2022年08月18日

胸部X線読影道場ふたたび782

6年前の画像から、胸郭の形や陰影の分布に違和感があることに気づかれるでしょうか。その違和感が、今回の画像でさらに強調される結果になっています。

胸郭の形としては、横隔膜が上に引っ張り上げられ、気管分岐が開大、肺門の位置が上昇している⇒上肺優位に肺が収縮している。

陰影の分布は、両側の肺尖から上肺野に濃厚な高吸収域が存在、その周囲から両側びまん性にすりガラス影・網状影が生じている。

それらの変化が数年の経過で進行してきている、ということで、いわゆるPPFE(pleuroparenchymal fibroelastosis)、上葉優位型肺線維症を考えたい画像です。

PPFE(ぽい陰影)はこれまでも何度か取り上げております。
http://tnagao.sblo.jp/article/187909480.html
http://tnagao.sblo.jp/article/188067115.html
http://tnagao.sblo.jp/article/188913946.html
何枚か通してご覧いただきますと、PPFE感?観?を培っていただけるのではないかと思います。どうぞご覧ください。

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posted by 長尾大志 at 09:55 | Comment(5) | 胸部X線道場