エムスリーさんで、胸部X線写真撮影クイズを連載させていただいております。本日第3回更新いたしました!
【X線】腫瘤影が認められる部位は?
https://clinical.quiz.m3.com/quiz/doctor/mail/question.html?ids=91152
2022年03月31日
2022年03月30日
2022年03月29日
胸部X線読影道場ふたたび717
CTでは縦隔にモリモリと腫瘤があり、ほとんどSVCが見えなくなっています。
そして、皮静脈はじめ縦隔の細かい血管など、側副血行路がはっきりと見えるようになっています。左の頸静脈も拡張が見られますね。
そう、これは小細胞肺癌からの縦隔リンパ節転移によって生じた上大静脈症候群で見られる、頭頚部血管の拡張所見でした。本症例の、頸部・顔面の写真はありませんが、他の症例でいつかお目にかけることもあるかもしれません。
そして、皮静脈はじめ縦隔の細かい血管など、側副血行路がはっきりと見えるようになっています。左の頸静脈も拡張が見られますね。
そう、これは小細胞肺癌からの縦隔リンパ節転移によって生じた上大静脈症候群で見られる、頭頚部血管の拡張所見でした。本症例の、頸部・顔面の写真はありませんが、他の症例でいつかお目にかけることもあるかもしれません。
posted by 長尾大志 at 15:24
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| 胸部X線道場
2022年03月28日
胸部X線読影道場ふたたび716
右の肺門から縦隔にかけてモコモコと存在感のある腫瘤影、それに右上肺野にも高吸収域があるようです。また、右肋横角が鈍で、胸水の存在を示唆します。
CTをご覧ください。

(もっと下のスライスでは、右の少量胸水を認めます)
さて、どんな身体診察所見が見られると予想されますか…??
CTをご覧ください。
(もっと下のスライスでは、右の少量胸水を認めます)
さて、どんな身体診察所見が見られると予想されますか…??
posted by 長尾大志 at 19:57
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| 胸部X線道場
2022年03月27日
胸部X線読影道場ふたたび715
posted by 長尾大志 at 11:26
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| 胸部X線道場
胸部X線読影道場ふたたび714
側面像ではやはり椎骨に重なる、すなわち後方に高吸収域があり、下葉感が強いですね。
葉間胸膜が少し目立って見えるのが、胸膜〜胸腔に病変が及んでいることを示唆するようです。正面像で見える線は側面では認識できません。
コメントにもありましたが、結構円背ですね…。
葉間胸膜が少し目立って見えるのが、胸膜〜胸腔に病変が及んでいることを示唆するようです。正面像で見える線は側面では認識できません。
コメントにもありましたが、結構円背ですね…。
posted by 長尾大志 at 00:05
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| 胸部X線道場
2022年03月25日
胸部X線読影道場ふたたび713
前回の画像、側面像を掲載し忘れておりました……。たまには側面もご覧いただきたいのですが、なかなか撮って頂けないことも多く、せめてある時はお示ししたいと思います。

既にCTまで出ておりますが、改めてご覧になって如何でしょうか。
既にCTまで出ておりますが、改めてご覧になって如何でしょうか。
posted by 長尾大志 at 10:10
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| 胸部X線道場
2022年03月24日
エムスリーさんで、胸部X線写真撮影クイズ連載2
エムスリーさんで、胸部X線写真撮影クイズを連載させていただいております。本日更新いたしました!
【X線】腫瘤影が認められる部位は?
https://clinical.quiz.m3.com/quiz/doctor/mail/question.html?ids=91151
【X線】腫瘤影が認められる部位は?
https://clinical.quiz.m3.com/quiz/doctor/mail/question.html?ids=91151
posted by 長尾大志 at 08:20
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| 胸部X線道場
2022年03月23日
胸部X線読影道場ふたたび712
陰影としては見つけやすいもので、左中肺野の高吸収域で、左3弓あたりと接しているようですが、シルエットサインは完全に陰性ですね。ということからおそらく左下葉の高吸収域である、といえるでしょう。
陰影の性質としては比較的均質、べたっと見え、境界線は下方で追えるものの上方ではあまりはっきりしない。腫瘤とすべきか、コンソリデーションとすべきか……わからない時は「高吸収域」でいいと思います。

CTで見ると、エア・ブロンコグラムを伴うコンソリデーションのようです。境界線は胸膜側ではバチっと明瞭ですが、ぼやけているスライスが多そうです。コメントでご指摘のあった線ですが、胸膜が肥厚している(部分的な胸水?)ので、それが見えているのかと考えました。診断は下葉の肺炎でした。
陰影の性質としては比較的均質、べたっと見え、境界線は下方で追えるものの上方ではあまりはっきりしない。腫瘤とすべきか、コンソリデーションとすべきか……わからない時は「高吸収域」でいいと思います。
CTで見ると、エア・ブロンコグラムを伴うコンソリデーションのようです。境界線は胸膜側ではバチっと明瞭ですが、ぼやけているスライスが多そうです。コメントでご指摘のあった線ですが、胸膜が肥厚している(部分的な胸水?)ので、それが見えているのかと考えました。診断は下葉の肺炎でした。
posted by 長尾大志 at 10:28
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| 胸部X線道場
2022年03月22日
2022年03月21日
4月から働き始める新研修医の皆さんへ(長文)
昨日の「令和3年度 島根指導医オープンミーティング〜時には指導医だってつらいよ〜旅情なき世界で生きる指導医編」でお話を聞いていて、やはり研修医の先生も学生さんも、内発的にモチベーションが上がる、そう持っていければ私たちの仕事は8割方終わるのかな、というふうには思いますね。
思い出されるのが、今ちょうどやっているNMB48の8期研究生密着動画であったり、あるいはNMB48がやっているNAMBATTLE2という企画の密着動画であったりです。そこで8期研究生、今年の1月にお披露目となった、加入して間もない「いわゆる初期研修医」のような状態であるわけですが、その中にも非常にモチベーションが高くてスキルも備わっており、いきなり先輩をぶっこ抜いてセンターに抜擢されるような、5期生の山本彩加さんや8期生の坂田心咲さんのようないわゆる逸材、傑物もいれば、誰とは申しませんがちょっとやっぱりダンスが苦手でなかなかついていけない、という人もいるわけです。この動画ではまぁ演出もあるんでしょうが、ダンスの先生であったり舞台監督さんであったりに、かなりパワハラとも言うべき罵声を浴びせられてしまいます。
NMB48のファン歴が長い人は、彼らが非常にNMB48に対する愛が深いということも知っていますし、飴と鞭的なところもあるし、研究生の皆と信頼関係ができているということが分かっているので、あーまたやってるなみたいな感じで見てるわけですが、あまりよく知らない方が見てこれはパワハラだ!というコメントを残されたりしていることもありますね。
確かに昨今はパワハラという用語ができてきて、非常に我々も指導の現場での言動・言葉遣いに気を遣わざるを得ないところになっております。私も指導を受けた20〜30年前はパワハラという言葉もなく、今思い出せば日々パワハラ・アカハラを受け続けていたわけですが、そういった言葉遣いにも気をつける必要がある時代だなあと思いましたが、そこでやはり大事なことは信頼関係だと思うのです。それとやはり目標設定で、もちろん研究生というのは、アイドルになりたいとか、その先のタレント・女優さんになりたいであるとか、目標があって入ってきた人たちですから、その目標を指導者も共有して、目標に対しての愛のある指導を心がけていただきたいなと思いました。
いくらいろんな言葉をかけられても、ダンス初心者の多い研究生はやはりできないものはできないんですが、それがある時から眼の色も変わり、どんどんできるようになっていく瞬間というのがあるわけです。そうなると、彼女たちは自分たちでどうすればもっと良い公演になるか、ということを考えに考え、自分たちのダンスを俯瞰的に見ることでどうすればいいのかを「自ら考えて」やっていくために、表情であったりダンスの揃え方であったりがどんどんどんどん洗練されていく様子が分かります。これは教育にも通じることで、昨今特にZ世代になってなおさら、厳しく言ってもそれで動くものでは全くない、内発的動機付けでこそ行動が変わるということが非常によく分かる次第であります。
おそらく研修医の先生も働き始め、最初というのはもう慣れないことばかりで、手技一つとっても、それから患者さんのお話を聞くということをとっても慣れないことばかりでなかなかうまくいかない。で、うまくいかないから壁にぶち当たり、ちょっと自己肯定感が低下するようなことが繰り返しあるわけです。本当に研究生もよく似ていて、ダンスなんかしたこともない女の子が、1時間で1曲通して踊れるように!というようなことを要求されるわけですから、やはり壁にぶち当たるというようなことも多々あると。私もいまだにハッキリと記憶があるわけですが、本当に自分に医師は務まるんだろうかとか、そういうことも思うわけですが、そのうちあるところでブレイクスルーがあります。これはもちろん多少の器用さ・不器用さとか物覚えもそうですし、個人差というのは当然あるんですが、おそらくダンスもそうなんでしょうね。
ただ、強調しておきたいことは、初期研修中に身につけるべき医学的な手技・スキルといったものは、何回か真面目に練習をしていれば必ずできるようになってくるということです。で、できるようになってくると、やっぱり気持ちも前向きになって、もっとやりたくなる。それは研修医の先生であってもやっぱりその通りではないかと思うのです。まあそういったことを、ちょっとアイドルの動画を観ながら思ったりするわけです。
ということで、結論めいたものといえるかどうかはわかりませんが、この春4月から新しい研修医の先生方が勤務を開始されると思います。で、最初はやはり慣れないことも多くてなかなかモチベーションが保てないこともあるかもしれません。ここは本当に私を信じて頂きたいんですが、初期研修医としての身に付けるべきスキルは、練習さえすれば必ず身に付きますので、どうか心折れることなく何度も何度も練習をしていただきたい、と思います。そしてそんな姿を、必ず応援している人はいます。少なくとも私は応援しています。
もし心が折れそうになったら、NMB48の8期生密着動画、GYAOのNAMBATTLE2動画をぜひご覧いただければ勇気がもらえるんじゃないかなと思います。仮に上級医からイヤな言葉をかけられることがあったとしても、まだマシだ、と思えたりするかもしれません……。是非機会があれば3月16日のチームM公演の最後、『摩天楼の距離』(名曲!)をその前のMCから歌詞も噛みしめて聞いていただくと、他にも多くの頑張っている人がいる、と心の支えになるかも。ということで、無理やり自分の趣味に結びつけてこの話をしめたいと思います。
思い出されるのが、今ちょうどやっているNMB48の8期研究生密着動画であったり、あるいはNMB48がやっているNAMBATTLE2という企画の密着動画であったりです。そこで8期研究生、今年の1月にお披露目となった、加入して間もない「いわゆる初期研修医」のような状態であるわけですが、その中にも非常にモチベーションが高くてスキルも備わっており、いきなり先輩をぶっこ抜いてセンターに抜擢されるような、5期生の山本彩加さんや8期生の坂田心咲さんのようないわゆる逸材、傑物もいれば、誰とは申しませんがちょっとやっぱりダンスが苦手でなかなかついていけない、という人もいるわけです。この動画ではまぁ演出もあるんでしょうが、ダンスの先生であったり舞台監督さんであったりに、かなりパワハラとも言うべき罵声を浴びせられてしまいます。
NMB48のファン歴が長い人は、彼らが非常にNMB48に対する愛が深いということも知っていますし、飴と鞭的なところもあるし、研究生の皆と信頼関係ができているということが分かっているので、あーまたやってるなみたいな感じで見てるわけですが、あまりよく知らない方が見てこれはパワハラだ!というコメントを残されたりしていることもありますね。
確かに昨今はパワハラという用語ができてきて、非常に我々も指導の現場での言動・言葉遣いに気を遣わざるを得ないところになっております。私も指導を受けた20〜30年前はパワハラという言葉もなく、今思い出せば日々パワハラ・アカハラを受け続けていたわけですが、そういった言葉遣いにも気をつける必要がある時代だなあと思いましたが、そこでやはり大事なことは信頼関係だと思うのです。それとやはり目標設定で、もちろん研究生というのは、アイドルになりたいとか、その先のタレント・女優さんになりたいであるとか、目標があって入ってきた人たちですから、その目標を指導者も共有して、目標に対しての愛のある指導を心がけていただきたいなと思いました。
いくらいろんな言葉をかけられても、ダンス初心者の多い研究生はやはりできないものはできないんですが、それがある時から眼の色も変わり、どんどんできるようになっていく瞬間というのがあるわけです。そうなると、彼女たちは自分たちでどうすればもっと良い公演になるか、ということを考えに考え、自分たちのダンスを俯瞰的に見ることでどうすればいいのかを「自ら考えて」やっていくために、表情であったりダンスの揃え方であったりがどんどんどんどん洗練されていく様子が分かります。これは教育にも通じることで、昨今特にZ世代になってなおさら、厳しく言ってもそれで動くものでは全くない、内発的動機付けでこそ行動が変わるということが非常によく分かる次第であります。
おそらく研修医の先生も働き始め、最初というのはもう慣れないことばかりで、手技一つとっても、それから患者さんのお話を聞くということをとっても慣れないことばかりでなかなかうまくいかない。で、うまくいかないから壁にぶち当たり、ちょっと自己肯定感が低下するようなことが繰り返しあるわけです。本当に研究生もよく似ていて、ダンスなんかしたこともない女の子が、1時間で1曲通して踊れるように!というようなことを要求されるわけですから、やはり壁にぶち当たるというようなことも多々あると。私もいまだにハッキリと記憶があるわけですが、本当に自分に医師は務まるんだろうかとか、そういうことも思うわけですが、そのうちあるところでブレイクスルーがあります。これはもちろん多少の器用さ・不器用さとか物覚えもそうですし、個人差というのは当然あるんですが、おそらくダンスもそうなんでしょうね。
ただ、強調しておきたいことは、初期研修中に身につけるべき医学的な手技・スキルといったものは、何回か真面目に練習をしていれば必ずできるようになってくるということです。で、できるようになってくると、やっぱり気持ちも前向きになって、もっとやりたくなる。それは研修医の先生であってもやっぱりその通りではないかと思うのです。まあそういったことを、ちょっとアイドルの動画を観ながら思ったりするわけです。
ということで、結論めいたものといえるかどうかはわかりませんが、この春4月から新しい研修医の先生方が勤務を開始されると思います。で、最初はやはり慣れないことも多くてなかなかモチベーションが保てないこともあるかもしれません。ここは本当に私を信じて頂きたいんですが、初期研修医としての身に付けるべきスキルは、練習さえすれば必ず身に付きますので、どうか心折れることなく何度も何度も練習をしていただきたい、と思います。そしてそんな姿を、必ず応援している人はいます。少なくとも私は応援しています。
もし心が折れそうになったら、NMB48の8期生密着動画、GYAOのNAMBATTLE2動画をぜひご覧いただければ勇気がもらえるんじゃないかなと思います。仮に上級医からイヤな言葉をかけられることがあったとしても、まだマシだ、と思えたりするかもしれません……。是非機会があれば3月16日のチームM公演の最後、『摩天楼の距離』(名曲!)をその前のMCから歌詞も噛みしめて聞いていただくと、他にも多くの頑張っている人がいる、と心の支えになるかも。ということで、無理やり自分の趣味に結びつけてこの話をしめたいと思います。
posted by 長尾大志 at 17:45
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| 教育理念・メッセージ
2022年03月20日
「令和3年度 島根指導医オープンミーティング〜時には指導医だってつらいよ〜旅情なき世界で生きる指導医編」に参加
今日は、しまね地域医療支援センター主催による「令和3年度 島根指導医オープンミーティング〜時には指導医だってつらいよ〜旅情なき世界で生きる指導医編」に参加してきました。
ご予算が余っていたのかわからないんですが、なんと群星沖縄臨床研究センターの徳田安春先生に午前中賠席いただき、ご指導いただけるという貴重な機会、さらに徳田先生が監訳された『医療者のための成功するメンタリングガイド(なんとサイン入り!)』がいただけたり、お昼ご飯は大田の大穴子の丼が食べられたり、帰りにお土産もいただけたりと、とんでもなく豪華な、かつ大変ためになる勉強会でした。

まずオリエンテーションから始まり、自己紹介をして「コーチ型指導医の勧め」ということで徳田安春先生からミニレクチャーをいただいた後、ディスカッションタイムです。レクチャーもすごく勉強になり、その後のディスカッションで、一つは多忙な診療をしながら効率的な教育プロセスを取るにはどうしたらいいか?ということで、事例の共有と徳田先生からの大変示唆に富むお話がありました。
徳田先生のされている方法、やはりある程度研修医に任せて、予診やフィジカルまでをやってもらって、そこで一旦クイックプレゼンをしてもらい、それに対してポイントをフィードバック。その後指導医が本診を行いますが、研修医がすでに予診を済ませているわけですからそれほど長時間はかからず、研修医が聴き落としたり見落としたりしているところ、あるいは聴き出すのにスキルが必要なところを重点的に行うことになります。その後鑑別診断やプランを立て、フィードバックの2回目。どこがポイントであったか、どのように考えるかということを短時間でフィードバックします。一旦そこで診察の場としては終了をして、後ほど指導医に時間の余裕ができたときに参考文献や Web サイト、あるいは動画のURLなどをLINEやメールで送って、それを研修医が読んだり視聴したりして、翌日そのサマリーを指導医にプレゼンをする。プレゼン自体は口頭でも構わないわけで、それによって指導医も勉強になる。teaching is learningということになるわけです。非常に効率よく、かつ研修医にとっても能動的で学びの大変多いやり方だなと感銘を受けました。なかなか外来のブース、部屋に余裕がないとできないことではありますが、是非取り入れたいなと思いました。

学習意欲の低い研修医に対してどのようにするか。これもある程度どこの科に行こうと、この高齢化社会であってマルチモビリティの高齢者が多い状況ですから、初期研修に総合診療は絶対必要だというお話にはなるわけです。実際にされているところとしては、ローテーションの最初に本人としっかりとネゴシエーションをして目標設定をする、その科で何をやるか・どこまでやるかといった目標設定を「本人の納得のもと」決めるというお話がありました。やはりどうしてもやる気のない人というのはいて、でもやる気がないからと言って全然仕事を与えないというのも、これまた違うなという話になるわけです。最初に「ここまでやりましょう」ということを決めておくとお互いストレスが少ないのかなという風に思いました。それから例えば、レポートやサマリーを期日までに出さないという問題に関しては、outcome basedというよりはmilestone basedという考え方を教えていただきました。締め切りまでには、とりあえず暫定的に「できたもの」を提出してもらって、決定版に関してはとりあえず待つと。で、できたら送ってくれということにするわけです。これはもちろん、各人の事情によってどうしても無理なこともあると思いますし、やる気の問題ということもあるかもしれません。そこで大切なことは、常に見守る。提出をただ待っている、あるいは放置するということではなくて、見守る。そして見守っているよ、待っているよということを伝え続ける。顔を見るたびに「待ってるよ」というメッセージを送ると。これは無視されると「見捨てられた」という感覚になってしまいますが、そうではなくてメッセージを送り続けるということで、存在を認められていると伝えることになるのかなと思いました。

それから、「やる気スイッチ」は本人しか押せないという話があって、本当にどこに「やる気スイッチ」があるかはよくわからない、本人でも多分よくわかっていないというところがあって、指導する立場としてはそのスイッチを探すお手伝いをするということになるのかなと思いました。最初の話し合いの中で、今なにがしか興味のあるものが見つかれば、そこをしっかりと後押ししてあげるということも大切なのかなと思いました。
それから話の中では、例えば看護師さんや患者さんに向けての勉強会みたいなものをやってもらうという案、それから文献やスライドを渡しておいて、1問例を示して試験問題を作ってもらうという案もあって、やはりアウトプットを促すという意味で非常に良いやり方だなと思いました。
それから別の話ですが、カルチャーの違う新しい場所に移動した時に、よく出羽守とか言われますが、やはり移動してすぐにそこのカルチャーを変えようとするのではなくて、3年は黙ってるほうがいいんじゃないかみたいなsuggestionも頂きました。
今回、ミーティングに参加しての感想です。やはり島根県の教育熱心な先生方に実際にお目にかかれたのがすごく個人的には嬉しかったです。コロナもあってそもそも対面での集まりが開催されるということ自体がもうほとんどなくなっていましたが、やはり対面でないと味わえない空気感、そういう時を共有できたということ自体が大変嬉しかったです。心境の変化、心境自体はそんなに変わっておりませんが、やはり徳田先生に直接色々なことを教えて頂けて、また今後の指導教育に大いに役立つ情報を頂き大変感謝をしています。
ご主催頂きました、しまね地域医療支援センターの佐野先生はじめ皆様、本当にありがとうございました。
ご予算が余っていたのかわからないんですが、なんと群星沖縄臨床研究センターの徳田安春先生に午前中賠席いただき、ご指導いただけるという貴重な機会、さらに徳田先生が監訳された『医療者のための成功するメンタリングガイド(なんとサイン入り!)』がいただけたり、お昼ご飯は大田の大穴子の丼が食べられたり、帰りにお土産もいただけたりと、とんでもなく豪華な、かつ大変ためになる勉強会でした。

まずオリエンテーションから始まり、自己紹介をして「コーチ型指導医の勧め」ということで徳田安春先生からミニレクチャーをいただいた後、ディスカッションタイムです。レクチャーもすごく勉強になり、その後のディスカッションで、一つは多忙な診療をしながら効率的な教育プロセスを取るにはどうしたらいいか?ということで、事例の共有と徳田先生からの大変示唆に富むお話がありました。
徳田先生のされている方法、やはりある程度研修医に任せて、予診やフィジカルまでをやってもらって、そこで一旦クイックプレゼンをしてもらい、それに対してポイントをフィードバック。その後指導医が本診を行いますが、研修医がすでに予診を済ませているわけですからそれほど長時間はかからず、研修医が聴き落としたり見落としたりしているところ、あるいは聴き出すのにスキルが必要なところを重点的に行うことになります。その後鑑別診断やプランを立て、フィードバックの2回目。どこがポイントであったか、どのように考えるかということを短時間でフィードバックします。一旦そこで診察の場としては終了をして、後ほど指導医に時間の余裕ができたときに参考文献や Web サイト、あるいは動画のURLなどをLINEやメールで送って、それを研修医が読んだり視聴したりして、翌日そのサマリーを指導医にプレゼンをする。プレゼン自体は口頭でも構わないわけで、それによって指導医も勉強になる。teaching is learningということになるわけです。非常に効率よく、かつ研修医にとっても能動的で学びの大変多いやり方だなと感銘を受けました。なかなか外来のブース、部屋に余裕がないとできないことではありますが、是非取り入れたいなと思いました。
学習意欲の低い研修医に対してどのようにするか。これもある程度どこの科に行こうと、この高齢化社会であってマルチモビリティの高齢者が多い状況ですから、初期研修に総合診療は絶対必要だというお話にはなるわけです。実際にされているところとしては、ローテーションの最初に本人としっかりとネゴシエーションをして目標設定をする、その科で何をやるか・どこまでやるかといった目標設定を「本人の納得のもと」決めるというお話がありました。やはりどうしてもやる気のない人というのはいて、でもやる気がないからと言って全然仕事を与えないというのも、これまた違うなという話になるわけです。最初に「ここまでやりましょう」ということを決めておくとお互いストレスが少ないのかなという風に思いました。それから例えば、レポートやサマリーを期日までに出さないという問題に関しては、outcome basedというよりはmilestone basedという考え方を教えていただきました。締め切りまでには、とりあえず暫定的に「できたもの」を提出してもらって、決定版に関してはとりあえず待つと。で、できたら送ってくれということにするわけです。これはもちろん、各人の事情によってどうしても無理なこともあると思いますし、やる気の問題ということもあるかもしれません。そこで大切なことは、常に見守る。提出をただ待っている、あるいは放置するということではなくて、見守る。そして見守っているよ、待っているよということを伝え続ける。顔を見るたびに「待ってるよ」というメッセージを送ると。これは無視されると「見捨てられた」という感覚になってしまいますが、そうではなくてメッセージを送り続けるということで、存在を認められていると伝えることになるのかなと思いました。
それから、「やる気スイッチ」は本人しか押せないという話があって、本当にどこに「やる気スイッチ」があるかはよくわからない、本人でも多分よくわかっていないというところがあって、指導する立場としてはそのスイッチを探すお手伝いをするということになるのかなと思いました。最初の話し合いの中で、今なにがしか興味のあるものが見つかれば、そこをしっかりと後押ししてあげるということも大切なのかなと思いました。
それから話の中では、例えば看護師さんや患者さんに向けての勉強会みたいなものをやってもらうという案、それから文献やスライドを渡しておいて、1問例を示して試験問題を作ってもらうという案もあって、やはりアウトプットを促すという意味で非常に良いやり方だなと思いました。
それから別の話ですが、カルチャーの違う新しい場所に移動した時に、よく出羽守とか言われますが、やはり移動してすぐにそこのカルチャーを変えようとするのではなくて、3年は黙ってるほうがいいんじゃないかみたいなsuggestionも頂きました。
今回、ミーティングに参加しての感想です。やはり島根県の教育熱心な先生方に実際にお目にかかれたのがすごく個人的には嬉しかったです。コロナもあってそもそも対面での集まりが開催されるということ自体がもうほとんどなくなっていましたが、やはり対面でないと味わえない空気感、そういう時を共有できたということ自体が大変嬉しかったです。心境の変化、心境自体はそんなに変わっておりませんが、やはり徳田先生に直接色々なことを教えて頂けて、また今後の指導教育に大いに役立つ情報を頂き大変感謝をしています。
ご主催頂きました、しまね地域医療支援センターの佐野先生はじめ皆様、本当にありがとうございました。
posted by 長尾大志 at 19:09
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| 活動報告
2022年03月19日
医学科1年生と外来実習
以前、医学科1年生と外来実習をしたときに頂いていた感想が掘り出されました。1年生、ほぼ臨床医学的知識はないものの学習意欲の高い「希望者」に、どんな感じで外来を「体験」してもらったか、少しご紹介になるかなと思いまして、許可を頂き引用させていただきます。
(引用ここから)
診察の前にゆっくり丁寧に患者様についての説明をして頂けました。
どのようなことを疑ったからこの検査、結論を導いたのか。また、次にどのようなことを疑わなければならないからこれこれが知りたい…といった、長尾先生の思考の一部を低学年にも分かるように教えて頂けたことで診察中に自分が迷子になることはありませんでした。
診察では、患者様とのコミュニケーションの機会を頂き、予診のほんの一部を体験出来たことは大変貴重な経験となりました。
また、患者様が抱える不安を先生がどう解消していくか注目するべき点が示されていたことで、自分で整理しながら会話を聴くことが出来たのではないかと感じました。
低学年の実習、見学ではコミュニケーションを主眼に置くことを大事にすればより効果的に学びを得られるのだということを教えていただきました。
学生が置いてけぼりにならないとても楽しい見学であったと共に、今後の見学、実習の指針となる実り多い時間となりました。ありがとうございました!
(引用ここまで)
まあ、学習者側の学び力が優れておられたのもありますが、学びが多かったようでなによりでした。またこういうことを続けて行きたいものです。
(引用ここから)
診察の前にゆっくり丁寧に患者様についての説明をして頂けました。
どのようなことを疑ったからこの検査、結論を導いたのか。また、次にどのようなことを疑わなければならないからこれこれが知りたい…といった、長尾先生の思考の一部を低学年にも分かるように教えて頂けたことで診察中に自分が迷子になることはありませんでした。
診察では、患者様とのコミュニケーションの機会を頂き、予診のほんの一部を体験出来たことは大変貴重な経験となりました。
また、患者様が抱える不安を先生がどう解消していくか注目するべき点が示されていたことで、自分で整理しながら会話を聴くことが出来たのではないかと感じました。
低学年の実習、見学ではコミュニケーションを主眼に置くことを大事にすればより効果的に学びを得られるのだということを教えていただきました。
学生が置いてけぼりにならないとても楽しい見学であったと共に、今後の見学、実習の指針となる実り多い時間となりました。ありがとうございました!
(引用ここまで)
まあ、学習者側の学び力が優れておられたのもありますが、学びが多かったようでなによりでした。またこういうことを続けて行きたいものです。
posted by 長尾大志 at 18:30
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| 先輩研修医・学生さんの感想
2022年03月18日
胸部X線読影道場ふたたび710
posted by 長尾大志 at 10:24
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| 胸部X線道場
2022年03月17日
エムスリーさんで、胸部X線写真撮影クイズ連載スタート
エムスリーさんで、胸部X線写真撮影クイズを連載させていただきます。本日からスタートです!
【X線】胸郭内で異常が認められる部位は?
https://clinical.quiz.m3.com/quiz/doctor/mail/question.html?ids=91150
【X線】胸郭内で異常が認められる部位は?
https://clinical.quiz.m3.com/quiz/doctor/mail/question.html?ids=91150
posted by 長尾大志 at 08:06
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| 活動報告
2022年03月16日
2022年03月15日
胸部X線読影道場ふたたび708
ということで、結節は胸壁に存在していたことがわかりますね。胸水が抜けて空気が入っても、胸壁の結節は動かず、空気とのコントラストで辺縁の線が見えた、というわけです。線がよく見えた、ということは、比較的しっかりと立ち上がっている、と考えられるでしょう。
本症例でお見せしたかったのが、胸腔鏡の内腔所見です!これは貴重ですね!無断引用はお断りします笑!

しっかりと立ち上がった結節、腺癌の胸膜播種でした。
本症例でお見せしたかったのが、胸腔鏡の内腔所見です!これは貴重ですね!無断引用はお断りします笑!
しっかりと立ち上がった結節、腺癌の胸膜播種でした。
posted by 長尾大志 at 18:18
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| 胸部X線道場
2022年03月14日
胸部X線読影道場ふたたび707
706の写真では、ドレーンが入り胸水が減っていることが見て取れますが、二ボー形成あり、胸水と空気が共存していることがわかります。また、よく見ると左の肺野は右よりずいぶん黒っぽい。黒っぽい中にモコモコとした結節が見える、ということで、左は胸水ドレナージ後外気胸による空気が入り込んでいて、肺実質はほとんど見えていないようですが、そんな中に結節が見える……。
はて、いったいどうなっているのでしょうか?ちなみにドレナージ前の胸部造影CTはこんな風に見えました。
はて、いったいどうなっているのでしょうか?ちなみにドレナージ前の胸部造影CTはこんな風に見えました。
posted by 長尾大志 at 18:54
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| 胸部X線道場
2022年03月13日
胸部X線読影道場ふたたび706
posted by 長尾大志 at 13:18
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| 胸部X線道場
2022年03月12日
益田復路
今日ははるばる益田からの帰途、道中記ですが、その前に昨日閉店間際に滑り込みで購入した「千両まんじゅう」レポート。

焼きたてを買えましたので、外はカリッカリ、中はトロットロのお饅頭を堪能できました。
そして今朝。まずは開店直後の益田駅前「もりたに」さんでフルーツお土産を。

こちらは大学での貴重なビタミン源となります。そのまま一路浜田へ。数量限定の朝どれ海鮮丼に滑り込みました。

そして満腹のまま群言堂に向かいます。

前回は改装のため営業されておらずリベンジでしたが、営業再開すぐだったからか満員御礼で、店内で時間をつぶすことしばし……と思ったら!見たことある顔が!!何人も!!!ていうか昨日会ってたやん笑、みたいな出来事も。世間は狭い……。
期間限定のいのししスパイスカレーを頂きました。


説明書き通り、途中で味変が何度も楽しめる、深い味わいのカレーでした。食後はこちら。


気切の…もとい季節のパフェ。こちらも説明書きの通り、単品で食べてもウマいのですが合わせて食べることで味わいハーモニーが相乗的に爆上がり。
無事に帰学し、なんとか溶ける前にいちごたっぷりパンケーキを頂きました。
焼きたてを買えましたので、外はカリッカリ、中はトロットロのお饅頭を堪能できました。
そして今朝。まずは開店直後の益田駅前「もりたに」さんでフルーツお土産を。
こちらは大学での貴重なビタミン源となります。そのまま一路浜田へ。数量限定の朝どれ海鮮丼に滑り込みました。
そして満腹のまま群言堂に向かいます。
前回は改装のため営業されておらずリベンジでしたが、営業再開すぐだったからか満員御礼で、店内で時間をつぶすことしばし……と思ったら!見たことある顔が!!何人も!!!ていうか昨日会ってたやん笑、みたいな出来事も。世間は狭い……。
期間限定のいのししスパイスカレーを頂きました。
説明書き通り、途中で味変が何度も楽しめる、深い味わいのカレーでした。食後はこちら。
気切の…もとい季節のパフェ。こちらも説明書きの通り、単品で食べてもウマいのですが合わせて食べることで味わいハーモニーが相乗的に爆上がり。
無事に帰学し、なんとか溶ける前にいちごたっぷりパンケーキを頂きました。

posted by 長尾大志 at 18:03
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| 日記