■ 排痰補助装置の使用経験−呼吸器疾患患者の身体に与える影響−
概要
神経疾患や術後の方でよく使われている排痰補助装置(PULSAR)を呼吸器疾患症例8例に用いて使用前後の血圧・心拍数・SpO2測定と使用感・呼吸苦・喀痰の有無を評価した。結果、血圧・心拍数・SpO2 の変動に差はなかった。使用感として6例に呼吸苦を感じるものがあった。喀痰を確認できたものは1例であった。マスクタイプでは十分な説明を行っても、症例自身が器械の圧に抵抗してしまう傾向があった。使用後に有効な反応が確認されたのは6例であった。
所感
呼吸器疾患でも去痰困難の方は少なくありません。進行したCOPDや気管支拡張症、じん肺、NTMなどの症例では痰の産生が多いのに力が少なく、なかなか痰が出せない。そんなときに排痰補助装置が使えたら…とは思いつきますが、保険適応は神経筋疾患等、となっていてハードルは高そうです。
エビデンスを集積して認めて頂くために、どういった研究をしていったらいいか、そういう観点で考えると今後の展開は面白いと思います。まず上記のような痰の多そうな疾患を選択し、やせ形の、筋力が落ちていそうな症例で、数を多くして行く感じでしょうか。これまでにもそのような検討はなされているのか、文献的考察を頂きたいところです。
調べた範囲では、神経筋疾患における研究はたくさんあるのですが…。COPDはchestで見つけました。SpO2とBorgスケールで、改善効果があったらしい。
2014年10月08日
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