最近ありがたいことに献本を頂くことが多く、読書感想文も献本COIのあるものが多かったですが、こちらの書籍はCOIありません。ということで素直な感想を。
こちらの書籍は既に多くの先達の皆様が感想を書かれていて、自分の感想としてもおおよそそれらのものと同じようなところになります。T章は臨床診断から外来診療、そして治療に至るスキルの紹介、U章はジェネラリスト診療というものをどのように行うのが「卓越した」ものとなるのか、という実践法、V章はそれを実践する上で必要になってくる、チームと教育に関する考え方を教えていただきました。
藤沼先生の現時点での「ベストアルバム」という触れ込みでしたから、パラダイムシフトを起こされるような、思いもつかない新理論があったりするのだろうか、なんて思ったりしていましたが、いい意味で予想を大きく裏切られることはなく、かつ各々の考え方に裏付けとなる研究・論文が紹介されていて、今の理解がさらに深まるような読書体験でした。各々の根拠論文をきちんと読めばきっともっと理解が深まるだろう……と思いつつ読めておりませんが。
感想の中には「第T章はふんふんという感じだったが、U章〜V章で大きく衝撃を受けた」という記載も見かけましたが、自分的にはT章で家族図、家族療法、禁煙指導、リアシュアランス、小外科処置など勉強になることが多く、U章〜V章はいつもやっていることにラベリングをしていただいたような感じだったのでした。それだけ平素触れている「島根の総合診療」が卓越していることの証左であろうと思われます。