やはり間に手を動かしたり頭を動かしたり口を動かしたり…、いろいろ挟みながらやらないと集中力が持ちませんねー。その場で復習のために問題を解いて頂くのはやはり有用だと思いますし、ちょっともう少し工夫できることを考えようと思います。
ちなみにセミナーの申し込みはこちら。
http://www.medica.co.jp/seminar/detail/131
さて今回のAセッションでは、消化器、内分泌・代謝、神経、アレルギー・膠原病、内科一般という領域の、日本における第1人者の先生方によるご講演を頂きました。例によって備忘のため、いくつかメモをとっておきたいと思います。
(メモここから)
- 胃癌やMALTリンパ腫以外に、ピロリ菌の持続感染によって、多様な疾患が発症することが知られている。特発性血小板減少性紫斑病・鉄欠乏性貧血・慢性蕁麻疹など。
- ピロリ菌は癌の発症に関わっているのではなく、できあがった癌の増殖を促進している。除菌によって5年間は癌の発症が抑制されるがその後は非除菌群と同じように発症してくる。日本人の胃癌の99%以上がピロリ関連であることは確かであるが、結局除菌のメリットは明らか、と言うのが難しくなってきている。
- IgG4関連疾患の治療にステロイドを使うが、中止で再燃が多い(3年で9割)ことから日本では少量ステロイドによる維持が勧められる。欧米では6ヶ月で止め、再燃時にアザチオプリン、リツキシマブを使っている。
- 極端な低糖質・低炭水化物ダイエットは、かえって耐糖能悪化を来す。
- HbA1c値はNGSPで7%未満を目標にする。
- SGLT2阻害薬はやっぱり夢の薬である。
- 降圧薬を使ってもなかなか血圧が下がらない場合、@腕が太すぎないか A服薬出来ているか B白衣高血圧 CNSAIDsなど血圧を上げる薬を内服していないかを確認する。
- それでもダメなら二次性高血圧の除外を考える。多いのは原発性アルドステロン症で、@低カリウム血症 A若年 BU度以上 C40歳以下で脳血管性障害 であればスクリーニングを行う。最近注目されている二次性高血圧の原因は睡眠時無呼吸症候群で、@顎が小さい A頸が短い B太っている 等があれば一考すべきである。
- 群発性頭痛は必ず片側である。
- 多発性硬化症はRAや炎症性腸疾患と同様のSNPsを持つ自己免疫性疾患であり、IFNβや分子標的薬が使われる。最近急増しているが、腸内細菌の偏倚が原因として考えられている。
- 抗リン脂質抗体症候群は、血栓傾向で動脈血栓(特に脳梗塞)を起こす唯一のものである。他のものは静脈血栓のみ。生命予後に関わり、再発が多い。ステロイドや免疫抑制薬は無効で抗凝固治療が中心。
- 抗リン脂質抗体症候群を疑うときは、@若年発症(50歳以下)血栓 ASLEに血栓が合併 B妊娠合併症、流産の既往 C血小板減少症。
- RAにMTXを2年以上使用すると、リンパ腫が発症する。EBV陽性となることが多く、節外病変が多い。MTXの中止で自然退縮するが、免疫抑制をかけると再発するのでその後は使わない。
(メモここまで)
あと、湘南鎌倉から京都府立医大に来られた太田先生のお話「高齢者には敬意を払うべし」は有り難いものでした。また若手に伝えていきたいですね。