肺胞壁が破壊されることで、肺内に空気のカタマリ(気腫)が出来る、さらに不要な空気が肺内にたまってくるということで、換気がだんだん不均一になってきます。つまり、スンナリ換気される箇所となかなか空気が出て行かない場所ができてくる、ということです。
それから、気道の閉塞・狭窄も不均一。また、肺胞の破壊に伴って肺胞壁に存在する血管も破壊されてきます。この破壊のされ方も不均一であり、まあ、結果、換気と血流はミスマッチとなるのです。その結果、A-aDO2が開大し低酸素血症となります。
肺胞壁に存在する血管の破壊という意味で、肺血管床の減少という言葉が使われます。床、という字がありますが、毛細血管を広げると広大な面積になる、そういうニュアンスを表した字なのでしょうか。
要するに肺胞壁に存在する毛細血管が減った、ということですが、このために拡散障害が起こります。拡散障害は、要は肺胞に入った酸素がどれだけ赤血球内にに拡散したか、これを検査で見ているわけですが、間質性肺炎や肺水腫の時のように肺胞が分厚くなる、という機序以外に、肺胞の表面積が減る、肺の毛細血管血液量が減る、という機序でも測定上は低下するのです。
そういうわけでCOPDでは低酸素血症と拡散障害が起こります。
やさしイイ血ガス・呼吸管理
2015年07月13日
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