慢性好酸球性肺炎(chronic eosinophilic pneumonia:CEP)は、教科書を見ると急性好酸球性肺炎(AEP)とは別物、ということが強調されています。
イメージとして、AEPは「急な呼吸不全で、うっ血に似た画像所見」という臨床像であるのに対して、CEPは「器質化肺炎に似ていて、炎症の主体が(リンパ球の代わりに)好酸球」と考えるとわかりやすいと思います。
CEPは「慢性」という名前がついていますが、発症が比較的急性なものもあり、病初期にはAEPと画像でしか鑑別できないこともあります。臨床的には喫煙のエピソードが関係ないとか、呼吸不全が少ない、というあたりがAEPとの違いです。
画像所見では、古典的に言われている「逆肺水腫像」「逆バタフライ像」、つまり中枢でなくて末梢優位の浸潤影が特徴的です。
肺胞洗浄液の好酸球分画は、AEP同様増加しています。明確な診断基準はありませんが、30%をカットオフ値としてあることが多いようです。
診断は、要するに好酸球が増多していて(末梢血か肺局所で)、典型的な画像で、他疾患を除外できれば診断可能です。
治療はステロイドを用います。好酸球メインの炎症で、ステロイドがよく効きます。予後は良好ですが、「慢性」というだけに減量中に再燃したりします。
2025年03月05日
間質性肺疾患について、改めてまとめ28・その他のびまん性肺疾患 ❸慢性好酸球性肺炎(CEP)
posted by 長尾大志 at 20:58
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