2023年03月14日

2021年度病院医学教育研究助成研究成果報告会並びに優秀研究表彰

昨日3月13日に、2021年度病院医学教育研究助成研究成果報告会並びに優秀研究表彰が開催されました。僭越ながら司会進行をさせて頂きましたのでご報告申し上げます。

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まず研究成果報告会として3演題のご発表を頂きました。

1.Droplet Digital PCR (ddPCR)を用いた新型コロナウイルス感染症早期診断技術の確立
  発表者:COVID19検査センター専門部会員 小児科 医師 竹谷 健先生

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2.経管投与時の閉塞やトラブル回避のための簡易懸濁法の推進と処方支援策の確立のための研究
  発表者:薬剤部 薬剤師 中村 健志先生
   
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3.当院職員を対象としたCOVID-19ワクチン接種者のワクチンに対する抗体価(IgG値)の推移測定
  発表者:COVID19検査センター  検査部 臨床検査技師 荒木 剛先生
 
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どのご演題も臨床現場のCQ、困りごとを丁寧に解き明かそうとされた意欲的なご研究でした。

表彰式では皆さんいい笑顔で写真に納まってくださいました。最後に椎名病院長からも今後とも大いに研究を進めていただきたい旨激励のお言葉を頂き、つつがなく式典を終えることができました。皆様おめでとうございます!

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posted by 長尾大志 at 18:26 | Comment(0) | 日記

2023年03月13日

浜松市医師会 肺がん検診従事者講習会で胸部画像のお話

その昔「5時から男」なんちゅう言葉がありましたね。何かのCMでしたでしょうか。今日の私はまさにそれでした。
5時から医療安全管理委員会
⇒島根大学卒業謝恩会
⇒病院医学教育研究助成発表会ならびに表彰式
⇒浜松市医師会 肺がん検診従事者講習会(Web)。

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なんとか無事?に終わりました〜
お声がけいただきました浜松医療センターの朝井先生、過分なご紹介含め、本当にありがとうございました。

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posted by 長尾大志 at 21:27 | Comment(0) | 日記

2023年03月11日

第112回看護師国家試験解説・P98 COPD増悪時に起こること

いろいろと挟まった結果、問題からめっちゃ間があいてしまい、申し訳ございません。

問題としては要するに、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の急性増悪と診断された患者さんに起こりうる症状で、最も注意が必要なのはどれか、ということでした。

1 貧血×⇒Hb 10.3 g/dLとやや低値ですが、貧血症状が生じるほどの低値ではありません。
2 便秘×⇒病棟内歩行、食事摂取が開始されていますから、今後便秘傾向は軽減するものと期待されます。
3 高血糖×⇒基礎疾患として糖尿病がなく、一週間程度の摂食低下がある状態で入院時空腹時血糖が98mg/dLであり、高血糖が生じる危険性は少ないと考えられます。
4 CO2ナルコーシス 〇⇒入院時の動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)が58Torrで、二酸化炭素貯留傾向でした。COPDの急性増悪時、回復後もしばらくはCO2ナルコーシスの発生に注意が必要です。

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2023年03月10日

第112回看護師国家試験解説・P97 COPD増悪時の所見

選択肢を一つずつ見ていきましょう。

1 うつ熱とは熱中症のように,体熱の放散が妨げられ,体内に熱が蓄積することにより体温が上昇することで、本症例では関係ありません。

2 バイタルサインを見ると、血圧は138/88mmHgです。高血圧の定義は収縮期血圧140mmHg以上、または拡張期血圧90mmHg以上です。

3 COPDの増悪時には呼気が延長します。知識を問う問題です。

4 身体所見で皮膚の所見に関しては言及されておりません。

正解は3ですね。

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2023年03月09日

第112回看護師国家試験解説・P97 COPD増悪時のあれこれ

Aさん(75歳男性)は一人暮らしで、妻とは5年前に死別し、子供はいない。57歳の時に慢性閉塞性肺疾患(COPD)と診断された。他に既往はない。20歳から喫煙していたが、今は禁煙している。エレベーターのないアパートの4階に住んでおり、家事動作時に息苦しさが出現することもあったが、日常生活動作(ADL)は自立していた。妻が亡くなってからは食事が不規則になり、インスタント食品ばかり食べていた。入浴はせず、週に1回シャワーを浴びていた。
1週前から日常生活動作(ADL)でも息苦しさが増強し、食欲がなく、ほとんど食事をしていなかったが、ジュースを500mL/日は飲んでいた。昨日の夕方に37.8℃の発熱があったため、本日かかりつけの病院を受診した。
受診時の身体所見:体温37.6℃、呼吸数24/分、脈拍94/分、血圧138/88mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)82%(room air)。動脈血液ガス分析(room air):動脈血酸素分圧(PaO2)45Torr、動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)58Torr。
検査所見:赤血球420万/μL、Hb10.3g/dL、白血球9500/μL、総蛋白5.8g/dL、アルブミン3.4g/dL、空腹時血糖98mg/dL、CRP10.1mg/dL。
医師の診察の結果、Aさんは慢性閉塞性肺疾患(COPD)の急性増悪と診断された。
このときのAさんの状態はどれか。
1 うつ熱
2 高血圧
3 呼気の延長
4 皮膚の掻痒感

問題文の長い3連問です。

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2023年03月08日

医師会さんの研修会

先日岡山県医師会さんで「対面の」胸部X線読影のお話をさせて頂きましたが、近々、とある医師会さんの「Webの」胸部X線読影のお話をさせて頂きます。「対面の」ほうは3年近くぶりの対面、ということもあってか、いささか会場が寂しかったのですが、「Webの」のほうの事前申し込みは130名を超えているとのことで、これは皆様、Webに慣れちゃいましたか、って感じですね。

明後日も古巣滋賀医大で特定行為研修のWeb講習やりますし、Webの利便性と対面ならではのメリットをきちんと天秤にかけて?選択していくことになるのかなあ、と思いました。

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posted by 長尾大志 at 21:43 | Comment(0) | 日記

2023年03月07日

第112回看護師国家試験解説・A48 肺尖部の肺癌、といえばパンコースト!

肺尖部の肺癌の胸壁への浸潤による症状は、パンコースト症候群として知られています。具体的には肩から腕にかけての疼痛、同側の手の筋萎縮、同側のホルネル症候群などが知られていますね。こちらは医師国家試験でも問われるところです。

選択肢を見て参りますと……

1 腫瘍が頸部交感神経群に浸潤して生じるホルネル症候群では縮瞳が見られますが、散瞳は生じないですね。

2 縦隔リンパ節転移で反回神経麻痺が生じると嗄声などの構音障害が起こりますが、胸壁浸潤では起こりません。

3 ホルネル症候群では眼瞼下垂が生じるのですが、閉眼困難とはなりません。

4 肺尖部の腫瘍が腕神経叢を圧迫・浸潤することによって上肢痛が生じます、ということでこちらが正解になります。

いずれも、割とシンプルな知識を問う選択肢となっています。看護師国試の一般はこんな感じが多い印象ですね。

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posted by 長尾大志 at 20:13 | Comment(0) | 胸部X線道場

2023年03月06日

第112回看護師国家試験解説・A48 肺尖部の肺癌、といえば、頻出問題!

しばらくいろいろと挟まっておりましたが、まだ積み残しがございましたので、お付き合いください〜。

右肺尖部の肺癌の胸壁への浸潤による症状はどれか。
1 散瞳
2 構音障害
3 閉眼困難
4 上肢の疼痛

これも頻出、でしょうかね……。

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2023年03月05日

次回のtsucom live、日程決定いたしました!

次回のtsucom liveの開催、および日程が決定致しましたので、取り急ぎ告知させていただきたいと存じます。

次回は23日木曜日の19時からです!

tsucom liveとは? あらかじめ胸部X線写真の読影所見を収録して頂き、それに対して長尾が「ツッコむ」tsucom塾の臨場感を味わっていただくために行うライブ形式のイベントです。簡単な登録で、イベント参加と以前の収録動画の視聴をしていただけます。 登録、お試しは無料ですので、どうぞ気軽にお試しください〜。
お申込みリンク⇒
https://bon-bon.co.jp/news/Sct7Xloq

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posted by 長尾大志 at 18:52 | Comment(0) | 活動報告

2023年03月04日

岡山県医師会さんで胸部X線写真のお話「肺がん画像のアートとサイエンス」

今日は久しぶりに、やくもで出張です。

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県の方から県の結核についての現状説明があった後に、岡山県健康づくり財団附属病院院長の西井研治先生による非結核性抗酸菌症の診断、治療についてのお話があり、引き続き「肺がん画像のアートとサイエンス」というお題でお話しさせていただきました。

医療系のお話で「アートとサイエンス」というワードはよく出てくるのですが、前半はサイエンスとして結節を見つけるために意識するテクニックについて述べさせていただき、後半でアートといいますか、肺がんで見られる様々な画像のうち、「これは!」というものをセレクトしてお送りいたしました。

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あとで頂いた清風庵のお団子、左からピオーネ、イチゴ、○○、黒ゴマ。大変おいしかったです。

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posted by 長尾大志 at 21:40 | Comment(0) | 活動報告

2023年03月03日

わかりやすイイ 胸部X線写真読影 アドバンス6 シルエットサイン実例2

日経メディカルオンライン記事「わかりやすイイ 胸部X線写真読影 アドバンス」を動画で解説する連動企画、第6回もシルエットサインの実例です。是非読影にチャレンジなさってみてください。

シルエットサインは初学者の方からいささかハードルが高い、とよく言われるのですが、反復練習をすることで必ずや読めるようになります。学び始めの早い段階での反復練習が肝心です!いや、学び始めではなくとも反復練習は身につきやすいものです!どうぞよろしくお願い申し上げます⇒
https://youtu.be/l-a-dlP8NcE

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posted by 長尾大志 at 11:22 | Comment(0) | 動画置き場

2023年03月02日

わかりやすイイ 胸部X線写真読影 アドバンス5 シルエットサイン実例1

日経メディカルオンライン記事「わかりやすイイ 胸部X線写真読影 アドバンス」を動画で解説する連動企画、第5回はシルエットサインの実例です。是非読影にチャレンジなさってみてください。

シルエットサインは初学者の方にとっていささかハードルが高い、とよく言われますが、反復練習をすることで必ずや読めるようになります。早い段階での反復練習が肝心です!どうぞよろしくお願い申し上げます⇒
https://youtu.be/1amctADHOtU

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posted by 長尾大志 at 12:06 | Comment(0) | 動画置き場

日経メディカル 長尾大志の「わかりやすイイ 胸部X線写真読影 アドバンス」第2回!

日経メディカル Onlineさんの連載「長尾大志の『わかりやすイイ 胸部X線写真読影 アドバンス』」第2回が公開されました!今回、少し注意が必要な問題がありますので、難易度は「中」としました。当初編集の方には「易」とされてしまっておりましたが……汗。

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/tnagaoadvance/202303/578504.html

日経メディカル Onlineさんへのログインが必要です。内容解説動画もYoutubeでご用意して参りますので、そちらもどうぞご覧ください。

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posted by 長尾大志 at 09:34 | Comment(0) | 活動報告

2023年03月01日

第112回看護師国家試験解説・A27 頻呼吸、といえば呼吸性アルカローシス!

まずは、せっかくですからこちらをご覧ください。

やさしイイ血液ガスの読み方基礎編⇒
https://youtu.be/ifsXBBLJOls

これでわかってしまうわけですが、頻呼吸になるとCO2(炭酸ガス=酸性物質)がどんどん排出され、酸が減るゆえに血液はアルカリ性に向かいます。これを呼吸性アルカローシス、というのです。

ちなみに他の選択肢ですが……

2 ヘマトクリットが基準値よりも高くなる多血になるのは、慢性的な低酸素状態が存在するときであり、急性の頻呼吸時には生じません。低酸素状態が持続するとエリスロポエチンの産生が亢進し、赤血球が増加するのです。

3 頻呼吸になると、多少動脈血酸素飽和度(SaO2)が上昇しますが、動脈血酸素飽和度(SaO2)は最高で100%であり、100%を超えることはありません。

4 換気量が増加すると動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)は低下します。

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