すでにあちこちでご紹介されている通り、こちらの書籍はあの藤本卓司先生が編集、といいますか、多くの先生方が執筆をされているのですが、最終的に藤本先生がきちんと目を通して、おそらくかなり手を入れられて、ほぼ藤本先生の文章になっているごとく読むことができる、「藤本節」を堪能できる書籍とのことであります。
私自身、これまで藤本先生のお話、講演、セミナーなどを何度も伺ったことがあり、何度お聴きしてもいつも感銘を受けるわけですが、確かにその感銘がよみがえるような感覚を持って読ませていただきました。
もちろん「感染症マニュアル」ですので感染症のお話がメインに述べられています。特にグラム染色、手順やアトラス含めその重要性については巻頭から繰り返し述べられていて、ともすると特に若い先生方、そして指導医も省略しがち、だったりするところで、今一度きちんと教えなくちゃ、と思いました。
もちろん感染症の各論、抗菌薬のお話も充実していますし、類書とは少し違う視点もあって興味深いのですが、個人的にこの書籍のミソというか売りは、総合内科医としての藤本先生の、特に身体診察や診断のところのご説明がすごく素敵で読んでいてゾクゾクするというか、すべての内科医は耳鏡を持つべし!ああ、持ってない……みたいに、自分ができていないことを改めて顧みることが多く(自分が悪い)、そこらへんではないかと思う次第です。
特に私が関心を持ったのは呼吸器感染症のところですが、急性上気道炎や上気道症状の診療にあたる医師には必ずお読みいただきたいところですし、呼吸器科の医師もここにあるような診断手順、身体診察の基本ができていない、ということが実は少なくないように思われます。できれば呼吸器感染症の項目70ページ+結核、NTM30ページ、合計100ページ程度を500〜800円程度で電子書籍とかで販売していただき、なるべく多くの医師が読めるようにご配慮いただけたりしないものかと思う次第であります。もちろんそれ以外の項目も本当に素晴らしい書籍ですね!誠にありがとうございました!!

