2016年09月30日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・間質性肺炎・肺線維症2

で、分類を全部挙げていくのも、どうなんだろう、と思うわけです。おそらく非専門の多くの方は興味がないのではないでしょうか。


その理由としてよく耳にするのが、「とにかく分類がややこしい」。特に特発性間質性肺炎群では、病名と病理の名前がごっちゃになっていて整理されていませんし、それでいて(それゆえに?)、すべての病名がきちっと定まっているわけでもなく、ちょいちょい改訂されていたりもするのです。


また特発性群では、病理学的な所見が分類の根拠となっているにもかかわらず、その肝心な病理学的分類が病理の先生方の間で一致していなかったりする(言っちゃった…)わけで、私たち呼吸器を専門とする臨床医ですら、正確な分類の全貌を見ているわけではないのですね。いまだに『分類不能』みたいな名前が大手を振って使われていたりしますし。とても非専門医の先生方に「これをよく覚えておいて下さい」とは言えないのが正直なところです。


それから、分類を一所懸命にやっても、結局治療はステロイド、だったりして、あまり分類のありがたみがないように見える、ということもあるかもしれません。ですから、ここでは治療を意識して、分類を再構成?してみることにしましょう。


呼吸器専門でないドクターのための呼吸器実践

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2016年09月29日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・間質性肺炎・肺線維症1

間質性肺炎・肺線維症は診断に困る、そういう声を本当によく耳にします。そもそも診断、というか分類は一体どうなっているのか。まずはそこから整理しておく方がよさそうです。


まず間質性肺炎の診断。「この症例、間質性肺炎かな?」と思われる場面はどんなときでしょうか。まあこれも、急性期と慢性期でずいぶん違うでしょうが…。


急性期だったら、

  • 急速に進行する呼吸困難、低酸素血症があって、

  • 胸部X線写真、CTで両側びまん性に陰影を認めて、

  • 利尿薬、抗菌薬などの治療に反応しない。



とか典型的ですね。


慢性期であれば、

  • 徐々に進行する呼吸困難を主訴とする、あるいは健診で引っかかって受診し、

  • 胸部X線写真、CTで両側びまん性に間質性肺炎っぽい陰影を認める。



という感じでしょうか。


間質性肺炎っぽいって何やねん。とのお叱りの言葉が聞こえてきそうですが、詳しくは後述します。ここでは、例えば別の施設に委託してCT撮影し、所見が返ってきたときに「間質性肺炎の疑い」な〜んて書いてある、そういう場面を想像して頂ければ。


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2016年09月28日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・止まらない咳30

慢性の咳で胸部X線写真・胸部CTなど、画像上所見が見られないものについての鑑別は一旦置いておきましょう。じゃあ画像で何か見えたら話は単純か?というと、そうでもない、という話です。まれな疾患も含めると多数ありますが、比較的出会いやすい疾患は…


  • 肺癌

  • 肺結核・肺非結核性抗酸菌症

  • 間質性肺炎・肺線維症



しかもこれらの疾患は、あまりカチッとした診断基準・治療方針が見つからない、実際どうしたらいいのか、なんだかよくわからない、とご相談頂くケースが多いように思います。というか、私たち専門家でも迷うことがしばしばあるのです。



肺癌は、プライマリ・ケアの先生方では結節を見つけたら専門医にお任せ、となるかもしれませんが、呼吸器内科医のいない病院で、他臓器メインの腫瘍内科医の先生や一般内科医の先生が肺癌の化学療法をやっておられるケースは少なくないと聞いております。基本的な化学療法の作法は同じですが、肺癌の考え方は遺伝子変異やPS等によるオーダーメードかが進んでおり、どんどん新製品も出ておりますので、現時点でのスタンダードな考え方をご紹介します。


肺結核も診断したら専門病院にハイ、どうぞ!だと思いますが、診断のところはもう一度確認しておきましょう。


非結核性抗酸菌症、こちらは近年増加傾向ですし、お困りのことも少なくはないのではないかと思います。診断のところもそうですし、治療に関しては私たちも悩んで悩んで…しています。


そして間質性肺炎・肺線維症。これは本当にお困りだと思います。まず診断がどうにもこうにも定まらない。そして治療も、ステロイドを使ったらいいのか、よくないのか、診断が定まらない中で一体どうしたらいいのかわからない…実は私たちもしばしば困っているところなのです。


それでも間質性肺炎患者さんを診なくてはならない。目の前にいる患者さん、どうするのが正解なのか。あるいは最も「妥当」なのか。じっくり考えたいと思います。


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2016年09月27日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・止まらない咳29

慢性の咳、でも画像上原因疾患は見当たらない、喘息と決めつけられないときにどう考えるか。


もちろん「慢性の咳」だけでは、喘息以外にもたくさんの鑑別診断があります。


  • on-off

  • 繰り返し

  • 過敏性



これらが明らかではない、という場合には感染症や後鼻漏、GERD、COPDなんかが鑑別に挙がります。他にまれではありますが画像で映らないものとして、気管支結核、気管支内の腫瘍ということも。



感染症ではマイコプラズマ、百日咳に伴う慢性の咳はかなり頑固で通常の鎮咳薬も奏効とはいかず、しばしば喘息と診断されているようです。マイコプラズマ罹患後気道過敏性が高まるとか、感染性の持続する咳にもICSは効果があるとかいわれていますので、一時的にICSを使用することは悪くはないのですが、ずっと使い続けるのは好ましくありません。


そういうことで診断には「時間」を味方につけることも大事です。つまり明らかな喘息かどうか確証がない、という場合、症状が治まればICSを一旦中止し、時間の経過を見て、繰り返しがないか判断するのです。この手順で感染性の咳嗽はおおよそ除外可能でしょう。


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2016年09月26日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・止まらない咳28

さてこのように「喘息だ!」と診断が定まれば話は簡単ですが、現場ではいろいろなケースがあるでしょう。


■ ICS/LABAの効果がなかったら…

変動性がある慢性咳嗽、喘鳴、呼吸困難で、ICS/LABAの効果がない、となりますと、考えるべきことはまず3つ。


@ ちゃんと吸入出来ているか

吸入薬を処方したあとには必ず確認しなくてはならないポイントです。ちゃんと説明しているつもりでも、驚くような使い方をされる患者さんに出会うことがあります。初回の処方をした次の診察には吸入薬を持参して頂き、「効果がない」といわれたら目の前で吸入をしてもらって確認するよう心掛けたいものです。



A 他の病態が合併していないか

喘息単独であることももちろんありますが、COPD、後鼻漏/鼻炎・副鼻腔炎やGERDの合併はまれではありません。各々に特徴的な症状、所見がないか確認が必要です。



B 喘息ではないのか

変動性の病歴を大げさに受け取ってしまうと、感染性・感染後咳嗽を喘息と考えてしまうかもしれません。「繰り返し」の病歴に気をつけて頂きたい。


変動性が明らかにある病歴、ということであれば、アレルギー性の要素はありそうですから、アレルギー疾患である後鼻漏・(亜急性)過敏性肺炎が鑑別に挙がってきます。後者であれば咳・呼吸困難に加えて発熱を伴うことが多いので、参考になります。またそういうことをふまえると、喘息の診断確定にはやはり胸部X線写真、胸部CTで他疾患の除外をするのが理想である、ということになってしまいますね…。


ですからどうにもよくならず手に負えない、という場合には呼吸器科医に紹介して頂くことになるでしょうか。ただ、変動性あり⇒ICS/LABAが奏効、という流れを意識して頂くだけでも多くの喘息患者さんが救われるのではないか、と考えます。


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2016年09月25日

OSCE外部評価をしてきました。

今日はOSCEの外部評価者として、奈良県立医科大学におじゃましましてきました。


なんにしても暑かったですね〜。スーツで行ったのですが汗でぐっしょりでした。


行く前はOSCEの評価者、なんだかな〜と思う気持ちもあったのですが、よそのやり方を経験するのは大変勉強になりました。また本学のOSCEにもフィードバックできるといいのですが。

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posted by 長尾大志 at 18:53 | Comment(0) | 活動報告

2016年09月24日

COPD動画7・上気道狭窄時の異常なフローボリューム曲線

今回はCOPD動画ではありませんが、異常なフローボリューム曲線を取り上げるときに必ず出てくる

上気道狭窄

の時のフローボリューム曲線の成り立ちを説明します。
COPDではありませんのでご注意ください。


https://youtu.be/aLd4M7u604s


今回で一連のCOPD動画シリーズは終わりです。COPDについて、ご理解を深めて頂ければ幸いです。

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posted by 長尾大志 at 17:34 | Comment(0) | 動画置き場

2016年09月23日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・止まらない咳27

シムビコートのステップダウン、次のステップは、@の場合もAの場合も、

パルミコートレジスタードマーク200を 1回1吸入 1日2回 計1日2吸入


となります。それでも3〜6ヶ月間、全く症状が出なければ、1日1回(計1日1吸入)に減らして、最後は完全off、という感じになります。



一応、他のICS/LABAで開始したときのステップダウン法も記載しておきます。



フルティフォームレジスタードマーク125 1回2吸入 1日2回 計1日4吸入で開始したときはどうするか。同じような用量、デバイス、使い方であるICS製剤は(メーカーは異なりますが)オルベスコレジスタードマーク200ですから、


@フルティフォームレジスタードマーク125を1回1吸入 1日2回 計1日2吸入 と半量にする、または

Aフルティフォームレジスタードマークをオルベスコレジスタードマーク200に替え、1回2吸入 1日2回 計1日4吸入のまま継続する、のいずれかとなります。


それからオルベスコレジスタードマーク200、1回1吸入 1日2回 計1日2吸入

⇒1回1吸入 1日1回 計1日1吸入
⇒off


となります。



このようにシムビコート、フルティフォームにはその代替となるICS製剤がありますが、レルベアレジスタードマーク100 1回1吸入 1日1回 計1日1吸入で治療を始めたときは、ステップダウンがちと雰囲気が異なります。


理由として、レルベアレジスタードマーク100 は、吸入デバイスがレルベアレジスタードマーク独自のもので、ICS単独の製剤に同じデバイスのものがありません。普通は同じメーカーのフルタイドレジスタードマーク200、となりますが、吸入回数が多くなってしまいます。これでは患者さんに「減った」実感が乏しいです。


また、ICS/LABAのまま量を減らそうとしてもちと難しい。レルベアレジスタードマーク100と同等の効果といえば、アドエアレジスタードマーク250があるのですが、250の下の用量は100になり、ICSの量が2/5になってしまうのです。しかも吸入回数は増えます。すなわち、


@ICS/LABAのまま量を減らすには、

レルベアレジスタードマーク100 1回1吸入 1日1回 計1日1吸入
⇒アドエアレジスタードマーク100 1回1吸入 1日2回 計1日2吸入
⇒フルタイドレジスタードマーク100 1回1吸入 1日2回 計1日2吸入
⇒フルタイドレジスタードマーク100 1回1吸入 1日1回 計1日1吸入



AICS/LABA⇒ICS製剤に変更するときは

レルベアレジスタードマーク100 1回1吸入 1日1回 計1日1吸入
⇒フルタイドレジスタードマーク200 1回1吸入 1日2回 計1日2吸入
⇒フルタイドレジスタードマーク100 1回1吸入 1日2回 計1日2吸入
⇒フルタイドレジスタードマーク100 1回1吸入 1日1回 計1日1吸入


どちらかというとレルベアは、現時点ではステップダウンのことより、簡便にずっと使ってもらうことを第1に考えた薬剤であると言えるでしょう。


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2016年09月22日

COPD動画6・COPDの異常なフローボリューム曲線

COPD動画、第6回はいよいよお待ちかね、「COPDにおけるフローボリューム曲線は、どうしてあんな形になるのか」についての説明です。


健常者とCOPDでは何が違うのか。それは、COPDでは息を吐こうとする、まさにその瞬間に「閉塞」が起きるからなのです。手前味噌ですが、その状況をうまくたとえ話で説明していますので、是非ご覧ください。


https://youtu.be/js01xqU-FOg

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posted by 長尾大志 at 12:14 | Comment(0) | 動画置き場

2016年09月21日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・止まらない咳26

ステップダウンの基本的考え方は、@ICSの量を半減させていく、AICS以外の薬を減らす、これの組み合わせになります。


例えば、シムビコートレジスタードマーク 1回2吸入 1日2回 計1日4吸入で始めた場合、シムビコートはICS/LABAですから、次の選択肢は


@シムビコートレジスタードマークを 1回1吸入 1日2回 計1日2吸入 と半量にする、または

Aシムビコートレジスタードマーク(ICS/LABA)をパルミコートレジスタードマーク(ICS)に替え、吸入回数は同じままにする、のいずれかになります。パルミコートはシムビコートからLABAを除いたもの、と考えていいでしょう。吸入方法も回数も同じで、無理なく交換出来ます。


理論的には、ICSは炎症を抑える働きがあり、LABAは気管支拡張するだけで本質的に炎症を抑えるわけではない、ということから、炎症を抑える治療をそのまま維持したAの方が好ましい気がします。ただ、「ステップダウン後に症状を出さない」という観点からは、LABAを残しておく方がいいようにも思います。GINAでは@が推されていますが、明確な結論は出ていないようです。


個人的には、「LABAを使わなけりゃ症状が出る」というぐらいの状況であるなら、ベースのICSはしっかり入れておく方がいいように思っていて、まずはAで試してみることが多いです。ステップダウンが簡単に進められるような患者さんでは、どちらでも大差はないのかもしれません。


日本のガイドラインでは、成人喘息において、あまりステップダウンについて明確には述べられていません。まあガチの喘息患者さんでは、余り推奨しない、ということでしょう。


呼吸器専門でないドクターのための呼吸器実践

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2016年09月20日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・止まらない咳25

吸入薬をずっと励行して頂くためには、やめると必ず悪くなる、ということもよく知って頂く必要があります。場合によっては実感して頂く、といいますか、「止めると悪くなるので止めずに続けましょう」と常日頃から繰り返し、それでも止めて調子が悪くなったときにはすかさず「やはり止めると悪くなりますね」という説明をする、そうやって丹念にご指導を頂きたいと思います。



ICS/LABAの標準量、まずはこの量で開始する、という量を開始し、明らかな効果があれば、そのまま継続します。いつまで続けるのか、というのは難しい問いです。ガイドラインでは、3〜6ヶ月継続して安定していれば、ステップダウン、ということになっています。


その意味するところは、全く症状がない=気道炎症が落ち着いている、その状態がある程度続けば、治療のステップを下げる=コントローラーの強さを下げることが出来るだろう、というところですが…やはり治療開始までに長期間喘息がコントロールされておらず、リモデリングが進んでいるようなケースでは、なかなかステップダウンがうまくいかないようです。


逆に、なり立てホヤホヤ、みたいなケースだと、割とステップダウンが容易なことも。このあたりの見極めが、ICS/LABAを最初に使い始めた、その治療反応性である程度は目安になるかなあ、というところです。


すなわち、最初の反応がよければ、ある程度ステップダウンをサッサッと進めていけるし、反応に時間がかかるようであれば、ステップダウンも慎重に運びたいところです。そこらあたりの機微も最初に患者さんへの説明に含んでおくのです。


呼吸器専門でないドクターのための呼吸器実践

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COPD動画5・フローボリューム曲線の成り立ち

昨日は体調不良でして、COPD動画シリーズの第5回が出来ていたのですが更新出来ませんでした。そういうわけで、本日ご紹介しておきます。


今回はフローボリューム曲線の成り立ちに関するお話です。COPDにおけるフローボリューム曲線は結構特徴的な形ですが、どうしてあんな形になるのか。それを理解するには、そもそもフローボリューム曲線がどうやって描かれているか、それを理解して頂く必要があります。そのための動画です。


https://youtu.be/ohWK8mTd_3U

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posted by 長尾大志 at 15:30 | Comment(0) | 動画置き場

2016年09月18日

COPD動画4・COPDで見られる所見の理由

COPD動画シリーズ、第4回は、COPDで見られる所見の理由に関するお話です。


COPDで肺に起こった出来事によって、身体の状況がどうなっていくか、その結果、どういった身体所見が見られるか、ということを順番に説明して参ります。


https://youtu.be/kIoySixnM6g

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posted by 長尾大志 at 15:32 | Comment(0) | 動画置き場

2016年09月17日

COPD動画3・COPDのメカニズム

COPD動画シリーズ、第3回からは、いよいよCOPDのメカニズムに関するお話です。


正常像を知っていただいた上で、COPDでは肺に何が起こっていて、その結果どうなっていく、ということを順番に説明して参ります。今回は、肺で起こっている出来事を説明しています。


https://youtu.be/ECb36LkhG4c


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posted by 長尾大志 at 16:31 | Comment(0) | 動画置き場

2016年09月16日

第192回 胸部X線勉強会 学術講演会 無事に終わりました!

昨日は沖縄県立南部医療センター・こども医療センターで開催されました、表記の会で講演をさせて頂きました。


DSCF7357.JPG


参加された先生方の属性がなかなか幅広く、呼吸器内科のベテランの先生方からご開業の勉強熱心な先生方、それに若手の先生方が参加されるということで、メインターゲットをどこに置くかをかなり悩んだのですが、「教え方を見たい」というリクエストを頂いていたこともあり、若手の先生向けに基本を確認してから、自分が悩んだ症例を見て頂く、レベルも初心者向け、中級者向け、上級者向けを織り交ぜて提示させて頂きました。


DSCF7364.JPG


聴衆が学生さん中心でしたら、どんどんレーザーポインターを回してどんどん発言して頂くのですが、今回も若手の先生にご参加頂いていたので、どんどん発言して頂くことに。


結果、自分としては皆さんに参加して頂けて、割とよかったのではないかな、と思っております。これからも若手の先生が多いところでは、このやり方でいこうかな。|´ω`)ノ


DSCF7370.JPG




このたびお声がけ頂いた琉球大学病院長・第一内科教授でいらっしゃる藤田先生は、元々私が先生のご講演を拝聴して以来、一方的にファンになっていた、という一方通行の関係でしたが、なんとamazonで私の本をご覧頂いて、それがきっかけでお声がけ頂いたという、まさに書籍が導いてくれた出会い、ということになります。


DSCF7374.JPG


いろいろお話をさせて頂きましたが、お人柄も素晴らしく、お考えに共感出来るところも多く、時の経つのを忘れるほどでした。他の先生方もお人柄が素晴らしく、沖縄の印象が素晴らしいものになりました。


藤田先生、東先生、原永先生はじめ活発に発言して下さった若手の先生方、ご参加頂いたすべての先生方、共催のMSD株式会社様、本当にありがとうございました。

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posted by 長尾大志 at 18:44 | Comment(0) | 活動報告

2016年09月15日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・止まらない咳24

ICS/LABAを使用して効果てきめんだった、その場合は話が早いです。「そうですか!症状がよくなってよかったですね!…ただ、それだと喘息ということになりますね」「そうですね…。喘息って治らないんですか?」


こういう話になってきますね。まずはここで患者さんに「自分は喘息である」ということをしっかりと認識して頂く。これが大事でしょう。その上で喘息の一般的な知識を説明する。何らかの小冊子があるといいでしょう。メーカー作成のものもたくさん利用可能ですし、ご自分の説明したいことを中心に冊子として作られてもいいと思います。


そこで患者さんは必ず「喘息は治るんですか」「治らないんですか」「吸入ステロイドはいつまで使うんですか」ということを聞いてこられます。ここの説明も大事です。


発症した喘息が全くゼロになる、なくなってしまう、ということは正直あまりないですが、吸入ステロイドを正しく使っていくことで、間違いなく日常生活になんら問題なく過ごせる、という状況になります。何ら問題なく日常を過ごすのに必要な吸入ステロイド薬の量は、きちんと治療を続けるとだんだんと減ってきます。それが限りなくゼロに近づく、ということが、喘息を征圧した、ということになるでしょう。


とにかく大事なことは、発作を出さない、症状を出さない、ということです。発作や症状が出るということは、気道の炎症が活動しているということで、その間はリモデリングが進行するなど、喘息が悪くなっていくのです。喘息を悪くすると、戻すのが大変ですから、とにかく悪くしない、これが大切です。そのためにも普段から定期的に吸入ステロイドを励行することが大事なのです。




さてさていよいよ、第192回 胸部X線勉強会 学術講演会が近づいて参りました。


192回という歴史のある、由緒正しき会にお招き頂いた琉球大学の藤田先生のご期待にお応え出来るよう頑張ります。若干風邪で声が出にくいですが…参加者の皆様に胸部X線写真をご覧頂いて、どんどん所見を指摘していただく形式ですので、よろしくお願い申し上げます。


9月15日(木) 本日! 19:00〜20:30 
沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 2階 講堂
〒901-1193 沖縄県南風原町字新川118番地の1


ということで、これから沖縄に向かいます。沖縄の先生方、どうぞよろしくお願い申し上げます。


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2016年09月14日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・止まらない咳23

一般論として、情報を与えられることよりも、内発的に「こうだ」「こうに違いない」と考えることの方が、人は行動変容を促される、てなことが言われています。


普段患者さんと接しておられる先生方は、痛いほど実感されていると思いますが…なかなか「患者指導」が実際の行動変容につながらない、ということが本当によく経験されるわけです。


そんな中、飲み薬よりもずっと継続のハードルが高い『吸入薬』を使い続けて頂くためには、患者さん自身が内発的に「私の身体には、この薬が必要なんだ」ということを理解し、吸入の動機を高めることが重要なのです。アドヒアランスを向上させる。これは本当に大変なことです。その一助となるかと思いまして、私のやり方を少しご紹介しました。



なかなか確実な処方箋はないようですが、各地で試みられている施策としては、薬剤師さんや看護師さんといったコメディカルの方からも説明をして頂く、つまり接触、情報伝達の回数を増やす、というものがあります。最近各地の薬剤師会さんなどが熱心に勉強会をされている、ということも耳にしますね。これは特に、開業医の先生方など、マンパワーがなかなか得られない組織では有効ではないかと思いますし、もちろんウチでも助かっています。


あとは薬剤、デバイス、の工夫も大きいですね。少なくともICS/LABAが発売されてから、「この薬はメッチャ効く!」と、薬の効果を実感して頂けることが格段に増えています。その後治療アドヒアランスはぐっと上がっております。


デバイスの工夫、という意味では、まだまだ改良の余地はあると思いますが、回数が減ることと吸入手技がシンプルになる、ということは、少なくとも導入時の説明を軽減させてくれますから、お役に立つでしょう。


それでもまだまだ、「飲み薬ないんですか〜?」と尋ねてこられる患者さんは後を絶ちません(汗)…。


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2016年09月13日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・止まらない咳22

そのためには、まずICS/LABAがとにもかくにも患者さんの症状に最も合う薬である!ということを患者さん自身に実感して頂く必要があります。


ですから最初の説明はか〜〜な〜〜り大事です。


そもそも吸入ステロイドを処方する前から仕込みは始まっています。


「この薬は、喘息専用の薬ですから、喘息の症状にしか効きません。逆に、この薬が効く、ということは喘息だ、ということなんですよ…」


「もちろん、喘息と決まったわけじゃありませんよ。喘息だからこれを使え、といってるわけではありません。でもお話を伺うと、あなたの状況は喘息の症状によく似てるんです。ですから、本当に喘息かどうかを確認する必要があるのです。そのためには、この、喘息専用の薬を使うんです…」


  • まずは「喘息かもしれない」ということを伝える。

  • 喘息であればこの薬(ICS/LABA)は間違いなくよく効く、と強調して期待を持たせる。しかし一方で、患者さんは「喘息だったらイヤだな」という否定的感情も持っている。

  • 「でも、仮に喘息でも、この薬を使い続ければ、確実によくなります」という情報をきちんと伝え、希望を持って頂く。これで、効けば喘息、というロジックが患者さんに刷り込まれます。可能でしたらそこでさらに…

  • 「この薬がどのくらいで効いてくるかで、今の○○さんの状態が何となくわかります。すぐに症状が治まるようであれば、おそらく喘息は軽いもので、すぐによくなるでしょうが、少し時間がかかるようであれば、既に喘息も慢性になりかけていたりするかもしれません」のように、さらに先回りを図ります。まだ現時点では確定していないが、今後「慢性」「永くICSを使う必要がある」可能性がある、ということを伝えて心の準備をして頂きます。



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2016年09月12日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・止まらない咳21

例えば糖尿病の患者さんに、毎日お薬を飲んで頂いて糖尿病の治療をする、それは大変なことです。


血糖が高くても別に何も症状がないから…何も困ってないから…いろいろな理由をつけて、薬を忘れたり、飲まなかったりということを正当化されることは決して少なくありません。


糖尿病で血糖コントロールが悪くても、その結果いろいろな血管に不具合が起こってくるのは、数十年後、そうなると、治療意欲というかモチベーションを保つのはなかなか難しいでしょう。


喘息治療の難しいのは、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」。つまり、調子がよくなるとどうしても吸入薬を使うのを忘れてしまう、ということです。これはある程度仕方のない部分はありますので、とにかく初診患者さんにおいて最初の目標は、


  • 喘息の治療には吸入ステロイド薬が必須であること

  • 吸入ステロイド薬を使わないと状態が悪化すること

  • 悪い状態を放置すると(リモデリングが起こり)喘息が慢性になること



あたりを理解して頂くことです。


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2016年09月11日

COPD動画2・COPD導入のお話

COPD動画シリーズ、第2回は、COPDのお話をする前に必ず知っておいていただく、導入のお話です。


正常がわからなくては異常はわからない。疾患がわからない。そのため、まずは正常の呼吸がどうやって行われているか、それを理解していただく必要がありますので、短時間ですが動画をご覧頂きます。


https://youtu.be/-oIjNHR7O8k


その上で、COPDという疾患の病態に踏み込んでいくことができるのです。

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posted by 長尾大志 at 16:27 | Comment(0) | 動画置き場