2022年01月25日

胸部X線読影道場ふたたび651

今回はぱっと見、左肺の濃度が全体、特に中下肺野で高く、下行大動脈は見えていますが大動脈弓、心陰影が見えない点から左上葉に病変があることがわかります。

また、気管がかなり左に引っ張り込まれるように弯曲しており、横隔膜も見えなくなっていることから、肺は縮んでいるであろうと推察できます。

左上肺野は比較的高吸収域は少ないですが、胸膜直下に濃い部分があるのが特徴的と言えるかな、と思います。結節影もチラホラ見られます。

そういう目で右側を改めて観察すると、やはり胸膜直下に高吸収域が散在しています。

これだけの(左肺の)強烈な収縮が生じる疾患はあまり多くありません。そして胸膜直下にべたっとした濃厚な陰影。片側優位でもありまずは抗酸菌感染、特にMAC症、そして片側のPPFEを考えたくなります。

スライド510.JPG

本症例はMAC症と診断し治療を行い、排菌は陰性化しましたが肺の収縮は進行した、PPFEもあったのかもしれない…という一例になります。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 18:12 | Comment(1) | 胸部X線道場