2019年08月23日

新令和・胸部X線写真の読みかた基礎編12

胸部X線写真の読影をするにあたって、特にちょっとした異常陰影を見つけやすくするために知っておくと役に立つコツをいくつかご紹介します。


病歴からの情報

一つ目は、当たり前のことですが病歴や身体診察所見からの情報です。健診の写真では病歴はわからないものですが、何らかの症状をもって受診した患者さんであれば、その病歴からある程度疾患やX線写真上の所見が推測できるものです。

例えば、高齢の方で一週間前からなんとなく元気がない・微熱・食思低下がある、という場合、感染症の存在が疑われる病歴かと考えられます。そこで診察したときに、呼吸数が増加していたり、胸部聴診所見でcoarse cracklesが聴こえたりすると、肺炎の存在が疑われるわけです。

それで写真を見てみるとこんな感じ。coarse cracklesは右側で聴取される、そうなってくると右側、誤嚥があると考えるならば特に下の方に高吸収域を探すことになります。

スライド32.JPG

この写真であれば、右2弓付近、横隔膜のすぐ上あたりにべたっとした陰影が見られます。 CT だとこんな感じ。

スライド33.JPG

これは右下葉の誤嚥性肺炎でしたが、このように病歴や身体診察所見から、陰影を見つけるべき場所の目星をつけることで陰影が発見しやすくなりました。

それからこちらは突然発症した胸痛と呼吸困難です。

スライド34.JPG

元々肺に(他臓器からの転移による)多発結節影があって、所見が多いために見にくいところですが、突然発症した右の胸痛(吸気時に強くなる)と呼吸困難という病歴から胸膜痛〜気胸を疑い、よく見ると確かに右気胸が生じていました。

このように病歴から所見をある程度推測できるよう、疾患に特徴的な病歴を知っておくことが大切ですね。

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posted by 長尾大志 at 15:44 | Comment(0) | 胸部X線道場