2013年02月07日

胸部レントゲン道場56・各論19・レントゲンで白くなる病態13・べったりと白くなる連続性の陰影・すりガラス影といえば間質性肺炎

すりガラス影を来す疾患、もう一つは(というかこちらがメインですが)、間質性肺炎という病態です。お、そういえば、この前「間質」について勉強しましたね。ちょっと復習しましょう。



実質が実際にガス交換をしている、肺胞上皮に囲まれた、肺胞腔、空間のことを指すのに対して、肺胞上皮と隣の上皮の間に存在する結合組織、肺胞中隔にあたる場所を間質と呼んでいます。


20実質と間質.jpg


図の青色の部分(実際にはほとんど空気)が実質、オレンジ色の部分が間質です。

広義間質のことを言い出すとややこしいので、ここでは忘れてください。


この間質で炎症が起こるのが間質性肺炎です。通常病変は連続性に生じるので、陰影も連続性に出現します。実質は侵されず空気は残ったままになりますから、そのエリアの密度は浸潤影(辺り一面水浸し、密度≒水)よりも低くなります。


すなわち、肺濃度よりは少し白いけれども、浸潤影ほど真っ白ではない。ちょうど、「元々あるもの(=肺内の血管)の存在は認識できる」程度の白さ=すりガラス影を呈するわけです。


6(狭義の)間質に炎症が起こる.JPG


7狭義の間質に炎症が連続性に起こると….JPG


胸部レントゲン写真、CTでは、このように肺紋理(血管影)を認識できる濃度上昇域として認識できます。


8間質性肺炎=すりガラス影.JPG


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posted by 長尾大志 at 13:24 | Comment(0) | 胸部X線道場