これまでに述べた「無症状なら経過観察でもOK」「症状があっても針穿刺吸引でOK」というプラクティスは原発性自然気胸、すなわち若年男性に多い、基礎疾患や原因となる出来事のない気胸の場合です。
でも、特に高齢化が進んでいる地域医療の現場では、もはやそのような原発性自然気胸を診療する機会は少なく、COPDはじめとする肺疾患が基礎にあるような、続発性自然気胸を見る機会の方が多いわけです。
では続発性自然気胸の場合にはどうするのがよいか、といいますと、これは残念ながら、無症状の場合であっても保存的治療「経過観察」を推奨するだけの十分なエビデンスがない、ということになっています。また、有症状の場合に針穿刺吸引とドレナージを比較した質の高い論文もまだないようです。
これらの理由はおそらく続発性自然気胸の場合、エアリークが持続するケースが多いのではないか、と推察されますが、少なくとも初期治療に小口径 (8 Fr) の携帯型デバイスはトラブル(閉塞など?)が多く、これを使用しないことが推奨されています。