2021年06月30日

血痰・喀血6.1 鑑別を絞るために、もうちょっと聞きたい病歴1.1

先日の記事「血痰・喀血6 鑑別を絞るために、もうちょっと聞きたい病歴1」の中で、「もう少しデータがないものでしょうか〜?」とお尋ねしましたところ、K立K賀病院のT岡先生から情報をいただきました。

厚生労働省のNDBデータサイト、こんなサイトがあったんですね……不勉強でした。このサイトより個々の薬剤の総処方数を見ることができますので、概ねの処方人数がわかります。

色々な剤型がありますが、本当にザックリと総処方「数」を見ると、約7億個(錠・カプセル・包)。

7億÷365≒195万(人)、となります。前回の試算より少し多め。

平成29年厚労省統計では、定期通院している65歳以上の人口は360万人余り、とすると、ザックリ通院患者さんの1/2程度がDOACを内服している…???まあまあ、多そうですね…。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 17:41 | Comment(0) | 血痰・喀血・肺胞出血

2021年06月29日

血痰・喀血10 次のステップ⇒検査

急性に出現した喀血の原因として多いものはやはり感染症です。ということで、次の診断ステップとしては喀痰検査が大変重要で、グラム染色や抗酸菌塗抹検査にて診断がつけば、治療方針決定に寄与しますから儲けものです。

特に昨今では、肺結核以上に肺非結核性抗酸菌症による喀血に遭遇する頻度が高まっていると感じます。診断にはCTなど画像検査ももちろん重要ですが、肺非結核性抗酸菌症の診断には喀痰検査が必須ですので、診断確定のために喀痰の抗酸菌塗抹・培養、そしてPCR検査を是非とも行っていただきたいと思います。

塗抹とPCRは比較的すぐに結果が得られますが、培養検査は最終結果が得られるまでに最長で8週間かかりますから、結果が出ていない段階で陰性であるという判断をしないようにしましょう。もちろん菌量が多ければ塗抹が陽性になりますし、培養も早い段階で陽性になってきますが、出血しているから菌量が多いとは必ずしも限りません。出血するかどうかは、病変が血管付近にあって血管の破綻につながっているかどうかで決まります。出血の量もその血管の圧力の強さによって決まります。ですから、派手な出血であっても菌量が少ない=なかなか診断がつかない、という可能性もありますので注意しておきましょう。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 19:47 | Comment(0) | 血痰・喀血・肺胞出血

2021年06月28日

血痰・喀血9 血の出どころ

血痰・喀血の出血源は肺胞から口腔(鼻腔)までのどの部分なのか、という観点で鑑別診断を考えます。

気管支からの出血は、急性気管支炎、慢性気管支炎(の増悪)、気管支拡張症、副鼻腔気管支症候群、海外の方だと嚢胞性線維症、そして肺癌などが原因疾患としては多いです。肺癌からの出血で血痰・喀血が起こる場合、末梢の肺癌よりも中枢型の肺癌、すなわち扁平上皮癌や一部の小細胞癌、特に気管支内腔に癌組織が露出してることも多い扁平上皮癌で多く見られます。これは同じように血管に浸潤して破綻が起こるとしても中枢の血管の方が太いというところによります。

これら気管支からの出血では、一般的に気管支動脈からの出血になるためより多量に出血します。一方で肺胞からの出血は肺循環の破綻によるもので、血圧が低いため、大喀血を起こすということは少ないようです。もちろんびまん性肺胞出血のように、出血量自体が多くなってくると出血量は多くなります。

肺胞領域の出血のうち、両側びまん性に生じたものはびまん性肺胞出血と呼ばれ、出血量によって血痰・喀血の原因になります。その原因は炎症性のものと非炎症性のものがあります。炎症性というのは血管炎、全身性エリテマトーデスのような自己免疫疾患、それにGoodpasture症候群のような抗基底膜抗体による肺胞基底膜の障害などがあります。肺炎における病変部での出血も、くくりでいうとこちらに入ります。

炎症でないものとしては出血傾向によるもの、これは全身性疾患による血小板減少や凝固障害よりも、昨今では先に挙げた抗凝固薬によるものが多い印象です。それと心不全、こちらは圧力でしみだしてくる血液ですが、泡沫状の痰に血液が混じってピンク色に見える、という感じであり、喀血、となることは少ないでしょう。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 17:18 | Comment(0) | 血痰・喀血・肺胞出血

2021年06月27日

血痰・喀血8 鑑別を絞るために、もうちょっと聞きたい病歴3・探すべき所見

月経周期に伴って出血があるという場合には、やはり子宮内膜症など考えるべきですが、なかなか「月経周期に伴う」という観点で患者さんは語ってくださいませんので、「月に1回程度」という頻度から想起し、月経周期との関係を確認する必要があります。

うっ血性心不全の時には、教科書的には労作時呼吸困難、全身倦怠感、発作性の夜間呼吸困難や起座呼吸、ピンク色の泡沫状の喀痰といった症状を聴取します。


確認すべき身体診察所見として、もちろん胸部の視診・触診・打診・聴診は基本です。特に左右差に注意し、正常でない方(打診で濁音・呼吸音減弱など)を下の側臥位にするなどの配慮が必要です。頸部の視診では頸静脈の怒張を確認し、COPDに特徴的な各種の所見等にも注意を払いましょう。

ばち指が見られた場合、肺癌、肺膿瘍、気管支拡張症などの存在を疑います。肺癌がある場合、病変の存在部位にまつわる嗄声やHorner症候群などが見られることもありますし、腫瘍随伴症候群(低Na血症/SIADH・高Ca血症・Cushing症候群・Lambert-Eaton症候群・Trousseau症候群など)、悪液質からの体重減少なども確認されると診断の一助になります。

また、肺血栓塞栓症の時は頻呼吸、頻脈、呼吸困難、U音の固定性分裂などが所見として見られます。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 20:41 | Comment(0) | 血痰・喀血・肺胞出血

2021年06月26日

血痰・喀血7 鑑別を絞るために、もうちょっと聞きたい病歴2

それ以外に、病歴で聞きたいこととしては…

発熱(や、高齢者の場合発熱がなくても寝汗)があるという場合、それに湿性咳嗽がある、となると感染症が想起されます。比較的経過が早い場合は一般細菌による感染症、経過が長い場合には肺結核、肺非結核性抗酸菌症、肺膿瘍・肺化膿症などがここに含まれます。昨今ではこのあたりの疾患が多いですね。

結核の既往があったり、COPDや肺線維症などの慢性の肺疾患が存在するという場合、肺膿瘍や気管支拡張症からの出血の可能性を想定しておく必要があります。免疫抑制状態、HIV感染症などの基礎疾患そのものでもありますし、ステロイドや免疫抑制薬などを使用している場合に血痰や喀血が見られたら、肺結核、肺非結核性抗酸菌症、悪性腫瘍などをまずは想定し、細菌検査・細胞診や画像検査に向かいます。

胸痛がある・急に発症した・息切れも見られる・胸部X線写真で特段の所見がないという場合、肺血栓塞栓症の存在を想定しましょう。血栓から肺梗塞になると、限局性の高吸収域が斑状に見られることもあります。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 19:50 | Comment(0) | 血痰・喀血・肺胞出血

2021年06月25日

血痰・喀血6 鑑別を絞るために、もうちょっと聞きたい病歴1

病歴として、まずは抗凝固薬を使用しているかどうかを確認したいですね。抗凝固薬の副作用として出血傾向が生じ肺胞出血をきたしますから、この薬剤使用歴を調査することはきわめて重要です。

昨今で具体的にどのくらいの人が抗凝固薬を使っているかというデータはなかなかないのですが、2019年05月の記事で「第一三共の眞鍋淳社長は、抗凝固剤エドキサバン(リクシアナ)が国内経口抗凝固薬(DOAC)市場の売上シェア1位に浮上、昨年度国内売上高が649億円」との記事がありました。(薬事日報 2019年05月09日)

リクシアナ60rが416円、30r411円なので、649億÷365日÷約410円≒43万人、4剤あって30%程度のシェアとすると、143万人程度が内服しているような計算になります。ザックリと。どなたか正確なデータのありかをご存じの方、こっそり教えてください。

平成29年厚労省統計では、定期通院している65歳以上の人口は360万人余り、そんなに若い人は内服していないだろう、と考えると、ザックリ通院患者さんの1/4〜1/3程度はDOACを内服している…???出血傾向が数%に起こるとすると、通院患者さんの0.数%に何某かの出血イベントが起こる……こんな計算で合っているのでしょうか??

トップページへ

posted by 長尾大志 at 16:59 | Comment(0) | 血痰・喀血・肺胞出血

2021年06月24日

血痰・喀血6 原因疾患

喉より下からの出血、となると気管〜気管支〜肺からの出血ということになります。典型的には、胸がモヤモヤして、何か湧き上がってきて、ゴホンと咳をしたら血が出た、みたいな症状ですが、例外も数多くあるため、あまり症状で絞ってしまわない方がよいかと考えます。

喉より下からの出血、鑑別診断としては以下のようなものが挙げられます。なかなか頻度…というと、これ!というデータは見当たらないのですが、まあ経験的に、あといくつかの教科書的に、並べてみました。


■ 頻度が高いもの

肺癌
慢性気管支炎
気管支拡張症


■ 時々みられるもの

肺結核
非結核性抗酸菌症
細菌性肺炎
肺膿瘍・肺化膿症
肺真菌症
肺塞栓症
肺胞出血:膠原病・グッドパスチャー症候群・多発血管炎性肉芽腫症などの血管炎・出血傾向/抗凝固薬・子宮内膜症(月経随伴性)


■ まれなもの

薬剤・有毒物質
異物
気管支腺腫
肺動静脈瘻


なお、心不全はもっと頻度が高そうですが、通常は呼吸困難なんかとセットで生じ、「血痰・喀血」を主訴に受診というケースはあまり多くないと思われますので、肺胞出血のところに入れておきます。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 19:00 | Comment(0) | 血痰・喀血・肺胞出血

2021年06月23日

血痰・喀血5 鼻からの出血

口(鼻)から出ている血が血痰・喀血であると考えられる場合、次のステップは喉より上からの出血か、喉より下からの出血かの鑑別です。

喉より上あたりからの出血は、あまり深刻な疾患であることが少ないので、「こっちだったらいいなあ」と思いながら話を聞くわけです。鼻副鼻腔炎が基礎にあることが多い鼻腔・副鼻腔腔からの出血が多く、それ以外には中高年や喫煙者の場合、口腔内の洗浄に問題があり歯周病部位からの出血、という例をしばしば見かけます。

例えば鼻をすすると出血する、鼻出血を伴う、などというエピソードがあると分かりやすいですが、普段から後鼻漏様の症状(痰が絡んだ感じ)があって、痰を切って出すと血が混じっていたというepisodeも鼻からの出血を思わせます。もちろん鼻出血でも大量に出血することがありますし、大量喀血ですと鼻からも血が出ることがありますから、大量鼻出血と大量喀血の区別は時に困難になります。そうなると病歴や基礎疾患、取り急ぎの胸部X線写真あたりで目星を付けることになるでしょう。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 18:58 | Comment(0) | 血痰・喀血・肺胞出血

2021年06月22日

血痰・喀血4 喀血量について・続き

喀血量について明確な基準がない理由として、実際問題、喀血量を厳密に測定することが困難である点があります。

出た血液が一体何mLであったか?ということは、患者さん自身や家族の方の目分量でしかないことが多く、(血を吐いた瞬間からしっかり洗面器などで受けるなどして)キッチリ測定できることはほとんどないでしょう。通常は吐いた血は衣服や寝具などに染み込んでしまい、測定は困難です。

ですからあくまで目分量で、盃一杯とか茶碗一杯とかいう表現になってしまいます。おおよそ24時間に茶碗一杯強、200〜300mL以上喀血がある場合を大量喀血ということが多いようです。

通常気管支動脈は左心系で血圧が高く、気管支動脈からの出血となる気管支拡張症や中枢の肺癌、動静脈奇形などのような疾患の方が出血量は多く、大量喀血につながることが多いとされています。

一方、肺動脈は右心系で血圧が低いため、肺胞出血などは量が多くなければ、それほど大量喀血にはつながらないことが多いかなあという印象です。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 18:20 | Comment(0) | 血痰・喀血・肺胞出血

2021年06月21日

血痰・喀血3 喀血量について

もちろん、肺から出た血液を飲み込んで吐血、あるいは逆に吐血した物を誤嚥して喀血、ということもあり得ますから、ある程度「こっちかな?」という目星をつけておいて、その上で診断・検査を進めていくことになるでしょう。

血痰・喀血の診療を進めていくうえで、まず大切なのがその血痰・喀血が「命に関わるもの」であるかどうかという判断です。気道内の出血では、消化管出血と違って血液の溜まる場所(逃げ場)がないため、ある程度の量の出血で気道閉塞・窒息を起こしてしまう可能性がありますから、大量喀血の場合一番怖いのは窒息・呼吸停止です。

まずは気道の確保が必要かどうかという観点で、バイタルサイン及び酸素飽和度の評価をします。バイタルサインは脈拍数、血圧、そして呼吸数・酸素飽和度が重要ですね。ひとまずバイタルサインに問題があれば、すぐに気道確保〜気管内挿管を試みることになります。元々肺病変があることがわかっていれば、病変のある側からの出血であると想定されるので、そちらを下の側臥位とし、健側の換気を確保します。

大量喀血の定義というのは報告によってまちまちで、24時間の喀血量が200mLとか300mLとか600mLとか、いろいろな基準が用いられてきており、統一された量というのはありません。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 17:43 | Comment(2) | 血痰・喀血・肺胞出血

2021年06月20日

臨床実習の意義

このコロナ禍で、大学の多くの授業がリモートやズームや配信になりましたが、知識を伝える系の講義・授業がコンテンツ的になったこと自体は、多くの学生さんに歓迎されているようです。

特に大学に入学してくる程度の、成熟した学生さんにとっては、分かりにくいところを繰り返し見られたり、スピードを変えられたり、自分のペース、都合のいい時間帯で受講できたりとメリットが多いようです。

しかしながら、実際に患者さんに触れることができなくなった臨床実習においては、これまでやっていたことができなくなったことによる弊害が非常に大きかったと感じています。

例えばPBLを取り入れたり、模擬症例を用いたり、模擬患者さんを導入されたりすることによって、実習モドキをすることは出来るのですが、やはり医師になる前、学生の間に「生の患者さん」と話をするであったり診察をさせていただくであったり…といった貴重な生体験の機会がごっそり失われてしまったことは本当に残念に思いました。

この出来事を経て、やはり自分が現場でやりたかったことは、生の患者さんと学生さんとの「やり取りの中でこそ学べること」を、学生さんに貴重な経験として実感してもらうことであったのだなあと改めて思っています。Shimane General Medicine Centerの活動では、地域の現場でそういったことができればいいなぁ、と考えています。

トップページへ

2021年06月19日

Shimane General Medicine Center

Shimane General Medicine Centerというのは、島根大学の中に新たに?設立された、総合診療医の、総合診療医による、総合診療医のためのセンターです。

これまで島根県にはたくさんの総合診療医の先生方が、各々の地域で頑張ってこられていたのですが、各々の施設を結ぶという意味での「(古い意味での)大学医局」というべきものがなかったために、学生さんや研修医の先生方の教育面で、また人材育成・交流などの面で島根県内の横の連携が必ずしもとれていなかった。そこをbreakthroughするために、剛腕による大ナタが振るわれた、と理解しています。

そこの「開かれた組織」の象徴となる、『バーチャルITオフィス兼ラジオブース兼センター長司令室兼センター本部』…がプレオープン?したので見学してきました!

GMC.jpg

いや〜なんですかねぇ、大学の中とは思えないあのオシャレ感。うちのセンター長司令室兼センター本部とは大違いですな。

これから島根大学でも、臨床実習の大改革が始まろうとしています。まあ、きっかけは例の「国際認証」ですが、なんにしても改革です。その目玉として、地域での実習がありますが、学生さんにとって現場での実習は大変学びが得られる場になるであろうと期待されています。これは大変楽しみです!

トップページへ

posted by 長尾大志 at 23:37 | Comment(0) | 日記

2021年06月18日

血痰・喀血2

喀血と吐血の見分け方としては、まず症状の出かたとして

・咳とともに出る
・喀出した血液が鮮血〜ピンク色であり泡沫を含む、液状もしくは凝血様である
・呼吸器疾患(気管支拡張症・肺結核・肺非結核性抗酸菌症・肺癌など)の既往がある
・重喫煙者である
・聴診してコースクラックルなどラ音が聴取される
・悪心・嘔吐はない

これらの場合には喀血の方がより考えやすいです。吐血の場合は

・悪心嘔吐に伴って血を吐いた
・吐物が暗赤色から黒色
・吐物がコーヒー残渣様、あるいは吐物に食物残渣が混入している
・胃・肝疾患の既往がある

というような特徴があります。

検査としては尿試験紙などで吐物のpHを測定し、アルカリ性であれば喀血、酸性であれば吐血(胃酸が混入)、また塗抹でマクロファージや好中球が見られる場合には喀血と言えるでしょう。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 16:34 | Comment(0) | 血痰・喀血・肺胞出血

2021年06月17日

血痰・喀血1

さて、胸部X線写真も一段落ついたということで、また新しいシリーズを始めようかなと思います……といいますか、ちょっとお仕事の都合でこれをやらせていただきたいというものがでてきました。

ずいぶん前ですが、『呼吸器内科 ただいま診断中!』という書籍を上梓させていただいたのですが、ご存知の方はおられるでしょうか?あの大ベストセラー『救急外来 ただいま診断中!』とか『感染症内科 ただいま診断中!』とか『総合内科 ただいま診断中!』とか『女性の救急外来 ただいま診断中!』とかのベストセラーシリーズのに中にあって、あまり売れていない…ものではありますが、実は!人知れず!『ただいま診断中!』シリーズの先駆け、一番最初にでた書籍だったんですね。

その本で、呼吸器疾患に関して診断の手順をご紹介したわけですが、これが出たのがもうずいぶん前、2015年のことでして、その後色々な診断の基準が変わったり、あるいは自分の中でも診断に関して色々勉強し理解が進んだり、ということもありまして、今一度診断に関して見直してみようかなというところがございます。

そこでこのたび、診断に関してちょっと考えていきたいかなと思います。まずは今回のきっかけとなった血痰、そして喀血ということをしばらく考えていきたいと思いますので、少しお付き合いいただければ幸いです。

血痰・喀血というのは、口(鼻)から血を吐くという点で吐血としばしば混同されるわけですが、これを見分けることが最初のステップということになります。

気道から血が出て、それがそれほど多くなく、痰に混じる程度のものを血痰、量が多くて、ある程度の量の血そのものを口(や鼻)から吐くのが喀血ということになります。それに対して、食道・胃(消化管)から出血して、その血液が口ないし鼻から出てくる、これが吐血です。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 20:10 | Comment(0) | 血痰・喀血・肺胞出血

2021年06月16日

島根1周年!

昨年の今日、6月16日は島根大学病院医学教育センターへの赴任の日でありました。すなわち、今日で島根赴任1周年を迎えました!まあ、別になんということはありませんが、一応節目でもありますのでちょっと振り返ってみます。

ちょうど一年前の6月16日からこれまでやってきたことは、正規の授業としての医学部医学科学生さんへの臨床実習と講義、看護学科学生さんへの講義(多くはコロナのためにリモートや収録になってしまいましたが…( TДT))、これらは今年も引き続き行っております。臨床実習はリモート下では主に臨床推論や知識としての診察技法に関して、対面実習が可能になってからは@診察シミュレータを用いた診察の練習とA実際の患者さんの診察を中心におこなっております。

学内では国家試験対策委員会、医学教育プログラム委員会にも入らせていただき、医学教育の組み立てに関わらせていただくことができました。

外部の仕事として、出雲医療看護専門学校(4学科!)、島根リハビリテーション学院、長浜バイオ大学、今年度は加えて松江総合医療専門学校も加わるということで、メディカルスタッフの卵の皆さんが持っているであろう、呼吸器の苦手意識を少しでも減らそう、ということを引き続きやってまいります。

課外活動?としては、医学生さんとの勉強会(胸部X線入門編4回+『肺の孔』36回、それ以外に基礎との融合講座や国試対策勉強会など)、研修医の先生との勉強会(週一回)やっていまして、こちらが結構なエフォートになっておりました。また、島根大学病院の看護師さんへの呼吸器勉強会も6回シリーズで行い、収録、メディア化をしましたので、いつでも参照していただける感じになっております。

外での講演、これはコロナで激減しましたが、その中でもまた復活してきたものございます。特筆すべきは益田赤十字病院にて教育回診、それから隠岐病院でのWebセミナーを2回やらせていただきました。今後コロナが落ち着けば是非県内の医療機関に、教育回診や対面の勉強会に伺いたいものです。

出版した書籍は単著1件、『やさしイイ胸部画像教室 実践編』、よろしくお願いいたします!それ以外に共著もいくつか出版させていただいております。

コロナもあって思ったようにいかないこともありましたが、それでも、思い返してみると仕事の面では、思い切って島根に来て良かったなとつくづく思います。これからますます色々な展開が起こりそうな予感・楽しみしかありません。和足先生、鬼形先生はじめ、島根の先生方には本当にお世話になり、深く感謝しております。 これからもますますよろしくお願い申し上げます!

トップページへ

posted by 長尾大志 at 18:15 | Comment(0) | 活動報告

2021年06月15日

胸部X線写真・側面像の見かた18・実例12

トリにふさわしい、味わい深い画像ですね。

既にLR像、という時点で右に病変か、って感じですが、そんな姑息な?手段を使わなくても、病側は分かりますね。見える異常影は心臓を横切るように水平に走る境界線の下が高吸収、というところです。たぶん胸水かな。

で、そう!「心臓を横切っている」んですよ!!つまり心臓はシルエットサイン陰性。ということで、めでたく「右胸水」とわかるのでした。正面像はこちら。

スライド43.JPG

トップページへ

posted by 長尾大志 at 15:05 | Comment(0) | 胸部X線道場

2021年06月14日

胸部X線写真・側面像の見かた17・実例11

側面シリーズのトリはこちらで締めましょう。

スライド44.JPG

トップページへ

posted by 長尾大志 at 14:54 | Comment(0) | 胸部X線道場

2021年06月13日

適々斎塾呼吸器疾患セミナー2日目

昨日に引き続きまして、適々斎塾呼吸器疾患セミナー、2日目でございました。いや〜本当に基礎的なことから臨床のパールまで、勉強になりましたね皆様。

私からはフレイル予防においしいものを食べましょう!というメッセージを繰り返しお送りしましたが…

IMG_1859.jpg

こんな写真ばかり提示したもので、中年独居男性のメタボを心配されてしまう始末…。気を付けます。

主催、ご司会頂きました板金先生、笹井先生、小林先生、そして講師の喜舎場先生、中島先生、講師に司会に奮闘いただきました松村先生、寺田先生、本当にありがとうございました!!

トップページへ

posted by 長尾大志 at 18:16 | Comment(0) | 活動報告

2021年06月12日

適々斎塾呼吸器疾患セミナー

今日と明日は、適々斎塾呼吸器疾患セミナーにて、呼吸器尽くしの2日間です!

https://vimeo.com/552641573/16760749de?fbclid=IwAR3DAEDuH6RjMGpWJZIxl_4AGkeLynApoQ2jFwkEkBZ6RNIyMCduuAuqEsQ

今日は気管支喘息がテーマ、明日はCOPDと市中肺炎がテーマです。まさに現場で頻繁に遭遇する疾患たち、今一度基本からしっかり学べる機会と思います。

亀田総合病院の中島先生とは初めてご一緒します!楽しみです!!こういう機会は適々斎塾ならでは、なのですが、対面でないのが残念無念です……。

沖縄県立中部病院の喜舎場先生とご一緒するのも久々です。いつもたくさんの刺激を頂きます。ありがとうございます。

そして今回は松村先生、寺田先生から、ご開業の立場からのお話を頂けるとのことで、大変楽しみにしております。

最後に座談会もあって、これが本当に楽しみですね。

IMG_2048.jpg

今日の定食は中落ちカルビ。最高でした。テンション上げて臨みます!!

トップページへ

posted by 長尾大志 at 13:58 | Comment(0) | 活動報告

2021年06月11日

胸部X線写真・側面像の見かた16・実例10

パッと見から、とっても特徴的な側面像ですね。ずいぶん前後方向に膨らんでいて、横隔膜が平ら……COPD過膨張あり、って感じです。正面像でもよくわかりますね。

スライド46.JPG

あと、見どころは胸椎の圧迫骨折でしょうか、楔形になっていて、そのために亀背になっているようです。COPDでは骨塩の低下も見られ、予後不良因子でありますことも併せて覚えておかれるといいでしょう。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 13:40 | Comment(0) | 胸部X線道場