2022年01月13日

胸部X線読影道場ふたたび646

本症例ではこの2か月間、ドレナージや脱気をされず経過観察のみでした。

左の肺野ではその前に見られていた、左上中肺野の気胸腔や癒着による線、下行大動脈の明瞭さ(近傍の空気の存在)はあまり変化ありませんが、下肺野、というか心陰影がずいぶん動いているかと思います。同時に気管の右への偏位、左横隔膜の低下もあり、おそらく緊張性気胸になってきているのかなと考えます。

実際この時は呼吸状態(循環状態も?)悪化での入院となっております。

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CTで見ても、右(嚢胞)と左(嚢胞+気胸+癒着)の違いは判然としませんね……。気管(縦隔)が偏位していることはわかります。

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posted by 長尾大志 at 13:18 | 胸部X線道場

2022年01月12日

胸部X線読影道場ふたたび645

一見特に変化が目立たない、ようにも見えますが……

特に左肺野の縦隔側、下行大動脈の境界線がクッキリと目立っています。これはつまり、そこに空気が入り込んだことを示唆するかと思います。つまりつまり気胸が再発したと。このように再発の気胸や肺疾患の既往があって癒着が生じていると、気胸が起こっても素直に肺の外縁がみえず、隙間に入り込んだ空気だけがヒントになることがしばしばありますので注意が必要です。

こうなってしまうと、スペースが小さすぎて、ドレナージはおろか穿刺もままならないですね。まあ虚脱も極小なので酸素化はそれほど悪くなりませんが。

さらに2か月後がこんな感じです。如何でしょうか。

スライド503.JPG

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posted by 長尾大志 at 09:54 | 胸部X線道場

2022年01月11日

胸部X線読影道場ふたたび644

前回の画像はいったん気胸がよくなった後のものでした。

その後1か月で、こんな風になりました。

スライド502.JPG

何が起こったか、お判りいただけますでしょうか。

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posted by 長尾大志 at 14:32 | 胸部X線道場

2022年01月10日

胸部X線読影道場ふたたび643

こちらの陰影ですが、左側は全く肺紋理のない低吸収域があり、肺野との間に明瞭な「低吸収域に向けて凸の」境界線=臓側胸膜が見られ、気胸と判断できます。右側も肺尖・上肺野は低吸収域ですが、肺野との境界線は「肺野に向けて凸」ですから、こちらは嚢胞と考えられます。

気管が少し右に偏位しており、左胸腔は陽圧と考えられます。また、左横隔膜に重なって二ボーが見え、胸水も存在しているようです。

左の肺野はかなり縮んでいるので、肺野の陰影は評価困難ですが、右の肺野は嚢胞が関与した網状影もありそうです。線維化があるかどうかの判断は難しいですね。1か月後にはこんな感じでした。左側はどうなりましたでしょうか。

スライド501.JPG

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posted by 長尾大志 at 16:09 | 胸部X線道場

2022年01月09日

胸部X線読影道場ふたたび642

今回の画像はこちらです。コメントはよろしければtwitterでお願いいたします〜。

スライド500.JPG

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posted by 長尾大志 at 14:53 | 胸部X線道場

2022年01月08日

胸部X線写真読影「tsucom」とか

もうすぐご案内できるかと思うのですが、とある案件がございまして、内容としては、胸部X線写真読影を双方向的に、つまり、あたかもカンファレンスなんかで発表していただき、それに対して私が手直し=突っ込む「tsucom」、みたいな学びの場を今形作って頂いております。

その動画をこのブログやtwitter、Youtubeなんかと連動させて、日本全国どこの施設からでも、胸部X線写真読影をしっかり学ぶことができるようになるといいなあ、と考えております。近日公開、乞うご期待!ということです。

また、それ以外にも、アッと驚く学びのプラットフォームを近日ご紹介できると思います。こちらも近日公開、乞うご期待!

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posted by 長尾大志 at 19:42 | 胸部X線道場

2022年01月07日

6年生向けに国家試験対策講座を行いました!

実は不肖私、本学の国家試験対策委員、をやっておりますが、正直なかなか有効な手立てが打てていないところでございます。いろいろと手を加えるべきところはありながら、なかなか手出しできず忸怩たる思いでおります…。

そんな中、今回医師国家試験の勘所ともいえる、公衆衛生の講義を担当してくださる先生のご協力が得られることとなり、急遽国家試験対策リモート講座を開催することができました。

私はやはり、皆さん気になっているであろう『コロナウイルス感染症:COVID-19』に関する問題、予想問題を中心に勘所を解説いたしました。

以前に4,5年生から募集して作成いただいた問題を取り上げたのですが、本当であればいろいろと改変したりアップデートしたかったところなのですが、いろいろ力不足でちょっと間に合わなかったのが悔やまれます。でも皆さんのおかげで、6年生の役にはきっと立ったのではないでしょうか。問題作成いただいた皆さん、本当にありがとうございました。6年生の皆さんは、とにかくコロナには(二重の意味で)気を付けて残り1か月、頑張ってください!!

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posted by 長尾大志 at 23:54 | 活動報告

2022年01月06日

胸部X線読影道場ふたたび641

今回はシンプルでした。

右2弓の側に、肺門から連なるように結節影が見られます。右2弓は近いのですがシルエットサイン陰性で、接してはいないのかな、と考えます。でも下の方は少し消えかけている…?CTを見てみると…

スライド499.JPG

結節はやはり右下葉にありました。右房に接して小さな限局する高吸収域(炎症?)があるため、これがシルエットサインを形作っていたと考えられます。

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posted by 長尾大志 at 13:45 | 胸部X線道場

2022年01月05日

胸部X線読影道場ふたたび640

今回の画像はこちらです。こちらにコメントを頂きましても、見ることがかないませんので、よろしければTwitterの方で読影コメントを頂けましたら幸いです。

スライド498.JPG

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posted by 長尾大志 at 18:31 | 胸部X線道場

2022年01月04日

胸部X線読影道場ふたたび639

左中肺野の高吸収域に、片側の境界線が見えない理由として、extrapleural signを考えました。中皮種や播種など、胸膜病変が想定されます。実際CTを見ますと…

スライド497.JPG

のように、胸膜病変が見られました。ちょっと、思てたのと違う感はありますが…片方がなだらかになっているかな、と思っていたのですが、おそらく結節の左(画面右)側が接線を作る前に胸膜にぶつかっていることから、接線が形成されず、結果extra陽性になったのかと考えられました。

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posted by 長尾大志 at 14:01 | 胸部X線道場

2022年01月02日

胸部X線読影道場ふたたび637/8

ということで、コメント攻撃降りやまず、コメントは投稿されても見ることができませんので、よろしければtwitterの方にお願いできればと存じます。

年末の画像につきましては、637号、今回が638号といたします。

3年前と比較して、左中肺野に高吸収域が出現しておりますが、ただの結節やコンソリデーションと、少し様相が異なりませんか?

結節のようにも見えますが、右(画面左)の境界線はしっかり見えているのに、左(画面右)の境界線はぼやけている、これはなぜでしょう……?

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posted by 長尾大志 at 20:59 | 胸部X線道場

2022年01月01日

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。年が明けたら、さらに大量のコメント攻撃を受けております。コメント欄を丸ごと閉鎖するしかないかな〜と思っております。年の初めから申し訳ございません……

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posted by 長尾大志 at 20:00 | 胸部X線道場