2020年08月04日

胸部X線読影道場ふたたび290

8ヵ月後は、左上肺野の陰影は薄らいでいますが、むしろ下肺野に高吸収域が出現したようです。

よく見て頂くと、今回見えなかった大動脈弓が見えるようになりました。石灰化があるのでよくわかります。どうやら左上葉の無気肺は解除されたようです。しかし!

その代わり、下行大動脈や横隔膜の全体が見えなくなっています。すなわち新たに下葉に病変が生じたようです。心陰影、左4弓も見えなくなっていますから、舌区にも病変が生じたようです。左横隔膜は肋横角まで不鮮明で、左肺の端を見ると胸水もあるようです。

気管の偏位は相変わらず、胃泡の位置からは左横隔膜は挙上しているようですから、左の高吸収域はやはり無気肺でしょう。前回見られた腫瘤はよく見えませんが、無気肺に埋もれているのでしょうか。右肺の小結節は各々大きく、存在感が増しています。

スライド128.JPG

結論としては、左上葉入口部の病変は一時治療が効いたものの、その後改めて悪化してきた、という流れが推測されます。

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posted by 長尾大志 at 17:48 | Comment(0) | 胸部X線道場