2014年06月18日

第83回日本呼吸器学会地方会「腫瘍3」セッション予習5

6月28日に開かれる第83回日本呼吸器学会近畿地方会、「腫瘍3」セッション予習の続きです。


■ 進行期胸部悪性腫瘍患者の薬剤投与量決定における日本人向けGFR推算値の実用性についての検討

概要
カルボプラチンの投与量決定に際してGFR値には24hrCcr値やCockcroft法による推算値を用いることが多いが、日本人向けGFR推算値(eGFR値)の実用性を検討した。60歳未満ではeGFR値と24hrCcr値の差はわずかであった。


所感
こちらも日々の疑問を、実際のデータで検証するという試みです。eGFRはCKDの時などに使われ、最近では検査結果のついでに出てくるようになって身近な存在ですが、薬剤の投与量などを決定する際には、24hrCcr値やCockcroft法による推算値を用いることになっています。そんなに違うものなのか?疑問でしたが、やはり全く同じように、というわけにはいかないようですね。


小柄な高齢者はeGFRが高く推算され、Cockcroft法はより加齢の影響を受けやすく、いずれも筋肉量が少ない=Creが低いと不正確になるようです。結局のところ、24hrCcr値を測定すべし、ということなのでしょうか。


最近腎機能低下時などにシスタチンCを測定されることもあるようですが、まだ確立されていると言いがたいようです。



■ 間質性肺炎合併の高齢者非小細胞肺癌に対するカルボプラチン+パクリタキセル療法の後ろ向き検討

概要
間質性肺疾患合併非小細胞肺癌に対して、しばしばカルボプラチン+パクリタキセル(CP)療法が用いられるが、高齢者に対してのプラチナ併用療法を検討した報告はほとんどない。


75歳以上高齢者11例の後ろ向き検討。奏効率54.5%、生存期間中央値8.2ヶ月、Grade 5の肺障害は1例に認めた。


所感
ウチでも間質性肺炎合併の高齢者非小細胞肺癌症例が多く、抗癌剤の選択に苦慮する場面は少なくありません。CP療法は比較的安全な印象がありますが、間質性肺炎の悪化がしばしば見られるのも紛れもない事実であります。また、しびれ(末梢神経障害)の問題もしばしば頭を悩ませます。


それでもやはりCPがベストなのか、このような症例に安全安心なレジメンは他にあるのか、考え討論できればと思います。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 17:32 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録