2016年04月11日

徒然なるままに、第56回日本呼吸器学会学術講演会を振り返る

今回、臨床実習のタイムスケジュールに幅を持たせて融通がきくようになり、2日間の参加が可能となりました。おかげさまで割としっかり勉強出来たと思います。


症例検討会に参加してみました。でも、呼吸器学会でやる症例検討会、って、やっぱりああなっちゃいますよね。専門医向けにすると、マニアックになっていくわけで、病理の先生が「よくわかりません」、という症例が「面白い」症例なのか、という問いが残るわけです。


今後、「面白い」症例検討会、とはどういうものなのか、自分なりに考える手がかりにはなります。ハイ。考えていきます。



MRSAと緑膿菌感染症について、単に痰に「MRSAが見られた」「緑膿菌が生えた」からといって、それがMRSA感染症・緑膿菌感染症とは限らない、なので、抗MRSA薬、抗緑膿菌薬を使わなくてはならないとは限らない、というお話、昨今多くのデータが蓄積されてきています。


この話も学会の、上の方のレベルになると、権威の先生方の間に温度差が出来るところは興味深いですねー。COIの温度差、でもあるのでしょうか。


COI的な話でいうと、ニボルマブ(オプジーボレジスタードマーク)関連でお話をされていた先生方のCOI感もなかなかのものでした。薬価の話が問題、そこまではいいのですが、すべて患者さん個人の負担の話になっていて、保険制度や「国家」がどこまでまかなえるのか、という観点が全くなかったのには驚きました。後世の人々に申し開きが出来るのでしょうか。心配です。


IGRAs(IGRA)に関しては、日本の有病率と感度、特異度の考え方を学びました。結論としては、「IGRAは陰性のときにのみ意味がある」ということがよくわかりました。まあ、若い人の陽性は、ある程度マークする必要があると思いますが、そもそも取るべきかどうか、という議論もありますね。



あと気づいたのは、会場の割り振りがうまくいっていない感です。まあ、国際会館自体の造りの問題かもしれませんが、大きな会場はとことん大きく(1,800席)ガラガラで、200席レベルの会場があふれかえっているのと好対照でした。その割り振りも、COI感を感じるものでしたし。

トップページへ

posted by 長尾大志 at 20:29 | Comment(2) | 学会・研究会見聞録
この記事へのコメント
長尾先生、私も2日間呼吸器学会に参加してきました。去年は東京でこメディカルの研修を受けましたが、今年は残念ながらエントリーが遅く、参加できませんでした。でも先生方の難しいお話の中にも興味ある部分を拝聴したり、先生方の日常のご苦労の一端を感じさせていただきました。
先生もおっしゃっていましたが、会場の割り振りには疑問がたくさんありました。
来年はまた東京なので、また・・・とは思っています。
Posted by 高木 かすみ at 2016年04月13日 20:45
京都まで来ておられたのですね。素晴らしい行動力!私は東京であるとサボりがちなのでいかんです。高木さんを見倣います。
Posted by 長尾 大志 at 2016年04月15日 23:33
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。