2016年03月31日

肺機能の見方3

肺活量の測定をするときは、ゆっくり吸ってゆっくり吐くようにします。これは気道(空気の通り道)の抵抗をなるべく少なくするためです。呼気を勢いよく吐くと、(特に気道抵抗がある場合)実際より低い値になってしまうのです。



肺活量の正常予測式は年齢、性別、身長を用いて計算されます。高齢ほど低下し、男性が女性よりも大きく、身長が高いほど大きい。逆に体重などは関係ありません。

男性(18歳以上)
予測肺活量(L)=0.045✕身長(cm)−0.023✕年齢−2.258

女性(18歳以上)
予測肺活量(L)=0.032✕身長(cm)−0.018✕年齢−1.178



この式で計算された予測肺活量に対して、実際に測った患者さんの値を%で表したものを%肺活量(%VC)といいます。要するに予測値に対して何%である、ということを表す数値です。


%肺活量の正常範囲は80%以上で、80%未満になると拘束性障害、と呼ばれます。


肺胞が減るような疾患、肺が縮むような疾患、肺切除後などでは肺活量、%肺活量が低下し拘束性障害となります。


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2016年03月30日

肺機能の見方2

安静換気で吸い込んだところから、いっぱいに息を吐いていきます。ここのタイミングが、いっぱいに吸ってから吐くのではないのでちょっと難しいのですが、グラフとしてはこんな風になります。


スライド23.JPG


息を吐ききったら、次はいっぱいに息を吸い込みます。


スライド24.JPG


もう一度いっぱいに息を吐いて、安静に戻ります。


スライド25.JPG


スライド26.JPG


最大吸気位と最大呼気位の差が、肺に出入り出来る空気の量ということで、肺活量と呼ばれます。


スライド27.JPG


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posted by 長尾大志 at 19:45 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2016年03月29日

肺機能の見方1

血ガスについて一段落付きましたので、もう一つ呼吸器疾患の基本的検査である、肺機能検査について説明しておきましょう。


肺機能検査は、肺の機能、すなわち、肺にどのくらい空気が出入りするのか、また、(特に空気が出るときの)抵抗、出にくさを数字で見るものです。


病変の性質や場所がわかる胸部X線写真と並んで、低コスト、気軽に出来る検査として広く行われています。


検査結果の表を見ると、たくさんの数字が並んでいて目まいがしそうですが、肺機能の評価として見なくてはならない数字はそれほど多くありません。



まずは肺活量(vital capacity:VC)、これは息をいっぱいに吸い込んだとき(最大吸気位)からいっぱいに吐いたとき(最大呼気位)の容量の差、言い換えると、肺に出入り出来る最大の空気量です。


無理な力を加えずに、静かにゆっくりと息を吸ったり吐いたりして測定しますので、static(=静的な)vital capacity:SVCとも表記します。


肺活量を測定するときに見られるグラフでは、X軸に時間・Y軸に肺気量の変化を記録します。Y軸の上向きが息を吸う方向、下向きが吐く方向です。


スライド21.JPG


まず安静換気をします。安静で呼吸をして、1回あたりの出たり入ったりする空気の量を1回換気量といいます。


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2016年03月28日

動脈血ガス分析・結果の見かた7

というわけで、呼吸器疾患における動脈血ガスの見かたは…


@ まずpHをみて、アシデミアかアルカレミアかを確認します。


A アシデミアの場合、その理由が高二酸化炭素血症(PaCO2>45Torr=呼吸性アシドーシス)かどうかを確認。

高二酸化炭素血症であれば、呼吸数の低下や呼吸運動と共に、意識状態を観察します。COPDの既往、喫煙歴、過去の血液ガスなども確認しましょう。


A−1 呼吸性アシドーシスを腎臓が代償しているかどうかを判断する。
HCO3->26mEq/Lの代謝性アルカローシスであれば、代償している=呼吸性アシドーシスになってから数日以上経過している。


A―2 HCO3-が22〜26mEq/Lの正常範囲であれば、まだ代償していない=呼吸性アシドーシスの急性期である。


B アルカレミアの場合、その理由が過換気(PaCO2<35Torr=呼吸性アルカローシス)かどうかを確認。

過換気の場合、その理由が情動による過換気症候群か、低酸素に対する反応としての過換気なのかを確認する必要があります。


B−1 呼吸性アルカローシスを腎臓が代償しているかどうかを判断する。
HCO3-<22mEq/Lの代謝性アルカローシスであれば、代償している=呼吸性アルカローシスになってから数日以上経過している。


A―2 HCO3-が22〜26mEq/Lの正常範囲であれば、まだ代償していない=呼吸性アルカローシスの急性期である。


という具合に血ガスの結果をアセスメントしましょう。


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2016年03月27日

特定行為看護師研修

滋賀医科大学が、国立大学で初めて看護師特定行為研修機関に指定されまして、その特定行為看護師研修の2コマを受け持つことになりました。


この前、講義の打ち合わせをしたのですが、こちらはキャリアがある方々の少人数のクラスになりますので、思いっきりアクティブラーニング、といいますか、むしろ受講者の皆さんにアウトプットをして頂く、そういう時間にしようと思っています。


責任者の方も「面白くなりそう」と期待して頂いておりまして、こちらとしてもどこまで展開していくか、楽しみです。やる気とキャリアのある看護師さんとの出会いも楽しみにしています。




メディカ出版さんのセミナー、東京会場、かなりのお申し込みを頂いているようですが、まだ申し込みは間に合います。


2016年04月16日(土) 『急性期・術後の呼吸器ケア』9:30〜16:30 建築会館 1階ホール


救急、術後の現場で酸素、人工呼吸器、ドレナージなどを扱っている方、「なぜ」そうしているか、根拠を知りたいと思いませんか?
http://www.medica.co.jp/seminar/detail/131

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posted by 長尾大志 at 20:19 | Comment(0) | 活動報告

2016年03月26日

メディカ出版さんのセミナー

今日はほぼ1日、先だってより告知しておりました、

Dr.長尾の「呼吸にまつわる」シリーズ第4弾!
急性期・術後の呼吸器ケア in 大阪

の講師を務めて参りました。


一昨年にもやっていた内容ではありますが、その時に会場で頂いたご質問にもお答えする感じでお話を進めていきましたので、一昨年よりはご質問が減った印象。


でもけっこう突っ込んだご質問があったりして、こういうところに引っかかるのか〜、と勉強になりました。また、ドクターに対していろいろと思っておられることがあるのも参考に…(゚д゚lll)


今回はクリッカーならぬ色画用紙でアクティブ・ラーニングをやりました。やっぱり面白い。血ガスのところなんか、説明の後ではほぼ全員正解。素敵!説明がよかった?いやいや、受講された方が優秀だったのです。


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今日受講された方々は、日頃の疑問などが解消できたでしょうか。またアンケートを拝見するのが楽しみです。


会場からは大阪城とあべのハルカスなどが見渡せました。天気もよく、いい気分で終えることができました。(o^^o)

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posted by 長尾大志 at 23:04 | Comment(0) | 活動報告

2016年03月25日

動脈血ガス分析・結果の見かた6

逆に頻呼吸が原因で呼吸性アルカローシスになると、動脈血はアルカリ性に傾く(アルカレミア)のですが…。


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その状態を代償すべく、腎臓がHCO3-の再吸収を制限し、HCO3-の量を減らします(代謝性アシドーシス)。ただその代償反応は、腎臓における再吸収の調節によりますので数日程度かかります。


ですから数日以内の急性期であればHCO3-は22〜26 mEq/Lの正常範囲ですし、時間が経っていれば<22mEq/Lの代謝性アシドーシスとなります。逆に言いますと、呼吸性アルカローシスなのにHCO3-が正常範囲、ということは、呼吸性アルカローシスになってすぐの状態である、ということになります。


すなわち、HCO3-の値を見れば、呼吸性アルカローシスが急性(数日以内)に起こったものなのか、ある程度慢性に存在しているのかがわかるのです。


ある程度の時間呼吸性アルカローシスが存在し、それを代償するべく代謝性アシドーシスが生じて、きちんと代償出来ていると、pHは7.4付近の正常範囲に収まります。


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それが、呼吸状態が変化したりすると、腎臓による補正が追いつかず、差し引きちょっとアルカレミアになったりするのです。


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posted by 長尾大志 at 15:34 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2016年03月24日

動脈血ガス分析・結果の見かた5

アシデミアは動脈血が正常よりも酸性(pH<7.35)である状態、アルカレミアはアルカリ性(pH>7.45)である状態です。


酸性に持っていこうとする力がアシドーシス、アルカリ性に持っていこうとする力がアルカローシスです。


スライド14.JPG


例えば呼吸性アシドーシスになると、動脈血は酸性に傾き、アシデミアになりますが…。


スライド15.JPG


その状態を代償すべく、腎臓がHCO3-を頑張って再吸収します(代謝性アルカローシス)。ただその代償反応は、腎臓における再吸収の調節によりますので数日程度、時間がかかります。


ですから数日以内の急性期であればHCO3-は22〜26 mEq/Lの正常範囲ですし、時間が経っていれば>26mEq/Lの代謝性アルカローシスとなります。逆に言いますと、呼吸性アシドーシスなのにHCO3-が正常範囲、ということは、呼吸性アシドーシスになってすぐの状態である、ということになります。


すなわち、HCO3-の値を見れば、呼吸性アシドーシスが急性(数日以内)に起こったものなのか、ある程度慢性に存在しているのかがわかるのです。


ある程度の時間呼吸性アシドーシスが存在し、それを代償するべく代謝性アルカローシスが生じて、きちんと代償出来ていると、pHは7.4付近の正常範囲に収まります。


スライド16.JPG


それが、呼吸状態が悪化したりすると、腎臓による補正が追いつかず、差し引きちょっと酸性(アシデミア)になったりするのです。これはなんとかしなくてはいけません。


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posted by 長尾大志 at 17:48 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2016年03月23日

動脈血ガス分析・結果の見かた4

■ HCO3-

HCO3-は重炭酸イオンで、アルカリ性の物質です。主に腎の尿細管で再吸収され、その再吸収の度合いによって動脈血pHが調節されます。


・HCO3-が高い(アルカリ性物質が多い)〜代謝性アルカローシス

・HCO3-が低い(アルカリ性物質が少ない)〜代謝性アシドーシス


となります。


体内でいろいろな酸性物質が産生されたら、代謝性アシドーシスになりますし、酸が失われたら代謝性アルカローシスになりますが、呼吸器疾患の場合は、PaCO2が異常になって、HCO3-はその異常になったPaCO2を元に戻そうとする動き(代償|だいしょう)のためにアシドーシスやアルカローシスになっているのです。


PaCO2高値(呼吸性アシドーシス)⇒HCO3-は上昇して代謝性アルカローシスとなり、差し引きでpHを正常に戻そうとする。


PaCO2低値(呼吸性アルカローシス)⇒HCO3-は低下して代謝性アシドーシスとなり、差し引きでpHを正常に戻そうとする。


で、その結果正常になればよし、代償しきれずに異常が残っている状態がアシデミア、アルカレミアなのです。


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posted by 長尾大志 at 19:47 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2016年03月22日

動脈血ガス分析・結果の見かた3

PaCO2の値は換気量で決まりますから、PaCO2値が異常であれば、呼吸数、呼吸の深さ、パターンに異常がないかどうかを確認します。


・PaCO2値が高い〜呼吸性アシドーシス〜換気量減少〜呼吸数の低下か呼吸運動が小さくなっている可能性があるので、そこに気をつけて観察する。


また、高二酸化炭素血症に伴う

  • 頭痛

  • 顔面紅潮

  • 発汗

  • 意識障害・傾眠傾向

  • 浮腫

  • 四肢の不随意運動(羽ばたき振戦)


などが見られないかどうかを確認します。


呼吸器疾患で高二酸化炭素血症になるのはCOPDが多いですから、COPD特有の身体所見

  • 樽状胸郭

  • 呼吸数増加・口すぼめ呼吸

  • 過膨張所見(濁音界低下、心尖拍動の移動)

  • 呼吸音減弱


なども確認しましょう。



・PaCO2値が低い〜呼吸性アルカローシス〜換気量増加〜頻呼吸、呼吸パターンの変化を観察する。


低酸素を伴っていれば、肺の障害⇒低酸素⇒それに対する反応としての頻呼吸、という図式が成立します。低酸素(T型呼吸不全)と同じく、視診で胸郭運動の低下、呼吸数の増加、触診で声音振盪の減弱、打診で鼓音や濁音、聴診では呼吸音の低下や異常などに注意して観察しましょう。


低酸素を伴っていなければ、過換気症候群や痛みによる過換気などが疑われますから、情動の要素や痛みがあるかどうかをしっかり観察します。


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posted by 長尾大志 at 18:16 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2016年03月21日

告知・看護師さん向け、呼吸器疾患セミナー

いよいよ来週末、Dr.長尾の「呼吸にまつわる」シリーズ第4弾!
急性期・術後の呼吸器ケア in 大阪

http://www.medica.co.jp/seminar/detail/131


が迫って参りましたが、なんと引き続き、昨年大好評を頂きました「呼吸器疾患セミナー」が、早くもパワーアップして帰ってくることが決定いたしました!

http://www.medica.co.jp/seminar/detail/171


前回のアンケートで本当に好評を頂いたので、期間を空けず再度の開催となったようです。
日程は以下の2会場です。前回ご予定が合わなかった、という方、前回参加してよかった!という方に勧められたお知り合いの方、是非ご予定をを合わせてお越し下さい。


神戸 2016年08月06日(土) 神戸クリスタルタワー 3階クリスタルホール
東京 2016年08月20日(土) 損保会館 2階大会議室


おおよその時間割と内容です。


9: 30 〜
1.学びなおしの呼吸生理

疾患を理解するために必要な、肺と呼吸の基礎を学びましょう

○肺の構造と呼吸のシステム
 ・正常の「肺」「呼吸」を知る
 ・「呼吸不全」とはどんな状態なのか

○動脈血ガス分析
 ・「アシドーシス」「アルカローシス」とは
 ・血ガスデータ、まず何を見る? どう考える?


2.身体所見・アセスメントの基本

こんなことまで、わかるんです

・触診
 触ってわかる呼吸運動・声音振盪とは?

・打診
 胸壁の向こうに何があるのか・濁音界の意味とは?

・聴診
 聴診でわかる病態・なぜ、こんな音が発生するのか?


昼食(お弁当をご用意いたします)


3.急性呼吸不全・ARDS / 気胸

急げ! でも、あわてないで!! 緊急を要する疾患です

・肺はどんな状態?
・身体所見でアセスメント
・呼吸音はこんな特徴が
・画像にこんな特徴が
・治療

<ARDS>人工呼吸管理のポイント

<気胸>ドレナージの適応と注意点


4.市中肺炎・誤嚥性肺炎

「肺炎」とひとくちに言いましても・・・

・肺はどんな状態?
・身体所見でアセスメント
・呼吸音はこんな特徴が
・画像にこんな特徴が
・治療

<市中肺炎・誤嚥性肺炎>原因菌と抗菌薬


5.COPD / 喘息発作

フィジカルアセスメントと患者指導がキモ

・肺はどんな状態?
・身体所見でアセスメント
・呼吸音はこんな特徴が
・画像にこんな特徴が

<COPD>肺胞が破壊されると、こんなことが起こる!


・治療

<COPD>生活指導と薬物療法

<喘息発作>「コントローラー」と「リリーバー」


〜 16: 20
5.質問にお答えするコーナー
自由記入の質問用紙を当日配付いたします。
疑問点はすべて解消してください!



前回のプログラムから、あまり一般病棟ではお目にかからない間質性肺炎を除き、その代わりに診察、観察のところを手厚くしました。



感想:

●今までなんとなく測定していた呼吸数や呼吸音、ただ取ったということだけで終わっていた血ガスに対して、明日から少しだけ自分のアセスメントを加えながら見ることができそうです。ありがとうございました!(混合病棟:2年目)

●はじめに基本的なことから講義してくださったので、各論に入っても分かりやすかったです。肺のイラストで何度も説明していただき、繰り返し頭にいれることができました。(呼吸器病棟:2年目)

●肺炎の観察ポイントがよく分かりました。胸腔ドレナージの原理や注意点など、看護師の目線にたってアドバイスをしていただき、すごくわかりやすかったです。
(病棟:3年目)


詳細、参加申し込みはこちらから
http://www.medica.co.jp/seminar/detail/171

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posted by 長尾大志 at 15:26 | Comment(0) | 活動報告

2016年03月20日

「今時の若者化」と「コンプライアンス研修」

最近、先々週の藤崎先生の講演で伺ったような「今時の若者」問題で揉めた事例をいくつか聞き及びまして、どうやらこの問題は待ったなしだなと思っております。ここ数年でどうやらこういう医師が増えてきている模様。


藤崎先生の挙げられた特徴を昨今の事例に当てはめますと、こういう医師が地域に増えてくると、たちどころに地域医療が崩壊するだろうな、ということが想像されます。


彼らは何といっても、ワーク・ライフ・バランスを重視しますからね。時間が来たらキッチリ帰りますし、有給も権利ですからすべて使い切りますし、土日に出てくるなんて余計なことは致しません。


それでちょっと揉めると、「辞めます。」後に残されたものがどれだけ大変かなどは想像しません。


こういう医師が増えてくる数年後の院長、部長、センター長など、〜長が付く方々の心労が増え、そういう方々がdropoutなさらないか、心配でなりません。




それとは別の話ですが、最近よく耳にする「コンプライアンス」。本学でも、コンプライアンス研修が数多く何度も行われているところです。コンプライアンスについて自動車評論家の国沢光宏さんが興味深い見解を書いておられました。


国沢氏のレポートやコメントは独自の視点かつ筋が通っているのでいつも読ませて頂いてます。クルマのことも、いわゆるCOIに関係なくズバッと斬っておられて大いに参考にしていますが、といいつつ自分の車は必ずしもオススメされていないものだったりするのですが…閑話休題。


このたびの見解は以下のようなものです。


(引用ここから)最近「コンプライアンス」に代表される建前論の原理主義ばかり。私は白の黒の間の灰色部分こそが文化や奥行きや人間の面白さだと考える。灰色を否定すれば、アタマの悪い人間でも迷わずに済むと言うことなんだろう。杓子定規な状況の中、上手に泳げる人の価値が認められるようになると思う。(引用ここまで)


原文は以下のリンクで
http://kunisawa.net/diary/%E4%BB%8A%E5%B9%B4%E3%81%AE%E6%B5%B7%E5%A4%96%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%81%AF%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E8%A3%BD%EF%BD%8D%EF%BD%92%EF%BD%86%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%81%8B%EF%BC%9F%EF%BC%8817/


特に公的機関における「コンプライアンス至上主義」に対して抱いていた「変な感じ」の正体を言い表されているように思います。


以前にも書いたことがありますが、日本人って原理主義的な考えの方が多い印象。欧米の人は合理主義なんですね。だから、日本人の方が診断基準とかキッチリやって、欧米人はもう少しアバウトな印象なのです。私はあまり性格的にキッチリしていなくてアバウトなので、原理主義的な考えができません。


公的機関にいながら、官僚の方々が考える「コンプライアンス」とか「建前論」になじめないのは、なんかそれが彼らの「責任逃れ」「アリバイ作り」に見えるから。何か不祥事が起こったときに「本学ではコンプライアンス研修を行っておりまして…云々」と述べるため、そのために私たち現場の人間の貴重な1時間〜1時間半を何度も「研修」に費やす。


時間 ✕ 人数で考えたら、壮大な労力のムダをしているように思えてなりません。折角やるなら、もっと本質的に効果のあるやり方がありそうなものですが、いつまで経っても旧態依然とした講習方式ですし。


誰も見ていないであろう連休中日に、ちょっと毒を吐いてみました。✲゜。.(✿╹◡╹)ノ☆.。₀:*゜✲゜*:₀。

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posted by 長尾大志 at 19:47 | Comment(0) | 日記

2016年03月19日

失敗は成功の元、という話

Facebookでも似たような話を書いたのですが、こちらでも書いておきます。


先日我が家の障子が、重量オーバーの長女と破壊王の次女によって破壊されました。


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桟が折れています…。反省してるふりをする次女。


それが今日、見事に、オシャレに生まれ変わりました〜。


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破壊があったからこそ、部屋がオシャレになったワケです。


失敗を、単に「失敗」としてめげているのか、失敗を活かして次への糧とするのか。


失敗を糧にして成長する、そうすることで失敗は失敗ではなく、「成長に必要な過程」へと昇華します。失敗は誰だってするんです。その失敗を活かすかどうかは、今後の頑張りにかかっているのです!



第110回医師国家試験の発表がありました。合格された皆さん、本当におめでとうございます。


また、そうではなかった方も、この経験は決して無駄にはなりません。授業でもいつも言っているのですが、喪失の経験は、決して医師として無駄なことではない。その経験があることで、患者さんの気持ちにより添える医師になることができる、貴重な経験なのです。


そのように失敗を「貴重な経験」にできるかどうかは、失敗の後の頑張り、気持ちの持ちようです。国家試験に限らず、いろいろな失敗、挫折がこれからもあるかもしれませんが、どうか気持ちを前向きに、「この挫折があってよかった」と振り返られるように、頑張っていきましょう!

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posted by 長尾大志 at 23:12 | Comment(0) | 子育て日記

2016年03月18日

動脈血ガス分析・結果の見かた2

■ PaCO2

動脈血ガス二酸化炭素分圧、すなわち動脈血にどの程度二酸化炭素が溶けているか、という指標です。単位はTorrとかmmHgで表します。最近はTorr表記が多いですが、TorrとmmHgは同じと考えて差し支えありません。


CO2は炭酸ガスというぐらいですから、CO2が溶けている液体は酸性になります。CO2が多ければ多いほど、その液体は酸性が強くなります。つまり、PaCO2が高くなればなるほど動脈血のpHは低くなる(=アシデミアに向かう)、これを呼吸性アシドーシスといいます。


逆に、PaCO2が低ければ低いほど、その液体はアルカリ性の度合いが高くなります。pHが高くなり(=アルカレミアに向かう)、これを呼吸性アルカローシス、というのです。


アシドーシスは酸(acid)に向かう力が働いているということで、アルカローシスはアルカリに向かう力が働いていること。換気量によってCO2の量が変わりますから、呼吸によってpHが変わるわけです。この、pHを変える方向の力をアシドーシスとかアルカローシスというのです。


アシデミアとアシドーシスは違うの?と思われる方も多いでしょう。ちょっとややこしいですが、アシデミアは「現在酸性であること」、アシドーシスは「酸性へ行こうとしていること」です。アシドーシスだけどpH7.4で正常、ということもあるのです。どういうことか。詳しくは改めて説明します。


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posted by 長尾大志 at 17:55 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2016年03月17日

動脈血ガス分析・結果の見かた

高二酸化炭素血症かどうかを知るためには、動脈血ガス分析を行うのが基本です。呼気中のCO2を測定する機器もありますが、まだまだ一般に普及しているとは言えません。


低酸素血症かどうか(SpO2〜PaO2の値)は、パルスオキシメータ(サチュレーションモニター・経皮酸素モニター)を使用することで、おおよそ簡単にわかりますから、動脈血ガスを採って分析するのは、それでないとわからないもの、つまりpH、PaCO2、HCO3-、アニオンギャップなどです。まあ、PaO2以外全部、といえばそうです。これらは血ガス分析をしないとわかりません。


動脈血ガスを見る意味は、主にpHを見たいがため。pHを決定するのはCO2とHCO3-ですから、pHに異常があるときにはその原因が呼吸(CO2を決定する)なのか代謝(HCO3-を決定する)なのか、そしてどういった状況であるかを知ることが出来ます。



■ pH

血液が酸性であるか、アルカリ性であるかを示す指標です。pHが7.4よりも低い(酸性=acid)状態をアシデミアといい、7.4よりも高い(アルカリ性)状態をアルカレミア、といいます。


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posted by 長尾大志 at 17:34 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2016年03月16日

低酸素血症と高二酸化炭素血症

U型呼吸不全は主に低換気で生じますので、観察すべき項目は換気量(1回換気量✕呼吸回数)に関わるもの、すなわち、胸郭の動き(1回換気量に関わる)と呼吸数でしょう。


視診で胸郭運動の低下、左右差、それに呼吸数が減少しているかどうかなどに注意して観察しましょう。また、上下肢の動きなど、神経筋疾患にまつわる観察も必要になります。


胸部X線写真では、神経筋疾患や中枢性無呼吸などの肺以外の疾患においては、特に異常な所見は見られないでしょう。



高二酸化炭素血症のときには特有の所見が見られます。

  • 頭痛

  • 顔面紅潮

  • 発汗

  • 意識障害・傾眠傾向

  • 浮腫

  • 四肢の不随意運動(羽ばたき振戦)



これらの所見が見られたら、CO2ナルコーシスの危険信号。注意して観察しましょう。


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posted by 長尾大志 at 15:05 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2016年03月15日

低酸素血症2

このように通常、肺胞が障害されたときには低酸素血症が生じて、呼吸数が増え、心拍数も増え、二酸化炭素は比較的正常、ということになります。


低酸素血症は組織、特に脳や心臓など、生命を維持するのに必要な臓器を障害します。具体的にはPaO2<60Torrになると生命維持に支障を来す、とされています。そのような状態は、呼吸がうまくいっていない(=不全である)、ということで、呼吸不全といいます。


定義
空気を吸入していてもPaO2<60Torrになる状態を呼吸不全といいます。



一方、二酸化炭素も、酸素より拡散しやすい、とはいうものの、換気自体の回数、換気量が減ってしまう(いわゆる低換気の状態)と、排出されなくなってしまいます。有名なのは慢性呼吸不全の際のCO2ナルコーシスですが、他にも神経筋疾患や中枢性無呼吸など、肺の疾患ではなくて肺・胸郭が動かなくなるような疾患では、換気量が減って高二酸化炭素血症となります。


そこで呼吸不全はさらに2つに分類されます。低酸素血症のみのものをT型呼吸不全、高二酸化炭素血症(PaCO2>45Torr)を伴うものをU型呼吸不全といいます。


定義
空気を吸入していてPaO2<60Torr、PaCO2≦45Torrになる状態をT型呼吸不全といいます。


空気を吸入していてPaO2<60Torr、PaCO2>45Torrになる状態をU型呼吸不全といいます。



主にT型呼吸不全は肺の疾患で起こりますので、肺胞が障害を受けている、減っていることが多い。ということは、診察所見や胸部X線写真で何らかの異常が認められる可能性が高い、ということになります。


診察所見だと、肺胞が減っているときには、視診で胸郭運動の低下、呼吸数の増加、触診で声音振盪の減弱、打診で鼓音や濁音、聴診では呼吸音の低下や異常などに注意して観察していく必要があります。


胸部X線写真では、気胸やCOPDのように黒っぽくなったり、肺炎や胸水、無気肺などのように白っぽい陰影が見えてきたりします。


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posted by 長尾大志 at 18:57 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2016年03月14日

低酸素血症1

『やさしイイ血ガス・呼吸管理』の校正も一段落しましたが、まだまだやらねばならないことが待ち構えています。


それは、ちょっと終わったような感じになっている「ナースのための呼吸器道場」を続けること。他にもやらねばならないことは山積なのですが、最優先事項がこちらです。そういうわけで、しばらくはこちらにかかりっきりになりそうです。


前回は疾患によって肺胞が障害されて(肺胞の数が減って)、低酸素になる、ここまでお話ししました。


肺胞が障害されて、酸素が取り込めなくなるのなら、二酸化炭素は排出されなくなるのかな、と考えるのが人情です。でも実際には、そうはなりません。


というのは、二酸化炭素は、酸素よりもずっとずっと拡散しやすいのです。ですからちょっと呼吸数を増やしてやると、健常な部分の肺胞から二酸化炭素がどんどん排出されていきます。


結果、肺胞が障害されるような疾患で問題になるのは、低酸素血症であって、高二酸化炭素血症ではない、ということになるのです。


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posted by 長尾大志 at 18:39 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2016年03月13日

「今どきの若者気質」が生まれる背景とその結果としての特徴

「今どきの若者気質」が生まれる背景について、藤崎先生は以下のように考察されています。


  • 現在少子化で大学全入時代となった。ゆとり教育もあり、世代の学力が全体に低下している。

  • 核家族化によってコミュニケーション体験・能力が不足している。

  • 不景気・低成長時代であり、受験生の高齢化(現役世代の学力低下も関係)、社会人経験者の編入、再受験が増えている。

  • 社会的には消費社会文化が成熟している。お金を払ってサービスしてもらうのが当たり前。消費者は自ら努力するのではなく、あくまで受け身である。クレームは一人前にする。

  • クレームは一人前だが、よっぽどの緊急事態にならないと”Help me!”と言えない。察してもらえると思っているのか?

  • 受動的であり自分から動くことはない、動けない。指示待ち。言われたら動く。

  • お任せで何とかしてもらえる。社会性・公共性はない。

  • ものに対する執着はない。忘れ物を取りに来ない。



上記の背景によって、キーワードとして「エコ」なさとり世代が生まれた。以下のような特徴があるそうです。


  • とにかく効率的で、ムダを嫌う。

  • 少しでも損はしたくない。やったからには元を取りたい。⇒⇒なんとしてでも関係を続けたいストーカー化につながる。

  • ムダになったらイヤなので、不確実な投資、労力は嫌う。⇒⇒最低限の勉強(努力)で試験に通るのがスマートである。

  • 自分に向き合うことはしんどいから苦手。避けて通る。

  • 自分に優しく他人にも優しい。⇒⇒他人に関わらない、無関心⇒⇒ある人に問題があってもクラス内で修正されることなくそのまま卒業になってしまう。

  • 情報過多時代であり、情報を遮断する能力は優秀である。⇒⇒興味がないことはスルーする。

  • サービスの受け手、利用者としての自分中心の世界に安住していて、他者の視点に立つことをしたくない。

  • 悪意がなくて素直であれば何でも許されるという脳天気な甘えがある。



いかがですか?学生さんに接することの多い教員の皆さんは、共感出来る部分もあったのではないでしょうか。もちろんほとんどの学生さんにはこういうことは見られないのですが、なんか時に感じる違和感の理由、「何で最近の学生さん、こんなことを言うのだろう?」という疑問の答えをこれだけ言語化して頂ける、これだけでもスゴいのに、このような学生たちに対する処方箋も示して頂いたのです。


まあ、処方箋はあれども、それを服用するかどうか、それは滋賀医科大学次第、ということになりますんで…。まあ処方箋に関してのお話を聴けば聴くほど、うちにできるだろうか?と絶望的な気分になったことも紛れもない事実です。

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posted by 長尾大志 at 20:25 | Comment(0) | 日記

2016年03月12日

医学教育における「態度教育」

先週はさらに、FD・SD研修会もありました。


岐阜大学医学部医学教育開発研究センターのセンター長・教授 藤崎和彦先生による、

「医学教育における『態度教育』に関するFD・SD研修会」

というタイトルで、医学教育における「態度教育」をどのように行っていくか、
多岐にわたってのお話を頂戴しました。藤崎先生は有名な方ですが、
たぶん私はお話を直接伺うのは初めてでしたが、
初めから終わりまで目が離せないくらい面白かったです。


しゃべりまくりで80分、という講義も、お話の内容、話し方、受け手の興味によっては全然没頭出来るな、ということが実感されました。




肝腎の「態度教育」中身も盛りだくさんでしたが、前提条件として挙げられていた「今時の学生気質」がスゴく当を得ていて共感しまくりだったので、特に教員の皆さまとシェアしたいと思います。


あ、あくまで、「こういう人が見られるようになってきた」ということであって、「こういう人ばかり」ということではありませんから、学生さんも気楽に読んで頂ければ。

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posted by 長尾大志 at 21:56 | Comment(0) | 日記