2014年05月31日

平成26年度FD研修会「少人数能動学習ワークショップ」

少し先の話ですが、表記の研修に参加させて頂くことになりました。これまであまりそういったFD研修会に参加する機会が少なかったもので、どのような感じになるのか分かりませんが、少人数能動学習がどうあるべきかを議論する場になるようですので、積極的に参加したいと思っています。


本学で現在行われている少人数能動学習、以前はチュートリアルという形で行われており、当科も症例問題の作成を行っていました。


当時の問題は現天理よろづ相談所病院のH先生が作成された名作問題で、レジオネラ肺炎を鑑別させるというものでした。



昨年からそれが新しくなり、症例が絞られた結果(8症例)、症例問題の担当を外れることになりました。チュートリアルの頃、チューターをやっていて、このカリキュラムの目指すところがイマイチ理解できていませんでした。


学生さんに能動的に学習してもらう、ということが主眼であったと思いますが、おそらく教員側の狙い(学習を深める?鑑別を広げる?)が達成されているようには見えない現場であったと記憶しています。



おそらくそういった声があったのでしょう。今回のワークショップでは、「滋賀医大の新PBLが、単なる病名当てクイズにならないようにするために、どうするか」がメインテーマとなっています。


PBLはそもそも、「臨床推論や鑑別診断に重点を置く、あるいは横断的領域の問題を扱う」ものでありますから、そこでどのようなシナリオを作るか、シナリオがきわめて重要でしょう。


私がいつも診断学やポリクリでやっているのがまさに臨床推論の進め方、でありますので、やはり鑑別診断の多い疾患の診断を問う、そんな問題を作成すればいいのではないかと思います。


PBLの進め方としては、まず問診(病歴)を見せて、そこでできる限り多くの鑑別診断を挙げさせる。そこが1回目。その鑑別診断の各々について、学生に1〜2疾患ずつ割り振って、以下のことを調べてきてもらいます。


@ 病歴上当てはまるポイント、当てはまらないポイントを挙げる。
A 身体所見はどのようなものが見られるハズであるか、予想して身体診察を行わなければならない。であるから、予想される身体所見を挙げる。できれば身体所見の感度、特異度、尤度比なども調べる。
B それらの検査を診断するためにオーダーすべき検査を挙げ、期待される検査結果を列記する。



2回目にはまず調べてきたことを発表。どの診断が妥当そうであるか討論します。
そして見られた身体所見を提示、確認し、鑑別を絞って検査をオーダーするところまで話し合います。かなり鑑別が絞れてきているはずですから、行う妥当性のある検査と、期待される結果、陽性確率と、陰性であった場合に考えるべきことなどを討論します。


そして、3回目までには以下のことを調べてきてもらいます。


@ 絞られた最終診断について、分類、合併症、診断確定後の治療などを考える。治療適応、どのような治療があるか、その妥当性を検証する。



3回目には答え合わせとなりますが、分類など疾患について掘り下げ、実際に行われた治療の検証も行います。



このように、PBLが臨床推論の奥深さ、面白さを伝えられるようにデザインできればいいなと思います。ただ、この場合、チューター(的な人)は、その分野の若手医師の方がいいような気がします(マンパワー的に厳しいかもしれませんが…)。むしろ若手医師にも臨床推論を学んでもらう機会になるのではないでしょうか。

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posted by 長尾大志 at 12:06 | Comment(0) | 活動報告

2014年05月25日

活動報告・細菌性肺炎の概要

医師臨床教育センター主催のイブニングセミナーという、主に初期研修医の先生方を対象にしたセミナーがあります。各科持ち回りで、その分野のトピックをお話しする、という感じのセミナーです。


昨年はお声がかからなかったのですが、今年はお声がかかりまして、細菌性肺炎に関するお話をすることになりました。まあ、イブニングセミナーでお話をしていなくても、研修医の先生にはこれまでも時間をとってお話をしていたわけですが、この1回で済むならばそれに越したことはありません。基礎知識を知っておいていただいて、ローテートで回って来られたときにはもう少し高度なお勉強をしていただけます。


最近カンファレンスや研修医教育をよりよく行うための勉強をしているのですが、もうこういう「ただの?知識を伝達する」手の教育は時代遅れ、みたいなことが言われているのですね。知識の伝達は本やなんかで十分習得可能で、研修や実習の「ナマの現場」でこそ習得できることを伝達するのが教員の役割である、と。


それ自体には同意するのですが、自分としてはただ、「知識の伝達」自体もこれまで工夫をしてきたものですから、そのパッケージを残しておきたい、ということは思うのです。その一環がこのブログであり、書籍である。これがある程度形になったことで、ようやく第2章というか、「知識を知っている前提」で役に立つ研修をできるのではないかと。


ですので第2章にはそろそろシフトしつつも、もう少し「知識のより効率的な伝達系」コンテンツを作っておきたいなと思っています。昨年いくつか作成した動画はその一環ですが、動画はなかなか満足のいくものができていないですね。やはり「しゃべり」のスキルがまだまだ。ということで、これからも講義等では収録をしつつのおしゃべりをさせていただくこともあるかと思います。どうぞご容赦のほど、お願い申し上げます。

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posted by 長尾大志 at 20:40 | Comment(0) | 活動報告

2014年05月24日

活動報告・静岡の医師会で講演

静岡のとある医師会で、ジェネラリストの先生方、若手の先生方に呼吸器疾患の知識を広く知って頂く4回シリーズ、早くも3回目となりました。


1回目の「咳の鑑別」2回目の「胸部X線写真」ときて、今回は「咳の鑑別のうち、胸部X線写真がものをいう疾患たち」をテーマにお送りしました。


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2回目同様、今回も録音して…と思っておりましたら、いきなりプロジェクターとの接続でトラブル発生!急遽主催者さんのPCを使って講演は事なきを得ましたが、録音ができませんでした…残念!次回は接続に気をつけねばなりません。


おまけに一時自分のPC自体が立ち上がらなくなる、ちょっと困った自体になりましたが、帰りの道中で何とか復旧し、ホッとしました。


講演自体は喜んで頂けたようで良かったです。終了時には若い先生から「この本ですごく助かっています」とサインを求めて頂き、お役に立っていることを実感できました。


好評のためか、4回シリーズ終了後も、さらにお呼び頂けることになりそうです。関係の先生方、本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。


とりあえずは、録音の予行をしっかりしておきましょう…。

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posted by 長尾大志 at 22:05 | Comment(0) | 活動報告

2014年05月18日

活動報告・松波総合病院での講演

昨日の講演では、呼吸器関連の、「病歴をとって、身体診察をして、検査を行う」診断過程を、特異的な病歴、所見を中心にお話しました。


本当であれば、身体診察の実技があってもよかったかもしれないのですが、とにかく、呼吸器疾患は病歴が結構特異的なものが多い。そのために、かな〜り病歴のお話が長くなってしまい、実技をやる時間がなくなってしまいました。


しかも時間を大幅に超過してしまいましたが、総合内科の若手の先生方、それに初期〜後期研修医の先生方に、まず病歴で鑑別を考え、次にその鑑別を考えて所見を予想しながら身体診察を行い、検査の適応と結果を予想しながら検査オーダー、という流れを体験していただけたと思います。


初期研修医の皆さんにいろいろな質問を投げかけ、双方向を意識して、いいお話ができたのではないかと自讃しています。


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講演の最後には優秀研修医の先生に著書贈呈。K先生、もう一人のK先生、これからも頑張ってください。


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最後に松波のMでポーズ。皆さん、ありがとうございました。

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posted by 長尾大志 at 14:34 | Comment(2) | 活動報告

2014年05月17日

活動報告・松波総合病院で講演

今日は岐阜の松波総合病院で、呼吸器疾患のプライマリ・ケアを中心にお話をさせていただきました。


ちょっと遅くなりましたので、取り急ぎ会場の様子など。


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posted by 長尾大志 at 23:32 | Comment(0) | 活動報告

2014年05月11日

活動報告・5月の予定

連休中しばらくお休みだった講演会がまた少し続きます。


来週の土曜日には岐阜の松波総合病院で、呼吸器疾患のプライマリ・ケアを中心にお話をさせていただきます。


総合内科の先生方を中心に、大変教育熱心な病院ですのでお声がけ頂いて光栄に思っています。common diseaseを中心に、主に診断過程のところで総合内科の先生に知っておいていただきたいこと、という感じでのお話をさせていただこうと思います。よろしくお願い申し上げます。



その次の週の水曜日には、以前から何度もお招きいただいている、静岡の医師会さんでの講演。1回目が咳の鑑別、2回目が胸部X線写真を見直す、ときて3回目の今回は、咳の鑑別に胸部X線写真をどう使うか、という実践的なお話になります。たぶんその次に抗菌薬のお話となるでしょう。いつも大変熱心に聴いていただいており、今回も楽しみです。



月末には当院の研修医の先生向け、イブニングセミナーです。お話になる先生方が大変多く、順番がなかなか回ってこないため、2年ぶりのイブニングセミナーです。まあ、イブニングセミナーがなくても、ローテーターの先生方には同じような話をしておりますので問題はありません。でもセミナーだと1回で済む?ので、それに越したことはないですね。ということで、肺炎の基礎知識をお話しておきます。

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posted by 長尾大志 at 18:44 | Comment(0) | 活動報告

2014年05月10日

活動報告・メディカ出版さんの「呼吸にまつわる基礎知識」セミナー

去る3月と4月に、メディカ出版さん主催のセミナーで「急性期・術後の管理に必要な呼吸にまつわる基礎知識」と題した講演をさせていただきました。


以前にもその時のことはご紹介しましたが、ありがたいことにかなり好評を頂いたそうで、再びセミナーを、しかも会場を増やしてご依頼いただけたのです。


先日メディカ出版の方とお話をさせていただいて、前回いただいたご意見で特に好評を頂いた項目に重点を置いてより深く、より広く、時間を掛けて学ぶプログラムになることが決まりました。ご期待ください。


日程は、

  • 10月18日(土) 神戸

  • 11月1日(土) 東京

  • 11月22日(土) 名古屋


  • です。詳細が決まりましたらまた告知させていただきますので、スケジュールを空けてお待ちください(笑)。

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    posted by 長尾大志 at 20:13 | Comment(0) | 活動報告

    2014年05月06日

    聴診でわかること

    X線写真ではなかなかわかりにくいことも、聴診だとわかる可能性があります。


    まず第一に、呼吸が通っているのか。もちろん、完全に気道が閉塞すると無気肺になりますから、それはX線写真もわかるでしょう。しかし、無気肺には至らないまでも結構気道が狭窄している、という段階だと、X線写真で見逃す可能性もあり、そんなときに聴診でrhonchiを聴取したら、「あれ?この辺の太い気管支が狭窄しているのか?痰がたまっているのか?」と思うわけです。


    それでまた胸部X線写真を見直して…ということができる。


    人工呼吸中で痰があるかもしれない、ということですと、その場ですぐに吸引をして、痰が除去できたかどうかをまた確認できる。


    末梢の気道に狭くなっているところがあるのか。すなわち喘息があるのかどうかは、聴診の役割が大きいところでしょう。もちろん呼吸機能、スパイロメトリーでもわかりますが、患者さんに負担なく何度も繰り返すことができるのがメリットです。


    間質の変化があるのかないのか。これもfine cracklesの感度が胸部X線写真を上回る、ということのようですし、特異度も高い。とっても大事な身体所見です。


    そんなわけでまだまだ大事な聴診について、もう少し掘り下げてみたいと思います。

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    posted by 長尾大志 at 16:09 | Comment(0) | 日記

    2014年05月05日

    活動報告・聴診についてご依頼

    この連休、ウチの家は皆さん里帰りで、一人でじっくりと仕事に取り組んでいます。が、主にやっているのはここには書けない仕事なので、書ける仕事のことを書きます。


    聴診についての講演と執筆の依頼を頂きました。そこで少しだけ聴診について考えてみたいと思います。


    まずは聴診とはなにか。呼吸に伴って気管支〜肺に空気が出入りする。その出入りに伴って発生する音を聴くわけです。その音によって、肺内部の様子を知ることができる。


    聴診のメリットはもちろん、タダ?で、しかも一瞬で肺の内部のことがある程度推測できる、ということでしょう。慣れてくるとある程度は胸部X線写真所見がこんな感じかな、ということがわかりますね。


    では聴診はX線の代わりなのか、というと、決してそうではありません。いやもちろんX線の代わりとしても大いに使えますし、日頃は若い人たちに、X線と聴診を対応させて理解するよう申し上げておりますが、それだけではないのです…。

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    posted by 長尾大志 at 21:12 | Comment(0) | 活動報告

    2014年05月04日

    育児は育自

    昨日は偉そうなことを書きましたが、私も全く人様のことを批判する資格はありません。むしろこれから、やってはいけないことを決してすまい、と考えている次第です。


    これまでの行いを省みても、ご多分に漏れず、「わからなきゃいいか」と思っていたところがありました。


    ところが子育てをすることで、やっぱり「子供には、親がやってはいけないことをしている様子を見せてはいけないなー」と思うようになり、行いを改めるようになった次第です。


    子供は親の言うことは全く聞きませんが、親のやっていることはことごとく真似をします。自分の口調、妻の口調は面白いぐらい真似をされているのです。そして振る舞いも。それに気づいたとき、子供に「いい行い」をさせようと思ったら、自分が「いい行い」をするのが一番の早道であるとわかったわけです。


    育児は育自とよく言ったもので、子育てが自分を育てることにつながる、子育てをしようと思えば自分を育てる必要がある、ということなのですね。


    まだまだ子育てにおいては、相手が理不尽な振る舞いを数多く行うものですから、こちらも感情的になることも多く、反省する日々です。ただ若手の育成ということでは、良い手本となるよう日々の言動、診療態度などを見直している次第です。

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    posted by 長尾大志 at 15:40 | Comment(0) | 子育て日記

    2014年05月03日

    コピペ・改変疑惑続々

    少し報道自体は沈静化してきた感のあるSTAP騒動。そのとばっちり?で、他の研究者の方々による論文にも画像改変とか何とか言われているようであります。


    以前に「コピペをするな」と書きました。もちろん件の論文がどうこう言う権利は私にはありませんが、もう一度若い人たち、いや、教員の方々も言っておきたいことは、「普段から、やってはいけないことをするな」ということ。


    ちょっとしたレポートだし、ここはコピペでいいか、とか、ちょっと見栄えをよくするために画像をいじって…とか、普段からやっていることは必ず癖になり、大切な時にも知らず知らずやってしまうものなのです。


    これからはコピペなどのチェックも厳しくなるでしょうから、一度そういうことが指摘されると、研究者人生は終わってしまうこともあるでしょう。


    これからの(これまでも?)日本の研究者の論文がコピペだらけ、となってしまうと、もう日本人が1st autherの論文は一流誌には読んでもらえなくなってしまうかもしれません。まあ、個々人が実績を作ればよいのですが。

    まあ、これまでも日本発の論文はアレなところがあったわけですが…


    ですから、日々の生活の些細なことから、やってはいけないことはしない、という意識で過ごす、こういう姿勢が大切。もっと言えば、かっこよく生きる。お天道様に恥じない生き方をするってことです。当たり前と言えば当たり前のことなんですが、実際なかなかできている人は少ないんじゃないでしょうか。


    こういうことを書くと思い出されるのがカナダで過ごした日々。あちらの皆さんはとにかく親切かつスマート。ウチは2歳児をつれての渡航でしたからベビーカーであちこちに行っておりましたが、スーパーでは皆さんドアを開けてくださる。バスではすぐに席を譲ってくださる。ちょっとしたことで声を掛けてくれて、子供の相手もしてくださる。それがまた自然なんですねー。


    ラスベガスで超人気のバフェに並んでいたら、めちゃお金持ちそうな紳士が、「子供がかわいそうだし、これで入りなさいよ」とVIP用の(すぐに入れる)優待券をくれた、これが欧米の文化なのか、「徳を積む」ということなのか、と印象に残った出来事でした。


    おそらく宗教を背景にした、そんな文化で生きているから、コソコソやってはいけないことをする、ということがないのかなと。徳を積んで天国に行く。悪いことをすると神様が見ている。それに対して日本というかアジアの文化は「見つからなきゃいい」的な文化なのかなあ、と思うこの頃です。

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    posted by 長尾大志 at 17:10 | Comment(0) | 教育理念・メッセージ