2015年03月05日

早わかり動脈血ガスの見かた19・まとめ4

■ 7.350〜pH〜7.450:正常範囲

pHが正常範囲の場合、そう慌てる必要はありませんが、何が起こっているのかを評価しておきます。


・PaCO2、HCO3-共に正常→正常な血ガス分析結果、ということで終了。



・PaCO2、HCO3-が動いている場合

PaCO2>45⇒呼吸性アシドーシス かつ HCO3- >26⇒代謝性アルカローシス


の場合、どちらがどちらを代償しているのか、病態を考えます。多くの場合は、既に治療が始まっていて、pHが正常化している、ということになりますが、評価の練習をするために、


● 呼吸性アシドーシスになる要素

  • 肺にCOPDなどの基礎疾患がある

  • 側彎や神経筋疾患など、換気の減る疾患がある

  • PaO2の低下が見られる




● 代謝性アルカローシスになる要素

  • 利尿薬

  • 嘔吐

  • 低カリウム血症




逆の

PaCO2<35⇒呼吸性アルカローシス かつ HCO3- <22⇒代謝性アシドーシス


の場合も考え方は同様です。


● 呼吸性アルカローシスになる要素

  • PaO2の低下が見られる

  • 情動変化、疼痛の存在

  • 薬剤摂取歴




● 代謝性アシドーシスになる要素

  • (AGの増加)敗血症

  • 循環不全

  • 糖尿病性ケトアシドーシス

  • 飢餓状態

  • 尿毒症

  • 各種中毒

  • (AGの増加なし)下痢

  • 尿細管アシドーシス



酸塩基平衡〜アシドーシス・アルカローシス

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