2018年11月28日

結核の治療法2

昨日はなかなか堪えました。気を取り直して仕切り直し。

優先順位、とさりげなく書きましたが、抗結核薬の使用にあたっては厳密?に優先順位が付けられているのです。つまり、この順番に選びましょうという順番。副作用や耐性で1つの薬剤が使えなくなったら、優先順位が次の薬剤を選択していきます。現時点(2018年11月現在)での順位は以下の通りです。


・First-line drugs (a) |最も強力な抗菌作用を示し,菌の撲滅に必須の薬剤

  • リファンピシン(RFP)

  • リファブチン(RBT):HIV症例で抗ウイルス薬との相互作用があるなど、RFPが使えないときに選択。RFPの代替薬であって、RFPと併用はしません。

  • イソニアジド(INH)

  • ピラジナミド(PZA)


・First-line drugs (b) |First line drugs (a) との併用で効果が期待される薬剤

  • ストレプトマイシン(SM)

  • エタンブトール(EB)


標準治療は、First-line drugs (a)のRFP、INH、PZAにFirst-line drugs (b)のEBまたはSMを併用する4剤で行うというわけです。SMは筋注製剤なので、現場ではEBを選択することが多いです。First-line drugs (a)のいずれかが使えない場合、First-line drugs (b)のどちらか使っていない方(通常SM)を選択することになります。


・Second-line drugs|First line drugsに比して抗菌力は劣るが,多剤併用で効果が期待される薬剤

  • レボフロキサシン(LVFX):それまでも代替薬として使われていましたが、2015年に正式に結核に対する適応が認められました。

  • カナマイシン(KM):SM、EVMと同じアミノグリコシドですのでこれらは併用しません。

  • エチオナミド(TH)

  • エンビオマイシン(EVM):SM、KMと同じアミノグリコシドですのでこれらは併用しません。

  • パラアミノサリチル酸(PAS)

  • サイクロセリン(CS)


この群を使う際には、必ず感受性を確認し、3剤以上の多剤併用で、耐性獲得に気をつけて長期間の投与となります。


・Multi-drug resistant tuberculosis drugs|使用対象は多剤耐性肺結核のみ

  • デラマニド(DLM)

  • ベダキリン(BDQ):この2剤に関しては、まだまだ使用経験、データの少ないこともあり、優先の順位はついていません。


(Kekkaku Vol. 93, No. 1 : 61_68, 2018より引用改変)


治療に関して、特に薬剤が使えない場合にどうするかなどは事細かく決められていますので、詳しくは上記文献を参照してください。

長い長い結核の話

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posted by 長尾大志 at 20:46 | Comment(0) | 長い長い結核の話