2015年11月30日

そもそも肺とは、呼吸とは何か4

安静時には横隔膜の動きは1cm程度で、その程度の動きで1回換気量の約500mL分、肺の容量が変わります。


労作時など、大きく呼吸をするときには、肋間筋や胸鎖乳突筋など、他の呼吸筋が動き出して、胸郭を大きく動かします。その様子は視診で見ることが出来ますし、両手を胸郭において触診でも感じることが出来ます。


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横隔膜の動きが妨げられると、呼吸補助筋が頑張ります。例えば、COPDのときには、肺が大きくなって横隔膜が平低化します。すると横隔膜があまり上下しなくなり、肺に出入りする空気の量が少なくなってしまいます。


それでは困るので、胸鎖乳突筋を使って胸郭を上に引っ張り、換気量を保つよう頑張っているのです。結果、胸鎖乳突筋が発達して、頸部を見たときにかなり目立ちます。


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この所見は(特に重症の)COPD患者さんの診断に重要です。


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posted by 長尾大志 at 18:39 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2015年11月29日

何も書くことができない1日

今日は1日、家族サービスという名の修行をしておりました。何もしていない疲労感。


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posted by 長尾大志 at 23:25 | Comment(0) | 日記

2015年11月28日

徳島県板野郡医師会学術講演会でお話をさせて頂きました。

昨日は徳島県板野郡の医師会さんで、「胸部X線写真」のお話をさせて頂きました。考えてみれば徳島県は初上陸。淡路島も(通過しただけですが)初上陸、ということになります。


当然、明石海峡大橋も、大鳴門橋も初渡り、ということでした。


DSC_0001.JPG


とはいっても、往きは日暮れ時だったので、あまり何も見えませんでしたが、帰りは橋や渦潮がよく見えて、観光気分を味わえました。


医師会さんの主催で開業医の先生方がお越しになる、と伺っておりましたので、そのつもりで準備をしておりましたが、いざ本番になってみると、病院の先生方、呼吸器の先生方も多数来られていました。


そのためその場で軌道修正をしながらのお話となり、それでいて配付資料から逸脱するわけにもいかず。チョットお話が中途半端になってしまった感が。少し反省です。

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posted by 長尾大志 at 14:47 | Comment(0) | 活動報告

2015年11月27日

そもそも肺とは、呼吸とは何か3

肺そのものは勝手に伸び縮みしません。そのために、肺を動かす巧妙な仕組みがヒト(動物)には備わっています。その仕組みとは、肺が入っているスペース(胸腔)を大きくしたり小さくしたりすることで肺(肺胞)を伸び縮みさせる、というものです。


肺胞は小さな袋ですが、その壁(肺胞壁)には弾性線維という、いわばゴムみたいな線維が含まれていて、本来の肺はかなり小さいものです。それを胸腔内ではかなりフン伸ばして、真空パック状態で、胸壁に密着させています。それで、胸壁の動きによって肺が伸びたり縮んだりするわけです。


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通常肺はかなりフン伸ばされていますから、常に縮もう縮もうとしています。手術で切除した肺や、気胸で空気が漏れた肺を思い浮かべて頂くと、通常よりもかなり縮んだ状態なのです。


通常は吸気時には胸壁を外側に動かして肺を引き延ばし、呼気時には胸壁の力を緩めて、肺の持っている縮む力で縮ませています。


スライド4.JPG


実際には、健常時の安静呼吸においては、主に横隔膜が動くことで肺を伸ばしています。横隔膜は大きな膜状の筋肉で、横から見ると図のように上向きにたわんでいて、収縮することでまっすぐに近くなり、下方に下がります。それで胸腔が拡がり、肺が引っ張られて伸びるのです。


スライド5.JPG


息を吐くときには、横隔膜を弛緩させます。こうやって肺が膨らみ、しぼむ、その大きさの差分だけ空気が出入りします。


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posted by 長尾大志 at 13:01 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2015年11月26日

そもそも肺とは、呼吸とは何か2

空気と血管(血液)が接触しているところでは、酸素の濃度が高くて二酸化炭素濃度が低い肺胞内の空気と、酸素濃度が低くて二酸化炭素濃度が高い血液(静脈血)が接触し、濃度の高い方から低い方へと気体分子が移動する、拡散が起こります。


肺胞でガス交換が行われた血液は、酸素濃度が高く、二酸化炭素濃度が低い動脈血になり、その動脈血が酸素を運搬して、体中の組織に分配します。


図スライド2.jpg


肺胞内の空気と血液の間のガス交換(外界と血液とで行われる呼吸)を外呼吸といい、血液と組織の間のガス交換(体内での呼吸)を内呼吸といいます。


一般的に『呼吸』といいますと、私たちが観察できる外呼吸のことを指すことが多いです。


外呼吸は、肺(肺胞)を伸び縮みさせて、肺(肺胞)に空気を入れたり出したりすることで行います。


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posted by 長尾大志 at 19:10 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2015年11月25日

新展開?復習?呼吸の基礎事項

『やさしイイ血ガス・呼吸管理』については、だいぶ書き尽くしてきた感があります。ずいぶんわかりやすいものになる予定ですが、ちょっとここで、他に頂いているオファーに向けて、呼吸の基礎事項を今一度まとめてみることにします。



そもそも肺とは、呼吸とは何か

肺は呼吸をするところです。呼吸とは大気から酸素を体内に取り込んで、体内で出来た二酸化炭素と交換(ガス交換)し、二酸化炭素を排出する行為です。


肺は何をしているのか。シンプルにいいますと、空気と血管(血液)を広範囲で接触させて、ガス交換をしているのです。


ヒトの脳は大変精密で、その活動には大量に酸素を必要とします。ヒトの脳の発達を支えながら、肺も発達を遂げてきました。そもそも肺の原型は魚類〜両生類に見られますが、そのときの肺は肺胞が1個で、表面積はたかが知れていました。


それが、長年の進化を経て、肺胞がどんどん細かく、数が増えていきます。数が増えるほど、空気と接触する表面積は大きくなっていき、ガス交換の効率がよくなります。ヒトでは両肺で3億個もの微細な肺胞に分かれていて、表面積は100平方メートルにも及ぶと言われています。この広大な肺胞において、空気と血管(血液)が接触しているのですね。


図スライド1.jpg


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posted by 長尾大志 at 17:48 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2015年11月24日

症例検討クイズ4・慢性呼吸不全の急性悪化・その後

その後痰の分泌が多くなり、一旦ベンチュリーマスクに変更したり戻したり、ということがありました。また、内服が出来ずパーキンソン病自体が悪化して呼吸運動が低下しましたが、それも注射薬への変更で対応でき、少し紆余曲折がありましたが、その後は呼吸器の設定をあまりいじることなく



pH 7.254、PaO2 84.6Torr、PaCO2 61.3 Torr、HCO3- 26.5mmol/L
 ↓
pH 7.289、PaO2 74.3 Torr、PaCO2 56.3 Torr、HCO3- 26.4mmol/L
 ↓
PH 7.473、PaO2 79.0 Torr、PaCO2 42.1 Torr、HCO3- 30.2 mmol/L


と改善してきました。


厳密にはSpO2を見ながら、FiO2のセッティングを少しずつ減らしてはいますが、それはもうおわかりでしょうからここでは省略します。


今回はどちらかというと換気不全(によるCO2貯留)への対応としてNPPVを使っていますから、PaCO2を見て改善傾向あり⇒このまま継続、という感じで経過しているのがおわかり頂ければいいと思います。


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posted by 長尾大志 at 18:06 | Comment(0) | やさしイイ血ガス・呼吸管理

2015年11月23日

連休の過ごし方

肋骨が痛むので連休は無理をせず、明日に期末テストを控えた長男の勉強に付き合っています。中学になってからあまり勉強を見る機会もなく放置していたおかげで、なかなか悲惨な状況ですが、弱点がわかったおかげで少し光明が見えてきたように思います。


まあでも、このレベルだと、とにかく覚えること、反復、これの繰り返しなので…以下にそれをやっていなかったかが偲ばれますねえ。


肋骨もご心配をおかけしておりますが、かなり軽快傾向で、骨折には至っていないかと自己判断しております。


今日は昨日に続いてちょっと辛口の記事を書いていたのですが、辛すぎて止めました。またそのうちに、もう少しマイルドにして再登場するかと。

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posted by 長尾大志 at 15:59 | Comment(2) | 日記

2015年11月22日

授業?風景

先だっても書きましたが、今回の授業ではアクティブラーニングの1つとしてグループワークをやりました。


まだ試行錯誤中で、確立したスタイルではありませんが、以前インストラクショナルデザインの講義をして頂いた向後先生のやり方を踏襲し、グループワークを行ってもらいました。そしてその結果を用紙に書いて提出、というのを課題にしたのです。グループ構成員の氏名も書いてもらって、出席点にしようということです。割と合理的なシステムです。


さらに、最も貢献した人には○をつける、として、前向きに議論に参加することに報いるシステムを取り入れてみました。まあこのシステムはゆとり、横並び教育を受けてきた皆さんにはあまりフィットしなかったらしく、あまり○は付きませんでしたが…。


これまでの経験でわかっていたことですが、普通の授業枠ですから、遅刻してくる人が少なからずいるのです。まあそれは想定の範囲内でした。それを見越して、グループ形成・および用紙の配布は講義時間の半分を経過してから、として、遅刻者を救済するシステムも作っていたわけです。まあ半分ぐらい参加して、グループワークに参加していたらいいだろうと。


このように自分なりに想定される事態(遅刻)に備えるシステムを作っていたわけですが、その想定をいささか越える出来事が起こりました。


講義が終わってから、「遅れてきたので用紙をください」という人がいたのです。


講義が終わってから来るということは、つまり、グループ形成に間に合っていない、そしてグループワークをやってもいない、そういうことを意味します。それでいて、「名前を書いて出しますから、用紙をください」というわけです。


とにかく「出席点を落としたくない」という考えなのでしょうか。その場にやってきたらそれは出席だ、という考えなのでしょうか。それも特に悪びれる様子もなく、さも当たり前の様子でこられるわけです。「なんでもらえないんですか?」的な。まあお渡ししましたけど。もちろんそういう人はまれですが。


医学部の例ではありませんが、進学がヤバいとかなって、それまでふんぞり返っていた金髪学生が、途端に態度をコロッと変えて下手に下手に出る、それでダメなら逆ギレ、そのようなことも近頃ではあるようです。これも時代でしょうか。いや、自分の時もそうだったか…。

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posted by 長尾大志 at 21:41 | Comment(0) | 日記

2015年11月21日

おもちつき

今日は子供の幼稚園において行われたおもちつきに参加しました。


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それは良かったのですが、帰り道で娘と交錯してかなり派手に転倒、受け身も取れず、かなり強く胸部打撲してしまいました。何か音が聞こえた気もしますが、肋骨なのでまあ放置。しかし現在かなり痛いですね…。

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posted by 長尾大志 at 22:57 | Comment(2) | 子育て日記

2015年11月20日

3回生系統講義、終了

本日午前〜午後の講義をもちまして、今年度の3回生系統講義『呼吸器系』私の担当分が終了致しました。


かねてより申し上げているように、今年は新たにアクティブラーニングを取り入れる、という試行を行いましたが、思っていたよりもworkしたな、というのが正直な感想です。少なくとも、やっている私は結構楽しかったです。やっぱり、うちの学生さん、真面目なんですよね。基本的に。だから運営する側としてはかなりスンナリ進む印象です。


学生さんがどういう印象を持ったか、是非フィードバックがほしいところですが、今日の最後に行った『授業評価』だけがフィードバックとなります。毎年やっていますが、いつも質問項目がイケてなくて、イマイチ良かったのか悪かったのかわからない『授業評価』。今回は自由筆記をしてもらうよう呼びかけましたが、果たしてどのような感想が返ってくるでしょうか…。ドキドキ、とはいっても実際こちらに返ってくるのは来年。 (。-_-。)

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posted by 長尾大志 at 17:32 | Comment(0) | 日記

2015年11月19日

症例検討クイズ4・慢性呼吸不全の急性悪化・マスク換気開始

その時点で上級医に相談があり、意識レベルはやや改善していてCO2も若干改善しているものの、呼吸回数多く浅薄、呼吸筋疲労も考慮し、マスクによるNPPVを導入されました。器械はBiPAP Visionを用いました。


・初期設定は、S/Tモード、I/E:8/4、FiO2:60%で開始し、SpO2を見ながらFiO2を下げていきます。


基本的にはNIPネーザルもほぼ同じことで、FiO2が定まらないことが異なります。SpO2を見ながら、横から流すO2の流量を調整します。


モニター上TVは400-500mL台で、MVは11-13L/分と換気は十分に保たれ、SpO2も95-96%でした。



今日はここまで外来+臨床実習からの3回生講義2コマで、これから第5回胸愛会ですので、これにて失礼します。今日はクリッカーを使ってみましたが、好感触でした。もう少し問題を練ればイイものが出来そうです。


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posted by 長尾大志 at 17:09 | Comment(0) | やさしイイ血ガス・呼吸管理

2015年11月18日

症例検討クイズ4・慢性呼吸不全の急性悪化・動脈血ガス分析

(室内気 安静臥床)pH:7.235, PaO2:28.2mmHg, PaCO2:78.5mmHg、HCO3-:32.1mmol/L


pH:7.235のアシデミア、その原因はPaCO2:78.5mmHgのU型呼吸不全、HCO3-は32.1mmol/Lですから、ある程度慢性にCO2蓄積があり、代償機転でHCO3-が上昇していたところに、今回の増悪がCO2をさらに増加させ、pHが破綻した、と解釈出来ます。


そこで、研修医の先生はベンチュリーマスクによる酸素投与を開始しました。PaO2:28.2mmHgと低酸素がかなり強いので、FIO2 50%、12Lで開始されました。


するとpH:7.190、PaO2:91.8mmHg、PaCO2:90.0mmHg、HCO3-:33.1mmol/Lと、酸素化は改善しましたがCO2の上昇、アシデミアの悪化を来します。


そこでベンチュリーのFIO2を減らして40%、8Lとしたところ、pH:7.223、PaO2:88.4mmHg、PaCO2:76.2mmHg、HCO3-:30.7mmol/Lと若干改善傾向になりました。


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posted by 長尾大志 at 20:16 | Comment(0) | やさしイイ血ガス・呼吸管理

2015年11月17日

症例検討クイズ4・慢性呼吸不全の急性悪化・症例提示続き

<入院時検査所見>
HB 13.3   
WBC 18,600 H
PLTS 175
PT-P 11.4  
APTTP 23.4 L
PT-INR 0.98
TP 6.6    
ALB 3.9 L
AST 40 H  
ALT 9
LDH 430 H  
T-BIL 0.96
NA 143   
CL 104
K 3.7    
UN 36.0 H
CRE 1.50 H  
eGFR 35.1
CRP 1.26 H  
BNP 497.06 H

【血液ガス】
(室内気 安静臥床)pH:7.235, PaO2:28.2mmHg, PaCO2:78.5mmHg、HCO3-:32.1mmol/L
(その後、ベンチュリー50%、12L)pH:7.190、PaO2:91.8mmHg、PaCO2:90.0mmHg、HCO3-:33.1mmol/L
(さらにその後 ベンチュリー40%8L)pH:7.223、PaO2:88.4mmHg、PaCO2:76.2mmHg、HCO3-:30.7mmol/L


【胸部単純X線】右中下肺、左中肺野に浸潤影あり。


入院時写真.jpg


さてさて、如何致しましょうか…。


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posted by 長尾大志 at 14:00 | Comment(0) | やさしイイ血ガス・呼吸管理

2015年11月16日

やさしイイ呼吸器教室/やさしイイ胸部画像教室・お詫びと訂正・上大静脈

ポリクリで回ってきた5回生の田中さんに、『やさしイイ胸部画像教室』の誤植を指摘頂きました。


54ページ真ん中の表、

右第1弓:上大動脈(SVC)

……


工工工エエエエエエェェェェェェ(゚Д゚)ェェェェェェエエエエエエ工工工


上大静脈(SVC)の間違いです。m(__)mついでに索引も間違っています。m(__)m m(__)m


ここにお詫びの上、訂正させて頂きます。


今日、第6刷が到着したところですので、しばらくはこのままです…。((((;゚Д゚)))))))


ちなみに、『やさしイイ呼吸器教室』152ページにも同じ間違いが…。((((;゚Д゚))))))) アワワワワ

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posted by 長尾大志 at 19:32 | Comment(0) | 書籍の訂正

2015年11月15日

宿坊合宿2015 in 東寺に参加してきました。

今日は1日、『宿坊合宿2015 in 東寺』に参加させていただきました。


http://shukubo.wix.com/shukubo2015


宿坊合宿2015 in 東寺のメインテーマは"Choosing Wisely"。


(上記HPより引用)
米国にて2012年よりABIM財団により始められたChoosing Wiselyキャンペーン、それは不必要な検査や治療を避け、正しい治療を正しいタイミングで行うための情報を医療従事者・患者に提供し、患者中心のケアを実現するためのものです。
我々が日常診療でChoosing Wiselyを実践するためにはどうすればよいか?そもそもChoosing Wiselyという考え方は正しいのか?2日間みっちり考えましょう!
(引用ここまで)


私は『攻める胸部X線読影』と題して、胸部X線写真の読み方、基礎的なところから情報の全てを使って胸部写真を味わい尽くす方法、みたいなことをお話しさせていただきました。Choosing Wiselyを意識して、普段しゃべっていることとは少し違う切り口でお話しさせていただきました。


いろいろと準備したスライドが喜んでいただけた(ウケた!)のと、ブロンコ体操を皆でやっていただけたこと、多くの学生さん、研修医の先生方が本やブログを読んでいただいていたこと、などなど、とってもうれしいフィードバックをたくさんいただきました。


また、洛和会丸太町病院の上田 剛士先生による『一般採血の読み方』、国立国際医療研究センター 国際感染症センター の忽那 賢志先生による『抗菌薬のchoosing wiselyとその先にあるもの』、亀田総合病院の佐田 竜一 先生による『実践choosing wisely!』、いずれも内容、プレゼン共にすごく勉強になりました。大充実の1日でした。


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上記の先生方、それに1日目からのご参加でご一緒いただいた医療法人やわらぎ会 やわらぎクリニックの北 和也先生、徳州会奄美ブロック総合診療研修センター/フィジカルクラブ部長の平島 修先生、西伊豆健育会病院 院長の仲田 和正先生、温かく迎えて頂き感謝いたします。


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最後に今回の宿坊合宿を企画、運営されたチーム関西の代表、伊東さん、それに担当していただきいろいろと相談に乗っていただいた岩井さんをはじめチーム関西の皆さん、ありがとうございました。皆様、今後ともよろしくお願い申し上げます。


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posted by 長尾大志 at 20:51 | Comment(0) | 活動報告

2015年11月14日

木曜日、雨森先生のお話を拝聴しました。

そういうわけで木曜日は結構あちこちでの勉強会を拝聴させて頂きました。


まず学内で行われた、平成27年度「在宅医療研修会」。


講師は弓削メディカルクリニック 院長の雨森正記先生でした。このあたりの医師で、ご存じない方は居られないと思いますが、竜王町で在宅医療に熱心に取り組まれています。また、若手の育成にも熱心で、本学からも学生〜研修医が数多く、常にお世話になっています。


講演内容としては、事前のメールでは在宅医療における大学病院の役割〜事例を中心に〜とアナウンスされていましたが、もっと実際に即した、「家に帰りたいと言われたら」というタイトルでお話し頂きました。


全国的にはなかなか在宅の看取りが進んでいない現在、竜王町は滋賀県下で最も在宅看取りに取り組まれています。在宅で看取るということ、その考え方と実際について教えて頂きました。



まず最初に「あなたは最期を迎える場所はどこがいいですか?」というような質問がありました。聴講者(医師、看護師、コメディカルスタッフ)の多くは「自宅がいい」との答え。そう、実際多くの人(患者さん)も、自宅での看取りを望んでおられる。最期の時間を自宅で過ごしたい、と思っている方が多いにもかかわらず、実際自宅での看取り、となるとハードルが高くなる理由はなんでしょうか。


いくつかのポイントをお話頂きましたが、竜王で在宅看取りが多く行われている理由は、もちろん地域に密着しておられる雨森先生の存在、地域の方々との信頼関係が大きい、そして先生以外のスタッフの方々のご努力、これは間違いありませんが、加えて、家族や本人の「家へ帰りたい、帰ってきてほしい」という意思の強さ、これも感じました。


「在宅では無理なんじゃないの?」という事例も、こちらがハードルを高くしているのだ、という観点もあり、納得できるものでした。周りの人と話し合って考えたりする時間もあり、その後具体例を挙げて実際にどのような対応をされたか、エピソード豊富にお話し頂きました。


もう、どの患者さんのエピソードも、信頼されているのがにじみ出ているんですね。27年間竜王に密着して、ずっとそこに居られる、それこそが信頼を生み、「先生に最期診てもらいたい」「先生にだったら任せられる」というご希望が後を絶たないのだな、と思いました。それで先生もno refusal policy。それは「じゃあ私も」「うちも」となるように思います。


大学の事例で言うと、ご本人やご家族が自宅での最期の時間を望まれないケース、大学がかかりつけ医、最も信頼されている医師になっているケースなどでは、難しいところも多々あるようです。地域性や患者さんと家族の関係性などもあるのかも知れない、と思うと、竜王町の方々はしあわせな家族関係を築いておられる方々が多いのではないか、そんな感想も持ちました。

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posted by 長尾大志 at 15:48 | Comment(5) | 学会・研究会見聞録

2015年11月13日

症例検討クイズ4・慢性呼吸不全の急性悪化・症例提示

80歳代男性

<主訴>
呼吸困難


<現病歴>
元々、パーキンソン病で神経内科、肺気腫で当科加療中であった。数年前から施設に入所して生活していた。前日夜までは普通に食事をし、元気に過ごしていたが、当日夜中に不隠となり、呼吸があらかったために明け方SpO2を測定すると80%と低値を認めたために、当院救急外来を受診された。受診時、SpO2:50%と低値で、両肺に喘鳴を聴取し、胸部単純X線写真で右中肺野を中心に濃度上昇を認めた。肺炎によるCOPD急性増悪と診断して、加療のため入院となった。


<既往歴>
肺気腫→SFC250、テオフィリンで加療中。
パーキンソン病→メネシット、レキップ内服中。


<喫煙歴>
40本×50年 ex-smoker


<職歴>
主に営業


<粉塵暴露歴>
特になし


<アレルギー>
特になし


<入院時身体所見>
BP: 128/56、努力呼吸、呼吸数:37回/分、HR:104bpm
SpO2:47%(room air)→95%(マスク5L)→95%(ベンチュリー50% 12L)→93-94%(ベンチュリー40% 8L)
るいそうあり。意識レベル:JCS2-20
呼吸音:両肺でwheeze(+), 左呼吸音減弱
心音:頻脈のみ 整
両下肢edema(-)


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posted by 長尾大志 at 16:38 | Comment(0) | やさしイイ血ガス・呼吸管理

2015年11月12日

症例検討クイズ4・慢性呼吸不全の急性悪化・・症例提示をしたいところですが…

もう1例、COPD症例を提示しようかと思いますが、今日は講義3時間(する方)が終わって、つい今午後の外来が終わって、これから講義1時間半(聴く方)+2時間(聴く方)があるので、時間がありません。明日にさせて頂きます。


講義で導入したアクティブ・ラーニング(グループワーク)はしっかり機能していたように見受けました。これは収穫です。これからどんどん取り入れていきたいですね。


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posted by 長尾大志 at 17:11 | Comment(0) | やさしイイ血ガス・呼吸管理

2015年11月11日

死腔換気とは3

すなわち、1回換気量が少なくなればなるほど、1回換気量のうち死腔の占める割合が増え、ガス交換に関係のないムダな空気の動きが多くなり、呼吸回数を増やしてもあまり正味の換気量が増えない、ということになるのです。


逆に言えば、1回の呼吸には必ず死腔分の容量が含まれているので、呼吸回数が増えれば増えるほど、ムダ換気が増える、ということになるわけです。そんなわけで、呼吸回数をいたずらに増やすことは推奨されませんし、自発の状態で頻呼吸になっているなら、いっそ鎮静をかけて器械による換気に乗せてしまう方が、効率がいいということになるわけです。


というわけで、「1回換気量が減ったから呼吸回数を増やして換気量を補う」は半分正解ですが、半分は間違いということになります。


死腔換気のことがあるゆえに、程度問題ではありますが、1回換気量はそんなに極端には減らせませんし、呼吸回数もそんなには増やせない、このように理解しましょう。


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posted by 長尾大志 at 14:10 | Comment(0) | やさしイイ血ガス・呼吸管理