2020年07月31日

胸部X線読影道場ふたたび286

過去(2ヵ月前)と比較しますと、左肺野にかろうじて残っていた含気がなくなっています。これは腫瘍か胸水か、はたまた無気肺か、ということですが、縦隔(気管)はやや左に引っ張られているようです。胃泡の位置もやや高くなっているような。

それではこれは無気肺?と思いたいところ。でも心陰影は、はみ出しています…むむ、やはり圧されているのか??

気管分岐も開大してきている…#7リンパ節の腫大、ないし心拡大(左房)などが考えられます。

これらを併せて考えますに、左肺が「増える」病変とすると気管が引っ張られているのが合わない。
左肺が「減る」病変とすると、心臓が圧されている、気管分岐角が開大しているのが合わない。でも、心拡大が起こる病態が併存している、と考えると、まあ矛盾しないかな、というわけです。

心臓の形(左は見えないので右だけですが)をよ〜く見て頂ければ、なんかポテッと垂れ下がっている感じ…。

スライド123.JPG

そうなのです、左無気肺+心嚢水貯留でした。

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posted by 長尾大志 at 19:39 | Comment(2) | 胸部X線道場

2020年07月30日

胸部X線読影道場ふたたび285

単独だといろいろありすぎて、ナンノコッチャら、というわけで、過去画像と比較しましょう。

スライド122.JPG

肺癌で化学療法施行後左舌区・下葉切除を受け、その後も化学療法施行中、倦怠感が増してきた、という状態です。

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posted by 長尾大志 at 14:39 | Comment(2) | 胸部X線道場

2020年07月29日

胸部X線読影道場ふたたび284

今回の画像はこちらです。

スライド121.JPG

ちなみに2年前、左舌区/下葉切除後です。


オープニングQ.png

ところで昨日、ついに、ようやく、島根大学で学生さん向け勉強会を開始することが出来ました。1年生から6年生まで、90名もの島根大学医学部生の皆さんに集まって頂き、「胸部X線写真読影の基礎」第1回のお話をさせて頂きました。

参加者はやはり5年生が多かったですが、4年生以下、1年生も!少なからず参加してくれました。基礎からの話をするのは自分でも久しぶりで、参加者の皆さんの反応をもらいながら、とても楽しくお話…しすぎて、時間をだいぶオーバー+途中で切り上げることになりましたが…。

今回の企画を助けてくれた学生諸君の熱意とITスキルのおかげで、幸先のいいスタートを切ることが出来たと思います。みんなどうもありがとう!!

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posted by 長尾大志 at 13:47 | Comment(3) | 胸部X線道場

2020年07月28日

胸部X線読影道場ふたたび283

HRCTでは、一見して広義間質(リンパ路)の肥厚像が目立ちますね…単純X線写真での印象通り。葉間胸膜も目立っていて、わずかながら胸水もあるようです。

ということで、鑑別診断は、リンパ増殖性疾患、サルコイドーシス、云々となるわけですが、サルコイドーシスにしては低酸素がちょっと不自然ですね。LDH 946と著増していましたし、リンパ腫では?というところで、低酸素ではありましたがTBLBを敢行したところ、Intravascular large B-cell lymphomaとの診断を得ました。診断がついてよかったです。

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posted by 長尾大志 at 18:06 | Comment(0) | 胸部X線道場

2020年07月27日

胸部X線読影道場ふたたび282

胸部X線写真のパッと見の印象は、「両側びまん性すりガラス影」という感じかと思います。で、=間質性肺炎、といいたいところですが、にしては少し変?

よく見ると、臥位でもないのに血管影が目立っています。胸水も少しあるかもしれません。網状影はなく、分布としては比較的均一です。

…ということで、少なくとも典型的なIPFではない。

間質性肺炎とすると、好酸球性肺炎とか、広義間質肥厚側の疾患も想定される。

…ということで、HRCTを撮りました。

スライド120.JPG

次のステップはいかがでしょうか。

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posted by 長尾大志 at 13:09 | Comment(2) | 胸部X線道場

2020年07月26日

胸部X線読影道場ふたたび281

本症例はパッと見、胸郭がずいぶん小さく見えます。ただ、肋骨を数えると、肺が胸郭に対して小さいわけではなく、胸郭自体が小さいとわかります。側面像では…

スライド118.JPG

こんな感じで、若い頃からの脊椎後彎症(円背)でした。ちなみに以前の写真と比較すると、こんな感じです。

スライド119.JPG

症状は3週間前からの呼吸困難、来院時低酸素血症。どちらかといえばCT所見がキモかも知れませんが、明日のお楽しみです。

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posted by 長尾大志 at 19:11 | Comment(0) | 胸部X線道場

2020年07月25日

胸部X線読影道場ふたたび280

それでは今回の画像です。

スライド117.JPG

いろいろありそうですね…。

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posted by 長尾大志 at 15:14 | Comment(4) | 胸部X線道場

2020年07月24日

胸部X線読影道場ふたたび279

この症例、主訴が「血痰」、前医では先の画像に「異常なし」との判断でしたが…血痰が止まらず受診されました。前医の対応に、かなり不満を感じておられたようで、だいぶお話に時間をかけさせていただきました…右上肺野に高吸収域、ありますよねー(泣。

CT撮ってみますと(数日後でしたが)、やはり陰影あり。おそらく単純写真撮影時には空洞はなかったであろうと思われますが。

スライド116.JPG

喀痰グラム染色では好中球と雑多な菌を確認、肺膿瘍と診断し、抗菌薬治療で軽快しました。空洞形成の速さからも細菌感染症で矛盾しません。

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posted by 長尾大志 at 18:38 | Comment(0) | 胸部X線道場

2020年07月23日

胸部X線読影道場ふたたび278

連休中ですが、今回の画像はこちらです。ちょっと苦い思い出もあったり。

スライド115.JPG

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posted by 長尾大志 at 20:31 | Comment(3) | 胸部X線道場

2020年07月22日

医師国家試験対策症例問題症例問題・診断

呼吸器領域で「病歴が特徴的・特異的で、病歴から診断名を引っ張り出してくるべきもの」は、それほど多くありません。国家試験対策には、このあたりの疾患を熟知しておく必要があります(し、臨床の現場でも典型的な症例においてはピーンと来る必要があります)。

病歴の中から、特徴的な言葉を取り出してみましょう。

難治性喘息でかかりつけ。
脚から大腿に掛けて、境界比較的明瞭な浸潤性紅斑としびれ感が出現。
湿疹の悪化と下腿に紫斑が出現した。
歩行に膝がおれて、足があがりにくい、長時間たてないといった症状が出現した。

呼吸器の疾患にしては、呼吸器の症状に乏しいですね。まあ、そういう方向から考えるのは邪道ですが…。

(難治性)喘息に始まり、皮膚症状、神経症状(つまり多彩な症状)と来れば…あとは発熱や関節痛などがあれば、血管炎を想起して頂きたいところです。血管炎の中でGPAとEGPAは、診断基準にも「経過」が記されているとおり、かなり典型的な経過をとることが多いので、必ず知っておきたいところ。本症例は年齢が少し典型的とは言いがたいのですがANCA陽性、皮膚生検からEGPAと診断されました。

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2020年07月21日

医師国家試験対策症例問題症例問題

ちょっと趣向を変えまして、症例問題を1つ。診断を考えてください。この時期の?学生さん向けです。

40歳代女性。難治性喘息で当院呼吸器内科かかりつけ。
○年12月ごろより脚から大腿に掛けて、境界比較的明瞭な浸潤性紅斑としびれ感が出現。翌年2月頃より湿疹の悪化と下腿に紫斑が出現したため、近医皮膚科受信、当院皮膚科外来を紹介受診した。
4/20前後から歩行に膝がおれて、足があがりにくい、長時間たてないといった症状が出現し、5/10呼吸器内科再診、5/13に加療目的で入院となった。
【既往歴】
高血圧、気管支喘息・アスピリン喘息(2歳頃から、中等度〜重症。)
てんかん(28歳から、当院精神科フォロー。)、うつ病(当院精神科フォロー)
【生活歴】
喫煙:なし
飲酒:なし
アレルギー:イソジンで蕁麻疹

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posted by 長尾大志 at 08:58 | Comment(0) | 胸部X線道場

2020年07月20日

胸部X線読影道場ふたたび277

こちらも既視感があるといえばあるかも…以前どこかで似たような画像を出しました。どこでかは忘れました笑。けど、絶対どこかで出してる(しつこい)ので、覚えている方もおられるかも…。

左の上肺野中心に、べたっとした高吸収域。心陰影の左4弓と下行大動脈は見えますが、上の方、大動脈弓は見えません。左横隔膜は挙上しており、気管も少し左に偏位し、左主気管支は上に跳ね上がっていますので、左上葉に収縮病変があると思われます。

ということから、覚えておられなくても、左上葉無気肺の存在がわかります。左は肋横角も鈍で、同時に胸水もあることがわかります。

スライド113.JPG

元々肺癌で無気肺のあったところに結核性胸膜炎が合併した症例でした。

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posted by 長尾大志 at 13:32 | Comment(0) | 胸部X線道場

2020年07月19日

胸部X線読影道場ふたたび276

胸水を抜いて調べても、リンパ球優位の滲出性ではあるもののADAやCEAなど低値、細胞診、細菌塗抹検査なども陰性で、胸腔鏡検査を行った次第です。T-SPOTも陰性でした。

この白い病変、こちらを生検したところ乾酪壊死を伴う肉芽腫を検出…さらに、8週培養で抗酸菌が生え、結局結核性胸膜炎と診断出来ました。

ADA低値、T-SPOTも陰性でも、こういうこともあるのです。


…それでは、次の画像をご覧ください。

スライド112.JPG

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posted by 長尾大志 at 15:00 | Comment(2) | 胸部X線道場

2020年07月18日

胸部X線読影道場ふたたび275

画像としましては、両側肋横角が鈍で、特に左は横隔膜も見えませんから、左優位の胸水があると。で、6年前から見られるのが頸部の空気像と縦隔のニボーです。頸部〜縦隔にこんな、水がたま(って、空気と接触して鏡面形成が起こ)るような構造物はあるのか…あるとすれば食道でしょう。

で、6年前の側面像を見ると、空気像とニボーは胸骨のウラ、前縦隔にある。ということで、学生さんにはなかなか難しいとおもますが、こういうパターンは食道癌の術後、です。

で、でですね。

本症例では診断がつかず胸腔鏡を施行しました。その時の内腔像が診てほしかったのですよ。こちらです。

スライド110.JPG

さあ何でしょう、というのが問題でした…。明日に続きます笑。


解説Zoomカンファレンス無修正動画はこちらから⇒
https://youtu.be/f2J0mnYEcNo

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posted by 長尾大志 at 17:22 | Comment(0) | 胸部X線道場

2020年07月17日

胸部X線読影道場ふたたび274

もうコメントにはほぼ正解が出ておりますが…汗、6年前と並べますね。

スライド108.JPG

6年前のものにつきまして、側面像がありますので、敢えて出します…。あの陰影は、果たして何が行われたものか?

スライド109.JPG

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posted by 長尾大志 at 19:14 | Comment(2) | 胸部X線道場

2020年07月16日

胸部X線読影道場ふたたび273

今回の画像はこちらです。所見はシンプルかな、という感じです。

スライド107.JPG

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posted by 長尾大志 at 13:24 | Comment(3) | 胸部X線道場

2020年07月15日

胸部X線読影道場ふたたび272

わずか1日でこの変化。胸水や腫瘍ではこうはならないでしょうね。

1日前も”Sit”と書いてあってポータブルAP像と思われますが、今回分は”Supine”ですから、坐位すら取れなくなった様子です。だいぶ斜位になっている感がありますので、気管(縦隔)の動きはあまりあてにならない。とはいえ、とはいえです。やはり気管が左に寄りすぎじゃあないでしょうか。無気肺?

それと左主気管支が途中で途切れていますから。やはり無気肺でしょう。という話になります。

スライド106.JPG

胸部CTでは、左肺がぺっちゃんこで真っ白になっている様子がよくわかりますね。

本症例は、気道出血によって左主気管支が閉塞して生じた無気肺でした。


解説Zoomカンファレンス無修正動画はこちらから⇒
https://youtu.be/q6sZbqSD-xw

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posted by 長尾大志 at 15:39 | Comment(0) | 胸部X線道場

2020年07月14日

胸部X線読影道場ふたたび271

わかる方には瞬察のようでしたが…以前の写真も。

スライド105.JPG

左が真っ白、というのはその通りですが、加えての所見から、この「真っ白」が何によるものかがわかるというわけです。左が「わずか1日前」というのもポイントですね。

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posted by 長尾大志 at 19:06 | Comment(0) | 胸部X線道場

2020年07月13日

胸部X線読影道場ふたたび270

今回の画像も、わかる方には瞬察かもしれませんね。

スライド104.JPG

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posted by 長尾大志 at 10:14 | Comment(2) | 胸部X線道場

2020年07月12日

胸部X線読影道場ふたたび269

ということで、10年前から見ていきますと、右上肺野に何もなかった(気腫病変はあったのかもしれませんが、単純写真では判然としません)のが、5年前に嚢胞が出来てきまして、で、今回は嚢胞壁の肥厚+内部にモコッと何かが生えてきている感が出てきたと。

空洞、嚢胞内に生えてきたといえばもうおなじみ、アスペルギローマ(きのこの山)が第1に考えられます。壁にもキノコが生えてくるので、普通の嚢胞壁よりも分厚くなってくることが多いですね。

CTで見ますと、嚢胞内のキノコ感がよくわかりますね。

スライド103.JPG

なお、左下肺野の肋骨が重なるあたりの濃度も高く見えるのですが、こちらは皮膚結節による胸壁の濃度上昇でした。


解説Zoomカンファレンス無修正動画はこちらから⇒
https://youtu.be/3fTrsca9FIo
動画は、いきなり学生さんのお答えから始まりますので、音量にご注意ください(笑。

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posted by 長尾大志 at 14:25 | Comment(0) | 胸部X線道場