2016年07月08日

オフェブ 滋賀エリアセミナー

昨日は標記のセミナーに参加して参りました。


まあタイトルの通り、とあるメーカーさん主催の会ではあったのですが、特発性肺線維症、間質性肺炎の第一人者であられる、公立陶生病院の近藤先生が来られる、ということで万難を排して参加して参りました。とはいえ、第16回BRONCHOのあとでしたので、いささか遅刻しましたが…。


それはさておき、やはり多数例の経験をお持ち、かつ、最新の知見を数多くご存じの先生ですから、お話を大変面白く拝聴することが出来ました。


個人的に特発性肺線維症(IPF)の診療にはいろいろな面で困難を感じているのですが、その困難感を言語化して頂いて、かなりスッキリしました。私のような凡人には、この「言語化」が難しいのです。


多くのエビデンスがあって、その結果「やっぱりこうだ」というところもあるのですが、それを一言にまとめることが出来れば、多くの非専門医の先生方のお役に立つのではないか、とも思いました。でも、文献が多すぎて、まとめるのは大変だなあ…。



伺ったことで、大事なことを備忘的にメモしておきます。


  • IPFの診断は難しい。

  • IPFの進行速度にはかなりの幅がある。

  • %FVCの低下度合いが大きくなると、予後は不良である。

  • 当初ほとんど陰影がなく、陰影変化がない症例でも、蜂巣肺(HC)が出だしてIPFと後になって診断出来る例も多い。

  • しばしばfNSIPと鑑別困難なIPFが経験される。

  • fNSIPならステロイド+免疫抑制薬、IPFなら抗線維化薬であり、逆はほぼ禁忌と言ってもいいので、鑑別困難だとしばしば悩ましい。

  • 大事なことは経過観察と評価。ある診断、根拠で治療を開始しても、経過が想定と合わなければ方針を変更する必要もある。

  • 病理医の間での意見の不一致はかなり深刻である。Dr. Wells曰く”Miserable!”

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posted by 長尾大志 at 16:17 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録
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