2019年05月26日

日本プライマリ・ケア連合学会学術集会に参加して思ったこと

先週、第10回日本プライマリ・ケア連合学会学術集会に参加させて頂きました。個人的には今回久々に参加させて頂いた次第ですが、総合診療専門医を目指す若い方が少ないとか、新しい専門医のシステムの発表があったりとか、色々と議論があるようです。

あくまで門外漢として参加した感想としては、やはり他の(そこらの)専門医養成?学会に比較すると、特に若い人中心に、非常にいわゆる「意識の高い」方々が多く参加されていた印象です。

もちろん発表の内容もレベルが高いですし、プレゼンそのものも洗練されている。質疑応答や終了後の会話なども、非常に前向き、建設的な印象を受けました。

逆にですが、こういう現場を見る、あるいはこの参加者の方々を見ていると、「自分にこんなことできるのかな」「この領域でやっていけるのかな」と若い人が自信を失ってしまうようなこともあるのかも、という印象を受けました。

自分が初期研修医だった頃のことを思い出してみると、とてもこんなことはできません、やっぱりやめとこう、となるかもしれません。そういう意味で、中の先生方のレベルが高いがゆえに、若い人の参入するハードルが上がってしまっている可能性もあるのかなと思いました。

専門医の制度に関しては、私が何か申し上げる立場でもありませんし資格もありませんが、『総合診療』の『専門』医という時点で、矛盾とまでは申しませんが、何か違和感を覚えてしまいます。

医師として、あるいは医療人として、あるべき理想の姿に近づいていく努力を続ける、そういう方々がこの学会には多いように思います。しかしながらそれは、決して『総合診療』だけのものではなく、本来はそこらの?色々な臓器別専門医、といいますか医療人全てが目指すべきところであるはずです。

ですから、おそらくプライマリ・ケア連合学会の精神、目指すところは、将来すべての医療人がこういうことを基礎に、例えば臓器別専門医にもなる、いわゆる岩田先生のおっしゃるところの「ジェネシャリスト」あるいは耳原総合病院のおっしゃるところである「GP+1」となっていく。そしてあえてプライマリ・ケア連合学会と銘打たなくても、そういう先生方、医療人の集う場ができるところではないかなと思うのです。

逆に考えると、「総合診療の専門医」が特段の価値を持たなくなるような世の中になる、というのがプライマリ・ケア連合学会の究極の目標なのかなあと思いました。

昨今様々な議論がある「専門医制度」ですが、専門医制度機構のための専門医ではなく、本当に患者さんのための専門医とは何なのか。これは当然臓器別専門医であってもその通りなのですが、今回の参加をきっかけにそういうことにまで考えが及んだ週末でありました。

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posted by 長尾大志 at 14:48 | Comment(0) | 日記