例えば、肺炎でも、肺胞が水で充満していない状態。もっとも病勢が強い部分の周囲などは、肺胞内の滲出液も満タンではない。そうなると、そのエリアの密度は水濃度(≒1)より低くなり、陰影は白っぽいものの真っ白ではない、薄い白色に見えます。
昨日挙げた症例でも、浸潤影(air bronchogramを伴う)の周囲にぼんやりしたエリアが少し見られますね。
こういう、浸潤影ほど真っ白ではないのだけれども、ぼんやりと白い、そういうエリアをすりガラス影と呼びます。
肺炎なんかの場合ではごく一部にしかすりガラス影が見えませんが、肺胞出血や肺胞蛋白症などのように、肺胞腔内を液体が満たすものの目一杯までも充満しない、そういった疾患では広範囲にびまん性にすりガラス影が見られます。
すりガラスとはなにか。
ガラスではあるものの、表面を研磨することで細かい傷をつけ、不透明にしたものです。向こう側があまり見えない、さりとて全く見えない、ということもない、微妙な透過性を持っています。
昨今ではあまりすりガラスが使われるところも少なくなってきているように思いますが、すりガラスが使われている場所として思い当たるのは…
- 浴室
- トイレ
- 面談室
など。
ナゼ、これらの部屋にはすりガラスが使われているのでしょうか。
賢明な読者の方はピンと来るでしょうが、話が脱線します…。
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