2024年06月29日

松江研修3病院の集い場=マツケンサンバ、第一回でした!

昨日は松江にて、松江圏域にある3つの主な研修病院(松江市立病院・松江赤十字病院・松江生協病院)が合同で開催される、いわゆるレジデントデイみたいな集まり、研修医の先生方の勉強と交流の場として始まった(コロナ前にはされていたそうですがしばらく中止になっていた)、松江研修3病院の集い場、人呼んでマツケンサンバ、第一回が執り行われました!

松江赤十字病院救急部の秦先生によるアイスブレイク、この集まりの名前を決めよう!、いい名前が次々と披露され、若い感性に感嘆。

結局は最後にインパクトでもっていった感のある、松江研修3病院の集い場⇒マツケンサンバが票を集めて決定!

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私は前半のレクチャーを担当しました。当初「胸部X線」のお話をリクエストいただいていたのですが、松江赤十字病院では既に何度かX線の話してるしなあ……と、症例検討会みたいな感じにしてみたのですが、ちょっと盛り上がりに欠けてしまい、反省することしきりでございました。

後半は松江生協病院循環器内科の鈴木先生によります「心電図判読レース」。印象的だったのは夫婦あるあると絡めた不整脈の語呂合わせ。

U度房室ブロックはWenckebach型とMobitz II型がありますけど、夫婦でもWenckebach型は喧嘩ばっか。ウェンケバッハはケンカバッカ。ケンカばっかりしてだんだん合わなくなる(間隔が開いていく)けど、(コミュニケーションをとってるから)また元に戻る。

Mobitz II型みたいにケンカもせずにいきなりいなくなる(家出する?)のは、予後がよくない。

最初からてんでバラバラに活動してるのがV度、完全房室ブロック。

イヤお見事な覚え方です。是非皆さんもご参考に。

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posted by 長尾大志 at 10:29 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説

2024年06月28日

小林只先生講義「日本の未来、あなたの未来。今、社会が求めるジンザイとは?」

この水曜日は、弘前大学医学研究科 総合地域医療推進学講座 講師・株式会社 アカデミア研究開発支援 代表取締役社長 小林只先生に、医療倫理・プロフェッショナリズムの講義として「日本の未来、あなたの未来。今、社会が求めるジンザイとは?」と題したお話を賜りましたのでご報告いたします。

まず先週の原先生に引き続き、一体なんでこんなすごい方が島根大学に来てくださるのか?といいますと、小林先生は原先生と同じく島根大学ご卒業(27期、原先生は軽音の先輩)ということで、これまでも多くの卒業生の方が来ていただいておりますが、1年生諸君はそのありがたみを痛感していただきたいと思います。

知財に関する話、という触れ込みだったのですが、実際の講義は100分余に渡る若者への熱い熱いメッセージ、という感じでした。なお、タイトルの「ジンザイ」がカタカナなのは、人材なのか、人財なのか、人罪なのか、それとも人在なのか、どうなりますか?という問いかけでありました。

まずはこれまでのキャリアについて、隠岐島前病院で白石先生に地域医療、総合診療の手ほどきを受けられ、総合診療医としてのキャリアを積まれる中で、現場からのアイデアを次々と具体化して製品化され、さらに必要な知財管理の資格を取られた、というお話をサラッとされたのですが、それだけでもものすごい活動量、勉強量であることが窺われました。

アイデアを形にして製品化し世に出す、という過程には深くて遠いギャップがあります。それを超えるために色々な方のサポートを受けた、というところで挙がったお名前もとんでもなく、ただただ圧倒されるばかりでしたが、成功モデルは地方から、東京からは出ない、というお言葉には勇気をもらえました。

以降は備忘のためにメモしたことを箇条書きでご紹介したいと思います。

ポケットエコーにまつわるステークホルダー調整のお話も生々しく、またギャップの具体例も教えていただきました。

大学発ベンチャー企業の数は増えているが質に課題がある件、資本政策ミスの実例。

知財に含まれる知的財産はブランド、ノウハウなど、それで信用されるもの。

特許法の理念 発明を奨励するためのもの 1条 目的 これが大事。

医療界のビジネスモデルの変化、ということで健康であるほどみんながHappyになるモデルは可能か?というところで、テクノロジーの発展によって個別化/自己診断ーセルフケアの方向に進むでしょうというお話。

パラダイムに関するお話 新しいパラダイムの受容には、わかりやすい概念の「発明」が必要であるというお話はなるほどと頷かされました。

神話を語れなくなった民族は100年で滅びる。

文明のサイクルは紀元前から800年周期で東洋優位ー西洋優位との入れ替わりがある。これまでは食糧の不足に起因する民族大移動が契機であった。今はちょうどその時期に差し掛かっており、中東での紛争はその端緒である可能性がある。

西洋医学の部分観、東洋医学の全体観、ペルシア医学や中医学など多量に勉強した。

データが大衆化することで、存在、信頼といったものが価値になる。

日本人は0から1を生み出すのは苦手だが、加工、すり合わせは得意。外来語があったり造語があったりするのは日本語の特徴。あだ名 も知財である、創造性が高い。日本仏教も独自の進化があった。

SDGsは米中に勝てない、と悟った欧州がルールを変えたもの。

宗教の目的は赦す。道徳や倫理の目的は裁く。倫理とは専門家が対外的に示す規律である 非専門家に対してどれだけ誠実であるかを見せるためのもの。欧州はその倫理をうまく使っている。

定義の作り方も目的次第である。定義付けは共通認識を作る行為で、プロの定義だと立場によって言うことが違う。

Take home message:どれほど知識や能力が高くても、本気の人には叶わない。

まさに最後のお言葉通り、本気、火の玉のように熱意のこもった講義、100分を超えましたが、体感はごく短時間、あっという間のお話でした!小林先生、本当にありがとうございました!学生さんより私が刺激を頂いちゃった感じです笑。

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posted by 長尾大志 at 07:58 | Comment(0) | 日記

2024年06月27日

【呼吸器内科診療の掟】上梓されました!

亀田総合病院呼吸器内科主任部長の中島 啓先生編著の『呼吸器内科診療の掟』(中外医学社)「胸部X線」の項目を執筆させていただきました。

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この書籍は「読む指導医・全国のエキスパートの知と技の結集」ということで、全国の名だたる呼吸器内科の先生方が結集して執筆されています。

若手ドクター向けに実臨床に本当に役立つよう「5つのRules」として項目ごとにポイントが記載されていますので、重要なところがパッとわかる造りになっています。ぜひ多くの呼吸器診療に携わる先生方に手に取って頂ければ幸いです!

Amazon:https://amzn.to/3VDm05z

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posted by 長尾大志 at 08:07 | Comment(0) | 活動報告

2024年06月26日

成人肺炎診療ガイドライン2024㊼市中肺炎で菌が検出されたときの抗菌薬❾レンサ球菌(連鎖球菌)・入院治療の場合(注射薬)

入院治療の場合(注射薬)はこんな感じで記載されていますが……

第1選択薬
ペニシリン系薬(アンピシリン、ペニシリンG)
アジスロマイシン
第2選択薬
スルバクタム・アンピシリン、タゾバクタム・ピペラシリン

それにしても、連鎖球菌に対してタゾバクタム・ピペラシリンは少しばかり広域に過ぎるような気がいたしますね……。

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posted by 長尾大志 at 11:45 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説

2024年06月25日

成人肺炎診療ガイドライン2024㊻市中肺炎で菌が検出されたときの抗菌薬❾レンサ球菌(連鎖球菌)・外来治療の場合(経口薬)

レンサ球菌の中では口腔内常在菌であるStreptococcus anginosus群が検出されることが多く、ペニシリン系が選択されますが、この連中にはマクロライド系薬もまだ有効であることが多いので、アジスロマイシンが第1選択薬に入っています。

他に空洞形成があったりすると複数菌感染が疑われる場合もありStreptococcus pyogenes(化膿性レンサ球菌)やStreptococcus agalactiae(B群溶血性レンサ球菌)の関与も疑うような場合、βラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系薬が選択されることが多いようです。

第1選択薬
アモキシシリン、アジスロマイシン
第2選択薬
βラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系薬(スルタミシリン、アモキシシリン・クラブラン酸)
第3選択薬
レスピラトリーキノロン(ラスクフロキサシン、ガレノキサシン、モキシフロキサシン、シタフロキサシン、トスフロキサシン)

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posted by 長尾大志 at 19:22 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説

2024年06月23日

成人肺炎診療ガイドライン2024㊺市中肺炎で菌が検出されたときの抗菌薬❽黄色ブドウ球菌最後

ときにPanton-Valentine leucocidin(PVL)を産生する市中型のMRSA(CA-MRSA:community acquired MRSA)による重症肺炎が見られることがあり、注意が必要だとされますが、それであればキノロン系やクリンダマイシンでも効果が見られることが多いようで、感受性の確認が必要です。


ガチのMRSAの場合、使用すべき抗菌薬、使用法(TDM:therapeutic drug monitoring血中濃度モニタリング)はだいたい決まりごとがあります。これはDIなどにも載っていますのでそちらをご参照ください。

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posted by 長尾大志 at 13:01 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説

2024年06月22日

成人肺炎診療ガイドライン2024㊹市中肺炎で菌が検出されたときの抗菌薬❽黄色ブドウ球菌2

ここではMSSAに対する治療薬を取り上げます。

外来治療の場合(経口薬)
第1選択薬
βラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系薬(スルタミシリン、アモキシシリン・クラブラン酸)
第2選択薬
マクロライド系薬(クラリスロマイシン、アジスロマイシン)

入院治療の場合(注射薬)
第1選択薬
スルバクタム・アンピシリン、セファゾリン
第2選択薬
ミノサイクリン、クリンダマイシン

マクロライド系でもいいんですね。

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posted by 長尾大志 at 13:42 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説

2024年06月21日

成人肺炎診療ガイドライン2024㊸市中肺炎で菌が検出されたときの抗菌薬❽黄色ブドウ球菌

以前の、喀痰検査を根拠とした「肺炎の原因菌検索」研究では、黄色ブドウ球菌が原因菌である市中肺炎が少なからずある、ということがいわれていましたが、上にも引用した網羅的細菌叢解析の結果からは、黄色ブドウ球菌による肺炎は少ないように見えます。

また、黄色ブドウ球菌感染症の特徴(組織を溶解、破壊する)からして、肺炎の場合も肺膿瘍/肺化膿症や膿胸の表現型を取りがちなわけで、喀痰に黄色ブドウ球菌がいる=黄色ブドウ球菌肺炎だ!という短絡志向には陥らないようにしたいものです。彼らは異物と創傷部位を好みますから、市中肺炎でしたらインフルエンザ後の荒廃した肺、あるいはいろいろ?入っている院内肺炎で多いと考えましょう。

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posted by 長尾大志 at 14:04 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説

2024年06月20日

原 正彦先生講義「医療の社会実装と産学連携活動」

昨日は、株式会社mediVRの代表取締役社長 原 正彦先生に、医療倫理・プロフェッショナリズムの講義として「医療の社会実装と産学連携活動」と題したお話を賜りましたのでご報告いたします。

まず一体なんでこんなすごい方が島根大学に来てくださるのか?といいますと、原先生は島根大学ご卒業(24期:救急医学講座のI先生と同期)ということで、これまでも多くの卒業生の方が来ていただいておりますが、1年生諸君はそのありがたみを痛感していただきたいと思います。

頂いたお話としては、まず医療倫理・プロフェッショナリズムのコースとしての学習到達目標として、医療の社会実装、それから産学連携活動について概要をお話いただきました。

次にその実例として、mediVR社さんが開発・実用化された、仮想現実技術を用いた機器(カグラ)の説明とその実際を紹介した動画見せていただきました。私自身不勉強で、この機器については存じ上げておりませんでしたが、お話を聞くと大変夢と希望に満ち溢れた機器でございます。詳しくは同社のホームページをご覧いただければと思います⇒
https://www.medivr.jp/

それから、医療の社会実装と産学連携活動を考える上で切っても切れない、研究不正と利益相反マネジメントについての定義のお話、そして具体例としてiPS細胞のお話をしていただきました。いろいろなかなか難しい……。

それから学生時代に知っておくべき考え方として、@思考停止に陥らないこと、教科書を信じないことA能力=知識×経験Bレジリエンスについての説明を頂き、最後の実例として実用化間近の「人工呼吸器用のマスク」についてご紹介いただき、最後に今後の展望という順番でした。100分間、最初から最後までずっと夢のあるお話で、大いに刺激を受けた学生さんも多かったのではないでしょうか。私も大いに刺激を受け、起業したくなりました。

原先生におかれましては、大変ご多忙の中、島根までお越しいただき、本学医学科・看護学科の1年生に対する「倫理プロフェッショナリズム」講義を頂きました。誠にありがとうございました!今後とも何卒よろしくお願い申し上げます!!

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posted by 長尾大志 at 15:18 | Comment(0) | 日記

2024年06月19日

記憶のない日々

不思議なことに、ここ数日間の記憶がありません。ウソです。ここには書けないお仕事で移動、移動先でしかしながら外せない会議にWeb参加×4。いろいろ知ることができ、知見は深まりました。

とにかくこの間は弁当、弁当、弁当……ときおり非弁当。

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明日も書けないお仕事ですね。お疲れ様です〜
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posted by 長尾大志 at 18:41 | Comment(0) | 日記

2024年06月16日

総合診療・地域医療実習第5クールアワード

1週間以上前のことになってしまいますが、総合診療・地域医療実習第5クールの振り返り会が執り行われました。

今回も優秀な発表が多く、アワード選考に難渋しましたが、諸事情も鑑み、「実習でどんなことを学んだか、どんなことがそこでできるのか」がよくわかる発表、という観点から今回はお2人を選ばせていただきました!おめでとうございます!!

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後半の彼はなんとNMB48の○○○たん推しの方でした!ちょっとビックリしました!!最近NMB48推しの学生さんがちょくちょく発掘?されて、大変喜んでおります。もっとお話ししたかったのですが、あとの予定があったもので、お話を切り上げざるを得ませんでした……是非またお越しください!いや、別にNMB推しでなくても、気軽にお越しください〜オフィスアワーは月〜金の16時〜18時、「在室」になっていればお声がけOKです!

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posted by 長尾大志 at 13:55 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説

2024年06月15日

滋賀呼吸器疾患セミナー@クサツエストピアホテル

というわけで昨日は、滋賀呼吸器疾患セミナー@クサツエストピアホテル、ということで、滋賀の若手の先生方中心の会にて胸部X線のお話をさせていただきました。微妙に一昨日の会と参加者はカブっていないと思っていたのですが、ひょっとすると大津市民病院の先生方は両日参加されていたかもしれませんね。同じような話を続けて聞かされて、辟易されていたかもしれません……申し訳ございませんでした。

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滋賀のこういう会に参加するのは久しぶりでしたので、お久しぶりの先生方とたくさんお話ができました!やはり対面集会はいいものです。

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滋賀の肺がん系インフルエンサー・野口先生。秋にご著書が出るとのこと!

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県立総合病院の中村先生。研修医のころから本当にお世話になりました!

お招きいただいた中野先生、いつもお世話になっております!写真はありませんが、ありがとうございました!!

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posted by 長尾大志 at 20:43 | Comment(0) | 活動報告

2024年06月14日

和足孝之先生講義「プロフェッショナリズムとあなた」

一昨日は京都大学医学部総合臨床教育/研修センター准教授兼島根大学医学部総合診療医センター客員教授、といいますか、3月まで本学におられた和足孝之先生によります医療倫理・プロフェッショナリズムの講義「プロフェッショナリズムとあなた」をご報告……したいところですが、まあテキストには落としづらいお話の1時間半。

1つ言えることは、間違いなく学生さんたちの何かを揺さぶり、視野を広げ、人生に何らかの影響を及ぼしたであろう、ということ。こんな話を1年生で聴くことができた皆さんはラッキーですよ!!

テキストにはしがたいので写真で雰囲気をご紹介しておきます〜。

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posted by 長尾大志 at 09:19 | Comment(0) | 日記

2024年06月13日

第16回 みやこ呼吸器セミナー/滋賀呼吸器疾患セミナー

さてすっかり告知を怠っておりましたが、本日は京都府立医科大学呼吸器内科の高山浩一先生にお招きいただき(Webですが)こちらの第16回 みやこ呼吸器セミナーにて胸部画像のお話をさせて頂きます。

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コロナ前の2017年ごろですかね、何度かお招きいただいておりましたが、コロナを経てお久しぶりの登場となります。府立医大関連の先生方の会であったかと思いますので、関連の先生方、どうぞよろしくお願い申し上げます。2017年ごろ研修医だった先生方も立派になられていることでしょう!

そして明日は、滋賀に移動しまして、滋賀呼吸器疾患セミナー、こちらは滋賀医大の中野恭幸先生にお招きいただきました。

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偶々ですが近くの場所で2日連続、でありながら片やWebで片や現地という、いろいろあるんですね感。

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posted by 長尾大志 at 12:05 | Comment(0) | 活動報告

2024年06月12日

成人肺炎診療ガイドライン2024㊷市中肺炎で菌が検出されたときの抗菌薬❼モラクセラ・カタラーリス|入院治療の場合(注射薬)

入院治療の場合はもちろんβラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系薬からの〜注射薬中心になります。しかしマクロライド系薬はガイドラインでは取り上げられていません。

第1選択薬 スルバクタム・アンピシリン
第2選択薬 第2世代および第3世代のセフェム系薬(セフォチアム、セフトリアキソン、セフォタキシム)
第3選択薬 ニューキノロン系薬(レボフロキサシン、ラスクフロキサシン、シプロフロキサシン、パズフロキサシン)

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posted by 長尾大志 at 09:53 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説

2024年06月11日

医学部公式Instagram、YouTubeを開設しました(お知らせ)

私も一緒に活動している島根大学医学部広報委員会によりまして、
本学医学部をより身近に感じていただけるように、
島根大学医学部公式Instagram、YouTubeチャンネルが開設されました!!
こちら、学生さんが広報をサポートし、記事及び動画の作成を行ってくださっています。

【Instagram】島根大学医学部広報(@shimane_university_med) • Instagram写真と動画
https://www.instagram.com/shimane_university_med/?hl=ja

大学生活、イベント情報、セミナー情報など、身近な話題を発信します。
フォローどうぞよろしくお願いします。


【YouTube】
https://www.youtube.com/channel/UCse-8sF-wLMlLOZOsspYd0Q

医学部教員紹介動画「教授に50の質問」を配信スタート!
初回は長尾がテスト的に?インタビューしてもらいました〜。
既に何本か収録され、編集中とのことですので今後の発信をお楽しみに!!
チャンネル登録どうぞよろしくお願いします。

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posted by 長尾大志 at 08:13 | Comment(0) | 島根大学医学部・臨床実習

2024年06月10日

成人肺炎診療ガイドライン2024㊶市中肺炎で菌が検出されたときの抗菌薬❼モラクセラ・カタラーリス|外来治療の場合(経口薬)

モラクセラ・カタラーリスはほぼβラクタマーゼを産生する、と考えます。ペニシリン系薬を使うのであれば、βラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系薬が必須です。意外にマクロライド系が使えるのが、特記すべき点ですね。

第1選択薬 βラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系薬(スルタミシリン、アモキシシリン・クラブラン酸)
第2選択薬 マクロライド系薬(クラリスロマイシン、アジスロマイシン)
第3選択薬 レスピラトリーキノロン(ラスクフロキサシン、ガレノキサシン、モキシフロキサシン、レボフロキサシン、シタフロキサシン、トスフロキサシン)

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posted by 長尾大志 at 11:40 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説

2024年06月09日

NMB48の安部若菜さん(わかぽん)に見る?、ものごと上達への道と30の法則

もう6月ですね。この時期、そこここで「手技が上達しない」系の呻きが聞かれるようになって参りました。

これに対するアドバイスは1つしかなくて、「練習あるのみ」ということになります。以前の記事にも書いているのですが、改めてこちらにも記しておきます。


かの本田圭佑さんに限らず、多くの方がいってこられていることですが……

物事の上達にはまず量をこなし、それから質を語る。必ずこの順番なのですね。特に「手(足?)で何かをする系」のことについて上達したければ、とにかくまずは数をやるしかないのです。数をやらずして上達する王道はない。ないのです。コスパのいい方法なんぞないのです。

でも、やってもやっても、うまくいかない…。ということはある。
スランプに陥ったバッターはどうするか。ひたすらバットを振る。
ひたすら、練習あるのみだといいます。

点滴がうまくいかない…
血ガスがうまく取れない…
挿管tubeが食道に入って、周りの冷たい視線が…
CVがAに…

凹みますよね……。

で、その手技、何回やりましたか?2回?3回??
100回やっても上手くいきません!なんてことはありません。

まちろん慣れない場所、知らない人々……の中で、よくしらない疾患や症候を取り扱う、大変なストレスであることでしょう。特に手技モノは、うまくいかないことが続くと、周りの目も気になるし、「本当に自分に医者ができるのか」不安になってくるかと思いますが、初期研修中に身につけるべき手技のほとんどは、「練習すれば、必ずできるもの」です。

私が研修医の頃から指導医の先生に言われていた「30の法則」

一般的な(内科でもやるような)手技・処置(気管内挿管、中心静脈カテーテル留置、胸腔ドレーン留置など)は、30回経験しなさいと。器用、不器用にかかわらず、30回やれば、必ずモノになる、というのです。
だいたい、最初の数回はビギナーズ・ラックで(無心でやるので)うまくいくこともあるのですが、何回かやると(色々考え出して)うまくいかなくなることがある。そこで色々やってみて、スランプを脱出するのが10〜20回目ぐらいだそうです。

その後、さらにいろいろなパターン、困難症例などを経験し、30回もやると、どんな場面でも自信を持ってできる、ということです。

そういわれて、私も若い頃に、処置をやるたびに「正」の字を書いてカウントしていたことを思い出します。数えてみると30回というのは、まあまあ多いのです。ですから、どん欲に手技機会を求めて参りましょう!


そこでNMB48の安部若菜さん(わかぽん)がなんの関係があるんだ、というところですが、彼女は入団?当初ダンス未経験で、かなり不器用で鈍くさくて、かなり下手な方、でした。ダンスの先生にも怒られまくっていたようです。なんだったら私服も芋っぽくて、人気も下位で……それが今ではどうでしょう。シングル選抜、序列も高位、それに新公演「天使のユートピア」ではダンス選抜ユニットに抜擢されるという大まくり、大逆転を演じています。

それもダンスに関してはやはり回数をこなした、地道に練習した、それの繰り返しで、いつの間にかダンスは苦手といいながらしっかり踊れるようになっているということで、やはり量は裏切らない、ということを言いたかっただけなのですが、わかぽんの選抜定着、ダンスユニット入りには感慨深いものがありますね……。

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2024年06月07日

さいたま赤十字病院呼吸器内科山川英晃先生によります『膠原病合併の間質性肺疾患の管理〜患者ごとの適切な治療とは〜』

昨日はさいたま赤十字病院 呼吸器内科 山川英晃先生に出雲までお越しいただき、「神在の國 PF-ILD学術講演会」にて『膠原病合併の間質性肺疾患の管理〜患者ごとの適切な治療とは〜』と題した講演を賜りました。

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まあ、メーカーさん主催の講演会でしたが、やはりたくさん患者さんを診られている先生のお話は興味深く、たくさん論文を書いておられる先生のお話は説得力がありますね。

自験例データをたくさん見せていただきましたが、印象に残っているのは3点。

・ステロイドに加えるべき抗炎症薬のラインナップは近年変動なし
・とはいえ、1つMMF(ミコフェノール酸モフェチル:セルセプトレジスタードマーク)が使えるようになった
・ステロイド漸減中の増悪に対しては、ガツンといく方がいい印象

特に最後のところはずーっと思っていた実感を裏付けて頂けるもので、今後の診療を変えていこうと思えました。山川先生、誠にありがとうございました!

また、ずっとお目にかかりたいと思っていた県立中央病院の先生が偶々来られていて、ご挨拶できたのもとっても嬉しかったです。一緒に何かやっていけるといいなあ、と思います!

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posted by 長尾大志 at 11:36 | Comment(0) | 日記

2024年06月06日

渡部沙織先生講義「レアディジーズ(希少疾患)の社会学 〜医療政策、患者・市民参画、ELSI、医療の多面性を捉えるために〜」

昨日は東京大学医化学研究所 公共政策研究分野の特任研究員 渡部沙織先生に、医療倫理・プロフェッショナリズムの講義「レアディジーズ(希少疾患)の社会学 〜医療政策、患者・市民参画、ELSI、医療の多面性を捉えるために〜」という講義を賜りましたので、ご報告いたします。

渡部先生は元々途上国開発支援畑で研究・活動をされていたのですが、その後医療社会学畑に移られて活動をされています。そのきっかけとなる出来事について、別途書籍を出版されています。

今回はその体験談……ではなく、しっかりと社会科学の研究についてお話をいただきました。まず医学と社会科学の違いとして、対象としているものの違い、そして医学は他の人体のへ適用が容易ですが社会科学は研究結果を他の社会に適用することが困難であろうこと、などの基本的な違いを分かりやすく説明していただきました。

2019年ノーベル経済学賞受賞者のエスター・デュフロ氏による「貧困に立ち向かう社会的実験」TED講演の動画を供覧いただき、社会的な実験の手法についてわかりやすい例を見せていただきました。社会学の手法と対象を例示いただき、ELSI(Ethical, Legal and Social Implications)が現在の科学研究にとって必要不可欠な視点になることも教えていただきました。

またヒトゲノム解析が容易になった現代で、遺伝学的情報に基づく差別が行われるようになったということも実例を交えて示していただきました。

生命倫理・研究倫理の歴史には科学黎明期における天然痘や華岡青洲の話、黄熱病やナチスの人体実験の話、タスキギー事件などに触れられて、特にこの部分で学生さんから衝撃を受けたという感想を多数いただきました。

最後に患者・市民参画について、これからの医学研究には必ず必要なものであるといったお話をこちらも具体例を挙げ、大変分かりやすく教えていただきました。

渡部先生、なかなか学生さんが聴く機会のないお話を頂きましてありがとうございました!今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます!!

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posted by 長尾大志 at 16:02 | Comment(0) | 日記