2021年10月24日

抗菌薬・彼我の差を考える2 スルバクタム・アンピシリン/ピペラシリン/タゾバクタム・ピペラシリン

スルバクタム・アンピシリン(SBT/ABPC)
添付文書
<肺炎、肺膿瘍、腹膜炎の場合>
通常成人にはスルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウムとして、1日6g(力価)を2回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。なお、重症感染症の場合は必要に応じて適宜増量することができるが、1回3g(力価)1日4回(1日量として12g(力価))を上限とする。
プラチナマニュアルでは1.5〜3gを6時間ごと。添付文書が追いつきましたね。こちらはこのままで大丈夫です。

ピペラシリン
添付文書
ピペラシリンナトリウムとして、通常、成人には、1日2〜4g(力価)を2〜4回に分けて静脈内に投与するが、筋肉内に投与もできる。なお、難治性又は重症感染症には症状に応じて、1回4gを1日4回まで増量して静脈内に投与する。
プラチナマニュアルでは緑膿菌肺炎に対して1回4gを1日4回+ゲンタマイシン。
こちらも肺炎に対して投与するなら、重症として1回4gを1日4回となるでしょうが、院内肺炎などで嫌気性菌に対するカバーを考えると、βラクタマーゼ阻害薬(タゾバクタム)があった方が好ましい。次のタゾバクタム・ピペラシリンが使われることが昨今では多いと思います。

タゾバクタム・ピペラシリン
タゾバクタム・ピペラシリンとして、通常、成人には、1回4.5g(力価)を1日3回点滴静注する。肺炎の場合、症状、病態に応じて1日4回に増量できる。なお、必要に応じて緩徐に静脈内注射することもできる。
プラチナマニュアルも同じく1回4.5g(力価)を1日3回。
こちらは比較的新しい最近の薬ですのでPK/PD理論に則った投与方法が出来るように設定されています。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 14:15 | Comment(0) | 呼吸器研修ノート