この領域にこういうものがあるからこう写っているという原理がわかり、画像を見ながら考えることが楽しくなりました。4日間充実した時間が過ごせました。ありがとうございました」
「外来実習では知識的なこと以前に、人との関わり方を学ぶことができました。その人の年齢や、性格、環境に合わせた接し方を意識する必要があると感じました。年齢層に幅のある大学とはいえ、同年代以外の人たちと関わる機会はあまりありませんでした。しかし、うまくいけば2年後には様々な年齢層の方と関わる必要があり、その点で人とうまくやっていくスキルというものはとても重要であると感じました。 また、私はX線の読影に苦手意識があり、それが原因で呼吸器に対してとっつきにくいというイメージがありました。今回の実習で、先生の著書を読み、基礎から読影のステップを学ぶことができたと思います。ただ本を読むだけでは、本当に読影できるのかと不安でしたが、木曜日の読影実習で実践することで、少し身になったと思います。まず、遠くから全体を見て、部分に分けて詳細に見る。シルエットサインや、すりガラス陰影、網状影の違いなど、これから活かせる知識を学ぶことができました。日々これらの知識を実践に移し、身にしていきたいと思います。四日間と短い間でしたが、ありがとうございました。」
「『何をどのように理解すべきか』を教わり意義深かった」
「とても学ぶことがおおく、有意義だった。呼吸器疾患の考え方を身につけることができた。」
「忙しかったが、様々なことをつきっきりで教えてくださってかなり力のついた1週間となりました。ありがとうございました。」
「他の科と比べ問診をとったり身体診察をする機会が多く実践的な内容でとても有意義だった。」
「充実していました」
「画像診断や外来など他の診療科と違いより実際の臨床現場で使うことが出来る経験が出来て、より知識をつけて実習に望まなければならないという意識がもてました。」
「1週間かなりしんどかったが、X線所見も少し読めるようになり、問診も少しずつ慣れてきたのが嬉しかったです。特にX線所見を読めるようなったのが有難かったです。」

(引用ここまで)

感想の質・量ともにかなりムラがありますが、ほぼ実習に対する熱量に比例します。笑
こちらが評価しなくても、自動的に評価が付いてしまうという…。

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posted by 長尾大志 at 20:27 | Comment(0) | 先輩研修医・学生さんの感想

2019年08月03日

6年生アドバンスコースの感想

昨日で長かった1学期?が終わりました。とにかくへとへとになりました。1週前に6年生アドバンスコースを終了していて、感想ももらっていたのですが、すっかり埋もれてしまっていました。

(感想ここから)
・疑問点を先生方が丁寧に分かりやすく教えて下さったので充実した実習となりました。3週間ありがとうございました。

・勉強になって良かったと思う。クリクラの中で1番クリクラしてる感ある

・闘魂外来やその振り返り、自分の受け持ち患者さんについてのフィードバックなどかとても充実していて、教科書的な知識に加えて、患者さんをベースにして学べることができました。3週間ありがとうございました。

・国試過去問演習やミニレクチャーは5年生には良いかもしれないのですが6年生にとっては(先生方も義務で渋々感を感じたりで)うーん自分で勉強したほうが…と思ってしまいました。が、長尾先生担当分は非常に勉強になりました。やはり実際に患者さんと「話す、見る、聴く、触る」からの「調べる、考える」は座学のそれとは比べ物にならないくらい強烈に記憶に残ると実感しました。その分、患者さんと長尾先生のご負担が増えるのでありがたさと申し訳無さの入り交じる複雑な気持ちです。また、5年生に向けてミニレクチャーをするコーナーでは、内容次第でうとうとする5年生も見受けられて、興味を持ってもらえるプレゼンは難しいよな…と、先生方の気苦労を理解しました。問題を分析する、作ってみるというコーナーも思いの外選択肢を作るのは難しい、結局これを正解/禁忌の選択肢にしてしまうよな…ということを知ることができて国試にむけて非常にためになる視点が得られました。さいごに、改めて、この3週間ご指導いただきありがとうございました。

・毎日朝練からのカンファレンスで泣きながら出席してました。
(感想ここまで)

無記名なんですが、だいたい誰が書いたかわかりますね(笑。ほぼ実習の熱意と長さが比例します。

5年生と6年生の実習は長さ(1週間vs3週間)に違いがあるのですが、他には何も決まっておらず(各科に丸投げ 笑)どうとでもなります。5年生と6年生、あわせると12名にもなり、伝え聞くところによるとただ見てるだけ…のところもあったようで。

ウチとしてはそれは本意ではないので、5年生同様、闘魂外来を軸に調べ物をしてもらいプレゼン、という構成にしましたが、感想にもあったように、国試を分析してもらい、「出題者の立場に立って、その分野で何が重要なのかを自分で考える」訓練をしてもらいました。

皆が皆その効果を実感してくれたかどうかははなはだ疑問ですが(苦笑、確かな手応えもあり、今後もこれは展開していきたいなと思った次第です。

今年は「呼吸器内科はめちゃくちゃ時間が縛られる」みたいな噂もあり、呼吸器内科を第一志望にしてくれた人が異常に少なく(4人だけ!)、多くの人は外れくじで呼吸器内科に「来てしまった」「やらされている」感満載でありました。せっかくの質の高い実習ですので、来年はもう少し呼吸器内科を第一志望にしてもらえるよう、今から頑張っていきたいと思う次第です。

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posted by 長尾大志 at 12:51 | Comment(0) | 先輩研修医・学生さんの感想

2019年08月02日

胸部X線読影道場ふたたび64

平和そう、とはいえ、両側下肺野にはモワモワッとした高吸収域があるようです。

それが10年の経過で、徐々に悪化してきました。こちらが半年前の写真です。

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両側下肺野の高吸収域ですから、「間質性肺炎」といいたくなるところですが、何となくですが、それにはちょっと合わないような気もします。それはどんな点でしょうか…?

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posted by 長尾大志 at 16:07 | Comment(2) | 胸部X線道場

2019年08月01日

胸部X線読影道場ふたたび63

パッと見て、両側下肺野に高吸収域がありますね。

例によって、以前の写真を参照しましょう。10年ほど前には…

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ずいぶんと平和そうですね。

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posted by 長尾大志 at 22:12 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年07月31日

胸部X線読影道場ふたたび62

それでは今回の画像です。

スライド33.JPG

「異常がある」ことはおわかり頂けるかと思いますが、ハテサテこれをどのように表現しましょうか…??

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posted by 長尾大志 at 16:31 | Comment(5) | 胸部X線道場

2019年07月30日

胸部X線読影道場ふたたび61

今回はワンポイントです。

気管の横に、空気像が見られます。CTではこんな感じです。

スライド32.JPG

気管嚢胞の1例でした。


解説動画はこちら⇒
https://youtu.be/d5Mel85IwKw

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posted by 長尾大志 at 17:39 | Comment(1) | 胸部X線道場

2019年07月29日

胸部X線読影道場ふたたび60

今日はこちらの画像です。健診発見異常影、無症状です。

スライド31.JPG

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posted by 長尾大志 at 15:04 | Comment(2) | 胸部X線道場

2019年07月28日

セコメディック病院勉強会〜ACOの架け橋・肺が真っ白〜

というわけで昨日はセコメディック病院さんの、研修医の先生やコメディカルスタッフの方々向け勉強会@お茶の水にお邪魔して、お話をさせていただきました。

ちょっと久しぶりだったので、聞きに来ておられる方々の雰囲気といいますか属性が今ひとつつかめていなかったこともあって、ある程度ちょっとしたやりとりを繰り返しながら、雰囲気を掴んでお話をさせていただきました。

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前半は『ACOの架橋』で、喘息とCOPDとそのオーバーラップACOの、主に診断、それから治療(こちらは吸入ステロイド問題ですが)について1時間。そして後半は、やはり救急の先生が多かろうということで肺が真っ白の症例を見たときに、私たち呼吸器内科医が何を考えてどうしているか、というようなお話をさせていただきました。

聞きに来て頂いていた先生方にはベテランの先生もおられましたし、研修医の先生もおられましたし、学生さんも何人か来ておられたことが後で分かって、やはりなかなか全員のど真ん中にズバッと響く話というのは難しいかったのだなあ、と振り返っても思いました。それでも少しでも、参加された先生方、皆様のお役に立てば幸いです。

私の前に登壇されていた、聖マリアンナ医科大学救急医学講師・救命救急センター救急放射線部門部門長の松本純一先生ともご挨拶出来ました。うちの卒業生、K先生がお世話になっております。今後ともよろしくお願い申し上げます。

今回お声がけ頂きましたセコメディック病院の宇藤薫先生、到着がギリギリになってしまい、ご心配をおかけいたしました。申し訳ございませんでした。セコメディック病院さんはこのような勉強会を定期的に熱心になさっておられ、とってもうらやましい限りです。また次回は9月1日(日)です!

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posted by 長尾大志 at 16:14 | Comment(0) | 活動報告

2019年07月27日

セコメディック病院勉強会

今日は表記の会で、ACO、と言いますか、喘息とCopdのお話と、肺が真っ白になったときのお話を2時間でさせて頂きました。明日の試験監督があるので、滋賀へとんぼ返り故、短めで失礼します。

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posted by 長尾大志 at 22:16 | Comment(0) | 日記

2019年07月26日

胸部X線読影道場ふたたび59

1年前の画像で見ますと横隔膜が平坦で、COPDの存在がうかがわれますね。

今回のものと比較しますと、左上中肺野のクリッとした陰影は1年前にもしっかりあります。まあこういうクリッと辺縁がシャープで輝度の高い陰影は陳旧性のものであることが多いですね。

右上肺野胸膜沿いの嚢胞らしき線状の陰影とそれに引き続く高吸収の部分も1年前から変わりません。

よ〜く見て頂くと、1年前になかった陰影として、右下肺野、横隔膜付近の高吸収域があります。いかがでしょうか。

CTではこんな感じで、右下葉S10あたりの陰影となります。

スライド30.JPG

解説動画はこちら⇒
https://youtu.be/7q0P4zRCNRI

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posted by 長尾大志 at 14:00 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年07月25日

胸部X線読影道場ふたたび58

昨日の写真、いろいろな陰影がありましたね。新旧混合みたいに。そこで過去写真の登場です。1年前はこんなでした。

スライド29.JPG

側面もあって大サービス!ですね。笑

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posted by 長尾大志 at 18:03 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年07月24日

胸部X線読影道場ふたたび57

今日はこちらの画像です。どしどしコメント下さいませ〜〜。

スライド28.JPG

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posted by 長尾大志 at 16:34 | Comment(2) | 胸部X線道場

2019年07月23日

胸部X線読影道場ふたたび56

実はこの症例、COPDをベースに何度も肺炎を繰り返して、半年後にも同様に肺炎を発症しています。その時の画像がこちら。

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こちらは右の中下肺野に高吸収域があり、右2弓の消失、シルエットサイン陽性であることから、右中葉の肺炎であろうと考えられました。さすがにこのときはCT撮ってませんけれども。

解説動画はこちら⇒
https://youtu.be/FNlwDNe5OPw

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posted by 長尾大志 at 17:19 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年07月22日

胸部X線読影道場ふたたび55

先週木曜日の画像は、金曜日の分(3週間前の画像)と比較していただくと分かりやすいですが、左の下肺野が少し白い、高吸収になっているかと思います。

女性の下肺野だけあって、乳房による軟部影で下肺野濃度は上昇しがちではありますが、やはりここは左右差をみます。左の方が明らかに白いですね。

よく見ると左4弓がシルエットサイン陽性、すなわち消失しています。ということで左の舌区に高吸収の(白い)病変があると考えられます。

CTを見ますと、やはり左の舌区にコンソリデーションがあります。下葉には全く病変がありません。左舌区の肺炎でした。

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posted by 長尾大志 at 16:48 | Comment(0) | 胸部X線道場

2019年07月21日

お待たせしました、滋賀医大呼吸器内科BBQ!!

例年6月に執り行われる呼吸器内科BBQ、今年はないのかな…??と思われていた方、ひょっとしたら2,3名はおられたかもしれません…。あ、興味ないですか。笑

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ともかく、例年行われる6月上旬より、今年はずいぶん遅めに開催されました。

例年は梅雨を避けるという意味で、そのあたりに設定していたのですが、今年は教授となられた中野先生が例年以上にお忙しく、参加可能な日ということでこの日に設定されたのですが…。

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まさかの中野先生ドタキャン!となり、中野先生抜きでの催行となった次第です。それ以外は例年通り、こんぜの里で催行されました。初期研修医の先生方に多数参加頂き、当科スタッフと懇親を深めて頂きました。

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それにしても今年は、呼吸器内科ベビーブームを反映して、1〜2歳のお子さん(+ママさん、パパさんDr)の参加が多く、賑やかでしたね。大変そうだな〜と私も子供が小さい頃を思い出しました。
準備と仕切りに奔走してもらった徳さんこと徳岡先生、平山先生他先生方、どうもご苦労様でした!!

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posted by 長尾大志 at 18:48 | Comment(0) | 日記

2019年07月20日

古都はじめ奈良 2019にて、胸部X線写真の読みかたのお話〜(⌒0⌒)/^^

今日は、市立奈良病院で開催されました表記の会「古都はじめ奈良 2019」にて、胸部X線写真のお話をさせて頂きました。

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以前JCHO東京城東病院総合診療科を立ち上げられ、今は市立奈良病院総合診療科におられる森川暢先生と、以前洛和会音羽病院呼吸器内科におられ、いまは市立奈良病院呼吸器内科におられる森川昇先生の奇跡の邂逅から?生まれた今回の企画。

今回は総合診療・救急にちなんだ会ということで、いつもの感じから少し視点をずらして?「救急✕胸部X線写真」と題してお送りしました。

…が、実際問題、救急の現場であっても、胸部X線写真の大事なところは同じです。お話を頂いて、違うのは疾患の取り扱いと、ポータブル写真が多いことかなあ…と思いました。そこで、ポータブル写真特有の事情を絡めながら、救急の現場でよく遭遇する「肺炎」「気胸」「胸水」のみ方のコツ、特に「線の使い方」をお話させて頂きました。

準備された会議室はいっぱいで、参加された皆さんも熱心に読影頂き、よかったように思います…が、開始直前に、いつもお世話になっている適々斎塾の、IファミリークリニックのI金先生が不意に?入室されて、心臓が口から飛び出るくらいビックリしましたです。

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何とか平常心に戻して、お話に戻りましたが、ちょっと動揺したところ、参加者の皆さんには見透かされていたかも…??また皆さまの感想を拝見したいものです。

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終了後、しばし森川先生のご案内で奈良散策…。趣がありますね−。

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森川先生、森川先生はじめ市立奈良病院の先生方、本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。

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posted by 長尾大志 at 23:56 | Comment(2) | 活動報告

2019年07月19日

胸部X線読影道場ふたたび54

昨日の写真は坐位AP像、ポータブル写真でした。

ポータブルは肺野が黒くなりがち、立位と諸々条件が異なる、ということで、「役に立たない」なんてセリフも聞こえてきますが、とんでもございません

お約束通り、以前の写真と比べてみましょう〜。3週間前はお元気でした…。

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posted by 長尾大志 at 17:55 | Comment(0) | 胸部X線道場