pHが正常範囲の場合、そう慌てる必要はありませんが、何が起こっているのかを評価しておきます。
・PaCO2、HCO3-共に正常→正常な血ガス分析結果、ということで終了。
・PaCO2、HCO3-が動いている場合
PaCO2>45⇒呼吸性アシドーシス かつ HCO3- >26⇒代謝性アルカローシス
の場合、どちらがどちらを代償しているのか、病態を考えます。多くの場合は、既に治療が始まっていて、pHが正常化している、ということになりますが、評価の練習をするために、
● 呼吸性アシドーシスになる要素
- 肺にCOPDなどの基礎疾患がある
- 側彎や神経筋疾患など、換気の減る疾患がある
- PaO2の低下が見られる
● 代謝性アルカローシスになる要素
- 利尿薬
- 嘔吐
- 低カリウム血症
逆の
PaCO2<35⇒呼吸性アルカローシス かつ HCO3- <22⇒代謝性アシドーシス
の場合も考え方は同様です。
● 呼吸性アルカローシスになる要素
- PaO2の低下が見られる
- 情動変化、疼痛の存在
- 薬剤摂取歴
● 代謝性アシドーシスになる要素
- (AGの増加)敗血症
- 循環不全
- 糖尿病性ケトアシドーシス
- 飢餓状態
- 尿毒症
- 各種中毒
- (AGの増加なし)下痢
- 尿細管アシドーシス
酸塩基平衡〜アシドーシス・アルカローシス