2024年11月30日

島根大学総合診療・地域医療実習第1クール発表会・アワード受賞プレゼン・松江生協病院

……とまあ最近の総合診療・地域医療実習アワード受賞者の方をご紹介しておりましたら、1クール(もう1年近く前)の受賞者であるIさんから、「自分のプレゼンも公開してよいです」と許可を頂きましたので、こちらでご紹介します。以前の方々は「限定公開」の許可しかもらっておりませんでしたもので。

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島根大学で4〜5年生全員に行っている総合診療・地域医療実習。帰ってきた学生さんが、充実の実習について生き生きと教えてくださいます。

https://youtu.be/KzRuiZGZraE

本プレゼンでは松江生協病院の紹介から始まり、最初に決めた実習の目標とそれに沿って実際の実習がどのように行われていったかを具体的な症例も絡めてお話しされました。また教科書に載っていない現場での学び、生協病院ならではの班会の様子などなど、地域でないと学べないことをたくさん紹介いただいています。是非ご覧ください!

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posted by 長尾大志 at 16:02 | Comment(0) | 島根大学医学部・臨床実習

2024年11月29日

島根大学総合診療・地域医療実習第9クール発表会・アワード受賞プレゼン・津和野共存病院

総合診療・地域医療実習第9クール、アワード受賞者Sさんのプレゼンを一般公開させていただきます!

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島根大学で4〜5年生全員に行っている総合診療・地域医療実習。帰ってきた学生さんが、充実の実習について生き生きと教えてくださいます。地域での素晴らしい学びについて、是非ご覧ください!

https://youtu.be/-vAwDlIesGE

本プレゼンでは津和野町についてと津和野共存病院の沿革、それから地域包括ケアについての紹介から外来・病棟診療「以外」での医師の働き方として、巡回診療・訪問診療・健康講話に同行されて気づいたこと、多職種(特にMSWさん、PTさん、看護師さん他)の方々とのやり取りを通して学ばれたこと、地域のイベントに参加されたこと、それにグルメや観光などをご紹介いただき、4週間フル稼働で津和野の魅力を堪能された様子が伝わってきますね。お疲れさまでした!

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posted by 長尾大志 at 12:47 | Comment(0) | 島根大学医学部・臨床実習

2024年11月28日

島根大学総合診療・地域医療実習第9クール発表会・アワード受賞プレゼン・隠岐病院

総合診療・地域医療実習第9クール、アワード受賞者Iさんのプレゼンを一般公開させていただきます!

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島根大学で4〜5年生全員に行っている総合診療・地域医療実習。帰ってきた学生さんが、充実の実習について生き生きと教えてくださいます。地域での素晴らしい学びについて、是非ご覧ください!

https://youtu.be/u1Gu2SImoco

本プレゼンでは、隠岐の島町の紹介から、隠岐病院の沿革・特徴、そして最初に立てた実習の目標、実習の内容を地域包括ケアの観点から振り返ります。診療所実習で実践したこと・学んだこと、隠岐での介護問題〜高齢者サロンやご自宅訪問、ACP講演会や空港救難訓練への参加、地域の方々との交流〜隠岐の島町の伝統文化に触れたり、などなど盛りだくさんの発表でした。

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posted by 長尾大志 at 08:22 | Comment(0) | 島根大学医学部・臨床実習

2024年11月27日

島根大学総合診療・地域医療実習第9クール発表会・アワード受賞プレゼン・飯南病院

総合診療・地域医療実習第9クール、アワード受賞者Oさんのプレゼンを一般公開させていただきます!

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島根大学で4〜5年生全員に行っている総合診療・地域医療実習。帰ってきた学生さんが、充実の実習について生き生きと教えてくださいます。地域での素晴らしい学びについて、是非ご覧ください!

https://youtu.be/YX3ImrvdV8I

本プレゼンでは、飯南病院の概要、病院の特徴(スゴく良かったところ)と実習の特徴(スゴく良かったところ)、4週間でやったこと、学んだことを時系列に紹介され、職員さんや地域の方との関わりもわかりやすく紹介して頂きました。またとっても見やすく楽しいスライドで、飯南病院で実習がしたくなりましたね〜。

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posted by 長尾大志 at 21:57 | Comment(0) | 島根大学医学部・臨床実習

2024年11月26日

島根大学総合診療・地域医療実習第10クール発表会・アワード受賞プレゼン・加藤病院

総合診療・地域医療実習第10クールのアワード受賞者、Hさんのプレゼンを一般公開させていただきます!

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島根大学で4〜5年生全員に行っている総合診療・地域医療実習。帰ってきた学生さんが、充実の実習について生き生きと教えてくださいます。

https://youtu.be/XpMy3GpCopg

本プレゼンでは、加藤病院の沿革、地域の状況に始まり、地域での役割とそこで実際に体験し学ばれたことを具体的に紹介いただき、病院の今後の課題についても考察され、この実習で多くのことを学ばれたことがわかります。
地域での素晴らしい学びについて、是非ご覧ください!

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posted by 長尾大志 at 17:42 | Comment(0) | 島根大学医学部・臨床実習

2024年11月25日

シン・COPD14 喘息との鑑別、合併(ACOを添えて)

COPDと喘息を鑑別する、言うは易く行うは難し。まあ、典型例はいいんです典型例は。

典型的な喘息の特徴
慢性の咳や喘鳴が比較的若い頃から繰り返す
変動性・気道過敏性がある
気道可逆性試験(β2刺激薬やICS/LABAの吸入で改善するかどうか)に反応する

典型的なCOPDの特徴
重喫煙者・持続的進行性・LAMA
高齢の重喫煙者
やせ型・やせが進行
徐々に増悪する慢性の咳、痰、労作時呼吸困難

これら典型的な特徴があれば、診断に迷うことはそれほど多くないのですが、慢性でリモデリングバリバリの喘息(変動性が目立たなくなる)と、気道過敏性のあるCOPDはしばしば鑑別困難です。というか、しばしば喘息とCOPDは合併するのでその場合、鑑別は無理です。ではどうするか。

実際問題、急性期治療はどちらも似ているので、SABA+全身ステロイド+感染徴候(喀痰の膿性化とCRP≧4mg/dL)あれば抗菌薬……で多くの場合は対応可能です。問題になるのは安定期治療をどうするかです。

といっても、喘息/COPDの主な治療薬はICS・LABA・LAMA。この使い分けで重要なのは「喘息のある症例に、ICSなしでLABAを使ってしまうと明らかに悪化するため、少なくとも喘息の要素があればICSを使うべき」ということです。

そこで、喘息の要素があるCOPD=喘息とCOPDのオーバーラップ(Asthma and COPD Overlap:ACO)をしっかり診断する、という目的で『ACO診断と治療の手引き』が作られた、と解釈していますが、あながち外れてはいないでしょう。

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posted by 長尾大志 at 18:29 | Comment(0) | COPDポイントレクチャー

2024年11月24日

病院長バンド(仮)MTG

西部出張の前になりますが、標記のMTGがありまして。

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「山頭火」さんに伺いました〜。

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特に岩ガキ、美味しかったです〜〜。

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ということで、来年に向けて、いろいろ決まりました!乞うご期待!!

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posted by 長尾大志 at 23:48 | Comment(0) | 日記

2024年11月23日

県西部行脚

この週末は県西部行脚しております。

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津和野共存病院では、初めてカレーを頂きましたがとっても美味しかったです!

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こちらもいつもありがとうございます!

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いつもご心配をおかけしますが、このようなヘルシー朝ご飯も食べておりますのでご安心ください!

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「もりたに」さん。

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「まる姫食堂」さん。

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「やすまさ」さん。

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「群言堂」さん。どうもごちそうさまでした〜〜〜!

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posted by 長尾大志 at 17:14 | Comment(0) | 日記

2024年11月22日

モンブラン・補遺2

昨日から西部に来ております。こちらのレポートは明日以降としまして、本日は、先日来知見を深めております「モンブラン」の追加体験をいたしましたのでレポートさせていただきます。

今回は松江のお仕事で訪問した際に、島根には松江にしかないCOCO'Sのマロンフェア、イタリア栗のモンブランパフェ 〜ティラミス風〜を食べて参りました。

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中がアイスなのでペーストは栗感がちょっとわかりません。栗の小つぶがペースト所々に入っているので、トータルでは栗感はしっかりあります。その下はガトーショコラとクッキー、それにアイスクリームがあって、さらに下には牛乳ゼリーと1番下がコーヒーゼリーで、ティラミス風というのはその辺から来てるのかと思われます。

結構掘り進めていって、成分が混ざってくるとハーモニーがいい感じになってきます。食べ進めるところをよく考えられていると思います。下の層にはナッツもあって、上から落ちてきたクリーム成分と混ざり合っていい感じ。

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最初から上のペーストとりわけ用?のお皿が用意されていて、このように分けて横に置いておくのがとても良い感じで食べ進められました。最後まで楽しめましたね。

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posted by 長尾大志 at 17:52 | Comment(0) | 日記

2024年11月21日

シン・COPD13 COPDの診断と評価

まずは正しい診断

COPDはほとんどの場合、病歴から目星がつきます。COPDの原因は主にタバコ煙ですから、現在日本においてはCOPDを疑う病歴として、喫煙歴が極めて重要です。臨床現場ではひとまず「喫煙歴があればCOPDの可能性を考慮する」「喫煙歴のある40歳以上の成人で、労作時の呼吸困難・息切れや慢性の咳痰がある場合にはCOPDを積極的に疑うべきである」という態度で間違いありません。高齢の喫煙者で、徐々に進行する労作時呼吸困難、咳、痰があれば、ほぼ当たりです。

身体所見では、ビア樽状胸郭、呼吸数増加と口すぼめ呼吸、呼吸音減弱。さらに重症の指標である、気管短縮、胸鎖乳突筋の発達、吸気時の鎖骨上窩陥凹、吸気時の頚静脈虚脱があれば、間違いないでしょう。これらの所見はなくても否定はできませんが、あればCOPD(しかも重症)の存在を強く示唆します。

スパイロメトリーで1秒率<70%と閉塞性障害を認め、胸部X線写真で過膨張所見(横隔膜平低化、滴状心)を確認します。定義上は、肺機能で閉塞性障害を確認し他疾患の除外を行ったら診断確定です。他疾患とはどんな疾患でしょう。

・気管支喘息
・びまん性汎細気管支炎・副鼻腔気管支症候群・気管支拡張症
・閉塞性細気管支炎(bronchiolitis obliterans:BO)
・リンパ脈管筋腫症(lymphangioleiomyomatosis:LAM)
・じん肺症
・肺結核

これらのうち、多くの疾患は胸部X線写真で所見を認めるため、正しく読影すれば除外可能です。胸部X線写真で確認できないものとして、BOとLAMがありますが、これらは病歴やCT所見で確認可能です。ということで、最後に「鑑別すべきもの」として残るのが気管支喘息ということになります。

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posted by 長尾大志 at 22:03 | Comment(0) | COPDポイントレクチャー

2024年11月19日

シン・COPD12 COPD患者さんの身体所見があんな感じになる理由

COPD(肺気腫)の本質は、肺胞の破壊。それによって(細)気管支の支えが失われた結果、吸った空気がなかなか出て行けなくなります。結果、肺の中に空気がたまり、肺がだんだん伸びて(膨張して)きます。

肺が膨張(過膨張)することで、独特の身体所見が見られるようになります。有名なところでは、樽状胸郭、濁音界低下、滴状心、気管短縮、呼吸音減弱、口すぼめ呼吸などがありますが、そうなる理由はご存じでしょうか? 理由を理解することで、これらの変化がスンナリと頭の中に入ってきますよ。

・(ビア)樽状胸郭
COPDでは呼気時に気道抵抗がかかって、なかなか空気が出て行かないために、胸郭は頑張って肺を圧します。ところが肺はなかなか縮まないので、胸郭との間で押し合いになるわけです。その場合、胸郭の一部に重点的に圧力がかかるのではなく、全体的に均等に圧がかかって外向きに圧されます。

均等に圧力がかかって膨らむと、胸郭は上から見たときに円形に近づきます。結果、前後径と左右径が等しくなって、樽のような形になるのです。

・打診で濁音界低下、滴状心、心尖拍動が心窩部に移動、頚部気管の短縮、
過膨張になると肺が下方向にも伸びて、横隔膜を押し下げます。その結果、濁音界は低下します。また、横隔膜が下がると、そこに乗っかっている心臓は立ってきて、水滴のように左右対称に見えます(滴状心)。心臓が立ってくると、心尖部は内側・下側に移動し、心尖拍動が心窩部で触れるようになります。COPD患者さんにはやせ形の方が多いため、心尖拍動は容易に触れることができる、というか、肉眼でも観察できるようになるのです。

また肺が下の方に膨らんでいくときに、気管〜気管分岐部〜肺門部全体がその肺の膨らみに合わせて下に引っ張られます。そのために頚部に見えている気管の長さが短くなってくるのです(気管短縮)。

・呼吸音減弱、打診で鼓音
進行したCOPDでは肺胞が破壊され、空気の出入りそのものが少なくなります。また、気管支で発生した呼吸音が伝達する際に、肺内に空気成分が増えてくると伝達が悪くなり、胸壁で呼吸音が聞き取りにくくなります。すなわち、呼吸音が減弱します。
空気成分が増えたことで、打診でトントン叩くと中空の感じで、よく響くようになります。太鼓のような音、という意味で「鼓音」と呼びます。鼓音は健常者でも胃泡の上で叩くとよくわかりますので、ご自分で確認しておきましょう。

・口すぼめ呼吸
COPDでは肺胞が破壊され失われることで、呼気時に肺が圧されると細気管支(末梢の気道)が閉塞して、空気が出ていきにくくなります。
呼気時に口をすぼめると出口で抵抗がかかり、気道内の圧力が上昇します。太い中枢の気道から細い末梢気道内まで、ずっと圧力が上昇しますから、細気管支の閉塞(虚脱)が少しは軽減されることになるのです。

COPD患者さんは経験的にこうやると息を吐きやすくなることを実感していて、特に教わらなくてもやっておられることが多いのです。

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posted by 長尾大志 at 16:21 | Comment(0) | COPDポイントレクチャー

2024年11月18日

シン・COPD11 1秒率(FEV1%)と%1秒量(%FEV1)は別物

昨日は安静換気で測定する肺機能検査について述べました。ここでは、「思いっきり強く吹いたときの=努力性」肺機能検査について述べます。これは、息をいっぱいに吸い込んだ最大吸気位から、できるだけ早く最大呼気位まで息を吐ききる努力をしたとき(強制呼気時)の値です。

・努力肺活量(forced vital capacity:FVC):息をいっぱいに吸い込んだときから、できるだけ早く息を吐ききる努力をしたときの、最大吸気位と最大呼気位の差を努力肺活量といいます。
普通の肺活量(VC)との違いは、息の吐き方の違いです。ゆっくり目に吐くか、できるだけ早く、勢いよく吐くか。出入りできる空気の量は、吐き方が変わっても同じはずですから、普通はFVC≒VCになるはずです。
ところが、痰や狭窄などで気道が閉塞していたりして、息を吐くときに抵抗があると、できるだけ早く息を吐ききる努力をすればするほど、気道の抵抗が増して吐ける空気の量が少なくなります。つまり、FVC<VCになります。

・1秒量 (FEV1) :息をいっぱいに吸い込んだときから、できるだけ早く息を吐ききる努力をしたときに、最初の1秒間に吐き出せた空気の量を1秒量(forced expiratory volume in 1second:FEV1)といいます。
1秒量が適正な数字かどうかを判断する指標は2つあります。
@1秒量が健康な人(理想値)に比べてどうか=予測値に対する1秒量(%FEV1)
A努力肺活量に対する1秒量の割合=1秒率(FEV1%)
この2つの指標は非常に紛らわしいもので、私の感触だと学生さんの80%以上が誤解されています。

・予測値に対する1秒量(%FEV1):%VCと同じ考え方で、性・年齢・身長から求めた標準1秒量に対する測定値の割合です。1秒量が健康な人(理想値)に比べてどうかを表し、COPDの重症度を見るのに使います。たとえば、%FEV1が50%未満の場合、閉塞の度合いは重症になります。

・1秒率 (FEV1%) :努力肺活量に対する1秒量の割合、つまり、息をいっぱいに吸い込んだときから、できるだけ早く息を吐ききる努力をしたときに、最初の1秒間に何%吐けたかを表す量です。この値が70%未満の場合、閉塞性障害といいます。
つまり、1秒率はそもそも病気かどうかを評価するのに使うのに対し、予測値に対する1秒量は、(障害があるという前提で)障害の強さを表すのです。

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posted by 長尾大志 at 16:20 | Comment(0) | COPDポイントレクチャー

2024年11月17日

臨床実習入門特別プログラムの感想

少し前に担当した臨床実習入門特別プログラム、感想がMoodleから見ることができず、ひょっとして設定ミスで感想が入っていなかった!?と焦ったのですが、仕様の変更があったそうで無事にみることができました。

教壇からは寝ている人や内職をしている人が多いように見えたのですが、皆さん感想だけは辻褄を合わせてくる?的にしっかりした感想を多くいただけて良かったです。しかしざっと見ただけでは私がどんな話をしたのかわからなくてウケる。

(感想ここから引用)
・これから研修先病院を決めるにあたって、程よい指導をしてくれるところを探そうと思いました。自分からもっと教えて欲しいと聞きにいいける場面を作りたいと思いました。
・実習中は自ら進んで色々なことに挑戦してみたり、質問したりすることでより高いレベルに行けるように頑張ろうと思いました。また、話しやすい表情、態度も意識していこうと思いました。
・色々な具体例を踏まえていてとても面白かった。また、生徒の意見や質問がしやすそうで、一方向性の授業じゃなくあっという間だった。
・色々な視点でキャリアを考えるきっかけになりました。恥ずかしながら医学部のカリキュラムをこなすだけで精一杯でしたが自分を振り返らなければならない時機だと思いました。特に「やさしい」時代は避けて通れないテーマであると痛感しました。
・自主性次第で、先生から学べる機会が増えたり自身のスキルアップに繋がったりと、自分の可能性を開くことができるんだと感じた。「気に入られる」ことは少しずるいと思われるかもしれないけど、自分の将来のキャリアプランに必要であれば、悪いことではないし、戦略のひとつなんだと思えて少し安心した。
・コメントありの講義は楽しくて好きです。失礼かもしれませんが気楽に聞ける講義で面白かったです。
・指導する側がしっかりと教えることが厳しくなってきているというのはとても共感できます。自分も部活動で下級生に色々と指導することがありますが、嫌がられるのが怖くてなかなか強く言えません。うまくラーニングゾーンの範囲内に留まるような指導の方法を模索していく必要があるのかなと思いました。
・プロフェッショナルな医師について、医療知識が豊富な医師とまず考えてしまいましたが、その前提として、いくら知識が豊富でも、患者さん・その家族や一緒に働く仲間とのコミュニケーションを大切にしたり、自分が使ったものや場所の片付けなど礼儀やルールを守ったりすることができなければプロフェッショナルな医師といえないと分かりました。
・近年ではアカハラやパワハラという言葉が一人歩きしており、上の世代が指導、指摘することを忌避しているそうだ。この現状のせいで成長やスキルアップができないのは私たち下の世代だと思う。この状況を回避するためには相手にどのような印象を与えているのか、人から見て自分はどのように写っているのかを意識することが必要と感じた。
・叱られるのは嫌だという気持ちが強いが、叱られずに見捨てられているのはもっと嫌だと感じました。また、自分から先生方に質問することが大切で、自分から行動することでたくさん教えてもらえる場合があることが分かりました。1月から臨床実習が始まるので自分の知りたいことや分からないことは積極的に質問したり行動していきたいと思いました。
・アイドルの事を交えた話が面白かった。プロフェッショナルについて色々と考えさせられた。
・多様な視点からプロフェッショナリズムについて論じることで理解が深まったように思う。
・キャリア形成の概論的な話から、具体的に研修医になってからどう指導医とコミュニケーションをとり、最適な研修環境をとっていくかといったお話までお聞きすることができて、とても面白かったです。プロフェッショナリズムに関しては、周りの人から機嫌よくみられるよう演じるプロフェッショナリズムはこれから意識していきたいと思いました。
・指導の視点からの、私たちがどうするべきかということを教えていただいてとても刺激的でした。
・最初アイドルを例に例えてキャリアアップについて説明してくださり非常に面白かったです。臨床実習に出たら積極的に先生方に質問をしていこう思いました。メンターはたくさんいてもいいという言葉に納得しました。本日はありがとうございました。
(取り急ぎここまで)

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posted by 長尾大志 at 14:07 | Comment(0) | 先輩研修医・学生さんの感想

2024年11月16日

シン・COPD10 今さら人に聞けない?肺機能の項目

1回換気量(tidal volume:TV):「換気量」とは、呼吸によって肺に出入りする空気の量です。1回の呼吸で肺に出入りする空気の量を1回換気量といいます。健康な人のおおよそのTVは、体重1 kgあたり10mL。体重60kgの人なら600mLになります。

1回換気量 (TV) = 体重 (kg) ×10 (単位:mL)

分時換気量 (minute volume:MV) :1分間に肺に出入りする空気の量のことを分時換気量といいます。単純な掛け算で求められます。

分時換気量(MV)=1回換気量(TV)×呼吸回数(1分間に12〜20回)

体重60  kgの人なら、600 ×12〜20=7200〜12000 mLとなります。一般的に「換気量」といいますと、MVのことを指します。

肺機能検査で測定する項目(ゆっくりと息を吸って吐く、安静換気肺機能検査)

最大吸気位:息をいっぱいに吸ったところの位置。

最大呼気位:息を限界まで吐いたところの位置。いうまでもないことですが、限界まで吐いても、肺の中には少し空気は残っています。ゼロにはなりません。

全肺気量(total lung capacity:TLC):最大吸気位で、肺の中に存在するすべての空気量を全肺気量といいます。肺の大きさを表します。

肺活量(vital capacity:VC):最大吸気位と最大呼気位の差を肺活量といいます。これは、肺の中に実際に出入りできる空気の量を表しますので、肺の伸び縮みがきちんとできているかがわかります。

予測値に対する肺活量(%肺活量:%VC):性・年齢・身長から求めた標準予測値VCに対する測定値の割合。80%未満は拘束性障害といい、肺が伸びる、あるいは縮むことができなくなっている状態を表します。

残気量(residual volume:RV):息をいっぱいに吐いたときに気道や肺の中に残っている空気の量を残気量といいます。これは、肺の中にあるけれども、呼吸には関係のない、「ムダな空気」の量を表します。

TLC=VC+RV という関係がありまして、
これをCOPD・肺気腫の病態に当てはめると、
•息を吐ききれない、息を吐ききったあとも空気が残る
  右矢印1 残気量が増加 = ムダな空気が増加する
•少しずつ吐ききれない空気がたまってきて肺が伸びる
  右矢印1 全肺気量の増加、過膨張、横隔膜平低化 = 肺が大きくなる

あわせると、「肺気腫になると、肺内にムダな空気が溜まり、肺がムダに大きくなる」と言えるかと思います。

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posted by 長尾大志 at 23:22 | Comment(0) | COPDポイントレクチャー

2024年11月15日

シン・COPD9 なぜ、気腫肺があると閉塞性障害になるのか?

前項で正常肺の素晴らしい仕組みを理解していただきましたが、気腫肺になると、この見事な機構が破壊されるために、閉塞性障害が起こります。

具体的には、タバコによって肺胞壁のプロテアーゼ(蛋白分解酵素)が活性化され、肺胞がほんの少しずつ「溶けてなくなる」ことで、肺の中に穴が開いてきます。これを「気腫」といいます。

気腫が進行すると、細気管支を支えていた肺胞(の壁に存在する弾性線維)が消失します。すると、呼気時に肺が収縮したときに、細気管支は支えを失い、ぺちゃんこに閉塞するのです。

このように気腫性病変によって、COPD患者さんは息を吸うのは吸えるが、吐くときに困難を感じる、つまり呼気時呼吸困難となるのです。

また、タバコによって気管支粘膜の炎症が生じ、気道分泌物・粘液の増加が起こります(気道病変)。加えて迷走神経を介したアセチルコリンによって可逆性に気道が収縮することでも気道閉塞の原因となります。

というわけで、COPDになると以下のような肺機能の変化が起こります。

•息を吐ききれない、息を吐ききったあとも空気が残る ⇒ 残気量が増加
•少しずつ吐ききれない空気がたまってきて肺が伸びる ⇒ 全肺気量の増加
•勢いよく吐こうとすると(すればするほど)気道が閉塞して吐けない ⇒ 1秒量、努力肺活量の低下

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posted by 長尾大志 at 12:32 | Comment(0) | COPDポイントレクチャー

2024年11月14日

モンブラン・補遺

先日偶々入ったファミレスBigBoyにて、「大俵モンブラン」を提供されていたため、モンブランの解像度が上がった今、食べないという選択肢はありませんでした。

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ペーストは多少の栗感がありますが、やはり少ないとも言える。でも絞りたてであることで、かなり風味的にアドバンテージがあるように思います。内部はなんとクレープに包まれたアイスクリームでした。

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アイスクリームは普通に美味しくて、周りにポン菓子?パフ?が散らされていて、歯触りもよく考慮されていると思います。ちょっとパフが湿気ていたのは残念でした。
まあまあボリュームはあり、コストも勘案するとこれはこれでありではないかと思います。

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posted by 長尾大志 at 14:19 | Comment(0) | 日記

令和6年度しまね地域医療支援センター主催による病院見学バスツアー第2回のお知らせ

本記事は学内向けの告知です。

しまね地域医療センター主催、1Day Bus Tourのお知らせです……といっても、すでに募集開始で大半の枠が埋まったらしいですが……。でもまだ大丈夫らしいですよ〜。

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前回のバスツアーレポートをご覧いただくとお判りいただけるように、なかなか普段入ることのできないような施設の見学であったり、地域の魅力を再発見できる体験であったり、そういったものを1日に詰め込んだ、完全無料の!バスツアー。センター太っ腹!!なので、繰り返しになりますが募集開始すぐに大半の枠が埋まっているとか。

12月6日(代休の金曜日)、1年生から3年生まで(それ以上でももちろんOK!)、急ぎお申し込みを!!

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posted by 長尾大志 at 10:56 | Comment(0) | 活動報告

2024年11月13日

医師国家試験対策講座「呼吸器」

昨今は授業つづきで、ずっとバタバタしております。昨日は午前中臨床実習前の「心得」みたいなお話と午後は国家試験対策講座「呼吸器」。今朝午前中は松江の医療専門学校で看護学生さんに講義。

臨床実習前の「心得」、皆さんにどの程度届いたのか、恐る恐るなんですが、感想を見ることができず、ひょっとして設定を間違えていたのか?と恐々としています。また確認します。

午後の国試対策は、思っていたよりもたくさんの学生さんにお越しいただきました!いろいろお話もできてよかったです。こんな感じでちょいちょい顔を合わせることも大事なんじゃないかなあ、と思いました。

都合があったりして聞き逃した方のために、動画ある分だけでもお示ししておきますね。スライドは代議員さんに共有いただいておりますし、(先日の「直前期の過ごし方メモ」も有効利用してください!)あと喀痰グラム染色のヤマ、早めに帰っちゃった人のために置いておきます。

これって「肺」炎?
https://youtu.be/X1WpYIUT7Og

臨床実習で見ておくべきモノ予想問題
https://youtu.be/Xj6z-y7FWyk

臨床実習で見ておくべきモノ予想問題2
https://youtu.be/I5kGis5qzE4

喀痰グラム染色のヤマ
https://youtu.be/sCsZQq_P8Qs

喀痰グラム染色のヤマ2
https://youtu.be/AyoYz5YnFJ8

看護学校さんでは、いろいろ工夫した結果、昨年より寝ている人が減って!好感触でした。なんとなく理解できた感がありますね。

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2024年11月12日

シン・COPD8 正常肺の素晴らしい仕組みを理解する

COPDになると、「閉塞性障害」になる。そう機械的に覚えていませんか? 機械的な記憶は、記憶が薄れてくると間違いの元。閉塞性と拘束性を間違えたり、所見を間違えたりとか。一度心の底から理解しておけば、間違いも減るというものです。

なぜ、気腫肺があると「閉塞性障害」になるのでしょうか。それを理解するためには、正常肺の素晴らしい仕組みを理解しなくてはなりません。

まず正常な呼吸を考えましょう。吸気時は、横隔膜や呼吸補助筋(吸息筋)が収縮することで、胸郭が外向きに引っ張られ、その結果、胸腔内の圧力が低下し、肺がふくらむことで空気が肺内に取り入れられます。呼気時には逆に、横隔膜はじめ吸息筋が弛緩し、伸びた肺が縮もうとする力(弾性収縮力)によって空気が押し出されます。

空気の出入りは気管〜気管支〜細気管支(気道)を通ってなされるわけですが、一番端っこの細気管支は直径が0.5 mmと、きわめて細いものです。肺の伸び縮みに伴って気道が容易に伸び縮みされるようでは、息を吐くときに気道がぺちゃんこになってしまって困るわけです。

でも安心してください、履いてますよ!人間の身体はうまくできています。呼気時に気道がぺちゃんこにならない仕組みがあるのです。気管〜太い気管支では軟骨の支えがあり、気道の形を保ちます。細い気管支では、周りの肺胞(の壁に存在する弾性線維)が常に少し縮もうとして、気管支を常に外向きに引っ張っています。

肺が縮むときには、常に縮もうとしている肺胞が縮むことで、肺胞内の空気が押し出され、気道の直径が保たれるのです。肺気腫が生じると、この見事な機構が破壊されるために、閉塞性障害が起こります。

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posted by 長尾大志 at 13:48 | Comment(0) | COPDポイントレクチャー

2024年11月10日

シン・COPD7 改めてCOPDの定義

というわけで?ちょっと急いでCOPDのお話をまとめる必要が出て参りましたので、少し挟んで参りたいと思います……といいますか、2年前にCOPDの話を始めたと思ったらナニカが挟まった、その続きということになります……てことでその7から再スタートです。


COPD(chronic obstructive pulmonary disease:慢性閉塞性肺疾患)とは、主にタバコ煙などの有害粒子を長期間吸入することによって生じる、閉塞性障害を呈する疾患です。病態は大きく分けて2つ。

@ 肺胞領域に炎症が生じ、その結果プロテアーゼ賦活、酸化ストレス等が引き起こされて肺胞隔壁が徐々に障害され、いつのまにか消失してしまうという気腫性病変。
A 気管支粘膜の炎症によって杯細胞や粘液栓の増生、分泌物・粘液の増加が起こる気道病変。

以前は@を肺気腫(気腫)、Aを慢性気管支炎、という病名で呼んでいましたが、いまではそれらを含んだ名称「COPD」が一般的に用いられています。気腫、という言葉は病理学の領域や胸部画像、特にCTで使われる用語として残っていて、気腫になった肺のことを気腫肺、といったりもします。

COPDと一口に言っても、気腫と気道病変は均等に生じるものではなく、気腫が優位なもの(気腫型)、気道病変が有意なもの(非気腫型)がありますが、日本人には気腫型が多く、典型的な身体所見や画像所見を呈するのも気腫型であることから、ここでは主に気腫型COPDのメカニズムについて説明します。

COPD(気腫型)には特有の身体所見、検査所見がある、とはいうものの、いちいち覚えるのは大変だし、覚え違いも多いものです。でも、「なぜ」そのような所見が見られるのかを理解すれば、さまざまな事柄をバラバラに覚える必要はありません。すべては「肺胞壁が徐々に破壊される」ことから有機的に理解できるのです。

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posted by 長尾大志 at 16:38 | Comment(0) | COPDポイントレクチャー