2015年02月25日

早わかり動脈血ガスの見かた13・代謝性アシドーシスの原因を鑑別する3・アニオンギャップが増加するとき、しないとき

■ AGの増加を伴う

AGが増えてくるときに増加していると考えられる酸は、乳酸、ケトン体、リン酸、メタノールなどがあります。


ということは、代謝性アシドーシスのうち、上に挙げたような、酸が増えてくる病態であるとAGが増加する、ということで、AGが増加しているかどうかは代謝性アシドーシスの原因を考える上で役立つのです。


AGが増加するものを増えている酸ごとに分類すると、以下のようになります。

  • 敗血症・乳酸アシドーシス:乳酸

  • 糖尿病性ケトアシドーシス:ケトン体

  • 飢餓状態:ケトン体

  • 尿毒症:リン酸

  • 中毒:メタノールなど




逆に言いますと、代謝性アシドーシスで、AGの増加を確認したら、上の病態を鑑別していくことになります。それらの鑑別はやはり病歴、病態を確認します。いずれも病歴をきちんと聴取できれば診断、判断できるものが多いですね。



■ AGの増加を伴わない

代謝性アシドーシスではHCO3-が減少しているわけですから、AGが増加しない場合にはCl-が増加するはずです。


AG=(Na+)−{(Cl-)+(HCO3- )}ですからね。


この場合多いのは、HCO3-が失われて相対的にCl-が増加したパターン。以下のようなことが考えられます。


下痢:消化液とともにHCO3-が失われる
尿細管アシドーシス:尿細管でのHCO3-再吸収が障害される


それ以外にはCl-を含む酸を投与しても起こりますが、数は少ないです。


酸塩基平衡〜アシドーシス・アルカローシス

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