2023年04月05日

心に残る、先達の言葉

私が研修医の頃、上級医に言われた台詞は、時代の違いこそあれ、初期研修医の皆さんにも何かの参考になるのではないかと思います。セルフツッコミをしつつご紹介して参りましょう。

■ われわれ教員は、君たちを教えるために給料をもらっている。君たちは、教えてもらっているだけ、失敗して病院に与える損失の分だけ、給料が少ない。従って、どんどん失敗し、どんどん上級医に教えてもらうべきである。

⇒昨今では初期研修医の先生方のお給料も上昇傾向にあるようです。これは国立大学病院での話ですかね……。

■ 本を読んで調べる暇があったら、患者さんのところに行け。手を動かせ。わからないことは上級医に聞いて、時間を節約せよ。本を買って読むのは3年目以降でよい。

⇒これも、概ね同意ですが、昨今ではスマホやiPadで簡単にUpToDateや論文(やそのまとめ)にアクセスできるようになっています。私が研修医の頃は高価な書籍を購入しないと情報にアクセスできなかったわけで、ちょっとその頃とは事情が違いますね。でも前半部分は完全同意です。

■ 内科で行う手技の90%は、誰でもできるはずのものである。できないのは、単に練習が足りないからだ。どんな手技も30回やればモノになる。

「30の法則」でご紹介したとおりです。他に「3の法則」というものもあるんですが、これはちょっとお下品な話なのでここではご紹介しません……。

■ どんなに本や文献を読んで、その疾患についてわかった気になっても、担当医になって身についた知識にはかなわない。多くの患者さんを担当せよ。
■ もっとも偉い臨床医は、もっとも多くの患者さんを診た臨床医である。100例肺炎を診た臨床医よりも1000例肺炎を診た臨床医の方が、肺炎についてよく知っている。

これも間違いなく真実ですが、昨今良質なレビューなどが多く得られますので、ある程度「知った風な口を聞ける」様にはなってきております。数少ない経験+レビューで概要をつかむ、というのが、手っ取り早くその疾患に関する知見を得るのに役立つでしょう。

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