2015年10月07日

症例検討クイズ1・急性呼吸不全・症例提示

紆余曲折を経ておりますが、ようやく人工呼吸器導入時の症例検討を始めることが出来ます(たぶん)。ただ、救命救急の場において、人工呼吸器のセッティングは唯一絶対の正解がある、というものではありません。あるのは「こうするのは妥当か」という判断だけです。ですのであくまで、私たちはこういう感じで考えていく、という考えの実例として、ご自分の考えをまとめる助けにして頂ければと思います。



症例は50歳代女性、主訴は呼吸困難。気管支喘息に対して7年前より某病院で治療通院中であった。 1週間ほど前より倦怠感があったが医療機関を受診していない。昨夜38℃の発熱あり、本日午前に某病院救急外来受診(walk in)。来院時は収縮期血圧90mmHg台、SpO2(室内気)92%であり、肺炎との診断で同病院で入院を予定していた。しかし、来院して1時間経過したところ、血圧低下、意識混濁認め、ショック状態となり、当院での集中治療依頼あり、同日13時半当院救急転送となった。

ill contactなし 

【既往歴】
気管支喘息
手術歴なし

【内服薬】
ステロイド吸入薬
発作時にプレドニン5mg 4T/day×4day頓用として内服

【喫煙歴】
なし

【アレルギー】
薬物・食物ともになし 

【Vital signs 】
BT 36.3℃ Pulse 102/min sinus BP 60/37mmHg SpO2(O2 8L/min リザーバー)89%→O2 12Lでも90%、呼吸数: 30回/分

身長:147cm 体重54kg
ADL自立(母親と二人暮らし)
末梢冷感あり
口腔内きれい
呼吸音:右肺野優位にcrackles聴取 wheezeなし


胸部X線写真

初診時XP.jpg


やさしイイ血ガス・呼吸管理

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posted by 長尾大志 at 16:40 | Comment(0) | やさしイイ血ガス・呼吸管理
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