2016年08月03日

第48回日本医学教育学会大会見聞録2・「最近のRA診療」

大阪医科大学の槇野茂樹先生によります「最近のRA診療」、備忘のため、「そうだったのか!!」と思った点をシェアしたいと思います。槇野先生のご講演はスライドの内容が盛りだくさんで、かつパッパッと送って行かれるので、メモが大体間に合いません。ですから本当に抜き書きになります。それでもありがたいお話なのです。


(ここから、講演内容を含みます)
・2000年以前と以後ではリウマチ診療が劇的に変化した。その立役者はMTX。MTXが出る前にはリウマチは不治の病で、平均寿命も短かったが、MTXでコントロールが可能になった。


・RAによる関節破壊は、以前思われていたよりも早期から着々と進行していることがわかった。すなわち、早期の診断・治療介入が必須であることが明らかになった。


・そのため、2010年のRA新分類基準は、原理主義的に「正しくRAと診断」することでなく、「MTXを使ってもいい関節炎を早く囲い込む」ことを主眼に作成された。


・「朝のこわばり」は特徴的ではあるが、他の疾患でもみられ、すごく特異的とは言えない。


・RAは滑膜の疾患である。したがって、「動く関節」がやられる。DIPには生じずPIPに生じるのはそれで理解出来る。


・OAは重みのかかる荷重関節がやられる。


・現在では、RA患者さんのおよそ60%が寛解、10−20%が低活動性と見込まれている。


・ただし、寛解になったからといって、特に生物学的製剤を止めるのかどうか、これは統一見解がなく難しい問題である。


・RAの死亡原因として、日本人はやはり肺病変が多い。欧米?人は心血管障害が多い。


・RA-UIPは怖い。RA-NSIPは怖くない。

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posted by 長尾大志 at 18:14 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録
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