2019年08月28日

新令和・胸部X線写真の読みかた基礎編15

線の存在に注意

ここでいう線、というのは、シルエットサインの時に使う「(大動脈弓・下行大動脈・心陰影・横隔膜などの…)元々ある線」だけはありません。

病変、特に収縮を伴うような悪性腫瘍(肺癌)が発生すると、周囲の胸膜を引っ張り込んで胸膜陥入像が生じることはよくご存知かと思います。その胸膜陥入像が胸部X線写真でも見えて、新しい線が生じる現象があります。

本来の構造物による線とは違う場所、線があるはずのない場所に見える。これは肺炎後に収縮した、とか結核の治療した後の瘢痕像など陳旧性の陰影でも見られますが、例えば昨年の写真にはなかったのに今年の健診写真では見られる、というような場合には新たに結節が生じている可能性がありますので要注意です。

そのような収縮を伴う結節は得てして高分化腺癌で、本体の濃度は比較的淡くて見にくい、ということがしばしばあり、線を手がかりに発見されるということがありますから、線の終端付近を結節があるかどうかよくよく確認するとともに、積極的にCTで確認する必要があるかと考えます。


さてそれではこれから富山県へ出発致します。富山の先生方どうぞよろしくお願い申し上げます。

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posted by 長尾大志 at 12:21 | Comment(0) | 胸部X線道場