思ったよりも「典型的」画像の手持ちが少なかったので、コメント欄を見て申し訳ない気持ちになっておりました……。
とある疾患4は、下肺野に網状影、上肺野は嚢胞や気腫が目立ち、肺の大きさは比較的正常、伸びも縮みも目立たない、ということでCPFE(combined pulmonary fibrosis and emphysema:気腫合併肺線維症)……まあこの名前も今やどうやねん、ということでしたら、COPDと線維症の合併であるとかタバコ肺なんて雑な名前もあったり、ちょっと混乱があるような気もしますが……まあとにかくそれですね。
気腫成分は上肺野に多いため上肺野が伸びて(青)、線維化はUIPよろしく下肺野に多いため下肺野は縮む(黄)。でプラマイトータルとして肺の大きさ自体は変わらない。でも肺野には嚢胞や蜂巣肺の壁としての線状影というか輪状影というかそういう影が見えると。

気腫肺の領域では末梢気道は閉塞を来しやすいですが、線維化領域では気管支は牽引され拡張するため、肺機能上もトータルではプラマイゼロ!?というか、閉塞性障害も拘束性障害も目立ちにくいことはしばしば経験されます。それゆえ通り一遍の胸部単純X線写真やスパイロメトリーによるスクリーニングでは引っ掛かりにくく早期発見されにくいのが厄介です。肺胞は多く破壊されているので拡散能は低下し、低酸素血症を来しやすいので、CTや拡散能、労作時のSpO2までやれば見つかるイメージです。
posted by 長尾大志 at 17:00
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