2024年09月30日

成人肺炎診療ガイドライン2024〈68〉院内肺炎のエンピリック治療B広域抗菌薬単剤治療

重症以上(I-ROADで2項目以下かつ肺炎重症度規定因子が該当する)、もしくは敗血症性ショックの場合、または耐性菌リスク因子が2項目以上の場合、そういう群には初期治療から耐性菌(緑膿菌、MRSA、ESBL産生腸内細菌など)をある程度カバーする必要があり、広域抗菌薬(単剤)治療を選択します。

すなわち、下記のいずれかの単剤でde-escalation単剤治療を開始します。
•タゾバクタム・ピペラシリン
•タゾバクタム・セフトロザン
•カルバペネム系薬
•第4世代セフェム系薬
•レボフロキサシン

MRSA肺炎が想定されるときには抗MRSA薬(リネゾリド、バンコマイシン、テイコプラニン)追加も考慮します。

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posted by 長尾大志 at 16:51 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説

2024年09月29日

成人肺炎診療ガイドライン2024〈67〉院内肺炎のエンピリック治療A

敗血症がなくて、I-ROADで2項目以下かつ肺炎重症度規定因子に該当しない例は軽症群と考えられ、さらに耐性菌リスク因子が1項目以下でしたら、まず狭域スペクトラムの抗菌薬を投与し、無効な場合広域に変更するescalation治療が推奨されます。

主な標的は市中肺炎と似ていて、肺炎球菌、インフルエンザ菌、口腔内の連鎖球菌、グラム陰性腸内細菌科最近、モラクセラ・カタラーリスなどです。

これらの菌に対するエンピリック治療として、下記の注射薬が推奨されています。
•ペニシリン系薬:スルバクタム・アンピシリン
•第三世代セフェム系:セフトリアキソン、またはセフォタキシム

また、ガイドラインには、βラクタム系薬へのアレルギー歴を有する場合、として下記がキノロン系で唯一推奨されていますが、その理由は明記されていません。

•ラスクフロキサシン

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posted by 長尾大志 at 17:44 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説

2024年09月28日

成人肺炎診療ガイドライン2024〈66〉院内肺炎のエンピリック治療@

こちらも重症度、そして耐性菌リスクによって抗菌薬を選択します。重症度の評価はI-ROADで行います。

I-ROAD
I:Immunodeficiency(悪性腫瘍、または免疫不全状態)
R:Respiration(呼吸) ‌SpO2>90%を維持するためにFiO2>35%を要する。
O:Orientation(意識障害)
A:Age(年齢)
D:Dehydration(脱水または乏尿)

A-DROPとI-ROADは、ほとんど同じ項目なのに「全く違うものですよ」みたいな顔をしているところが、ちょっと個人的には気に食わないところです。A-DROPは入院させるかどうかを決めるのにも使うわけですが、院内肺炎の場合、入院させるもクソもない(もともと入院している)わけですから、A-DROPを使わなくていいよね、もともとの免疫状態で予後を占いましょうね、と理解しておきましょう。

I-ROADでは、重症度を決める項目がA-DROPと微妙に異なる点が面倒ですが、これは予後予測因子が市中肺炎か院内肺炎かで異なるために、仕方のないところです。

市中肺炎と院内肺炎で共通するところを見てみると、年齢、脱水(乏尿、血圧低下)、意識障害、呼吸状態(酸素化)が肺炎の予後を決める、ということは間違いがなさそうです。救急室ではこれらの項目をササッと評価できるようになっておきたいですね。

院内肺炎ではI-ROADに加えて、肺炎重症度規定因子として下記の項目を使い、重症度判定を行います。
・CRP≧20mg/dL
・胸部X線写真で陰影の広がりが一側肺の2/3以上

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posted by 長尾大志 at 19:16 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説

2024年09月27日

成人肺炎診療ガイドライン2024〈65〉医療・介護関連肺炎のエンピリック治療・入院治療(重症、耐性菌リスク大) 〜広域抗菌薬治療(de-escalation治療)

敗血症がある、またはA-DROPが3項目以上(重症度が高い)、もしくは耐性菌リスク因子が3項目以上の症例が当てはまります。そういう群には初期治療から耐性菌(緑膿菌、ESBL産生腸内細菌、MRSAなど)をある程度カバーする必要があります。

すなわち、下記のいずれかの抗緑膿菌活性のある注射薬で治療を開始します。

C法
•タゾバクタム・ピペラシリン
•第4世代セフェム系薬
 (セフタジジム、セフェピム、セフォゾプラン、セフピロム)
•カルバペネム系薬
 (メロペネム、ドリペネム、ビアペネム、イミペネム・シラスタチン)
•タゾバクタム・セフトロザン

D法
施設のアンチバイオグラムによって、C法に
アミノグリコシド系薬(アミカシン、トブラマイシン、ゲンタマイシン)または
ニューキノロン系薬(シプロフロキサシン、パズフロキサシン、レボフロキサシン)
を加えることも検討します。

また、重症例、MRSA肺炎が想定されるときにはC法またはD法に
抗MRSA薬(リネゾリド、バンコマイシン、テイコプラニン)
追加も考慮、となっています。ここの判断はしばしば難しいところです。

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posted by 長尾大志 at 07:48 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説

2024年09月25日

成人肺炎診療ガイドライン2024〈64〉医療・介護関連肺炎のエンピリック治療・入院治療(非重症、耐性菌リスク少)狭域抗菌薬治療

外来診療は身体の状態や社会状況から難しい、しかし重症というほどでもない、もしくは耐性菌リスクが少ない症例では、狭域抗菌薬による治療を選択します。

A法
•スルバクタム・アンピシリン
または
•セフトリアキソン、またはセフォタキシム
±マクロライド系薬(クラリスロマイシンまたはアジスロマイシン)

B法
ラスクフロキサシン
なぜかここではキノロン系として唯一記載がありますが、その理由については明記されていません。何らかの(大人の)事情があるのでしょうか……

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posted by 長尾大志 at 16:25 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説

2024年09月24日

成人肺炎診療ガイドライン2024〈63〉医療・介護関連肺炎のエンピリック治療

院内肺炎/医療・介護関連肺炎でも、喀痰グラム染色の重要性は変わりませんし、むしろ市中肺炎よりも重要かもしれません。

しかし、ADL低下が見られたり、誤嚥があったりする症例ほど、痰の喀出ができない、脱水で痰がない、侵襲的検査が難しいなどの理由で、エンピリック治療の出番が多くなってくる現実があります。しっかりとエンピリック治療の考え方を学びましょう。


軽症〜中等症右向き三角1外来治療

医療・介護関連肺炎の場合、敗血症がなくて、A-DROPが2項目以下(重症度が高くない)の症例が当てはまります。外来治療が可能な場合は、内服薬で細菌性と非定型肺炎の両者をカバーできるような選択をします。ということですが、NHCAPで非定型のカバーが必要かどうかは議論のあるところかもしれません。

•βラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン系薬(アモキシシリン・クラブラン酸)±マクロライド系薬(クラリスロマイシンまたはアジスロマイシン)
•レスピラトリーキノロン(ラスクフロキサシン、ガレノキサシン、モキシフロキサシン、シタフロキサシン)単剤

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posted by 長尾大志 at 07:54 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説

2024年09月23日

成人肺炎診療ガイドライン2024〈62〉医療・介護関連肺炎/院内肺炎の用語|de-escalation治療

escalationの逆、すなわち「(段階的)縮小」という意味です。最初に広域抗菌薬から開始して、段階的に狭域抗菌薬に替えていくやり方をいいます。

肺炎で、敗血症があるとか重症度が高いという場合、または耐性菌のリスクが高い場合には、グラム陰性桿菌、緑膿菌あたりまでカバーする広域の薬剤で初期治療を開始します。それで全身状態の改善を確認した上で、培養が判明した後に、可能であればより狭域の薬剤への変更を考慮します。

重症であれば、初期治療の効果がなければそのまま命に関わる恐れがあります。そして耐性菌であれば、最初から広域でないと効かない可能性が高い。そういう状況ではde-escalation治療が選択されます。

医療・介護関連肺炎では、A-DROPで重症以上、または敗血症性ショックで入院治療とし、さらに重症の場合〇ページで示した耐性菌のリスク因子1個以上で広域抗菌薬治療(de-escalation治療)、重症でない場合も耐性菌リスク因子が3個以上であれば広域抗菌薬治療を選択します。

院内肺炎の場合、I-ROADで重症又は敗血症性ショックで広域抗菌薬治療(de-escalation治療)、重症でなくても耐性菌リスク因子が2項目以上で広域抗菌薬治療とします。

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posted by 長尾大志 at 18:51 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説

2024年09月22日

まもなく!ケアネットまつり出演です!!『Dr.長尾のナースのための胸部X線クイズ』『Dr.長尾の胸部X線クイズ おまつりVer.』

https://live.carenet.com/detail/view/323

私の出番は
13:50〜『Dr.長尾のナースのための胸部X線クイズ』
16:05〜『Dr.長尾の胸部X線クイズ おまつりVer.』

です!今日だけ!どうぞご覧ください〜

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posted by 長尾大志 at 13:11 | Comment(0) | 活動報告

2024年09月21日

【民間医局コネクトセミナー】上半期アーカイブ10選に選ばれました!!

本日も立て込んでおりますので、お知らせのみ。

4月に配信された【民間医局コネクトセミナー】胸部X線写真読影のやつが、このたび上半期アーカイブ10選に選ばれました!

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【民間医局コネクトセミナー】上半期アーカイブ10選
https://connect.doctor-agent.com/article/archive202401/

10月31日まで、期間限定で公開されているそうですので、見逃した方、もう一度ご覧になりたい方は是非アクセスしてみてください!!

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posted by 長尾大志 at 17:35 | Comment(0) | 活動報告

2024年09月20日

CareNeTVナースさん、配信スタートしました!!

いつもお世話になっております、CareNeTVさんがいよいよ満を持して看護師さん向けコンテンツを配信されます!

で、不肖私はいつものように?胸部X線写真読影についてお話しさせていただきました。

ナースのための胸部X線の読み方(全4回)
https://nurse.carenet.com/series/1#live4

看護師の方はなかなか胸部X線写真読影について体系的に学ぶ機会はないんじゃないかと思います。それでいて、胸部X線写真をご覧になる機会は多い。ということでセミナーとかをやるといつもたくさんご参加いただき、たくさんご質問を頂きます。

皆様が疑問に思われやすいところ、わかりにくいところをしっかりと解説させていただきます!どうぞご覧ください〜


あ、あと、週末の「ケアネットまつり」にも出演させていただきます!こちらも看護師さん向けクイズコーナー、それに研修医の先生方向けコーナーに出演です〜是非上の「読み方」動画をご覧いただいてからご覧ください!!

ケアネットまつり
https://carenetv.carenet.com/mailimages/lp/fes/top/info.html

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posted by 長尾大志 at 11:44 | Comment(0) | 活動報告

2024年09月19日

波佐診療所〜あさひ診療所訪問記

今年度、なかなかサイトビジットにいけておりませんでしたが、このたび浜田市国保診療所連合体への訪問が叶いまして、地域医療・総合診療臨床実習見学記としてお送り致します。

1箇所目は波佐(はざ)診療所でした。看板に浜田市国民健康保険波佐診療所とありましたが、ナビでは浜田市役所波佐診療所ということになっていて、職員の方も市役所の職員さんということになるそうです。

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波佐診療所に加えて弥栄診療所とあさひ診療所、そして大麻診療所が浜田市国保診療所連合体としてグループで活動されていて、浜田医療センター総合診療科と併せて地域の医療を支えて頂いております。このたびは所長の佐藤優子先生にお話を伺いました。

浜田市国保診療所連合体とは
https://www.city.hamada.shimane.jp/www/contents/1394419762022/index.html

佐藤優子先生の紹介記事はこちら
https://shimanegp.com/527/

波佐まちづくりセンター/ときわ会館(波佐公民館)いう建物の一角に作られていて、こちらにできたのが平成5年だそうです。周囲は山の中ですが、診療所自体は少し開けた場所にあり、小学校、JA、スーパー、ガソリンスタンドなどが集まっています。浜田の中心部からは車で40分程度のところになります。

沿革はこちら
https://www.city.hamada.shimane.jp/www/contents/1394092461928/index.html

波佐診療所の医療圏として、波佐地区の人口が394人、小国地区の人口が152人、合計で600人弱の人口となり、おおよそ患者さんはこの圏内から来られているということですが、だいたい年間20人前後の減少があるということです。この近くにはデイサービスが13kmぐらい離れたところにしかなく、また訪問看護ステーションも浜田中心部近くにあるだけで離れているために、何か健康上の問題があるとまず診療所に住民の方が連絡をしてこられます。金城町にも開業医の先生がおられるのですが、80歳代のご兄弟でされていて、新規の患者さんはおおよそ波佐診療所の方に来られているようです。通常はドクター1名と事務の方、そして看護師さんがおられます。地域の健康問題のほぼ全てを診療所が把握しているという状況、まさに地域医療のお手本のようです。

診療所の中を拝見しました。メイン医師が診察される診察室とメイン診察室の隣にサブの診察室があり、学生さんや研修医の先生はそこで独立して時間をかけて患者さんの問診をとったりお話をしたりできます。学生実習の場合、多くは午前中で2人の患者さんの病歴聴取や診察をするというパターンになっていて、時間的な余裕はあるということです。近所に門前薬局がなく、1箇所ある院外薬局は車で10分〜15分程度の場所にあるということですが近くにはないので、多くの患者さんの処方を院内処方にされていて、3人おられる看護師さんがローテーションを組んで1人が専属で処方担当をされています。院外薬局は配達もしてもらえるということです。

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所内でできる検査は血糖、CRP、血ガス、検尿、そしてX線写真あたりで、他の項目については外注となって 翌日には結果が出るそうです。また胃カメラも設置されており、現在も月1回、10月からは月に2回胃カメラの日を設けることができるということでした。また発熱外来の部屋もきちんとオープンスペース+空気清浄機があり、こちらは施設の一部を改築して造られたものです。

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優子先生が小6の時に医療に関する授業をされた浜田市の生徒さんが地域枠で島根大学に入学をされ、現在3年生となって地域医療支援学講座の基礎配属によって今こちらに来られている、ようやく蒔いた種が芽を出しているというお話も伺いました。また、院内の手作りの掲示に、患者さんへの情報提供を熱心にされていることが伺えました。

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続いて伺ったのはあさひ診療所です。あさひ診療所もやはり山間部にありますが、もう少し広い面積の市街感がありました。医療圏としては人口2,000人程度、小児の受診もちょくちょくあるとのことでした。診察室は数部屋あって、看護師3名、事務の方2名がでておられました。

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浜田市国保診療所連合体の元々のコンセプトが、医療と行政の融合?タイアップ?ということで市役所に出向かれることもよくあったそうでしたが、最近は医業の多忙もありなかなか訪問できていないそうです。10月から後期研修医の先生が来られるとのこと、いろいろな意味で活動の幅が広がることが期待されていました。
近隣の飲食店であるドライブイン高雄さんはご飯切れとのことで訪問叶わず、松風堂さんのケーキを美味しくいただきました。

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予め上のウェブサイトや各種講演で情報を拝見しておりましたが、やはり見て聴いてはじめてわかることも多く、空気感や距離感などを実感できたことも理解につながりました。改めて浜田市国保診療所連合体として提供いただいている実習、研修の実際がよくわかり、学生さんや研修医の先生方にもしっかりと推薦できるということを確認致しました!

このたびお話頂きました佐藤優子先生、邉田先生、坂口先生、診療所スタッフの皆様、お邪魔いたしました・本当にありがとうございました!!

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posted by 長尾大志 at 21:04 | Comment(0) | 島根大学医学部・臨床実習

2024年09月18日

成人肺炎診療ガイドライン2024〈61〉医療・介護関連肺炎/院内肺炎の用語|escalation治療

escalationとは、「(段階的)拡大」という意味です。抗菌薬治療においては、まず狭域抗菌薬から開始して、段階的に広域抗菌薬に替えていくやり方をいいます。

肺炎で、敗血症がなくて重症度も低い場合には、原因菌はグラム陽性球菌を中心に、せいぜいH. influenzaeあたりを想定して、まずは狭域の薬剤を使用します。それで全身状態の改善があればよし、改善が見られない場合は、必要に応じて広域の薬剤への変更を考慮します。

要はおおよそ市中肺炎と同じようなノリの薬剤を使うことになりますが、非定型肺炎をどの程度勘案するかはガイドライン上あまり強調されていません。

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posted by 長尾大志 at 08:20 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説

2024年09月17日

成人肺炎診療ガイドライン2024〈60〉医療・介護関連肺炎の原因となる主な耐性菌 ・MRSA

MRSAはもともとは表皮に住んでいる菌で、一度生み出されるとヒトの表皮に常在します。医療従事者の手指から手指へと伝わっていき、音もなく過ごしているわけです。そして、宿主の免疫力が低下、あるいは周囲の競合する菌が絶滅したときに、はびこってくるのです。

そういうわけで、院内で感染する菌として、重要な意味を持つわけです。使用される抗菌薬もある意味、特別な薬(しかも高い)ですから、MRSAが原因微生物であるかどうかの見極めは、大変重要であると言えます。

*痰からMRSAが出た=MRSA肺炎とはいえない
MRSAは、耐性菌でもありますが、その前にブドウ球菌であります。ブドウ球菌による感染症は、組織障害性が特徴です。肺であれば、普通の肺炎ではなく、肺膿瘍や膿胸といった「肺が破壊される病態」を呈することが多いわけです。

ですから、「痰からMRSAが出ている普通の肺炎は、保菌しているだけなのではないか」「検出されたMRSAが原因微生物として明らかな意味があるのは、空洞や壊死を伴う膿瘍様病変からMSSAやMRSAが分離されたときである」と考えられるのです。

この考え方に沿うと、「痰からMRSA」ですぐに抗MRSA薬… ではなく、少なくとも貪食像があるかどうかを確認するとともに、臨床像はどうなのかに思いを巡らせたいところです。もちろん臨床の現場で、重症患者さんのMRSA感染症を否定するのはなかなか勇気がいることですが……。

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posted by 長尾大志 at 07:52 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説

2024年09月16日

成人肺炎診療ガイドライン2024〈59〉医療・介護関連肺炎の原因となる主な耐性菌 ・緑膿菌

肺炎におけるAMR問題の主役、多剤耐性緑膿菌。いかに「適切に」緑膿菌に対する治療を行うか、ということが抗菌薬治療のカギといっても過言ではありません。

緑膿菌に対する「適切な」治療の基本戦略は、

•緑膿菌が原因微生物であることを確実に診断する
•強力な抗菌薬を適切に使用し、確実に治癒を目指す
•中途半端な治療、不適切な治療で耐性がつくことを防ぐ
•緑膿菌が原因でない感染症に対しては、抗緑膿菌抗菌薬を使わない

特に最後の項目がかなり大事です。なぜか。抗緑膿菌作用のある抗菌薬といえば、カルバペネム系、アミノグリコシド系、ニューキノロン系が中心ですが、これらより新しい系統の抗菌薬は、開発すらされにくい現状があります。これらは人類に残された「最終兵器」、これらの薬剤が無効になれば人類滅亡の危機につながる、そういう危機感を持って抗菌薬を使っていきたいものです。

そのためには、使おうとしている抗菌薬が「緑膿菌に効くものかどうか」を知っておき、少なくとも、緑膿菌感染の可能性が低いと考えられる患者さんに「緑膿菌に効いてしまう」抗菌薬を投与しない、という見識を求めたいと思います。

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posted by 長尾大志 at 18:36 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説

2024年09月14日

2024年09月13日

益田赤十字病院へ

定例の西部行脚、2日目は益田赤十字病院へ。

しっかり野菜中心のヘルシー朝ご飯を食べて出かけます!

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posted by 長尾大志 at 15:20 | Comment(0) | 日記

2024年09月12日

津和野共存病院へ

今日から定例の西部行脚です。

まずは津和野共存病院へ。

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いつもありがとうございます!ごちそうさまでした!!

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posted by 長尾大志 at 16:06 | Comment(0) | 日記

2024年09月11日

レジデントのためのやさしイイ胸部画像教室第2版 増刷となりました!!

会議と会議の間、バタバタしておりましたら……

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お届け物が!

いつもの「ワタナベ流通」さんでございます。ということは!!

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ありがとうございます!レジデントのためのやさしイイ胸部画像教室第2版、7刷となりました!
ご購入いただいた皆様、関係各位に深く感謝申し上げます。これからも皆様のお役に立てるよう努力して参りますので、引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます!!

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posted by 長尾大志 at 17:58 | Comment(0) | 日記

2024年09月10日

島根県看護協会「明日から活用できる呼吸ケア〜人工呼吸器管理の看護〜」

昨日は標記の会で、呼吸器に興味のある県下の看護師さんに「呼吸生理の基本」と「呼吸器フィジカル」「胸部画像」のみかたについてお話をさせて頂きました。

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看護師さん向け生セミナーはアフターコロナになって初めてで、ようやく「戻ってきた」感がありますね。

参加されていたのが1年目から30年目までの方で、所属施設も急性期病院から訪問看護ステーションまで多彩多様で、対象をどうしたものか?とも思いましたが、「呼吸の基礎をしっかり理解していただければ、人工呼吸器の取り扱いに関する理解はしやすいはず」との思いでやはり呼吸生理の基礎から始めよう!と考えてそんな感じでお送りしました。感想を拝見するとその方向性で概ね問題なかったようで、安堵いたしました。

頂いた感想を引用させていただきます。これも久しぶりですね。
(感想ここから)
・スライドも見やすく、先生の話しも面白くて聞き入りました。講義の参考にさせて頂きます。
・楽しみながら学べました。ありがとうございました。
・難しくて苦手意識のある病態生理をわかりやすく解説していただき、理解できました。現場で応用して考えてみると、より深まると思います。頑張ってみます。ありがとうございました。
・分かりやすい例えを交えての講義は、とてもわかりやすかったです。
・呼吸器ケアは苦手分野なのですがとても細かくわかりやすい講義でよかったです
・10年近くブランクがあるのでとても貴重な研修でした。学び直すことができて良かったです。今後に活かします。ありがとうございました。
・肺の解剖生理から疾患、病態まで分かりやすく学ぶことが出来た。やはり呼吸数は重要である事が改めて実感出来たので呼吸数の変化等に注目しながらみていきたい。
・図や音声を使用していてとても分かりやすかったです。また、例えて説明しておられたので分かりやすかったです。
・換気のメカニズムの説明が非常に分かりやすかった。
・呼吸音が何故そう聞こえるようになるのか、分かりやすかったです。
・臨床に活かせる内容で分かりやすかったです。ぜひ学んだことを実際の患者さんに活かしていきたいです。ありがとうございました。
・色々な疾患を分かりやすい例を出して教えて下さったので、頭の中で今まで区別できてなかった所がよく理解できました。ありがとうございました。
・フレッシュではないくらい経験年数はいってるんですが、何度勉強してもガス交換の辺りの話は苦手なんですがわかりやすく説明していただき勉強になりました。今後参考書なんかも参考にさせてもらいたいと考えています。
・例えを交えながらの講義で聞きやすかったです。実際の肺音も聞かせて頂いて良かったです。
・今まで肺の生理は本当に苦手だったのですが、現場では肺疾患に出会うことが多く少しでも克服したいと思っていました。長尾先生の講義は今までで1番分かりやすく、初めて「面白い」と感じました。貴重なご講義をありがとうございました。
・呼吸器は苦手としていたので低酸素血症の原因はなんとなくでしか理解出来ていませんでしたが、先生の講義を受けてとても分かりやすい図と説明で病態を理解しながら病気と結びつけることが出来、呼吸器への苦手意識が少し薄れました。ありがとうございました。
・今回の講義で呼吸器の解剖生理、病態についての理解が深まりました。特に低酸素血症について、自己学習では原因を理解する事が出来ていなかったのでとても勉強になりました。本日はありがとうございました。
(感想ここまで)

感想を頂いたときにPDFファイルをお送りします、といつもの調子でやっていたら、頂いたアドレスが携帯アドレスだったりして送れていない方がおられました。もしこちらをご覧の方がおられましたら、ご連絡いただけましたら改めてお送りいたしますのでよろしくお願いいたします。

島根県看護協会の皆様、ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました!今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます!!

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posted by 長尾大志 at 12:12 | Comment(0) | 活動報告

2024年09月09日

日経メディカル 長尾大志の「わかりやすイイ 胸部X線写真読影 アドバンス」第12回公開されました〜

日経メディカルさんで連載中の「長尾大志の『わかりやすイイ 胸部X線写真読影 アドバンス』」、第12回が公開されました!

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/tnagaoadvance/202409/585604.html

前回記事は忘却の彼方……ずいぶん間があき、難航しましたが、カナダ往復の機内でゾーンに入り?今回は新たなテーマで!なんとか執筆することができました。ただし保存ミスで一度原稿が消失し茫然自失となったというドラマもあった次第で、数多くの困難を乗り越えた記事として(笑)、味わっていただけましたら幸いでございます……。

動画リンクも記事内にございますので、よろしければご覧いただければと思います。

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posted by 長尾大志 at 18:01 | Comment(3) | 活動報告