2015年09月29日

欧州呼吸器学会2015 in アムステルダム 3日目

昨日はbossに、発表の先生を元気づける会食をして頂きました。写真がないのが残念ですが、オランダというかヨーロッパを感じるお食事を頂きました。これで、G先生も勇気100倍でしょう。


昨日のシンポジウムなど、なかなか目新しい内容が多かったのですが、自分の中で消化し切れていないので、まとまったらまたアウトプット出来るかもしれません。とりあえず、ACOS反対派の先生がいることがわかってホッとしました。


今日は空き時間を利用して課外活動。来てよかったです。

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posted by 長尾大志 at 03:42 | Comment(0) | やさしイイ血ガス・呼吸管理

2015年09月28日

欧州呼吸器学会2015 in アムステルダム 2日目

到着したのは昨日の夕方、無事に到着しました。ホテルは間際に取ったため市内が取れず、空港内のホテルでしたので、昨日は発表する先生を市内のホテルに送り届けて、軽食を食べたら時差ぼけ対策で早じまいしました。思いの外スンナリ事が運んで、ホッとしております。


そういうわけで今日からの学会参加です。いやあやっぱりたまには学会に参加しないと、って感じです。世の中進んでますねえ。


情弱のため写真がup出来ませんが、また帰国したらupします。とりあえず無事のご報告まで。

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posted by 長尾大志 at 06:00 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2015年09月25日

欧州呼吸器学会2015 in アムステルダム

大学にいながら、研究にはとんと縁のない私ですが、明日から欧州呼吸器学会2015に参加するため、オランダに行って参ります。


今回は大学院生が発表するのに付き添いであります。普段であればボスが付き添いなのですが、ボスがどんどん偉くなって、いろいろな会議に参加する必要があり、付き添いが難しいとのことで何故か私が行くことになりました。


海外渡航自体、2008年の欧州呼吸器学会以来7年ぶりですので、すっかりいろいろなことを忘れていて、何かとんでもない忘れ物をしそうで怖いです。英語もヤバいですね。


そんなわけで数日前からテンパっており、仕事が手につきません。また、情弱なものですから、学会のプログラムや段取りへのアクセスがうまくいかず、不安を抱えての渡航となります。どうか明日以降の更新には期待なさらないで下さい。ネット接続が出来るのかどうか…??

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posted by 長尾大志 at 11:41 | Comment(0) | 活動報告

2015年09月24日

NPPVについて10・NPPVの設定2

PaO2に関わる項目は、FIO2と肺胞の数(≒PEEP圧)でしたね。


FIO2はBiPAP Visionレジスタードマーク・V60レジスタードマークですと設定で決めることが出来ますが、簡易式のNIPネーザルレジスタードマークなどでは最初に決めることは出来ず、酸素流量を決めてモニターしていく形になります。まあ簡易式を使う、という場面では、厳密なFIO2の設定は必要ない、という感じでしょう。簡易式の出番は換気の補助がメインになることが多いように思われます。



PEEP圧=EPAP圧です。標準的には4cmH2Oから開始します。特に簡易式であれば、あまりEPAP圧を上げる場面はないでしょう。COPDでオートPEEPが高い、そのような場合にはトリガーの同調がうまくいきませんので、もう少しEPAPを上げる必要があるかもしれません。


もちろん昨今決して少なくない、睡眠時無呼吸症候群を合併したりしている方では、EPAPを上げる必要があるでしょうが、COPDや肺結核後遺症などによるU型呼吸不全症例では、それほど高いEPAPは必要ないでしょう。


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posted by 長尾大志 at 19:28 | Comment(0) | やさしイイ血ガス・呼吸管理

2015年09月23日

告知。呼吸器学会主催、呼吸器スキルアップセミナー in OSAKA 2015

告知です。呼吸器学会主催、毎年好評の実習形式のスキルアップセミナーにまたもや登壇します。今回は胸部画像。ということは、昨日書いたケアネットさんからインスピレーションを頂いた?、新しい構成のアレをやってみるチャンスですね。これは楽しみです。


参加は事前登録制です。例年満員となりますので、お早めの参加登録をおすすめいたします。懇親会も昨年はいい感じで、書籍を持参頂いた方にサインしたりして、楽しく過ごしました。滋賀からはちょっと遠いですけど、大阪や京都の方はいいんじゃないでしょうか。


日時  2015年11月7日(土) 14時〜17時(懇親会 17時〜19時)

会場  TKPガーデンシティ大阪梅田(各線大阪・梅田駅、福島駅から徒歩)

参加対象
前期・後期研修医、および医学生(5、6年生)
育児休業・産前産後休業から復職する医師

参加費 無料 ※事前登録制

定員  100名(先着順) ※定員に達し次第、受付を締め切ります。

申込方法
氏名、所属(所属施設、所属科、学生の場合は学年)、懇親会の参加・不参加、連絡先E-mail、電話番号を明記の上、メールアドレスあるいはFAXにてお申し込みください。
申込先 E-mail:jrskinki@adfukuda.jp FAX:06-6231-2805


詳しくは、http://plaza.umin.ac.jp/~kinki/forum.htmlをご覧下さい。

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posted by 長尾大志 at 11:47 | Comment(0) | 活動報告

2015年09月22日

水泳大会

連休ぼけで、というか、連日子供の相手であまり書くネタもないので、今日の活動から。


とある大会にとある縁で参加してきました。参加者が少なくて、症状、じゃなくて賞状を頂きました。


syoujou.jpg

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posted by 長尾大志 at 20:40 | Comment(0) | 日記

2015年09月21日

NPPVについて9・NPPVの設定

今日はお彼岸で妻子は実家へ。私は原稿など進めるために大学へ。というわけで比較的一般的なbilevel positive airway pressureのBIPAPにおける、設定項目についてボチボチ取り上げます。


まあ、基本的な考え方はIPPVと同じですから、基本がわかっていればそれほど難しくありません。


主に設定する項目は、PaCO2に関わる、換気量を決める項目(呼吸回数、1回換気量←【IPAP圧−EPAP圧=PS圧】)、それとPaO2に関わる、PEEP=EPAP圧とFIO2です。


換気量を決める項目では、まずモード(S、S/T、T)を決めます。まずはバックアップがあって自発呼吸を活かすS/Tモードが、無理なく導入できるということで使われることが多いですが、CO2蓄積のあるU型呼吸不全では、Tモードで完全に器械に乗せてしまう方が呼吸筋の休息によいといわれていて、そういう場合にはTモードを使うことも増えています。


呼吸回数は、S/Tモードの場合、自発呼吸よりも2回ぐらい少なめに設定して、患者さんが無理やり感を受けないようにしますが、Tモードのときは、自発が出る余地がないくらいに多め(20回以上)に換気するのがよいようです。


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posted by 長尾大志 at 19:35 | Comment(0) | やさしイイ血ガス・呼吸管理

2015年09月20日

告知・ケアネットさん再び

金曜日、ケアネットの方とミーティングがありまして、年末〜年始に番組の収録を行うことになりました。次のテーマは「胸部画像」であります。


ケアネットさんにおいて、胸部画像の番組はこれまでにもたくさんありましたが、これまでにない番組を作りたい、というプロデューサーさんといろいろとお話、ディスカッションをさせて頂いて、自分がこれまでにやってきたやり方とがらっと変えた、より実践的な構成を構想できました。


これまでのアプローチとは違う、実践的な胸部画像の読み方を提案できる、そんな構成です。これは楽しくなる、そう確信しています。今からワクワク一人盛り上がっております。収録が楽しみですが、まだ公開は先になりそうです。もう少しお待ち下さい。

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posted by 長尾大志 at 20:41 | Comment(0) | 活動報告

2015年09月19日

告知・ケアネットさんの症例検討会 第3回公開中

春から始まっております、ケアネットさんでの連載企画〔Dr.長尾の症候から学ぶ呼吸器教室〕、第3回目が公開されておりますのでお知らせします。


〔Dr.長尾の症候から学ぶ呼吸器教室〕
http://med.carenet.com/confe2/nagao003/shourei.asp?page=shoureiJouhou&SID=#tab


ちなみに、第1回はこちら→
http://med.carenet.com/confe2/nagao001/shourei.asp?page=shoureiJouhou&SID=#tab


第2回はこちら→
http://med.carenet.com/confe2/nagao002/shourei.asp?page=shoureiJouhou&SID=#tab


第1回、第2回の流れで今回はこの疾患を取り上げました。キーワードだけだと同じような疾患を想起しがちですが、日常臨床における、ここからの鑑別力をつけて頂けるような症例となっております。


先生方の回答を拝見しておりますと、出題の狙い通り、といいますか、もちろん正解、不正解はありますが、こういうところに気をつけて考えて頂きたい、というポイントをきちんとおさえて頂いていて、よかったです。是非多くの先生方にご参加頂きたいと思います。

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posted by 長尾大志 at 13:05 | Comment(0) | 活動報告

2015年09月18日

NPPVについて8・もう一つのBIPAP

ややこしいことに、換気モードであるBIPAPにはもう一つの意味があります。これは書くべきかどうか迷ったのですが、やはり混同されることもあろうかと思い、書いておきます。


biphasic positive airway pressure、こちらはIPPVにおけるモードとなり、CPAPモード(自発呼吸のあるとき)の、CPAPが2相性(biphasic)になっているものです。本来CPAPはcontinuous positive airway pressure、つまりずっと持続的に陽圧をかける、というのが原義ですが、高いCPAP(自発あり)と低いCPAP(ここでも自発あり)の2相を定期的に切り替えて、各々の相で自発呼吸をする、というコンセプトになります。


そもそもやっていることはPCVと同じなのですが、PCVで自発が出ても無視?されるのに対して、自発を許容してCPAPみたいに呼吸をさせてくれる点が異なります。


血ガス呼吸管理図スライド168.jpg


人工呼吸導入時には自発が荒く頻呼吸で、PCVだとファイティングが起こったり、深い鎮静が必要になったりしがちですが、自発が自由に出来るので乗りやすいといわれています。それでいて、高い圧←→低い圧の行き来で大きく換気をされているので、換気量も確実に確保することが出来る、というものです。


ただまあ、明らかに他のモードに比べてメリットがある、エビデンスがある、というものでもありませんし、ややこしいので、bilevelの方をしっかり理解しておけばいいでしょう。


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posted by 長尾大志 at 17:29 | Comment(0) | やさしイイ血ガス・呼吸管理

2015年09月17日

NPPVについて7・換気モード

NPPV専用機では、呼吸の回数を決める設定も少し独特です。


患者さんの自発呼吸にあわせて換気補助をするモードと、器械が回数やタイミングを決めて換気を行うものとがあるのです。


  • Sモード

  • S/Tモード

  • Tモード

  • CPAPモード




■ S(spontaneous)モード

患者さんの自発呼吸に合わせて圧をかけます。吸気時間、呼気時間、呼吸回数いずれも患者さんが決めます。基本的に息を吸っている間IPAPをかけ、息を吐いている時間はEPAPにする、と理解しておけばいいでしょう。


IPPVでいいますとCPAP+PSV、にあたるモードになると思います。



■ T(timed)モード

吸気、呼気のタイミング、時間、それに呼吸回数を器械に任せてしまうモードです。呼吸数、吸気時間・吸気率(%)を設定して、患者さんは器械の送気にあわせて呼吸をします。IPPVでは調節呼吸、CMVにあたります。



■ S/Tモード

SモードとTモードのいいとこ取り、といいますかミックスといいますか、基本はSモードで自発にあわせて圧補助をしているわけですが、設定した時間内に自発呼吸がない場合にバックアップ呼吸を行うもので、基本はSでバックアップにT、という感じです。


SIMV+PSVに似ている、と思われるかもしれませんが、SIMVは自発があっても入ってくるので異なります。あくまでこちらのTはバックアップであることを理解しましょう。



■ CPAPモード

これはIPPVのCPAPモードと同じです。常に一定の圧をかけておくものです。NPPVでは、睡眠時無呼吸(SAS)でおなじみです。常に圧をかけて上気道の閉塞を防ぐ、ということですね。


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posted by 長尾大志 at 18:43 | Comment(0) | やさしイイ血ガス・呼吸管理

2015年09月16日

NPPVについて6・BiPAPとBIPAP

以前にも書きましたが(NPPVの始まりのところで)、この領域は方式・設定の名称と商標の名称がごっちゃになっているので大変ややこしいものです。


次から次へと新しい、改良された商品が出てきて、その商品に、アドバンテージを訴求する、優れた方式・設定を思わせる名称をつけてしまっているところがその所以でしょう。


新しい器械を導入するたびに、新名称の新機能が追加されている。


常に最新鋭機に触れていればどんどん知識がアップデートされるかもしれませんが、施設によって、部署によって、必ずしもそういうわけにはいかないでしょう。久しぶりに見たら、何かわけがわからなくなっていた、とお困りの方も多いかもしれません。それでも、基礎がわかっていれば、名称の理解だけで何とかなるのも事実です。



BiPAPとBIPAPも、「どこが違うの?」と思われがちな用語です。BiPAP(iが小文字)は前回紹介した、BiPAP Visionレジスタードマークに使われている名称で、商標名(商品名?)です。BIPAP(Iが大文字)は、換気モードの呼び方で、bilevel PAPとも呼ばれていました。


BIPAPにも微妙に異なる2つのニュアンスがあって、bilevel positive airway pressureであったりbiphasic positive airway pressureであったりしますが、理解しやすい方、簡単な方から説明しましょう。


bilevel、つまり2つレベルがあるということは、高い圧と低い圧の2つです。高い圧がかかっているときに息を吸って、圧が低くなったときに息を吐く、という感じで、呼吸のサポートになるわけです。それで、高いときの圧をIPAP(inspiratory positive airway pressure:吸気圧)、低いときの圧をEPAP(expiratory positive airway pressure:呼気圧)と呼びます。あらっぽく書くと、こんな感じの圧波形がかかっています。


血ガス呼吸管理図スライド166.jpg


あくまでもこのモードは自発呼吸をサポートするモードでありますから、PEEP+PCVとは異なるのですが、全体的な圧波形のイメージはPEEP+PCVとよく似ています。PEEP=EPAP、PEEP+PCV=IPAP、みたいな感じです。そう考えて頂くと理解しやすいと思います。自発呼吸に圧をかける、という意味ではPSVと考える方がわかりやすいかもしれません。


血ガス呼吸管理図スライド167.jpg


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posted by 長尾大志 at 19:05 | Comment(0) | やさしイイ血ガス・呼吸管理

2015年09月15日

NPPVについて5・NPPVを行う器械

一口にNPPVといっても、人によっては思い浮かべる器械が違うのではないでしょうか。


というのも、急性期疾患を取り扱う方と、慢性期の病棟の方は見ている器械が違うと思われるのです。もちろん「呼吸器病棟」にお勤めだとどちらもご覧になっているでしょうが…。




1つはBiPAP Vision・V60(専用機)を用いて行うもので、言ってみれば挿管でやっていたことをマスクに置き換えたもの、と考えるのが最も理解しやすいと思います。空気を酸素と混ぜて送り込みまして、FIO2もきちんと決まります。こちらが急性期に使われるものです。


ただ呼気側の回路がなくて、吐いた息はマスクに空いた孔から出て行くので、そこが挿管の場合と異なります。また、設定も独特の言葉があるので、知らない方は戸惑うかもしれません。でもこれまでに学んだこととある程度対応していますから、きちんと知っておけば大丈夫です。



もう1つは主に慢性のU型呼吸不全症例に対する在宅人工呼吸用に使われるもので、もう少し器械が簡易型になります。NIPネーザルなどが有名です。こちらはFIO2を上げようとすると、酸素チューブを直接マスクや本体につなげて投与する形になり、FIO2自体、キッチリとは決まりません。鼻カニューレやシンプルマスクと同様に、呼吸様式、換気量などによって変わってきます。


こちらはあくまで簡易型で、換気の補助をする、という位置づけで考えて頂くといいと思います。それゆえ酸素に関してはキッチリ決められるものではないということです。


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posted by 長尾大志 at 19:35 | Comment(0) | やさしイイ血ガス・呼吸管理

2015年09月14日

NPPVについて4・NPPVの適応と禁忌

NPPVは人工換気ですから、適応となるのはCO2を減らしたいとき、U型呼吸不全がまずあります。それから、O2投与だけ足りずPEEPを掛けたいT型呼吸不全も適応になります。それ以外のものもあわせて列挙しますと…。


NPPVの適応疾患

  • U型呼吸不全:COPDの増悪時、喘息の重積発作時、神経筋疾患

  • T型呼吸不全:急性心原性肺水腫、ARDS

  • 抜管後の呼吸障害、呼吸器離脱困難時など

  • 免疫不全患者の呼吸不全



NPPVが禁忌とされる病態

絶対禁忌
  • 呼吸停止

  • マスク装着が出来ない(外傷や頭部・顔面の解剖学的理由による)



相対禁忌

  • 意識障害、昏睡

  • 興奮状態、治療に非協力的

  • 循環動態が不安定

  • 多臓器障害

  • 分泌物が多量である

  • 最近顔面・上気道・食道・胃の手術歴あり

  • 気胸の存在(ドレナージしていない)

  • 誤嚥・嚥下機能障害



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posted by 長尾大志 at 18:50 | Comment(0) | やさしイイ血ガス・呼吸管理

2015年09月13日

『呼吸器内科 ただいま診断中!』の裏?テーマ

この本(の原稿)を書き始めたときの、最初の動機は、「最近の若い先生方、学生さんの『検査至上主義』の考え方を少しでも改められないか」というものでした。


以前にも書きましたが、呼吸器内科の魅力って何だろうか、と考えに考えていたときに、その一つに「プライマリ・ケアへの親和性」があったのです。ところがこれが『検査至上主義』とは相容れない。


理想的な呼吸器内科専門医は、「プライマリから高度の専門的治療、そして看取りまで、幅広く患者さんの全て、人生に深く関わることのできる能力」をもつ、そう考えて今の若い人たちを観察すると、特に入院患者さんを通して、後半の能力については養うことができるのですが、前半の『プライマリ』の部分を養うことができる機会が乏しいのではないか、そのような印象を持っていたのです。


それは自分の弱点でもありました。自分の若い頃を思い出して、なかなか診断学を、特に病歴〜身体診察を大切にして学ぶ機会が少なかった。大学でそういうことを教えなければならない立場になって、大いに自省を込めて勉強を始めたときに、総合診療の先生方とご一緒する機会に恵まれたのは幸いなことでした。総合診療の先生方は病歴を本当に大事にされる。そして身体所見も丁寧にとられます。


そこで勉強したことを踏まえて、若い人たちに、「なるべく病歴〜身体所見で鑑別を絞り込み、その後検査で確認する」道筋を見ていただくために、本の構成を決めたのです。


ですから、ベテランの先生方、総合診療畑の先生方にとっては、当たり前のことをくどくどと書いているように見えるかもしれません。この、ベテランの先生方にとっての「当たり前」を若い先生方の「当たり前」にしたい、そういう動機で始めていますから、前半の二章、特にプライマリに近い疾患に力が入っています。


それでいて、検査を用いないと診断ができない疾患も当然ありますから、そのあたりは後半でカバーしている、という感じですね。ですからきっとamazonのレビューには、ベテランの先生から「当たり前の内容で目新しいことはない」みたいな書評が書かれるのだと思います。まあ、レビューで(私の意図しているところとは見当違いな感じで)クソミソに書かれるのはもう慣れっこになっていますからいいのですが…。

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posted by 長尾大志 at 13:35 | Comment(0) | 活動報告

2015年09月12日

告知

というわけで、いよいよ著書第3弾『呼吸器内科 ただいま診断中!』発売決定しましたので、告知させて頂きます。


発売日は9月30日です。東京都内の医学書専門店などには、早ければ9月29日に並ぶかも知れません。全国の大型書店に配本が揃うのは、そこから1週間ほどかかりますので、10月7日ごろまでには…ということになりそうです。

amazonでの取り扱い開始は10月6日からだそうです


以下、amazonページからの引用です。

滋賀医大ベストティーチャーの長尾大志先生が正しい診断を導くためのノウハウを惜しげもなく伝授してくれる.本書最大の特長は,病歴〜身体所見〜検査〜診断というエキスパートの思考プロセスを追体験しながら読み進めるゲームブック形式になっていること.パソコンにオペレーティング・システム(OS)をインストールするように基本的思考回路をインプットして“正しい診断"への道筋を手に入れよう!!

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posted by 長尾大志 at 10:45 | Comment(0) | 活動報告

2015年09月11日

NPPVについて3・IPPVとの違い

NPPVはかなり普及してきていますから、実際に患者さんが装着しているところをご覧になる機会は増えていると思います。一度でもご覧になるとおわかりだと思いますが、NPPVはIPPVに比べて、いろいろとメリットがあります。


  • 名前が「非侵襲的」というぐらいであり、侵襲が少ない。

  • マスクの装着で導入できるので、手技が容易・簡便である。

  • 容易ゆえに開始のハードルが低く、早期に導入できる。

  • 挿管の手間なく気軽にon-offできる。

  • 侵襲が少ないので鎮静をかける必要が無い。

  • 管が入らないので気道損傷・口腔内損傷がない。

  • 鎮静をかけないのでコミュニケーションが取りやすい。

  • 鎮静をかけないのでリハビリを継続できる。

  • 飲食可能である。

  • 医療費の面でIPPVより有利。

  • そして、なにより人工呼吸器関連肺炎(ventilator associated pneumonia:VAP)のリスクが少ない。



最後の項目。挿管チューブを入れると、口腔内と気管内がツーツーになります。口腔内の常在菌がチューブに沿って気管内に流れ込んできます。そして肺炎(VAP)の元になるのです。


血ガス呼吸管理図スライド164.jpg


カフがあるじゃないか!と思われるかもしれませんが、あんなすき間だらけのものでは気管内に細菌が流れ込んでくるのを防ぐことは出来ません。


血ガス呼吸管理図スライド165.jpg


NPPVのデメリットはその裏返しです。NPPVは気管内にチューブを入れないので、気道確保がなされません。舌根沈下してしまうとアウトであります。停止している呼吸を再開させるということも出来ません。自発呼吸に器械を乗せる感じの換気ですからそれ以外にもいろいろあります。下に列挙してみます。


  • 本人の理解や協力が必須で、抵抗があると導入困難である。

  • どうしても覚醒状態で器械の呼吸と患者さんの呼吸が合わない場合がある。

  • 簡単に吸痰できないので、気道内分泌物の多い患者には使いづらい。

  • 舌根沈下(意識障害)や呼吸停止時には気道が閉塞し呼吸できない

  • 顔面の形状、サイズによって、また胃管などによってマスクがフィットしない。

  • マスクの圧迫によってびらんや潰瘍ができる。

  • 呑気により腹部膨満が生じる。

  • 重症度が過少評価されがちである。

  • 常にリークが存在するため…

    気道内圧をあまり上げられない。

  • 換気量のモニターが不正確。




というわけで、これらの特徴を頭に入れておくと、NPPV適応となる条件が決まってきますね。


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posted by 長尾大志 at 16:31 | Comment(0) | やさしイイ血ガス・呼吸管理

2015年09月10日

NPPVについて2・NPPVでやっていること

NPPVを行うには、NPPV専用の器械を使う場合と、一般の人工呼吸器にマスクをつけてNPPVに適用する場合とがありますが、一般の呼吸器を適用する場合はIPPVと同じような理屈になりますから、ここではちょっと独特な、NPPV専用機を使うときの様子を説明します。


NPPV専用機では、人工呼吸器からマスクにやってくる回路は一本道です。マスクに孔があいていて常にリークというか空気が漏れており、呼気はそこから出ていくようになっています。


代表的な専用機であるBiPAP Visionレジスタードマークでは、酸素と空気を然るべき割合でブレンドし、FIO2の定まった混合気を送り込みます。


血ガス呼吸管理図スライド159.jpg


一般的な人工呼吸器同様、吸気のときには陽圧を掛けて一本道から混合気を送り込み…。


血ガス呼吸管理図スライド160.jpg


吸気が終わると圧がストップして…。


血ガス呼吸管理図スライド161.jpg


呼気相になるとマスクの孔から呼気がどんどん出ていきます。で、肺が縮んでいきます。


血ガス呼吸管理図スライド162.jpg


血ガス呼吸管理図スライド163.jpg


今日は一から書き直したので時間がなくなりました…。また書き直すかも。


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posted by 長尾大志 at 19:39 | Comment(0) | やさしイイ血ガス・呼吸管理

2015年09月09日

NPPVについて1

胸部X線写真を一旦締めて、久しぶりに人工呼吸のテーマに帰って参りました。


人工呼吸も一通りのことは書いたつもりでありましたが、しばらく離れていると、書けていなかったこと、抜けていることが見えてきます。そのうちの一つがNPPVについてですので、これからNPPVについて説明していこうと思います。


とはいえ、NPPVについては、原理の名前と商品名がしばしばごっちゃになりがちで、今何の話をしているかをいちいちしっかりとおさえておく必要があります。ここでは自分の理解を整理することも兼ねて、基本事項から一つ一つおさえていこうと思いますが、できる限り混乱を防ぐために、あえて取り上げるモード、器械を絞ります。


技術革新、進歩の早い人工呼吸器業界ではどんどん新しいモードが出てきますが、それはマニアの方にお任せして(;゚Д゚)、基本をガッチリとおさえることを重視して、お話を進めていきたいと思います。



まず用語ですが、NPPVというのはnon-invasive positive pressure ventilation:非侵襲的陽圧換気のことで、平たく言うと挿管や気管切開といった侵襲的換気をせずに人工換気を行うことを指します。それに対して侵襲的な陽圧換気をinvasive positive pressure ventilation:IPPVといいます。
IPPVは元々人工呼吸器の動作モードの略称でもありましたが、ややこしいのでここではこれだけを取り上げます。


NPPVと紛らわしいのがNIPPV、NIP、NIVという言葉です。NIPPVはまさにnon-invasive positive pressure ventilationで、一昔前に使われていた略称ですが、日本では呼吸器学会のガイドラインをはじめ、最近はNPPVに統一されてきているようです。どうやらNPPVが米国、NIPPVは欧州で使われている用語のようで、ここでもか、という感じですが、まあ日本では”NPPV”を使えばいいと思います。


NIPというのは、NIPPVにちなんで?つけた名称で、帝人の取り扱っているポータブル人工呼吸器の名称です。正式にはNIPネーザルレジスタードマークといいます。これは商品名ですので混同しないようにしましょう。


あと、NIV(non-invasive ventilation)は陽圧でない換気も含む概念ですが、陽圧でない人工換気はまだまだ一般的ではないのでここでは取り上げません。



ということで、気管内にチューブを入れずに≒鼻マスクや顔マスクを用いて人工換気をする、NPPVについて学んで参りましょう。


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posted by 長尾大志 at 18:06 | Comment(0) | やさしイイ血ガス・呼吸管理

2015年09月08日

胸部X線写真 各論18・胸水と無気肺

そろそろ胸部X線写真について、締めに入りますが、締める前に読者の方からのご質問にお答えします。流れのいいところで…と思っていましたが、結局最後になってしまいました。


(ご質問ここから)

ICUに勤務し、無気肺と胸水のCTによる違いは高吸収域と低吸収域の差だと思うんですが、様々な放射線や呼吸器の専門書から明確な見方についてはないので、是非読影画像とともに御教授して頂きたいと思います

………


私も無気肺と胸水の違いを知りたいです。ぜひお願いいたします!

(引用ここまで)

なるほど。無気肺と胸水ですか。高吸収域と低吸収域の違いも含め、説明が必要かもしれませんね。といっても理屈はシンプルです。



胸水が多量になってくると、肺が圧されてつぶれ、空気が抜けて無気肺になります。普通の無気肺(気管支が閉塞して生じるやつ)とは成り立ちが異なり、これを圧迫性無気肺とか受動無気肺といいます。


スライド74.JPG


原因がどうであっても無気肺は空気が抜けた肺ですから、普通の肺よりは密度が大きくなります。結果、X線写真やCTでは無気肺エリアが白っぽく見えてくるのです。


普通の無気肺と圧迫性無気肺との違いを区別するポイントは、胸水があるかないかです。普通の無気肺は気管支内の病変で起こりますから、病変がそこだけにある場合には胸水はでません。それに対して圧迫性無気肺は胸水の存在が必須です。もちろん、普通の無気肺+胸膜播種があって胸水も生じている、という場合には区別はできませんが…。


単純X線写真ではつぶれた肺の濃度と胸水の濃度は区別が出来ず、一体となって見えます。


スライド75.JPG


スライド76.JPG


この辺がつぶれた肺のハズですが、胸水とは一体化して見えます。



CTでは無気肺部分と周りの胸水との若干の濃度差を描出できますので、区別はなんとか出来ます。胸水は胸壁側に存在するべたっと均一な濃度のエリアであって、その中枢側にあるのが肺≒無気肺です。無気肺部分には気管支内の空気が見えることも多いです。


スライド77.JPG


スライド78.JPG


造影剤を使用すると、血流の豊富な肺は造影されますが胸水(血流がない)は造影されず、はっきりと区別が出来るようになります。


スライド79.JPG




ご質問で気になったのは高吸収域と低吸収域という用語です。ちょっと確認しておきましょう。


定義としては、通常の肺の濃度よりも白っぽくなるものを高吸収域といいます。肺よりも密度が大きく、X線が多く吸収されてしまうからこの名前になります。


そして、通常の肺の密度よりも小さくて(空気成分に近くて・例:COPD)、X線の吸収が少なく、結果肺よりも黒く写ってくるところを低吸収域と言います。ですから、白い影が高吸収域、肺よりも黒いところが低吸収域です。


ナースのための胸部X線道場

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posted by 長尾大志 at 12:00 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場