水曜日に行われた表記の会にて、ゲートタワーIGTクリニックの院長先生、堀 信一先生に「肺・縦隔腫瘍に対する経動脈的治療の試み」と題した講演を頂きました。
肺や縦隔の腫瘍に対する経動脈的塞栓術は、随分以前に一時多く試みられ、その効果と合併症の兼ね合いなどからなかなか難しく、広く一般に施行されることなく衰退してしまっている感があります。
しかし堀先生のご施設では、ここ10年間で格段の進歩を遂げたカテーテルデバイス、それに塞栓物質、薬剤を駆使され、私たちの持っていた印象を覆す、驚異的な治療例を見せて頂きました。
とにかく情熱がスゴくて、動脈をかなり細かく選択して、DSAをやった上にCTで染まりを確認、さらにspinal arteryへの流入を確認するためにキシロカインテストを行う、という、相当な手間をかけて緻密に施行されている塞栓術治療。
ケモで押すしかない内科医の治療とはひと味違う、大変印象的な事例の数々でした。
途中で引用されていた「エビデンスはなくとも患者さんのために最良と思われることをやる」という言葉に深く同意します。昨今のエビデンス至上主義では、このような治療の選択肢は上がってこないでしょうが、実際にいろいろな事例を見ると、こういうこともありなのか、もっと多くの施設でできれば、とも思います。
ではありますが、いや、であるからこそ、エビデンスの構築も是非お願いしたいものです。それにはやはり多くの症例が必要でしょう。今後ますますのご発展を念願するものであります。
2014年06月21日
この記事へのコメント
コメントを書く