2018年03月23日

看護師さん向け書籍企画・「低酸素」のすべて19・低酸素のアセスメント法3・肺炎以外のミスマッチ・シャント・拡散障害

肺炎以外にも多くの肺疾患で、肺胞の換気のところが障害を受けてミスマッチになります。COPD、心不全(肺水腫)、気胸、無気肺、胸水なんかでもそうですね。

これらの疾患で見られる所見としては、機序によって大きく2つあります。1つは病変部の換気が減る⇒呼吸音が減弱するわけで、気胸や無気肺、胸水のように普通は片方で起こる疾患では、片側の呼吸音が減弱します。そこで聴診では、呼吸音の左右差がないか、耳を澄ませて聴いて頂きたい。

COPDでは通常両側の肺胞が破壊されていますから、両側で呼吸音が減弱します。

もう1つの機序は、肺炎同様、気道にあふれ出した浸出液・分泌物によって生じる湿性ラ音(水泡音)です。心不全や肺水腫は通常両側に生じますので、湿性ラ音も両側で聴取します。

X 線写真でも肺炎同様、片側が白くなることが多いです。特に無気肺や胸水の時によく見られます。COPDでは、過膨張となり肺が大きく、横隔膜が平坦に見えることが多いです。


血流側の問題によるミスマッチの代表は肺血栓塞栓症ですが、こちらは身体診察所見に特徴的なものはあまりありません。ただ下肢の静脈瘤は重要な所見ですから、下肢の特に片側の浮腫、それから深部静脈の圧痛には注意しましょう。

それから血栓を起こしやすくなるような状況、すなわち長期臥床、手術、過去の肺塞栓の既往や癌がある、などがあると積極的に疑う根拠になりますので、こういった病歴を聴き取ることも大事です。

シャントでは、先に挙げた肺動静脈瘻ではあまり特徴的な所見はありませんが、先天性心疾患では聴診で心雑音が聞こえたりして、シャントの存在に気づくことがあります。


拡散障害を引き起こす代表的な疾患である間質性肺炎に特徴的な聴診所見は捻髪音です。水泡音との違いは、聞き慣れないと若干難しいですが、吸気の後半、終末にかけてだんだん大きくなる、細かい「パチパチパチ…」という音です。

ナースのための呼吸器道場

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posted by 長尾大志 at 19:48 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場