2016年12月31日

2016年を振り返って思うこと(大きな出来事)

でも振り返ると、やはり印象に残っているのは外仕事ですかね〜。いろいろな方々との出会いがありますから。出会いが印象に残るって感じです。


書籍にしても講演にしても、ただ、出す、やる、というだけでなく、本ならどのくらい売れたか、講演ならその後頂くご感想、またご依頼頂けるか、つまりどの程度評価頂けるか、ここがスゴく気になります。そういう意味では、今年の活動は「まずまず」なのかなあ、と思っています。


あ、あと、

■ なんばグランド花月

■ 医学教育学会での、『学生×教員 対話セッション』

■ 関ジャニコン

■ 闘魂祭@滋賀医大


これら祝祭空間への参加は本当に印象的な出来事でした。自分のプレゼンに必ず活かします。



■ 9月〜10月、なぞの体調不良

おそらく副鼻腔〜上気道炎なのですが、これまでと異なり異常に罹患期間が長く、5kg体重が落ちました。あまりにも長期間だったので、感染症以外の疾患を疑ったのですが、結局1ヶ月あまりの後に軽快してしまいました。アレは一体何であったのか…。


体調を崩したなかで講演など、頂いたお仕事をきちんとやりきった、これは自分で自分をほめてやりたいと思います。今年を振り返って、とにかくアラフィフ、健康には注意しなくては、肝に銘じました。


それでは皆さま、よいお年をお過ごし下さい。

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posted by 長尾大志 at 10:19 | Comment(0) | 日記

2016年12月30日

2016年を振り返って思うこと(業務?編)

■ 独立行政法人国立病院機構東近江総合医療センターへちょっとだけ出張

総合内科カンファレンスを3ヶ月にわたって見学させて頂きました。小回りのきく病院での勤務も楽しそうだなと思いました。



■ CBT問題のブラッシュアップ

■ OSCEの外部評価者

医科大学教員としての業務です。いろいろと勉強になることの多い経験でした。問題作りや実習における自分の幅が拡がったような気が致します。



■ 医学教育学会で発表⇒「医学教育」誌に投稿
(医学教育 47(5): 314-315, 2016.)

久々に発表とか投稿とかを自分でやってみて、またいろいろと発見がありました。


業務関係は、ことさらに取り立ててこちらで紹介することもなかったかもしれませんでしたが、貴重な経験ではあったと思います。今の立場ですと、これ以上の機会はあるのでしょうか。

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posted by 長尾大志 at 17:41 | Comment(0) | 日記

2016年12月29日

2016年を振り返って思うこと(医局編)

今年1年間どんな年だったか。
振り返ってみると色々とありました。


先だっての記事では、主な外仕事を書きましたが、内向きには(出張以外では)休むこともなく、5年生、6年生の臨床実習を微調整しながらやりきりました。3年生、4年生、看護学生さんの講義もアクティブに行いました。


いろいろとうまく出来てきた感触はありましたし、今回の学生さんによる「授業評価」もかなりヤバいものでした。すごくうれしい言葉をたくさん頂き、少し報われた気がしました。


医局としての出来事は…


■ H山先生の入局

■ M山先生の来滋


やはり共に頑張る仲間が増えるというのは、この上なくうれしいものです。来年度からも新しい仲間が加わってくれる予定ですし、大いに楽しみです。



■ 滋賀医科大学呼吸器内科医局初めての、市民公開講座開催

医局一丸となっての運営、良い経験となりました。また来年も行います。

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posted by 長尾大志 at 17:47 | Comment(0) | 日記

2016年12月28日

『肺血管や骨を追う』11・肺血管と骨

CTを見てみましょう。


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矢印のところで骨が蝕まれています。


ということで、胸部X線写真で濃度の高い部分は骨を溶かしている、つまり溶骨性変化がある、ということがわかります。炎症性の疾患で溶骨、といえばカリエスぐらいで、相当レアですから、可能性の高いところでいうと腫瘍性疾患かな、ということになるでしょう。


すなわち、本症例は嚢胞もさることながら、骨溶解像を捉えることが読影のポイントでした。


今日は仕事納め。今年一年無事に乗り切れたこと、関係の皆さまに感謝します。また来年もよろしくお願い申し上げます。

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posted by 長尾大志 at 16:54 | Comment(0) | 胸部X線道場

2016年12月27日

『肺血管や骨を追う』10・肺血管と骨

例によって間にいろいろと挟まりましたが、今年中に何とか終わらせましょう。


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こちらの写真で、矢印に囲まれた濃度の高い部分は、一体どういう性質を持っているか、というお話でした。覚えておられますか?


濃度の高い部分が、何かをしている。それによってそこの性質がわかる、ということです。よ〜くご覧下さい。


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矢印のところで、肋骨が途切れているのが見えます…。

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posted by 長尾大志 at 17:33 | Comment(0) | 胸部X線道場

2016年12月26日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・間質性肺炎番外編・第10回びまん性肺疾患フォーラム見聞録5

6) IPFの治療、管理における病理診断UIPの意義

神奈川県立循環器呼吸器センターの小倉高志先生によります、IPFのお話でした。やはり多くの臨床経験をお持ちの方のお言葉には重みがあります。神奈川県立循環器呼吸器センターには、次の4月からウチの若手がお世話になることが決まっております。ありがたいことです。何卒よろしくお願い申し上げます。以下にご講演の概要を記します。




multidisciplinary discussion(MDD)は、一時点での評価ということになってしまうが、間質性肺炎の評価のためにはそれだけではなく、時間経過が大事である。


「UIPパターン」はIPF/UIPのための基準であって、IPF以外の疾患についてはこの概念は当てはまらない。


CTでUIPパターンがみられなくても、病理学的UIPはたくさんある。CTで最後までUIPパターンがみられないのに生検ではUIPであった、という症例もちょいちょいある。やはり生検、病理が大事である。
Pathologically proved nonspecific interstitial pneumonia: CT pattern analysis as compared with usual interstitial pneumonia CT pattern.
Sumikawa H, Radiology. 2014


上肺野にPPFE、下肺野にUIP、という症例群がある。喫煙は少なく、家族歴がある。(UIPの空間的不均一性、と絡めて?)上肺にも下肺にも病変があればUIP、とする先生もいる。


早期のIPFは、fine cracklesで発見出来る(データあり)。


IPFを抗線維化薬で治療すべきか?という命題。IMPULSIS試験ではFVCの低下でみているが、DLcoの低下があり症状があれば治療、と考えていいのではないか。


開業医の先生方が専門医に紹介されるタイミングとして、6分間歩行が4%以上低下したら紹介⇒治療導入、というのがいいのでは。


AIPといわれているものの多くは、潜在的IPFの急性増悪なのではないか。


Centrilobular emphysema(小葉中心性肺気腫)小葉中心性気腫⇒COPD。
Paraseptal emphysema(傍隔壁型肺気腫)⇒UIPが出てくる、つまりCPFEとなることが多いと思う。


かいつまんだだけではありますが、ありがたいお話ばかりでございました。お話し頂いた先生方、また10年間スポンサー頂きましたエーザイさん、本当にありがとうございました。


呼吸器専門でないドクターのための呼吸器実践

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2016年12月25日

祝祭空間の研究

昨日は祝祭空間の研究でした。


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やはり一種完成された、顧客の心理を考え抜いたエンターテインメント、というものを見学できる機会は貴重です。いろいろとプレゼンの参考になりました。そういうわけで、ちょっと考え事をしております…。

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posted by 長尾大志 at 22:13 | Comment(0) | 日記

2016年12月23日

今年一年を振り返りたいところですが…

今年も、あっという間に終わりました。ぼちぼち今年一年を振り返る、10大ニュース、的なことを書いて参りましょう…。


エントリーは、書籍などの執筆は…自分が書いた分だけですが…


■ 著書(単著)

やさしイイ血ガス・呼吸管理(日本医事新報社)


まるごと図解 呼吸の見かた(照林社)



■ DVD(単独出演)

Dr.長尾の胸部X線ルネッサンス(ケアネット)



■ 著書(雑誌特集・単独執筆)

エキスパートナース8月号(照林社)
巻頭特集「これ以上やさしく書けない!ナースのための血ガス講座」


呼吸器ケア11月号(メディカ出版)
巻頭特集「素朴なQにカンペキA!長尾先生のやさしイイ気胸・胸水・胸腔ドレナージ」



■ 著書(雑誌・共著)

Gノート2月号(羊土社)「これだけあれば大丈夫!Common diseaseのエッセンシャルドラッグ」


ビギナーのための胸部画像診断Q&Aアプローチ(学研メディカル秀潤社)


朝日新聞朝刊 どうしました



■ 監修
看護師・看護学生のためのレビューブック2017(株式会社メディックメディア)
クエスチョン・バンク看護師国家試験問題解説2017(株式会社メディックメディア)
薬がみえる vol.3(株式会社メディックメディア)



■ 問題作成・解説

第105回看護師国家試験問題解説(株式会社メディックメディア)
第110回医師国家試験問題解説(株式会社メディックメディア)
看護師国家試験のためのメディックメディア模試2016(株式会社メディックメディア)
総合内科専門医試験対策 アップデート問題はココが出る!2016(ケアネット)



そして、講演は…遠方では…

医療技術セミナースキルアップ(東京都)
志太呼吸器特別講演会(静岡県)
鎌ケ谷総合病院ERセミナー(千葉県)
亀井道場(愛知県)
大阪どまんなか(大阪府)
メディカ出版看護師セミナー 計4回(東京都、大阪府、兵庫県)
胸部X線勉強会学術講演会(沖縄県)
呼吸器スキルアップセミナーin OSAKA 2016(大阪府)
板野郡医師会(徳島県)
臨床基礎セミナー(秋田県)



京都府・滋賀県では…

スピオルト新発売記念講演会・パネリスト
滋賀県病院薬剤師会感染制御委員会研究会
第2回、第3回みやこ呼吸器カンファランス
野洲感染対策学術講演会
滋賀県呼吸療法セミナー「3学会合同呼吸療法認定士試験対策セミナー」
内部障害研究会研修会



たくさんお仕事を頂き感謝です。以前にも書きましたが、一度ご依頼頂いたところから再度ご依頼頂く、ということが多かったのが、仕事を認めて頂いたようで本当にうれしかったです。


明日は10大ニュースを、と言いたいところですが、明日は「祝祭空間の研究」のため遠出を致します。更新は無理かと思われますので、ご容赦頂けますと幸いです。

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posted by 長尾大志 at 21:29 | Comment(0) | 活動報告

2016年12月22日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・間質性肺炎番外編・第10回びまん性肺疾患フォーラム見聞録4

5) IPAFないしLDCTDの治療、管理における病理診断UIPの意義

公立陶生病院の谷口先生による、概観、レビュー、といいますか、世界の趨勢、といいますか、裏話、といいますか、とにかく興味深いお話ばかりでした。でも興味深いところはここに書いていいのかどうか、ためらわれたりして。ちょっと控えめにしておきます。


disease behavior(疾患経過)を長期的に観察しよう、というが、どの程度を想定しているのか⇒今は4年後をみよう、ということになっている。


特発性間質性肺炎の診断には臨床・画像・病理のエキスパートによるmultidisciplinary discussion(MDD)が重要、とガイドラインにあるが、レベルの高い方々によらないdiscussionでは意味がない。それだったら、レベルの高い1人が、臨床・画像・病理情報を総合して診断を考える方がいいのではないか。


欧米のエラいさんは、自分たちで集まってガイドラインを都合よく変えては、論文をどんどん作っていく。猫の目criteriaだ。


UIPの要素があるIPAF(Interstitial pneumonia with autoimmune features=膠原病の香りがする間質性肺炎)には、PSL10mg以上は使わない。パルス✕2⇒PSL10mg+TAC のようにやっている。


IPAFに含まれるUIP病変には、ピルフェニドンが効果ありそう。


膠原病の診断基準を満たさなくても、全身症状がある、急性の経過がある、という場合にはステロイド+免疫抑制薬が1st choiceだが、慢性の経過であれば抗線維化薬が1stだろう。


ニンテダニブが皮膚の硬化に効果あり、というデータが出そう。


呼吸器専門でないドクターのための呼吸器実践

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2016年12月21日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・間質性肺炎番外編・第10回びまん性肺疾患フォーラム見聞録3

4) 慢性過敏性肺炎の治療、管理における病理診断UIPの意義

慢性過敏性肺炎(CHP)の日本における第1人者、東京医科歯科大学の稲瀬先生によります現況のレビューを頂きました。


CHP症例をIIPの分類に当てはめてみた稲瀬先生らの論文がこちら。UIPの予後が悪い。
Chronic bird fancier's lung: histopathological and clinical correlation. An application of the 2002 ATS/ERS consensus classification of the idiopathic interstitial pneumonias. Ohtani Y, Thorax. 2005


CHPの臨床分類では、夏型過敏性肺炎の病型、急性〜亜急性の発熱と呼吸困難症状を繰り返す、recurrent型(BALFのリンパ球増多あり)と、急性症状がなくゆっくりと悪化・進行するinsidious型(BALFのリンパ球は増えているものの有意にrecurrentより少ない)とがあって、前者にはOP、NSIPが多く、後者がUIPを呈する。
Clinical features of recurrent and insidious chronic bird fancier's lung. Ohtani Y, Ann Allergy Asthma Immunol. 2003


CHPの治療には、とにもかくにも抗原回避が重要。ステロイドや免疫抑制薬は、現実的には使っても進行を抑えきれない。でも鳥関連過敏性肺炎だと、抗原とどこで接触しているのか、わからないこともしばしばある。


なので、自宅訪問や環境調査が接触回避のカギになったことも多い。なかなか出来るものではないが。剥製、鶏糞肥料、羽毛布団などが隠れた抗原となりやすい。環境における抗原のサンプリングも手間がかかるが研究が進んでいる。


抗線維化薬はCHPの悪化を抑制した、というデータもあるが、すべての症例に効くわけではない。CHPの中でもUIP病変の症例には早期から使う方がいいかもしれない。



診断については、困難なことも少なくないので、吸入誘発試験をしている施設もあるが、危険性も多々ある。沈降抗体も感度は低い。そのため、いくつかの試みがなされている。


@ 抗原回避試験

2週間入院し、KL-6、WBC、肺機能など各種指標が改善するかどうかを確認する。


A KL-6、SP-Dの季節性変動をみる。

夏<冬、なら鳥関連CHP、夏が高ければ夏型に近い病型である。
Seasonal variation of serum KL-6 and SP-D levels in bird-related hypersensitivity pneumonitis. Okamoto T, Sarcoidosis Vasc Diffuse Lung Dis. 2015


呼吸器専門でないドクターのための呼吸器実践

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2016年12月20日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・間質性肺炎番外編・第10回びまん性肺疾患フォーラム見聞録2

3) 膠原病肺の治療、管理における病理診断UIPの意義

浜松医科大学の須田先生によるレビューを頂きました。自験例が豊富で、臨床研究はこうでなくては、という感じでした。


概観として、膠原病合併間質性肺炎(CTD-IP)全体としての病理はNSIPが多く、次にUIP、膠原病の疾患別に見ると、強皮症(SSc)にはNSIPが半分以上、皮膚筋炎/多発性筋炎(DM/PM)にもNSIPが半分以上あるが、慢性関節リウマチ(RA)ではUIPが結構多いということ。
Interstitial lung disease in connective tissue disease--mechanisms and management. Wells AU, Nat Rev Rheumatol. 2014


病理組織パターンで、同じ「UIPパターン」でも、特発性(IPF)と膠原病性(CTD-IP)では違いがある。IPFではfibroblastic fociが多いが、CTD-IPではほとんど見られない。また、RA-IPではgerminal centerを伴ったリンパ球の集蔟が多く見られるが、RA以外のCTDではあまり見られない。


画像パターンでは逆?に、生検で病理のUIPが確認されているCTD-IPでは、画像上NSIPパターンが多い。


CTD-IPにおいて、病理組織のUIPパターンは予後に対して影響があるのか?CTD-IPにおいては、病理のNSIPとUIPでは差が無かった。また、CTD-UIPの方がIPFよりも予後がよかった。
Nonspecific interstitial pneumonia in collagen vascular diseases: comparison of the clinical characteristics and prognostic significance with usual interstitial pneumonia. Nakamura Y, Sarcoidosis Vasc Diffuse Lung Dis. 2003


その理由は、IPFの方がfibroblastic fociが多いことと関係があるかもしれない。
Fibroblastic foci in usual interstitial pneumonia: idiopathic versus collagen vascular disease. Flaherty KR, Am J Respir Crit Care Med. 2003


CTDの中でもRAに限っては、UIPの方がNSIPよりも予後が悪い。
Prognosis of fibrotic interstitial pneumonia: idiopathic versus collagen vascular disease-related subtypes. Park JH, Am J Respir Crit Care Med. 2007


RA-UIPは、IPFと予後が変わらない!?という報告もある。
Predictors of diagnosis and survival in idiopathic pulmonary fibrosis and connective tissue disease-related usual interstitial pneumonia. Moua T, Respir Res. 2014


IPFにおける急性増悪は、これまでの報告では年間5~20%とされているが、CTD-IPでは年間1.25%だった、とする須田先生の論文。組織型ではUIPの方がUIP以外よりも急性増悪のリスクは高く、RA-IPで検討すると明らかにUIPの方が予後が悪かった。
Acute exacerbation of interstitial pneumonia associated with collagen vascular diseases. Suda T, Respir Med. 2009


などなど、ということをふまえまして、CTD-IPではステロイド±免疫抑制剤、が標準的治療ではあるものの、特にRA-UIPにおいては、今後治療の選択肢に抗線維化薬が含まれてくるかもしれない、というお話でした。



お話の後の、大阪医大槇野先生との質疑応答が個人的にはとても興味深かったです。数十例の症例をお持ちの第一人者の方々でも、症例感覚には温度差があり、おそらくもっと多くの知見を重ねる必要があるのか、と思わされました。


呼吸器専門でないドクターのための呼吸器実践

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2016年12月19日

呼吸器専門でないドクターのための呼吸器診断・間質性肺炎番外編・第10回びまん性肺疾患フォーラム見聞録

12月の天気のよい土曜日の午後、第10回びまん性肺疾患フォーラムが開かれました。今回のテーマは、第10回大会に相応しく「やっぱりUIP」。先だってより間質性肺炎についてああだこうだ、と書いてきましたが、ちょっとここで整理になれば、と思って参加したわけですが、余計に混乱してきました(苦笑)。


おそらく非専門医の先生方が、IPFや間質性肺炎の権威の先生方同士のお話を聴かれても、「???」となることが多かろうと思われます。そのぐらい、専門の先生方の間でのお話はだいぶ浮き世離れしている感が。


でも今回は、結構いろんなエビデンスをまとめて紹介頂いたので、そのあたりをまとめられたら、と思います。


1.特別講演T 「間質性肺炎の画像診断 〜RAP-C〜」

福井大学名誉教授 特命教授、という肩書きよりも、「あの」という冠詞でご紹介すべき伊藤晴海先生のご講演。このフォーラムの目玉であり、このご講演だけを聴きに来られていた先生方も多かったですね。


私のような者が総括するような内容ではありませんでしたので、まとめはここではいたしません。とにかくスゴい。達人の演舞を拝見するような感じでしょうか。


2.シンポジウム

2)UIPの画像診断up-to-date

久留米大学の藤本公則先生によるご講演でした。例の2011年のATS他ガイドラインによる”possible UIP”をどう扱うか、というお話に関連して、ニンテダニブの治験であるIMPULSISレジスタードマーク試験において、症例登録を増やすために厳密なUIP以外の所見も登録基準に含めた、というお話もあり。


CTでいうところのUIPパターンはほとんど病理でUIPだが、inconsistent UIPでも30%が病理でUIPで、CTでNSIPパターン、といっていても、病理のUIPがそこそこ入っている。
Pathologically proved nonspecific interstitial pneumonia: CT pattern analysis as compared with usual interstitial pneumonia CT pattern. Sumikawa H, Radiology. 2014


蜂巣肺の診断はかくも難しい、見る人によって一致率がずいぶん違う、という論文。
Interobserver variability in the CT assessment of honeycombing in the lungs. Watadani T, Radiology. 2013


違ってくるところはやはり蜂巣肺と牽引性気管支拡張(の短軸像)。しかし、そもそも区別する意味があるのかどうか、誰もわかっていない…。


いえることは、UIP病変を想定するときに「蜂巣肺」という用語を使うのだ、ということ。そして「病理のUIP」と「画像のUIP」を無理に一致させようとしない方がよさそうだ(無理だ)、ということ。


その他ポロポロ出てくる裏話が興味深かったです。ここには書けませんが…。


呼吸器専門でないドクターのための呼吸器実践

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posted by 長尾大志 at 18:51 | Comment(0) | 胸部X線道場

2016年12月18日

まるごとわかる![呼吸][循環]アセスメントと疾患の理解、セミナーでした。

今日は、照林社さんの『まるごとわかる![呼吸][循環]アセスメントと疾患の理解』セミナーでした。


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東京会場に引き続き、多くの参加者の皆さんと呼吸の基礎を勉強しました。同じ内容でしたが、やはり半日で診察、胸部X線の基本〜限られた疾患の各論と人工呼吸の看護について、というのはいささか盛りこみすぎた感があり、時間を見ながら駆け足のところもありました。前回は好評頂いたのですが、今回はどうでしたでしょうか。

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posted by 長尾大志 at 16:51 | Comment(2) | 活動報告

2016年12月17日

第10回びまん性肺疾患フォーラムに参加

今日は表記の、第10回びまん性肺疾患フォーラムに参加して参りました。これは年に1回、びまん性肺疾患をこよなく愛する?方々(ある先生は図らずも「Geek=オタクの会」、と称しておられましたが、まさにそれがピッタリかも…)が週末に大阪に集まって、びまん性肺疾患について長時間語り合う…という、濃厚な会でございます。


確か第1回の頃は不肖この私も、自分は「びまん性人間」の端くれだという自覚がありまして、端っこに列席させて頂いておりましたが、滋賀でのキャリアを経るにつれ、びまん成分が身体から抜け?、だんだん師走の大阪が遠くなってきておりました…。でも今回は、ちょっとした偶然があり、参加の幸運を得たものであります。


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数回のブランクの間に、やはり世の中は動いていました。私の中のオタク魂にも少し灯が点りました。勉強したことの備忘は、またブログにしたためたいと思います。今日は明日のために英気を養います。


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posted by 長尾大志 at 22:13 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録

2016年12月16日

『肺血管や骨を追う』9・肺血管と骨

こちらの症例では、これまでに学んだ知識をフル活用します。まずはこの前に学んだ、肺血管を追ってみましょう。胸郭の端まで行かずに途切れているところがありますね。


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ここに線があって、ここまでで血管影が止まっています。この線は肺側に向かって凸ですから、嚢胞であろうと考えられます。


加えて、反対側の肺野を見てみましょう。濃度が高いところがありますね。


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この部分は、一体どんな性質を持っているのか、よ〜く「線」を追って頂くとわかるのですが、如何でしょうか。

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posted by 長尾大志 at 17:49 | Comment(0) | 胸部X線道場

2016年12月15日

『肺血管や骨を追う』8・骨を追う2

よ〜くご覧頂くと、右の肋骨の連続性が途切れていることがわかります。上から数えてみると、どうやら第Y肋骨のようです。


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こちらは肋骨骨折でした。


肺血管や骨を追う、シリーズもいよいよ大詰めですが、それではこちらはどうでしょうか。


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posted by 長尾大志 at 17:31 | Comment(0) | 胸部X線道場

2016年12月14日

『肺血管や骨を追う』7・骨を追う

血管影の次には、骨を折って、いや、追っていくことを意識してみましょう。


基本的には、線の連続性を追う、という姿勢でよろしいかと思います。肺の大きさを見るのに、肋骨を数える、その時に左右の差を意識しつつ、サッサッと追いかけておきましょう。


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如何でしょうか。よ〜くご覧下さい。元々右に胸水がある症例なので、左右の胸郭がアンバランスなのはご容赦ください。

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posted by 長尾大志 at 19:53 | Comment(0) | 胸部X線道場

2016年12月13日

『肺血管や骨を追う』6・余計な線が見えたら…

肺血管を追うつながりで、異常影、特に結節影を探す、見逃しを減らすために、役に立つ知識を一つご紹介します。


本来ある肺紋理(血管影)以外に、余計な線が見えたら、その線に原因・意味があるのかどうかを判断する必要があります。線が出来る原因はいくつかありますが、例えば肺炎など、感染・炎症の後に組織が引きつれてできたものにはあまり病的意義がありません。でも、腺癌などで見られる胸膜陥入像、これが線を作ってくることがあります。


ですから、不自然な線が見えたら、その両端に結節など見られないか、確認する必要があるのです。


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例えばこちら。数年前の写真(下図)と比較してください。


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どこが変わったでしょうか。まあ、この文脈から、新たに出現した線を探せばいい、ということは見え見えですね(笑)。


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こいつが出現しました。その先端に…


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結節がぼんやりと見えます。CTを見てみましょう。


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結節があります。少しスライスをずらすと…


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胸膜が引っ張られて、線をなしているのがわかります。これを前から見ると線に見えると考えられます。

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posted by 長尾大志 at 17:01 | Comment(0) | 胸部X線道場

2016年12月12日

『肺血管や骨を追う』5・無気肺と血管影

無気肺とは、気道が閉塞し、その場所以降の肺に空気の出入りがなくなることで、その部分の空が抜けてくなり、肺がしぼんでくる現象です。


元々肺はこんな感じになっています。


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ここで、例えば右の中下葉に行く気管支が詰まったとしますと、中葉、下葉がしぼみます。


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また、図を見て頂くとおわかりだと思いますが、つぶれていない部分(この場合は上葉)がフン伸ばされてきます。


ここに血管の走行を加味して考えますと、無気肺の部分は血管も狭い範囲に集まってくるでしょうし、フン伸ばされた部分は血管も広がっていきますから、疎になる、つまり単位体積あたりの血管密度が減ってくると考えられます。


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こんな感じですね。


そうすると、無気肺以外の部分では血管の走行があまり見えない、血管影が少ない、ということになります。結果、


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のように、血管影が少なくてちょっと黒っぽく見える、という感じになるのです。

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posted by 長尾大志 at 18:27 | Comment(0) | 胸部X線道場

2016年12月11日

照林社さんより、『まるごと図解 呼吸の見かた』発売です。発売記念?セミナーでした。

おかげさまで、エキスパートナースの照林社さんより、『まるごと図解 呼吸の見かた』が無事に発売されました!


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Amazonで購入するのはこちら


照林社さんの書籍紹介ページはこちら


呼吸のアセスメントに必要な、呼吸器の基礎事項から、診察の基本、胸部X線や血ガスなど検査の見かた、そしてコモンな疾患たちについて、各々診察や検査でどうなるか、その理由を解説しています。看護師さん向けではあるのですが、大きな声では言えませんが(言ってもいいのですが)、ドクターの卵の方々、特に診察のところがちょっと自信が…という方にもお勧めなのです。


私もともかく今持っているわかりやすさ力を全開で書きましたし、編集さんがステキなイラストを山ほどつけてくださったので、実にわかりやすいものになったと自負しております。多くの看護師さんに役立てて頂きたいと思います。


…それで今日はその発売記念?照林社さんのセミナーでした。諸々の事情にて、昨日更新ができませんで失礼致しました。


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JAさんの立派なビルでございます。


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こちらのカンファレンスルームにて…。


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基本のところは書籍の内容に沿った内容でしたが、診察、胸部X線の基本を説明しましたので時間の関係から、各論のところは限られた疾患と人工呼吸のところのみ取り上げての説明となりました。


『まるごと図解 循環器疾患』の著者、大八木秀和先生とご一緒させて頂いたのですが、心不全の解説、お話の進め方など、いろいろと勉強させて頂きました。ありがとうございました!


来週末には大阪でやります。まだ若干お席はあるようですので、ご興味がある方はこちらのページをご覧になってください。
https://seminar.shorinsha.co.jp/seminar/detail/78

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posted by 長尾大志 at 21:23 | Comment(0) | 胸部X線道場