2019年08月30日

新令和・胸部X線写真の読みかた基礎編16

毛髪線

毛髪線とは、右の上葉と中葉の間の境界である「水平裂」が線状に見えているものです。これは上葉の臓側胸膜と中葉の臓側胸膜2枚から成り、胸膜2枚が重なっていて厚みとしては0.3mm 程度のもので、(毛髪の幅も0.3mm 程度であり)この名前が付いています。

「水平」裂といいますが、場所的には肺野の真ん中あたり、肺門の上葉に行く血管と中葉に行く血管の分かれ目あたりのところから、水平に外に向かって走り肺の一番外まで到達する漢字で見えるのが標準的な見え方です。

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標準的にはそうなのですが、この位置、走り方は必ずしも「真ん中へんに、水平に」ではなく、斜めであったり、上の方であったり下の方であったりと個人差が結構あります。

肉眼で見えるか見えないかも微妙なところです。大事なことは見えるか見えにくいか、あるいは見えないかというところではありません。見えにくいものを目をこらしてみる必要はありません。はっきりくっきり見えるときが問題なのです。

つまり胸膜自体に病変があって、厚みが増して可視化してくるとか、胸膜と胸膜の間に胸水が入ってそれが可視化してくるとか、胸膜病変が存在するときに毛髪線の存在感が増してきて、はっきり見えるようになる、それが問題なのです。

あと、上葉や中葉の肺炎などの病変がある場合、その病変が葉間を超えず胸膜で堰き止められると、毛髪線がくっきりと境界線として認識できることがあります。この場合その病変が上葉に存在する、とか、中葉に存在する、とCTを使わずに自信を持って言い切ることができるので便利です。是非毛髪線を有効に使ってみましょう。


日曜日は、セコメディック病院さんの「第16回 救急・総合診療セミナー」です!肺炎からHRCTのお話をさせて頂く予定です。ご来場の皆さん、よろしくお願い申し上げます。

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posted by 長尾大志 at 13:04 | Comment(0) | 胸部X線道場