2018年11月20日

IGRAについて

ツベルクリン反応が生体の遅延型過敏性(W型アレルギー)の強さを評価する皮膚反応であるのに対し、IFN-γを直接定量する血液検査がIGRA(interferon gamma release assays:インターフェロンガンマ放出試験)です。

製品としてはQFT(クォンティフェロン)レジスタードマーク、T-スポットレジスタードマーク.TBがあります。方法が少し違いますが、原理としては同じです。

結核菌に存在する抗原蛋白(ESAT-6, CFP-10, TB7.7など)を患者さんの血液やリンパ球に加えると、患者さんのTh1リンパ球が抗原を認識してIFN-γを産生します。その産生されたIFN-γの量(QFTレジスタードマーク)やIFN-γを産生するTリンパ球の数(T-スポットレジスタードマーク.TB)を測定する検査です。

この検査で使用する抗原蛋白は、ヒト結核菌由来のものですから、BCGや非結核性抗酸菌など、結核菌以外の抗原では反応せず陰性になります。ツ反で問題になった「BCGによる陽性」がなく、より特異度が高いということになりますが、例外的にM. kansasii、M. szulgai、M. marinum、M.gordonaeにもESAT-6, CFP-10が存在するため、陽性となる可能性があります。

問題点としてはツ反より価格が高いという点が挙げられますが、ほとんどの国民がBCG接種を受けている(かつ、お金持ちの)日本ではあまり問題にならず、むしろ接触者健診などにおいて便利に使われ、ほとんどツ反に取って代わっていると言えます。


感度、特異度良好なIGRAですが、あくまで結核菌感染の有無を判定するツールであり、発病しているかどうかを判定できるものではありません。肺結核の診断はあくまで痰の中に結核菌を証明することが王道であり、IGRAは補助ツールであるべきだと個人的には思います。

長い長い結核の話

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posted by 長尾大志 at 18:41 | Comment(0) | 長い長い結核の話