2016年07月31日

欅坂46のデビュー曲にサイレントマジョリティーを与えた秋元康さんは天才

昨日の続き、というか、『学生×教員 対話セッション』のまとめです。


教員から見てサイレントマジョリティーにみえる、多くの学生さん・研修医の皆さんにどう働きかけるか、って話です。


これまでに経験したところでは、なにか心に火が点いた瞬間(これはまさに「火が点く」としかいいようのない、表情の変化として見られるのですが)から、取り組みの熱量が変わる、ということはあります。でも、「火を点ける」ことはそれほど再現性のあるものではない。でも、確かにそういう瞬間はあるのです。


でも、医学教育学会で、どなたかがおっしゃっていました。「1人のスーパー教師を作ることが目的ではなく、きちんとした『システム』を作るのが目的なのだ」と。


誰かが作った、その『システム』で、本当に学生さんの燃料に「火を点ける」ことができるのでしょうか。6回生の皆さんに答えてもらったアンケートで、学生さんから「ロールモデル、お手本となるドクターを見たい」という声が多数あったことも事実。


『祝祭空間』で踊りまくるオッさんがいて、初めて「踊ってみるのも面白そうだ」となるのではないのかなあ、と思ったりもするのです。再現性が少ない、エビデンスのない世界でどこまでできるのか、やってみた結果がこちら。


ポスター用.pdf


サイレントマジョリティーのたとえを出したときに、隣の学生さんが「いや、そんなことないっすよ!多くの学生はちゃんと考えて、やってます!教員から見えないだけで。」とおっしゃっていたのが印象的でした。


でも、どこかの国の大統領が言っていたように、「声を上げないものは賛成している」(サイレントマジョリティーより引用、一部改変)ということになってしまうわけで、今のどこかの国と同じで、「声を上げたって同じだし」とあきらめているのかもしれません。それはもったいない。


それとも、「見栄やプライドの鎖に繋がれたような つまらない大人」(サイレントマジョリティーより引用)だと思われているのかもしれません。こっちの方が可能性は高いか…。


部活であれ、学祭であれ、教員と学生さんがふれあう機会はあるわけで、もっとお互いに活かしたほうがいいでしょう。そういえば「学生の時にやっておいたほうがいいこと」として「他人と協力して新しいことを作り上げる体験」を挙げましたが、学祭も今の形のままだったらもったいないなーとは思います。うーむ…とっ散らかったままですが、あえて散らかしておきましょうか。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 21:38 | Comment(0) | 教育理念・メッセージ

2016年07月30日

今日も第48回日本医学教育学会大会に参加

というわけで、今日は第48回日本医学教育学会大会の2日目です。


午前中は、教育技法、PBL、TBLの口演に入り浸っておりました。施設によって工夫されているところが違ったり、悩みは共通であったりして、興味深く過ごしました。やはり実際どうやっている、というところを伺うことができて参考になるところ大でした。お話を聞きながら、いくつか新しい試みの試案ができました。


また、そもそも論ですが、PBLという形式を海外から日本に持ってきても、必ずしもうまくいくものではない、ということが既に各施設の先生方の共通認識である点がすごく腑に落ちました。ですからそれをわかっていらっしゃる先生方は日本の学生さんにあわせて、既にモディファイしておられる。いつまでもどこかみたいに旧態依然ではアレだなあ、と思いました。これも改革案はすぐに浮かびますが、まあそれは置いときましょう。


ランチョンセミナーは、大阪医大の槇野先生による、『最近のRA診療』。これは開催が大阪医科大学さんであったことによる僥倖、とばかりに前から3列目でかぶりついて拝聴しました。いつもながら内容がふんだんながら、整理されたお話で、大変ありがたかったです。


そして午後には、『学生×教員 対話セッション』に参加。


IMG_2961.JPG


学生さんも交えて対話が白熱し、いろいろな意見が出て頭がすごく活性化されました。特に残ったキーワードとしては『祝祭空間』と『サイレントマジョリティー』。


『祝祭空間』は日本大学の押味先生に頂いたお言葉で、以前から課題として持っていた、授業/講義の「ライブ感」をもっと適切に表現する言葉として、これから使っていきたいと思います。大学という空間にわざわざ学生さんを集めて、拘束して行う意味。それは『祝祭空間』とならなければ意味がない、ということ。それを実現するためにできることを考えていきます。


もう一つの『サイレントマジョリティー』は時間が足りず、対話を深めることはできませんでしたが、多くの『サイレントマジョリティー』である学生さんを如何にして祝祭の場へ引きずり込み、火をつけるか。これこそが教員の役目ではないかと思うのです。お、今いいこと書いた気がする。もっと練ろう。


その後日野原重明先生による名誉会長講演を拝聴。初めてご尊顔を拝しましたが、104歳にしてお元気!ご講演も素晴らしいものでした。撮影NGでしたので写真はアレですが、きっと公式HPには掲載されるのではないでしょうか。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 22:00 | Comment(0) | 活動報告

2016年07月29日

第48回日本医学教育学会大会に参加

今日は本当でしたら6回生のアドバンスポリクリ最終日…のはずでしたが…。


朝から第48回日本医学教育学会大会に参加して参りました。


DSCF7328.JPG


今回はちゃんと発表して参りましたよ。
「アクティブ・ラーニングを授業に取り入れると、学生の反応が劇的に好転する」


DSCF7330.JPG


証拠写真っす。発表しているところを撮ってもらえるほど仲のいい人がいませんでしたので、発表風景はありませんが。


DSCF7331.JPG


朝一に貼ったときにはがらんとしていましたが、発表時には盛況で…と思いましたが、発表時もそれほどの耳目を集めた感じはありませんでした(笑)。


会場では、何名かの、ブログや書籍を読んでくださっている先生方にお声をかけていただきました。ありがたいことです。今後ともよろしくお願い申し上げます。



今回けっこうガッツリ参加してあれこれ発表を聞いて回った結果、何となくこれまで医学教育学会に感じていた違和感といいますか、変な感じの正体がわかってきたような気がします。ま、ここでは書けませんけどね。


明日も1日参加して、ますます勉強してきますよ〜。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 22:49 | Comment(0) | 活動報告

2016年07月28日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・止まらない咳6

で、そこまで目星をつけたら次は治療です。つまり抗菌薬の選択。


かなりバッサリシンプルに割り切った話ですが、気道感染症の外来治療に使用する抗菌薬といえば…


  • アモキシシリン(AMPC)(+クラブラン酸/アモキシシリン(CVA/AMPC))…経口薬

  • セフトリアキソン(CTRX)…点滴薬

  • クラリスロマイシン(CAM)またはアジスロマイシン(AZM)…経口薬



…これだけ。


これだけ??
ク○ビットやメイ○クトやフロ○ックスは???


――少なくとも最初には使いません。まあ、メイ○クトやフロ○ックスはもう全国的に使わない方向と考えていいでしょう。


細菌性肺炎の疑いだったら、まずはAMPC。グラム染色で陰性桿菌が見えたり、基礎にCOPDや慢性呼吸器疾患があったりで、陰性桿菌の関与が疑われる場合にはAMPC+CVA/AMPC、またはCTRXを点滴で投与、とします。


サワシリンレジスタードマーク(250mg)3錠 分3後

陰性桿菌の関与が疑われる場合
サワシリンに加えてオーグメンチンレジスタードマーク(250mg)3カプセル 分3後

外来で点滴治療を行う場合
セフトリアキソン2g+生理食塩水100mL 点滴 1日1回


呼吸器専門でないドクターのための呼吸器実践

トップページへ

2016年07月27日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・止まらない咳5

肺炎を外来で診療、治療するとなりますと、抗菌薬の選択をしなくてはなりません。そのためには原因菌の目星をつける必要があります。


またまた日本の成人市中肺炎診療ガイドラインを紐解きますと、細菌性肺炎とマイコプラズマ肺炎を鑑別せよ、とあります。細菌性肺炎であればβラクタム系(ペニシリン系、セフェム系など)で治療しますが、マイコプラズマであればマクロライド系抗菌薬を使います。


それもそのはず、マクロライド系薬はこれまでに濫用されつくし、肺炎球菌をはじめ多くの気道感染原因菌に効かなくなっているのです。ですから細菌感染であればβラクタムが常道。


一方で、細胞壁を持たないマイコプラズマに対しては、細胞壁合成阻害薬であるβラクタム系薬は原理的に効きません。効くわけがありません。それで蛋白合成阻害薬であるマクロライド系薬を使うのです。


このように、細菌性肺炎とマイコプラズマ肺炎は使う抗菌薬が真逆?真裏?ですから、せめてこのどちらっぽいかぐらいは目星をつけましょう、というのが、ガイドラインのコンセプトです。ガイドラインではマイコプラズマに、似た病態のクラミドフィラ(クラミジア)も加え、『非定型肺炎』として分類しています。


非定型肺炎の鑑別項目として、


  • 若年者(<60歳)

  • 基礎疾患なし

  • 痰が出ない、ない

  • 激しい空咳がある

  • ラ音は聴かれない


の5項目のうち3項目以上当てはまるものを非定型肺炎の疑い、2項目以下であれば細菌性肺炎疑い、と取り扱います。


もし採血データがすぐに得られるB、Cのセッティングであれば、

採血して、白血球増多はない

という項目を加えた6項目中4項目以上当てはまるものを非定型肺炎の疑いとします。



逆に言うと、


  • 高齢者(≧60歳)

  • 基礎疾患あり

  • 膿性痰が多い

  • つまり空咳ではない

  • ラ音が聴かれる



の5項目のうち3項目以上当てはまるものを細菌性肺炎の疑い、2項目以下であれば非定型肺炎疑い、と取り扱う、ということになるわけです。


呼吸器専門でないドクターのための呼吸器実践

トップページへ

2016年07月26日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・止まらない咳4

@検査機器が何もないクリニックにて

問診と身体診察+SpO2から、上記の疾患を疑います。


比較的急性の発症で、悪寒戦慄や寝汗、呼吸数増加・SpO2低下、片側cracklesを聴取する、となれば急性肺炎を考えます。ここで喀痰のグラム染色が出来れば、診断に大きく寄与しますが、現実問題は難しい…。次には入院治療が必要かどうかを判断します。


日本のガイドラインではA-DROPを使っています。

A:Age(年齢)男性≧70歳、女性≧75歳
D:Dehydration(脱水)BUN≧21または脱水
R:Respiration(呼吸)SpO2≦90%
O:Orientation(意識障害)
P:Pressure(血圧)収縮期≦90mmHg


A-DROPが
0点:軽症→外来治療
1-2点:中等症→外来、または入院治療
3点以上:重症→入院治療
4点以上→ICU入室の上治療


ということですから、上の項目を何も満たさなければ外来診療可能、ということになります。


呼吸器専門でないドクターのための呼吸器実践

トップページへ

2016年07月21日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・止まらない咳3

また非専門医の先生方向けの記事に戻って参りました。


2,3日前から咳が出ている。そういう訴えのときには、最も多いのが…。
…急性の気道感染症、でしたね。


咽頭痛、鼻汁に咳嗽がおおよそこの順番で出てきて、倦怠感や微熱はあってもいずれもそれほど重症感なし、自然軽快傾向あり、ということであれば急性上気道炎(普通感冒)の診断はそれほど困難ではないでしょう。


ここで大事なことは、急性上気道炎(普通感冒)と診断した=その症例には抗菌薬を使わない、ということです。ですから逆に、抗菌薬や他の治療を必要とする急性の感染症は、それとしてきちんと診断しなくてはなりません。


急性上気道炎以外の急性疾患で、典型的な症例における診断のキーワードは、


  • 急性鼻副鼻腔炎|後鼻漏症状、膿性鼻汁、片側の頬部痛(圧痛)・上歯痛、うつむいて症状悪化

  • インフルエンザ|周囲での流行状況、流行時期の典型的病歴

  • 急性気管支炎・急性肺炎|悪寒戦慄、寝汗、呼吸数増加・SpO2低下、crackles聴取、喀痰グラム染色

  • 気管支喘息・咳喘息の発作|これまでの病歴・症状の繰り返し、wheezes聴取、気道の可逆性

  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の増悪|病歴や身体所見からCOPDの存在を診断

  • 急性間質性肺炎・慢性間質性肺炎の急性増悪|病歴やfine cracklesから間質性肺炎の存在を診断

  • 急性心不全・急性循環不全|病歴、頻脈(動悸)、胸痛、身体所見




あたりです。
で、このあとどうするか、外来のセッティングによっていささか方針が変わってきます。


@検査機器が何もないクリニックにて
A在宅診療の場合…
BX線写真は撮れる、というクリニックにて(紹介のハードルは比較的低いとして)
C離島や遠隔地で、呼吸器科医への気軽な紹介が出来ない(一通りの検査機器はある)場合


やはりここで見落としちゃいけないのは、初期に適切な治療を施すべき、COPDの増悪、間質性肺炎の急性期、急性循環不全、それと肺炎でしょう。これらはいずれも呼吸数の増加、SpO2の低下を認めるわけで、呼吸数を見る、SpO2 を確認することは必須です。


呼吸器専門でないドクターのための呼吸器実践

トップページへ

2016年07月20日

エキスパートナース8月号、巻頭特集を担当いたしました。

本日発売のエキスパートナース8月号、巻頭特集「これ以上やさしく書けない!ナースのための血ガス講座」を書かせて頂きました。


少し前にこちらで記事にしたものですが、編集さんの手にかかると、あら不思議、こんなにステキなカラフルなわかりやすい記事になるのです!すぎょい。


1608expertnurse表紙.jpg


以前特集をやらせて頂いた2016年1月号も、おかげさまで好評を頂いたようで、売れ行き好調だそうです。今回も多くの悩める看護師さんのお役に立つといいなあと思います。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 17:05 | Comment(3) | 活動報告

2016年07月19日

自習用動画 in Youtube 第9弾、細菌性肺炎の治療3

肺炎動画の続きです。遅々としておりますがとりあえず問題なく公開出来そうなのはここまでです。今はもう少し進歩していますし、もちろんライブの場合はもう少し突っ込んだこと(○○はいいとか悪いとか…)もハッキリ言いきります。ご要望によってはアクティブ・ラーニングにも対応いたしますので、もう少しマシなものが聴きたい、という場合はご用命頂ければと思います。


https://youtu.be/3sS1PkbIPzE

トップページへ

posted by 長尾大志 at 18:56 | Comment(0) | 動画置き場

2016年07月18日

自習用動画 in Youtube 第8弾、細菌性肺炎の治療2

肺炎動画の続きです。公開に値するもの、公開はまずいかな、というものの取捨選択が難しいので、遅々としております。この連休は家にいる時間が長く、妨害も多々あるため、作業が進みません。


昨日同様、滋賀医大の研修医の先生方向けセミナー、卒後臨床研修イブニングセミナーを収録し、動画にしたものです。だいぶ前なのでマイク性能がよろしくないのと、当時鼻の調子が悪く、鼻を繰り返しすすって聞きづらいですね…。録り直したいものです。


https://youtu.be/LLqeA9Jh25g


この秋は野洲の周辺の先生方とコメディカルスタッフの皆さんとともに肺炎について考える、

9月8日(木) 第5回 野洲感染対策学術講演会

と、理学療法士さんの勉強会、

11月27日(日) 平成28年度内部障害研修会「ホントは怖い肺炎の話」


がありますが、参加される方々には是非ご覧頂きたい動画たちですね。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 13:24 | Comment(0) | 動画置き場

2016年07月17日

自習用動画 in Youtube 第7弾、細菌性肺炎の治療1

肺炎動画の続きを作成しましたので公開致します。公開に値するもの、公開はまずいかな、というものの取捨選択が難しいので、遅々としております。


前回同様、滋賀医大の研修医の先生方向けセミナー、卒後臨床研修イブニングセミナーを収録し、動画にしたものです。だいぶ前なのでマイク性能がよろしくないのと、当時鼻の調子が悪く、鼻を繰り返しすすって聞きづらいですね…。これも録り直したいのです。


https://youtu.be/I9FmaZWYrz4

トップページへ

posted by 長尾大志 at 21:58 | Comment(0) | 動画置き場

2016年07月16日

呼吸器内科・歓送迎会

昨日は来週の発表の予演と…


5126予演.jpg


この7月の人事異動に伴う、歓送迎会が執り行われました。


5132syugo.jpg


K田先生は卒後10年、2児のママさんで、後期研修から産休、育休、時短を活用し子育てに奮闘されていましたが、このたび市中病院に赴任されることとなりました。


ここ数年は大学院生として、外来業務(病棟はなし)と研究に励まれ、きちんと博士論文をまとめて学位も取得されたのです。素晴らしいですね。後に続く女医さんの模範となるようなキャリアコースです。


まだまだお子さんが小さいので、市中病院でもフル回転で…とはいかないかもしれませんが、数年後お子さんから手が離れたら、またクリニカルクエスチョンを持って研究や教育に大いに実績を上げて頂けるのではないか、と期待しています。


そしてK瀬先生、これからどうぞよろしくお願い申し上げます。留学帰りのしばらくは大変だと思いますが、何でもお手伝いしますので頑張りましょう。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 21:03 | Comment(0) | 日記

2016年07月15日

アドバンスポリクリ後半戦

6年生の臨床実習も後半戦、5年生もおりますので気を失いそうになりながら、なんとか回しております。そして雑誌原稿、校正もじゃんじゃんやってきては去り、もう抜け殻状態であります。


今週もいろいろと学んで頂くところはありました。実際の患者さんを前にしてこそわかる、患者さんの悩み、苦しみにどう応えるか。私と患者さんとのやりとりの中で見えてきたものもあるかもしれません。決してかっこいいものではありません。泥臭くもがいて、試行錯誤して、お話しして…そういうところも見て頂けて、学びにはなったのではないかと。


また、後期研修医のH山先生には、治療がうまくいかない症例を体験して頂きましたが、おかげで数多くのパターンをシミュレートしてもらえました。最後にはそうきたか!ということも。この経験を持って、いよいよ大海に漕ぎ出していきましょう。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 22:42 | Comment(0) | 日記

2016年07月14日

書籍企画進行中10・緊張性気胸について小ネタ

症状

  • 比較的突然起こる胸痛、呼吸困難

  • ショック状態になる




発症の仕方

  • 外傷による肋骨骨折。

  • 胸膜炎などのあと、臓側胸膜と壁側胸膜が癒着していて、そこがはがれるときに無理やり裂ける感じになる。

  • 人工呼吸(陽圧換気)中。




診断の手順

診察では、普通の?気胸の場合の

  • 触診の声音振盪減弱

  • 打診で鼓音

  • 聴診で呼吸音低下



に加えて、

  • 視診
    胸郭膨

  • 胸郭運動低下(左右差)

  • 気管の偏位

  • 頸静脈怒張

  • 触診
    皮下気腫(握雪感)

  • 聴診
    縦隔気腫(ハンマン徴候)



などの所見を捉えます。


ナースのための呼吸器道場

トップページへ

posted by 長尾大志 at 18:31 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2016年07月12日

書籍企画進行中8・気胸について小ネタ

非専門医の先生方向けの記事の前に、看護師さん向けにやらなくてはならないお仕事がまだまだ残っておりました。((((;゚Д゚))))))) 急いでヤラナクテハ。



気胸について

気胸は、肺(臓側胸膜)に孔があいて空気が漏れたものです。気胸が起こりやすい人は、肺(臓側胸膜)が弱い人、ということになります。


1つは、「やせ型、高身長、若年男性」。


やせて高身長の男子は、中学生ぐらいのときに身長がぐいーんと伸びます。そのときに胸郭が主に伸びて、肺の成長が追いつかない、そうなると肺のてっぺん(肺尖部)が引っ張られて、弱い部分(嚢胞)が出来てしまうのです。


弱い部分は時間が経過すると補強されて破れにくくなりますから、弱い部分が出来て数年以内の、10代後半頃が気胸の好発年齢となるのです。



もう一つは、「高齢、喫煙者、COPDあり男性」。


高齢の喫煙者、特にCOPDがあると、肺の外側(胸膜直下)に袋(嚢胞)が出来てきます。嚢胞は弱い部分であり、破れると気胸になります。


この場合の好発年齢は、当然高齢者ということになります。COPDも圧倒的に男性が多いので、高齢男性にも気胸が多い、ということになります。



これらどちらのタイプにも共通の体型として、やせ型ということが言えます。やせている(≒太りにくい)人は、組織が弱く、破れやすいのかもしれません。少なくともそう考えれば、全部関連して覚えやすいですね。


ナースのための呼吸器道場

トップページへ

posted by 長尾大志 at 18:52 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場

2016年07月11日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・止まらない咳2

…急性の気道感染症ですね。


一番多いのはおそらく急性上気道炎(普通感冒)。感冒の診断は、先生方もよくご存じの通り、咽頭痛、鼻汁に咳嗽がおおよそこの順番で出てきて、いずれもそれほど重症感なし、自然軽快傾向あり、ということで診断はそれほど困難ではないでしょう。


ここで大事なことは、他の咳を呈する急性感染症を除外することです。


  • 急性鼻副鼻腔炎

  • インフルエンザ

  • 急性気管支炎・急性肺炎

  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の増悪

  • 急性間質性肺炎・慢性間質性肺炎の急性増悪



呼吸器専門でないドクターのための呼吸器実践

トップページへ

2016年07月10日

自習用動画 in Youtube 第6弾、細菌性肺炎の概要

久しぶりですが、動画を作成しましたのでまた公開致します。


こちらは肺炎について、基礎編というか概要というかメカニズムというか、つかみのお話です。肺炎のお話をするときにはまずこのお話をしますので、動画として残しておきます。


これ自体もけっこう古いものですが、最近の講演会では録音ができておりませんので、滋賀医大の研修医の先生方向けセミナーである卒後臨床研修イブニングセミナー、というものがありまして、(まあ最近はもう私にはお声がかからないのですが、以前は私もお話ししたことがありました)そのときにたまたま収録したものを動画にしてみました。


だいぶ前なのでマイク性能がよろしくないのと、当時鼻の調子が悪く、鼻を繰り返しすすって聞きづらいですね…。これも録り直したいなあ。


https://youtu.be/0McrNkEMjsM

トップページへ

posted by 長尾大志 at 20:09 | Comment(2) | 動画置き場

2016年07月09日

告知・2016年下半期の講演・セミナー予定

2016年も早いもので、半分経過してしまいました。皆さんはいかがお過ごしでしょうか?年頭のご予定は順調に進んでおられるでしょうか。


私はまあまあ予定通り、頂いたお仕事をこなせているかなという感じですが、いろいろな機会を頂く中で、少しずつレベルアップはしているように思います。いろいろとうれしい出会いがあるのがありがたいですね。


さて、下半期にもいくつかお仕事を頂いておりますので、告知させて頂きます。


8月6日(土)  神戸 クリスタルタワー
8月20日(土) 東京 損保会館

メディカ出版セミナー
「急性期でよくみる呼吸器疾患〜病態・治療・ケアのポイント〜」
http://www.medica.co.jp/seminar/detail/171

今回は疾患編。前回も好評でしたが、今度はフィジカルアセスメントを意識して、診察の技法を少し増量して、余り馴染みのない疾患を減らしました。もっと良くなってると思います。



9月8日(木) 第5回 野洲感染対策学術講演会
「滋賀の肺炎と抗菌薬」
滋賀県における肺炎診療の実態…野洲の実態…参加される皆さんと語り明かしたい。そして、滋賀の医療をぐぐっと高めたいですね。



9月15日(木) 第192回 胸部X線勉強会 学術講演会
琉球大学の藤田先生にお招き頂きました!光栄すぎて、プレッシャーが大きすぎます。沖縄でも道場開いて参ります。



9月〜11月の辺で1〜2、看護師さん関係の出版がある予定です…。また告知致します。
あ、そういえば、7月20日(水)発売のエキスパートナース8月号、特集やらせて頂いてます。



11月6日(日) 第14回滋賀県呼吸療法セミナー「3学会合同呼吸療法認定士試験対策セミナー」

以前某社さんのセミナーの枠で、3学会合同呼吸療法認定士試験対策セミナーをやりたいなあ、というお話があったのですが、大人の事情で出来ませんでした。受験される方々が結構お困りのところを直接伺っているので、お役に立てるところは結構あると思います。



11月19日(土) 呼吸器スキルアップセミナー in OSAKA 2016

毎年やってます、学会主催のこちらの会。今年のテーマはまだ決まっておりません。あ、もう決まったのかもしれない…。



11月22日(火) 以前お話をさせて頂いた医師会さんに、再びお招き頂いています。ありがたいことです。確定しましたら告知致します。



11月27日(日) 滋賀医科大学医学部附属病院1F 多目的室
平成28年度内部障害研修会「ホントは怖い肺炎の話」

理学療法士さんの勉強会です。今年は肺炎のお話が多いですね…。



12月4日(日) あ〜早く言いたい〜この日は超楽しみな学生さんの勉強会をバックアップする予定です。確定したら大いに告知致します!



12月11日(日) 東京
12月18日(日) 大阪

こちらもまだ某社さんHPで公開されていないようですので、ちょっとアレですが、アレに絡んだアレとなっております(なんだそりゃ…)。また本決まりになったら告知させて頂きましょう。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 16:05 | Comment(0) | 活動報告

2016年07月08日

オフェブ 滋賀エリアセミナー

昨日は標記のセミナーに参加して参りました。


まあタイトルの通り、とあるメーカーさん主催の会ではあったのですが、特発性肺線維症、間質性肺炎の第一人者であられる、公立陶生病院の近藤先生が来られる、ということで万難を排して参加して参りました。とはいえ、第16回BRONCHOのあとでしたので、いささか遅刻しましたが…。


それはさておき、やはり多数例の経験をお持ち、かつ、最新の知見を数多くご存じの先生ですから、お話を大変面白く拝聴することが出来ました。


個人的に特発性肺線維症(IPF)の診療にはいろいろな面で困難を感じているのですが、その困難感を言語化して頂いて、かなりスッキリしました。私のような凡人には、この「言語化」が難しいのです。


多くのエビデンスがあって、その結果「やっぱりこうだ」というところもあるのですが、それを一言にまとめることが出来れば、多くの非専門医の先生方のお役に立つのではないか、とも思いました。でも、文献が多すぎて、まとめるのは大変だなあ…。



伺ったことで、大事なことを備忘的にメモしておきます。


  • IPFの診断は難しい。

  • IPFの進行速度にはかなりの幅がある。

  • %FVCの低下度合いが大きくなると、予後は不良である。

  • 当初ほとんど陰影がなく、陰影変化がない症例でも、蜂巣肺(HC)が出だしてIPFと後になって診断出来る例も多い。

  • しばしばfNSIPと鑑別困難なIPFが経験される。

  • fNSIPならステロイド+免疫抑制薬、IPFなら抗線維化薬であり、逆はほぼ禁忌と言ってもいいので、鑑別困難だとしばしば悩ましい。

  • 大事なことは経過観察と評価。ある診断、根拠で治療を開始しても、経過が想定と合わなければ方針を変更する必要もある。

  • 病理医の間での意見の不一致はかなり深刻である。Dr. Wells曰く”Miserable!”

トップページへ

posted by 長尾大志 at 16:17 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2016年07月07日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・止まらない咳1

「咳が止まらない」非常にコモンな訴えですね。で、このコモンな訴えの中に、数多くの疾患が潜んでいる。介入すべき疾患、放置でも自然軽快する疾患…そこの見極めは、「あそこはヤブ」「あの先生はイイ」患者さんの評価を分ける、非常に大事なポイントにもなっています。


そこで、「咳が止まらない」という患者さんにどういうことを尋ねていくか、自分のやり方を記していきたいと思います。


基本的なコンセプトとして、一般内科外来の現場でお役に立つよう、鑑別診断にはコモンな疾患、それから(見逃すと)ヤバい疾患を挙げていきます。大体、自分がやっている思考過程、自分の中で出てくる鑑別診断の順番をご紹介、というつもりでやっていきますので、鑑別のすべてを網羅する、ということではありませんのでご了承下さい。



まずは必ず伺うのが「いつからですか?」。これである程度、どんなジャンルの疾患かが分かるというものです。


■ せいぜい数日の経過(急性)


2,3日前から咳が出ている。そういう訴えのときには、最も多いのが…。


呼吸器専門でないドクターのための呼吸器実践

トップページへ