2015年07月12日

第85回日本呼吸器学会近畿地方会見聞録

昨日行われた第85回日本呼吸器学会近畿地方会でもいろいろと勉強に励んで参りましたが、中でも間質性肺炎に関するランチョンセミナー(自治医科大学呼吸器内科 板東先生)と教育講演(国立病院機構姫路医療センター 河村先生)を興味深く拝聴しました。


ランチョンではこれまた噂レベルであったニンテダニブがいよいよ承認された、とのことで、各種試験の結果を教えて頂きました。昨日も書きましたが、これから出てくる、こういう革命的な新薬は、どうしても薬価の問題を避けて通れなくなるところがありそうです。今回は薬価に関する言及はなかったように思いますが、どう考えても安くなるとは思えません。


まさに○○の沙汰も○次第、1人の人の予後を○ヶ月延長するのに○千万円かかります。その負担は○人で割ってください、という時代は多分そう遠くない将来やってきます。今はまだ割る人数が多いからやっていけてますけど、この患者さん1人にかかる薬価、締めて6ヶ月2千万円を4人で負担してください、と言われてニコニコ払えますか、ということです。どこまでだったら許容されるのか。線を引けるのか。国民、いや、世界人類の全てが考えなければならない時代はすぐそこです。


河村先生のお話は、やはり間質性肺炎診療の難しさを教えて頂けました。とにかく難しいです。自分的には、「やさしイイ呼吸器教室」の理解に大間違いがないこと、初心者向けによくできているなあ、ということを再確認できてよかったですが。

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posted by 長尾大志 at 16:31 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録
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