2018年04月06日

看護師さん向け書籍企画・「低酸素」のすべて30・死腔とは3・ネーザルハイフローについて、その他いわれていること

ネーザルハイフローのメリット、として挙げられていることがいくつかあります。

もちろんFIO2の、特に高流量のところを、キッチリ決めることが出来る、着けたまま会話や飲食が可能、それは当然のことですが、それ以外に以下のようなことがらがあります。

  • 加温・加湿によって喀痰除去を助ける

  • PEEPがかかる

  • 死腔を減らし換気効率を上げる


PEEPについては、メーカーも「軽くPEEPがかかる」みたいな謳い方をしていて、大してかからないことは認識されていそうです。高流量の混合気を流すので、ちょっと圧がかかりますが、その圧は2cmH2Oからせいぜい4cmH2O程度、といわれていて、それほどでもありません。

ですので、真面目に?PEEPをかけたいときは、NPPV(non-invasive positive pressure ventilation:非侵襲的陽圧換気)やIPPV(invasive positive pressure ventilation:侵襲的陽圧換気)等、人工呼吸のシステムを使います。


それと死腔を減らす件ですが、やはり高流量の混合気が流れるので、呼気の洗い出し効果が期待される…とよく書いてありますが、おわかりでしょうか。

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呼気時には、ガス交換の済んだ(汚れた=酸素が少なく二酸化炭素が多い)空気が肺胞から出てきますよね。

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で、次に息を吸うときには、体外の呼気は一瞬で拡散して、きれいな大気になっているわけで…

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体外(外界)の空気350mLと、気道内(死腔)の空気150mLを吸い込むことになります。

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ネーザルハイフローを使っている場合、息を吐いてから次に吸うまでの、ホンの一瞬で…

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鼻腔から上気道あたりの空間に酸素が充満します。なんせ高流量なもので。

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従って、死腔の一部が酸素に置き換わり、ガス交換したのと同じ効果が得られます。これを「洗い出し効果」と呼んでいます。

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posted by 長尾大志 at 18:52 | Comment(0) | ナースのための呼吸器道場