2018年11月11日

久々、質問コーナー3

前回の回答を受けて…
「肺炎に関しては、結核があるからといってややこしく考える必要はない、ということですよね?肺炎は肺炎で、結核は結核で、分けて治療すれば良いわけで両方の相互関係みたいなものを考えるのは、日常診療上あまり必要ではないと。
なんというか、こういった「合併症やリスク因子を持っている有名疾患像」のゲシュタルトとデギュスタシオン(パクりですね)の片鱗を掴めればと思うのですが、中々難しいです。国試は机上のパターン認識になってしまい、実際の感覚が全くついてこないので僕の中では結局知識の羅列にしかなってない感じがします...
実臨床では「なんかおかしい」「これは多分こう」みたいなファジーな感覚が大事なんだと僕は思うのですが...」
と頂きました。

もちろん併存疾患に因果関係があったり相互関係があったりすることもありますが、今回はシンプルに考えて頂いたらよいかと思います。

ご指摘の通り、国試はあくまで「医師をやっていく上での最低限の知識」を問うものなので、国試勉強が実臨床に直結していない感があるのは宜なるかなというところです。実臨床の感覚は、やはり研修で培って頂いている、というのが実際のところです。理想的には臨床実習でそれを補うような指導が出来ればいいのですが…私もそういった指導を取り入れようとは思いますが、まず知識を入れないと話にならないので、なかなかそこまで手が回っておりませんです…。


(質問2ここから)
・ナルコーシスに関して

呼吸化学受容体刺激薬のドキサプラムというのがあると知りました。適応を見てみると、主にNICUや救急・麻酔科領域の薬のようですが、COPDでナルコーシスになった時にも補助的に使えるんじゃないかと思ってしまいました。ポリクリ中には一度もこの薬に遭遇したことはなかったのですが、先生ご自身は使った経験がありましたか?もし使われたことがあったのなら、それはどういう場面においてなのでしょうか?


(回答)
懐かしいですね、ドプラムレジスタードマーク(ドキサプラム)。その名前、久しぶりに聞きました。

呼吸器内科の領域で使わなくなって久しいのですが、私が研修医の頃はU型呼吸不全の方の低換気状態でよく使っていました。当時は換気が落ちてきたら、挿管人工呼吸〜慢性の場合は気管切開しかなかったので、それを回避するにはドプラムとか、あとダイアモックスレジスタードマーク(アセタゾラミド:炭酸脱水酵素抑制作用により肺胞中のHCO3-の尿中排泄を増加させ、H+を増加させることにより呼吸中枢が刺激され、換気量が増大し、低酸素・炭酸ガス換気応答が改善される)なんかもよく使いました。

呼吸刺激薬としての役割を期待して、当時研修医の目から見るとそれなりに効いたような気もしていたのですが、NPPVの普及とともに?いずれの薬剤もCO2ナルコーシスには効果がない、とはっきりしてきて、全く使われなくなりました。

現状ではドプラムレジスタードマークの添付文書にも効能・効果に関する注意として
「呼吸筋・胸郭・胸膜などの異常により換気能力の低下している患者[本剤の効果が期待できず,レスピレータによる補助が必要である。]」
とはっきり記載されています。

ご質問にもあるように、現在は主に麻酔の時やNICU(早産・低出生体重児)に使われています。呼吸器内科でCO2ナルコーシスの時には、問答無用でNPPV→挿管人工呼吸をやります。
(回答ここまで)

Mくん、ご質問ありがとうございました!国家試験勉強、及び研修頑張ってください!

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