肺尖部の肺癌の胸壁への浸潤による症状は、パンコースト症候群として知られています。具体的には肩から腕にかけての疼痛、同側の手の筋萎縮、同側のホルネル症候群などが知られていますね。こちらは医師国家試験でも問われるところです。
選択肢を見て参りますと……
1 腫瘍が頸部交感神経群に浸潤して生じるホルネル症候群では縮瞳が見られますが、散瞳は生じないですね。
2 縦隔リンパ節転移で反回神経麻痺が生じると嗄声などの構音障害が起こりますが、胸壁浸潤では起こりません。
3 ホルネル症候群では眼瞼下垂が生じるのですが、閉眼困難とはなりません。
4 肺尖部の腫瘍が腕神経叢を圧迫・浸潤することによって上肢痛が生じます、ということでこちらが正解になります。
いずれも、割とシンプルな知識を問う選択肢となっています。看護師国試の一般はこんな感じが多い印象ですね。