2020年02月29日

2019年度臨床実習、あと2週間…

2019年度の臨床実習もあと2週間で終わり、というこのタイミングで、小中高の休校要請。

大学にはその影響は、まだ来ていません。ということは、臨床実習もこのまま継続か…。

もっとも感染の危険性が高いという「病院」に学生さんを曝すのか?という疑問はないでもないのですが。今は上層部の沙汰を待つばかりですね。

そんな中、臨床実習は粛々と進みます。今回の班も学びは多かった様子で、熱心な感想を頂きました。

(この1週間で学んだことのうち、最も印象的だったことについて書いてください。以下引用)

「聴診でラ音と胸膜摩擦音、打診で濁音を自分でとれたこと。」
「患者さんを室内に呼び込むところから外来診察を体験出来たこと」
「職業歴はかなり詳しく聴かなければ見落としがちになること。家族歴の聴取も同様であること。打診はスナップをきかせて叩く指を垂直に振り下ろすこと。カルテ記載はSの上の♯の欄を見ればある程度、患者さんについての現行が分かるように書かなければならぬこと」
「外来での診察方法。触診、聴診、打診の方法、視診で何を見るかが整理できてよかったです。」
「レジオネラ肺炎が死ぬ病気であること。」
「レントゲンの読影方法を教えていただいてとても勉強になりました。」

(引用ここまで)

(この1週間の感想を書いてください。以下引用)

「長尾先生がほぼずっと近くにおられたので、質問したいときに質問でき、疑問点を解消できました。ひとつひとつの症例、まとめ発表に対して補足や臨床の話をしていただき、使える知識をつけられたと思います。そのほかでは、微生物のゲームが勉強になりました。」
「正常の呼吸音の聞き方を教えていただいていままでなんとなく聞いていた呼吸音を以前よりきちんと聞けるようになったと思います。レントゲンの読影では教えていただいたことで読み方がよくわかったのですが読影会では同級生の有識者の方々の実力に圧倒されてしまったので、自分もレベルアップできるようにできるだけ今後は参加させていただこうと思いました。一週間ありがとうございました。」
「肺炎は肺の症状しか出ないこと、呼吸数が重症度の大きな指標になること、喀痰と血液の塗沫標本の違いなど、沢山のことを勉強しました。聴診や打診で所見をとったり、レントゲンを説明したり、他の科で問診や診察をしたことはありましたが、先生が後ろにつきっきりでついてくれることの安心感がすごくあって、リラックスして患者さんとお話しすることができました。一週間すごく濃厚な時間を過ごすことができました。もう一度勉強して知識の整理をします。1週間ありがとうございました。」
「風通しの良さを感じました。 朝カンファでは研修医の発表を聞きながら自然と自分が発表する場面を想像することができ、ポイントとなる所見など発表の強弱を学べました。ミニレクチャーも短時間でまとまりが良く、研修医の皆さんと同じ席で学べるのはモチベーションの面でも効果的でした。x線読影会はなかなか参加できませんが、学習の時間効果が非常に高いので非常にうれしいです。肋骨の数え方を覚えていたのが自分でもビックリです。 (循環器含めて)1週間と短いのが少し残念です。」
「非常に講義がわかりやすく、わかりにくい所が氷解するような印象をうけました。」
「1週間と短い間ですが、呼吸器内科でクリクラさせていただき、ありがとうございました。今まで回った診療科のなかでも、1,2を争うくらい面白く、充実した実習ができました。クリクラという名前の通り、学生が自ら手を動かして実習することができたと思います。外来で先生に見守られながら診療行為ができたことは、大変勉強になったし、少し診察に自信がつきました。また、呼吸器内科に興味を持ちました。まだまだ知識が足りないので、これからも勉強頑張ります。」

(引用ここまで)

皆さん、学びになったようで、幸いですね。さて来週はどうなるか。

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posted by 長尾大志 at 15:14 | Comment(0) | 先輩研修医・学生さんの感想

2020年02月28日

第114回医師国家試験問題速報解説10

114D63
A 65-year-old woman was diagnosed with stage TB right lung cancer.She underwent right lower lobectomy with lymph node dissection for the cancer.She developed a milky white pleural effusion of 860mL,which was drained after starting meals on the first postoperative day.
Which pleural effusion test should be performed for a definitive diagnosis?
a Protein
b Bacteria
c Triglyceride
d Malignant cells
e White blood cells

でました。完全英文問題。こちらも心臓に悪そう。ギョッとした受験生諸氏も多いのではないでしょうか。

まあでも、こちらは和文だと簡単な問題です。英文もしっかり腰を据えれば平易です。要は、「肺癌で葉切後、乳白色の胸水が大量に出てきた。何を測定しますか?」ってことで、乳び胸ですからc Triglycerideとなります。

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2020年02月27日

第114回医師国家試験問題速報解説9

114D59
65歳の女性.胸痛を主訴に来院した.1ヵ月前から右胸痛を自覚していたが改善しないため受診した.13年前に右乳癌で手術の既往がある.30年前から建設業に従事していた.呼吸音は右下胸部で減弱,胸部の打診で右背側に濁音を認めた.胸部X線写真(別冊),胸部造影CT(別冊)及びFDG-PET/CT(別冊)を別に示す.胸腔鏡下生検を施行した結果,カルレチニン免疫組織染色が陽性である悪性細胞を認めた.

この患者で高値を示すのはどれか.
a 胸水ヒアルロン酸
b 胸水トリグリセリド
c 血清α-フェトプロテイン〈AFP〉
d 胸水アデノシンデアミナーゼ〈ADA〉
e 血清アンジオテンシン変換酵素〈ACE〉

カルレチニン免疫組織染色…カルレチニン…ナニソレ??うわああああ(混乱)となった方もおられるかも。心臓に悪い?問題です。

現段階では病みえにもイヤーノートにもカルレチニンの記載は見当たりませんが、そのうち記載されるようになるでしょう。いやそれでも、今でしょ!今解けるのかって問題で。

まあでも、胸部X線写真、胸部CTでは胸水と胸膜肥厚像のみ、PETでも胸膜に集積あるのみ、となりましたら、やはり中皮腫、であればa 胸水ヒアルロン酸だろう、ということで回答には何とかたどり着かれるのでは?

もっといえば、選択肢に挙がっている物質で、胸部疾患がらみのものは、他にはdのADAくらいですから、結核を示唆する情報がない⇒中皮腫、でたどり着けるかもしれませんね。

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2020年02月26日

情報解禁:Dr.長尾の たのしイイ呼吸ケアQ&A100: 酸素・血ガス・ドレナージ…現場ナースのギモンに答えます!

情 報 解 禁 

このたびメディカ出版さんから、

Dr.長尾の たのしイイ呼吸ケアQ&A100: 酸素・血ガス・ドレナージ…現場ナースのギモンに答えます!

3月27日発売が決定しました!

たのしイイ呼吸ケア_カバー.jpg

amazonのリンクはこちらから⇒
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「口呼吸の患者さんに鼻カニューラでいいの?」
「低流量、高流量ってどういうこと?」
「ブラとブレブの違いは?」…

私が担当させて頂いている、メディカ出版の人気!?セミナーで寄せられた、様々な現場のギモンを整理し基本からたのしイイく解説しました。これで酸素とドレナージに関する、大体の疑問は解消するんじゃないかと思います。呼吸器内科の上級医がいないご施設の先生方にもオススメです!

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posted by 長尾大志 at 12:55 | Comment(0) | 活動報告

2020年02月25日

第114回医師国家試験問題速報解説8

114D56
42歳の男性.喘嗚を主訴に来院した.幼児期に気管支喘息を発症したが,12歳以降は喘息発作もなく過ごしていた.半年前から再び発作が生じるようになったため受診した.アレルギー性鼻炎の既往はない.吸入副腎皮質ステロイド薬,吸入長時間作用性β2刺激薬,吸入長時間作用性抗コリン薬,ロイコトリエン受容体拮抗薬,テオフィリン徐放薬で治療したところ最近症状が落ち着き,減薬を考慮している.血液所見:赤血球430万,Hb 14.5g/dL,白血球7,800(分葉核好中球63%,好酸球10%,好塩基球1%,単球5%,リンパ球21%),血小板25万.特異的IgE抗体は全て陰性.
治療方針として,中止すべきでないのはどれか.
a テオフィリン徐放薬
b 吸入副腎皮質ステロイド薬
c 吸入長時間作用性β2刺激薬
d 吸入長時間作用性抗コリン薬
e ロイコトリエン受容体拮抗薬

これは正解してください。これまでは「治療に必要なものは」みたいな問いだったのを、寛解状態になったときに中止していくシチュエーションで若干ひねっておりますが、要は「治療のキーになる薬はどれか」ってことで、b 吸入副腎皮質ステロイド薬で決まりです。

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2020年02月24日

すっかり連休モード

先週はいろいろありまして、連休になってすっかりダラけてしまい、体調もイマイチで、更新が途絶えておりましたですね…。

22日は栗東ウイングプラザにて、滋賀県臨床検査技師会さんの、2019年度 第2回学術部門研修会にて、
「呼吸器疾患の病態から検査まで」と題したお話をさせて頂きました。

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時節柄、開催も危ぶまれたところですが、無事につつがなく、それほどご質問もなく終了しました。写真も取り立てて問題のなさそうな写真のみ笑。

明日から臨床実習ですので、気合いを入れ直します〜。

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posted by 長尾大志 at 15:37 | Comment(0) | 活動報告

2020年02月21日

第114回医師国家試験問題速報解説7

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気胸なんだから、もうドレナージ入れましょうよ、脱気しましょうよ、っていう話じゃないかなと思ったのですが、さらに検査をすると。検査するんですか?とおそらく多くの学生さんは思われたんではないでしょうか。

これ、現場の呼吸器内科医や救急医だったら何か検査するのかな?なんて深読みをされて墓穴を掘った方もおられたりするかもしれませんね…。まぁ百歩譲って検査をするとして、この五つの選択肢の中で選ぶとすればa胸部CTしかないと思います。もうそれでいいと思います。

なぜに気胸で喀痰細胞診や負荷心電図、それに気管支鏡が必要なのか。この辺は論外。呼吸機能検査に至っては禁忌肢と言ってもいいかもしれません。申し訳ありませんが本当に意図が分からない問題です。

例えば、これが高齢の重喫煙者だったり、気胸を繰り返していたり、胸部の既往歴があったりで、癒着が疑われる、ドレーンを入れる際にどこから入れるかをCTで確認する、ということはあると思います。でも本症例は20歳女性で素直な気胸のように見える。それでCTはどうなんでしょうか?

この問題を過去問として解くことになるこれからの受験生の皆さん。『病○がみえる』や『イ○ーノート』などに「気胸の場合胸部CTを撮影する」と記載されることになると思います。それで勉強する皆さんが、気胸といえばCTという短絡思考に陥ってしまわないか、ちょっと心配です…。

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2020年02月20日

第114回医師国家試験問題速報解説6

114D44
20歳の女性.右胸痛を主訴に来院した.昨日夕方,急に右胸痛と呼吸困難を自覚し本日増悪したため受診した.呼吸数22/分.SpO2 95%(room air).右胸部の呼吸音が対側と比べ減弱している.胸部X線写真(国試参照)を別に示す.

次に行うべき検査はどれか.
a 胸部CT
b 喀痰細胞診
c 負荷心電図
d 気管支鏡検査
e 呼吸機能検査

イヤこれは…胸部X線写真は、完全に気胸なのですよ。で、次何する?って…

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2020年02月19日

島根大学でファイヤー!

昨日はこちら。

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島根大学にて、『臨床現場での教え方・教わり方のコツ』と題した講演会をさせていただきました。元々FDということでお話を聞いていたのですが、ふたを開けてみると熱心な学生さんで会場は熱気に包まれていました。

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この旗は…W先生手作りの…

いやもう、こういうテーマでお話をさせていただくということがほとんど初めてでしたので、どんなお話をしようか考えましたが、自分の来し方、授業や実習でやってきた工夫と、それに対する学生さんからのフィードバック、という感じで進めさせていただきました。

それでまたそこに来ている学生さんにフィードバックをもらったりしたのですが、いやあ課題はいずこも同じ、ですね。滋賀と島根、なんか似てるんですよ。湖あるし。知らんけど。

学生さんにもおおいに共感いただき、参加された教官の先生方にも共感いただき、夜中まで大いに語り合いました。

そして今日は朝から、呼吸器内科教授の礒部先生はじめスタッフの先生方と大いに語らせていただきました。いやあ本当にありがとうございました。

ということで、関係の先生方、お話させていただいた先生方に感謝しつつ、簡単ではありますがご報告とさせていただきます。

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posted by 長尾大志 at 23:05 | Comment(0) | 活動報告

2020年02月18日

第114回医師国家試験問題速報解説5

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68歳の男性.労作時の呼吸困難を主訴に来院した.2年前から階段の昇降ですぐに呼吸困難が出現するようになったという.1年前から食欲もなく,半年間で体重が4kg減少したため,心配になり受診した.喫煙歴は30本/日を45年間.3年前から禁煙している.身長165cm,体重47kg.胸部X線写真で両側肺野に著明な透過性亢進を認め,胸部CTで両肺に低吸収域を認めた.呼吸機能検査で閉塞性障害を認めCOPDと診断された.
栄養療法の方針として適切でないのはどれか.
a 塩分の過剰摂取を避ける.
b 1回の食事摂取量を減らす.
c 炭水化物主体の食事にする.
d 十分なエネルギー量を摂取する.
e 分岐鎖アミノ酸の摂取を心掛ける.

COPDの栄養療法は、基礎的なところをおさえておくしかないですが、以前から特に目新しいこともありません。カロリー・タンパク不足になってサルコペニア、フレイルになる。心不全の合併もよくある、1回にたくさん食べると胃が張って呼吸に影響が来るし、消化にエネルギーを使い消耗します。分岐鎖アミノ酸はわれわれもそうですがCOPD患者さんでは特に有効です。

ということでc炭水化物主体ではなく、タンパクや脂質(カロリーが高い)もしっかり摂るよう指導するのが基本です。


これから島根に向かいます。嵐を呼ぶ男ならぬ吹雪を呼ぶ男、となりかけましたが、なんとか飛行機は飛んでそうで安堵です。

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2020年02月17日

第114回医師国家試験問題速報解説4

114C62
この問題は一体何を問いたかったのか…。

肺炎に対する、抗菌薬治療の効果を判定するポイントとして、まず「患者さんの所へ行け。行って熱を測って、呼吸状態を見て、身体診察所見を取れ」ということが言われていますが、そういうことを問うた問題なのだろうかと思います。

白血球・CRP、ましてや胸部X線写真などの検査所見は、治療効果の反映が上記の身体所見よりも遅く、かつ他の要素に左右され、評価を誤る可能性もあります。

何より患者さんの所に行く。これを研修医の先生には徹底して身につけてほしいものです。出題者の先生がそういう意図を持ってこの問題を作成されたのであれば、大変喜ばしいことではありますが、残念ながら日本のガイドラインには「治療効果判定に呼吸数を見ろ」とはまだ記載されていない現状があり、ちょっと解説を作るときに苦労しました。

答えとしては、まあa呼吸数を見たらいいんですけれども、呼吸数は肺炎の診断にあたってのqSOFAの所にしか記載されていないので、ちょっと苦しい解説になっています(まあどこかの解説書で書いておりますので、よろしければまたご覧ください)。ガイドラインには明確に記載されていないんですが、上にも述べたように、抗菌薬の効果が出れば、翌日にも呼吸数は減少して効果が実感される、というのは現場ではよく知られていることです。

ですから、臨床実習で一度でも肺炎患者さんを見れば、まあそれで解ける問題だということになりますし、今後『病気が○える』とか『○ヤーノート』みたいな書籍には必ず記載されるでしょうから、この問題の功績は大きいと感じています。結果的に、出題委員の先生あっぱれ、ということですね。

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2020年02月16日

ただいま診断中!セミナー@近江八幡市立総合医療センター

今日は「〇〇ただいま診断中!」の著者たち(坂本壮先生@救急外来、伊藤直哉先生@感染症内科、森川暢先生@総合内科、そして私)が一堂に会して、ただいま診断中!セミナー@近江八幡市立総合医療センターが開催されました。

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昨年から始まったこの企画、昨年は「肺炎」をテーマに4者それぞれのアプローチで語りましたが、今年は高齢者の診療のコツを語りました〜。

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近江八幡といえば近江牛。おいしい焼肉丼もいただき、エネルギーも満タン。

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坂本壮先生には、J−COSMOとオスラークリアファイルを頂きました〜。
J−COSMOは、気鋭の若手医師の皆さんはじめ豪華執筆陣が、現場で私たちや若手の先生方が本当に知りたいことを書いてくださっています。若手の先生や開業されておられる先生方、専門医でも専門外のことにもアンテナを建てたい、と考えておられる先生方におススメです〜。

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本会を主催頂いた、近江八幡市立総合医療センターの徳田先生、いろいろとお世話になりまして、ありがとうございました&ごちそうさまでした!

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posted by 長尾大志 at 20:07 | Comment(0) | 活動報告

2020年02月15日

クリニカル・クラークシップの感想をご紹介します。

明日はいよいよ、例のアレです。今日はこれから、前夜祭?

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今週も無事にクリクラが終了しました。
頂いた感想をご紹介します。

(この1週間で学んだことのうち、最も印象的だったことについて書いてください。以下引用)

「長尾先生が学生に付き添って丁寧に講義をしてくださったのがとても印象的でした。学生の診察や発表に対して丁寧に指導をしていただけて大変勉強になった。」
「外来実習」
「闘魂外来」
「a-drop, qsofaなど実臨床でも重要な事項を学べたこと」
「結核の患者さんを問診できたこと」
「非小細胞肺癌の薬物治療について」

(この1週間の感想を書いてください。以下引用)

「1週間お世話になりました。長尾先生が4日間色々なことを教えてくださり、今まで曖昧にしていた知識や原理のよく分かっていなかったことが整理される感覚があり、楽しかったです。問診のレクチャーで「何を聞かなければいけないか」を頭ではなんとなく分かっていても患者さんを目の前にするとうまく話すことができず難しさを痛感しました。長尾先生の患者さんとの接し方を見させていただきながら、診断において重要な事を患者さんから聴取するのはもちろん、目の前の患者さんの気持ちを汲み取り言葉や伝え方を選ぶことの大切さを感じました。貴重な経験となりました。ありがとうございました。」
「外来実習など実践的なものもあれば、様々な講義もあり、とても楽しかった。」
「とても充実した1週間でした。外来診察の難しさを痛感しました。これから頑張りたいと思います。」
「スケジュール的にタイトで体力的には疲れましたが、とても勉強になりました」
「外来での問診、診察練習だけでなく紹介状の返書など実際の業務に近いこともやらせていただき、実戦的で勉強になった。入院患者さんからも診察の練習などができ、多くを学ばせていただいた。」

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posted by 長尾大志 at 18:48 | Comment(0) | 先輩研修医・学生さんの感想

2020年02月14日

第114回医師国家試験問題速報解説3

114C61
次の、この患者の状態はどれか.2つ選べ、っちゅう問題ですが、これがいまいち意図がわからない。要するにこれらの病態(菌血症、敗血症、多臓器不全、敗血症性ショック、播種性血管内凝固〈DIC〉)の定義を知っておけ、そういうことなんでしょうか。

『成人肺炎診療ガイドライン2017』では、それまでの成人肺炎診療ガイドラインにはなかったqSOFAという新しいスコアリングが取り入れられ、敗血症を疑う根拠になっています。それを知っておくように、と注意喚起をするための問題かもしれませんが、ただ単にそれだけにすると問題としてシンプルすぎてしまうので、他の要素を取り入れて複数の病態の定義を知っておく、という問題に変更した、そのような印象がありますね。

まあ選択肢で、血液培養でKlebsiella pneumoniaeを検出していることから、菌血症はあるでしょうし、qSOFA2点(血圧78/40mmHg.呼吸数28/分)なのですから、敗血症も考えられます。それで終わり。

あとの選択肢は、そもそも評価するに足る情報すら与えられていませんので、問答無用で選択からは外れると思います。あ、敗血症性ショックは、あれですね。十分な輸液しても血圧が回復しない、っちゅうアレですね。だからわざわざわざとらしく「輸液したら云々」が問題文に入っているのですね。

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2020年02月13日

第114回医師国家試験問題速報解説2

114C60
まず診断ですが、46歳、虫垂炎術後2日目から発熱です。診察では、胸部「だけ」に異常所見(呼吸音左下胸部で減弱,coarse crackles聴取)。さらにご丁寧に、「腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない.腹部の手術創部に異常を認めない.背部に叩打痛を認めない.」とあります。実臨床ではともかく、この時点で診断はa肺炎、で決まりです。

胸部X線写真、いよいよ「シルエットサインを駆使しないと異常を指摘できない」問題が出て参りました。これは下行大動脈と横隔膜がシルエット陽性なので、そこがわかっている方は問題ありませんが、結構わからなかった人も居られたよう。レジデントのためのやさしイイ胸部画像教室は国試対策に必携と言えるでしょう(笑。

ということで、胸部X線写真からも肺炎であることは明らかです。

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2020年02月12日

第114回医師国家試験問題速報解説1

今年も医師国家試験が終了しました。今年はインフルエンザに加えてコロナ問題がありましたが、受験生の皆さんはご無事で終了されたでしょうか。とにもかくにもお疲れさまです。

さて例年通り、試験問題の解答解説作りのお仕事がございますので、早速「呼吸器」の問題を見て参りましょう。


C60〜62
次の文を読み,60〜62の問いに答えよ.
46歳の女性.急性虫垂炎の手術のため入院中である.
現病歴:3日前に急性虫垂炎のため虫垂切除術を施行した.昨日から38.0℃の発熱を認めているため,本日の朝に診察を行った.
既往歴:特記すべきことはない.
生活歴:喫煙歴と飲酒歴はない.
家族歴:父親が膵癌のため68歳で死亡.
現症:意識レベルはJCST-1,GCS15(E4V5M6).身長155cm,体重48kg.体温37.2℃.脈拍112/分,整.血圧78/40mmHg.呼吸数28/分.SpO2 94%(room air).頸部リンパ節に腫脹を認めない.心音に異常を認めない.呼吸音は左下胸部で減弱し,coarse cracklesを聴取する.腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない.腹部の手術創部に異常を認めない.背部に叩打痛を認めない.両下腿に浮腫を認める.
検査所見:血液所見:赤血球388万,Hb 11.2g/dL,Ht 36%,白血球9,800(桿状核好中球39%,分葉核好中球45%,好酸球3%,好塩基球2%,単球4%,リンパ球7%),血小板18万,Dダイマー3.4μg/mL(基準1.0以下).血液生化学所見:総蛋白6.5g/dL,アルブミン2.9g/dL,尿素窒素21mg/dL,クレアチニン1.2mg/dL,Na 139mEq/L,K 4.1mEq/L,Cl 108mEq/L.CRP 12mg/dL,乳酸14mg/dL(基準5〜20).胸部X線写真を別に示す(各自で検索、ご覧ください).血液培養2セットからKlebsiella pneumoniaeが検出された.

C60
診断として最も考えられるのはどれか.
a 肺炎
b 腎盂腎炎
c 創部感染
d 急性胆管炎
e 化膿性脊椎炎


C61
酸素投与とともに,生理食塩液1,500mLを輸液したところ,体温38.1℃,脈拍96/分,整.血圧112/64mmHg,呼吸数24/分,SpO2 97%(鼻カニューラ3L/分酸素投与下)となった.
この患者の状態はどれか.2つ選べ.
a 菌血症
b 敗血症
c 多臓器不全
d 敗血症性ショック
e 播種性血管内凝固〈DIC〉


C62
抗菌薬治療を開始した.
効果判定にまず用いるべき指標はどれか.
a 呼吸数の減少
b 下腿浮腫の消失
c CRP値の正常化
d 白血球数の正常化
e Dダイマーの正常化


この問題は、一体何を狙った問題なのか、にわかには判然としませんでした。まあ、よくよく考えてみると、狙いはわからなくもないのですが…。

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2020年02月11日

胸部X線読影道場ふたたび170

エラいことでしたね。左肺は上肺野から下肺野まで、あまねくコンソリデーションっぽい高吸収域でした。しかしよ〜く見ますと、下行大動脈の線は見えていますし(シルエット陰性)、左4弓も見えています。おそらく左上葉の陰影ではないかと考えます。右にも限局する高吸収域が散在しています。胸部CTでは…

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にらんだとおり、左舌区、心臓に接する部位にコンソリデーションがあり、下葉の陰影は下行大動脈には接しておらず、陰影としても淡いものでした。右にも限局性のコンソリデーションが散在しています。

本症例は、免疫抑制状態で生じた重症肺炎、血培でブドウ球菌陽性でした。


解説動画はこちら⇒
https://youtu.be/QFiYe01cHpI

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posted by 長尾大志 at 16:29 | Comment(0) | 胸部X線道場

2020年02月10日

胸部X線読影道場ふたたび169

新たな画像です。これは、エラいことです!

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posted by 長尾大志 at 16:33 | Comment(1) | 胸部X線道場

2020年02月09日

第114回医師国家試験、受験生の皆さんはお疲れさまでした。そして活動報告と告知

第114回医師国家試験、受験生の皆さんはお疲れさまでした。私はたぶん明日から解説づくりにいそしみます!

先週は、2/5に静岡県志太医師会さんにお邪魔しまして…

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「ジェネラリストの為の呼吸器道場 呼吸器診療力 UP 講座 第10回 〜『咳嗽・喀痰の診療ガイドライン 2019』にもとづく咳嗽診療〜 」毎年お声がけいただいて、もう第10回だったのですね…。ありがたいことです。

何とそこに、滋賀医大の卒業生、藤枝市立総合病院のU先生が来てくれて、ちょっとお話しできました。やっぱりこういうことが、教員やっていて最大の喜びですね。


そして今週末の告知です。

2/16、近江八幡市立総合医療センターに、「ただいま診断中!」著者が集結!!
詳しくはチラシをどうぞ!!

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お申し込みはこちらへ!

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posted by 長尾大志 at 22:54 | Comment(0) | 活動報告

2020年02月08日

第114回医師国家試験 #国試呼吸器これだけは

今日からいよいよ第114回医師国家試験。世の中新型コロナで大騒ぎですが、今回の国試にはまず出ないので受験生の皆さんは、とにかく基本の『インフルエンザに対する対策』をしっかりとって受験に臨んで欲しいですね。二重の意味で。

明日に向けて、見ておいて欲しいところ(というか、今日の問題は情弱にてまだ見られておりません)

血ガスの解釈:
A-aDO2、アニオンギャップの計算、アシドーシス、アルカローシス、解釈と対策まで、必ず出来るように。P/F比の計算も出来るようにね!

その流れでARDS(軽症・中等症・重症)の定義とARDSの原因も見ておきましょう。最近の出題では(大きな)術後が多いですね。

ARDSの定義
侵襲や呼吸器症状(出現/増悪)から
1週間以内の経過である、呼吸不全(PaO2/FIO2≦300)を伴う胸部X線写真上両側性の陰影
*胸水、無気肺、結節(腫瘤)では陰影のすべてを説明出来ない
*心不全、輸液過剰では呼吸不全の原因を説明出来ない

P/F比による分類
軽症(mild)|P/F比が201〜300(PEEP、CPAP≧5cmH2O下にて)
中等症(moderate)|P/F比が101〜200(PEEP≧5cmH2O下にて)
重症(severe)|P/F比が100以下(PEEP≧5cmH2O下にて)

ARDSの原因
感染症・敗血症
有毒ガス・薬剤
溺水
誤嚥
熱傷・多発外傷
脂肪塞栓症候群
肺挫傷


肺癌の化学療法も、ガイドラインの変更がじゃんじゃんある領域なので、必ずおさえておきたいですね。
とはいえ、最先端の、コロコロ変わっているところじゃなく、もう少し大元の「遺伝子変異」と「PD-L1」をおさえておきたいところです。

たとえば、68歳男性、W期非小細胞肺癌,EGFR遺伝子変異陽性(エクソン19欠失),PS 2,PD-L1≧50%症例に対する最適な一次治療は何か、みたいな問題ですね。

W期非小細胞肺癌の化学療法、ややこしいですが、大原則を理解しておくこと。まず遺伝子変異の有無を確認し、PD-L1は遺伝子変異陰性例での検討になります。


肺炎も、ガイドラインの改訂が2017年ですから、イイ頃合いですね。重症度の把握(A-DROP/qSOFA)と抗菌薬の選択はスイスイ出来るようにしておきたいですね。I-ROADはHAPの取り扱いがややこしくなったので、いささか重要度は下がりましたが、「出題されません」とは言い切れず。

A-DROPの5項目は、いずれも市中肺炎の予後予測因子。各項目、当てはまると1点。
A:Age(年齢) 男性≧70歳、女性≧75歳
D:Dehydration(脱水) BUN≧21または脱水
R:Respiration(呼吸)SpO2≦90%
O:Orientation(意識障害)
P:Pressure(血圧) 収縮期≦90mmHg

A-DROPの合計得点が何点かで、入院適応が決まります。
0点:軽症→外来治療可
1-2点:中等症→外来、または入院治療
3点以上:重症→入院治療
4点以上→ICU

A-DROPのD:Dehydration(脱水)、この期に及んでで知らない人は、Dassui(脱水)でいいです。無理しないで。

qSOFA(quick Sequential Organ Failure Assessment)スコア。
呼吸数≧22/分
意識レベルの変容
収縮期血圧≦100mmHg
2点以上は敗血症の疑いあり、ということになります。

qSOFAスコアは、働き始めて救急当直する、となったときに絶対必要。救急の現場で呼吸数をみる、意識レベルの「ちょっとした」変容にも目を配る、ということが大事です。ということを踏まえて、出題可能性は高いと思います。

あと、市中肺炎⇒喀痰グラム染色でグラム陽性双球菌⇒ペニシリン、の黄金パターンは必ずおさえておきましょう。もし余力があれば、「温泉」のキーワード無しでレジオネラ肺炎の診断が出来るか、レジオネラ肺炎の特徴(肺外臓器にいろいろ症状のある重症かつβラクタムが無効な肺炎)を眺めておくと良いかも。


それから肺結核も、根強く出題。過去問をやっていれば『臭う』臨床問題はわかると思います。診断には必ず喀痰をはじめとする『検体』からの菌検出が必要。IGRAや胸水ADAでは診断出来ません。

結核の特徴は、「対処」を問われる問題が多いことですね。しかしこの辺は、特に新たな事項はないので、これまでの過去問をしっかりやっていれば対応できるでしょう。


COPD診断と治療のためのガイドラインが2018年に第5版に改訂されたので、出題の頃合いだと思います。ポイントはACO問題、こちらも2018年に「手引き」が出たので、そこのところ(診断/治療)と、治療薬がスッキリ整理されたところ。他は学生さんレベルだと、第4版から大きな違いはないかも。

COPDの治療薬はLAMA(長時間作用性抗コリン薬)が第1選択です。LAMAが使えないときはLABA(長時間作用性β2刺激薬)。単独で効果が不足であればLAMA/LABA合剤へ。ICS(吸入ステロイド)は喘息病態合併のときに使う、となりました。

問題はACO(Asthma and COPD Overlap:喘息とCOPDのオーバーラップ)の診断ですが、これは2018年に『喘息とCOPDのオーバーラップ診断と治療の手引き2018』が出ておりますので、出題されても文句は言えません。ACOだったらまず吸入ステロイド(ICS)を加える、というかICSから。

ACO(Asthma and COPD Overlap)の診断基準。〜喘息の特徴
@変動性・発作性
A40歳以前に喘息
BFeNO>35ppb
@〜B3項目のうち2項目あれば喘息あり、1項目の場合、以下の2項目以上を満たせばOK
アレルギー性鼻炎
気道可逆性
末梢血好酸球高値
IgE高値

ACO(Asthma and COPD Overlap)の診断基準。〜COPDの特徴
@喫煙歴(10pack-years以上)または大気汚染曝露
A胸部CTで気腫性変化(低吸収域)を認める
B拡散障害
@〜Bのうちいずれか1項目あればCOPDありと考える
COPDの特徴、かつ喘息の特徴を満たすものをACOとする。

要するに、COPDかな、と思っても、
@変動性・発作性
A40歳以前に喘息
BFeNO>35ppb
@〜B3項目のうち2項目を満たしたら吸入ステロイドを使う、ってことです。


気管支喘息のガイドラインも2018年に新しくなってますが、これは大して変わっておりません。LAMAが最重症でなくても使えるようになったのと、最重症で抗体製剤が加わったくらい。ここは専門医試験レベルかなあ。

アスピリン喘息は以前から国試で頻出ですね。やはり「知っておかないと訴えられるレベルのヤツ」は必須です。


あと、特発性肺線維症(IPF)の治療ガイドラインが2017年。特記事項としては、IPFだったら抗線維化薬(ピルフェニドン、ニンテダニブ)、それ以外の間質性肺炎だったらステロイド(+免疫抑制薬)。IPFにステロイドは禁忌肢になる勢いです。

特発性肺線維症(IPF)の診断はHRCT必須ですから、CTで蜂巣肺があって、捻髪音を聴取してKL-6高値で、原因が特になければ自信を持って抗線維化薬を選びましょう。


皆さんがこれまでの勉強の成果を十分発揮されんことをお祈りしています。今日は早く寝ましょう!もう寝てるか!

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